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更新日:令和5(2023)年10月24日
ページ番号:335942
心臓弁膜症の手術治療について教えてください。
基本的には、内科的治療によっても心不全等の症状が安定しない場合や、また、症状が軽い場合でも左室の収縮力が低下傾向にある場合、弁の狭窄度や逆流が高度でありそのままでは危険性があると判断された場合等が手術の適応となります。
心臓の弁は、房室弁である三尖弁、僧帽弁、動脈弁である肺動脈弁、大動脈弁からなります。
このうち、おもに手術適応となるのは、左心系の弁である僧帽弁、大動脈弁の疾患です。具体的には、閉鎖不全症では心エコーや心臓カテーテル検査における逆流の程度、狭窄症では弁口面積の狭さ等が手術を決定する客観的な指標となりますが、それ以外でも労作時の呼吸困難等の心不全症状を有するかどうか、検査上心機能の低下傾向を認めるかどうか、また、患者さん自身の生活の内容(日常労作の程度など)を参考に総合的な判断をすることになります。
手術の手段も最近では多くの選択枝があり、大きく分けると弁を人工弁に取り替える弁置換手術及び自己弁を温存する弁形成手術になります。
人工弁にはカーボン素材でつくられた機械弁と動物(ウシ、ブタ)の組織でつくられた生体弁があります。人工弁の種類の選択は、原則として60~70歳以上の高齢者や妊娠、出産の可能性のある女性には生体弁を使用するのが一般的です。機械弁は生体弁に見られるような弁自体の構造劣化がなく長持ちする弁といえますが、抗凝固療法としてワーファリンを内服する必要性があり、出血のリスクを増大させます。
弁形成術は、原則的には抗凝固剤等の内服も必要なく、人工弁に比べて手術後の生活の質がより良く保たれるすぐれた方法です。この方法が可能かどうかは患者さんの弁の病変の状態により判断されますが、特に変性性の僧帽弁閉鎖不全症の患者さんでは第一に選択される方法となっています。
最近では胸の真ん中を切開する方法ではなく、右胸を小さく切開して手術するMICS(小切開心臓手術)や、カテーテルで大動脈弁を治療するTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)というやり方も行われており、以前より体の負担が減っています。
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