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更新日:令和5(2023)年4月21日

ページ番号:23631

答申第72号

答申第72号

平成19年9月19日

千葉県知事様


千葉県個人情報保護審議会

会長原田三朗

 

異議申立てに対する決定について(答申)

平成18年8月21日付け政法第149号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成18年7月20日付けで異議申立人から提起された、平成18年7月7日付け政法第127号で行った自己情報不開示決定に係る異議申立てに対する決定について


諮問第62号

答申第72号

審議会の結論異議申立ての経緯異議申立人の主張要旨実施機関の説明要旨審議会の判断審議会の処理経過

1.審議会の結論

千葉県知事(以下「実施機関」という。)が平成18年7月7日付け政法第127号で行った自己情報不開示決定(以下「原処分」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

実施機関の判断は妥当である。

2.異議申立ての経緯

異議申立人は、平成18年6月29日付けで実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「○○町が介護保険法の通所介護事業を一般会計で処理していることについての見解が県市町村課が△年△月△日付市△△号の行政文書内で『通所介護事業については、特別法である介護保険法に基づき実施されているものであり』としているのに対して県保険指導課が□年□月□日付保指□□号の行政文書で『(その根拠となるものが)臨時特例交付金及び介護保険特別会計に係るQ&Aについて(平成12年1月11日付け事務連絡)』から一般会計で処理できるとしているが、どちらの見解がちがっているのかについてわかる一切の書類(●年●月●日付厚生労働省発老●●号行政文書開示決定通知書も含む)」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

なお、異議申立人は「どちらの見解がちがっている」ことの根拠として、市町村課から異議申立人あての千葉県情報公開審査会答申の通知文書である「△年△月△日付市△△号の行政文書」、保険指導課から異議申立人あての行政文書開示決定通知書である「□年□月□日付保指□□号の行政文書」、及び厚生労働省から異議申立人あての行政文書開示決定通知書である「(●年●月●日付厚生労働省発老●●号行政文書開示決定通知書」を掲げている。

本件請求に対して実施機関は、「開示請求に係る個人情報を保有していない(開示請求に係る行政文書を作成又は取得していない)」として原処分を行ったため、異議申立人は、平成18年7月20日付けで実施機関に対して異議申立てを行ったものである。

3.異議申立人の主張要旨

(1)異議申立ての趣旨

原処分の取消しを求めるものである。

(2)異議申立ての理由

概ね以下のとおりである。

ア実施機関は、●年●月●日付厚生労働省発老●●号行政文書開示決定通知書を保有していながら、不開示決定通知書には保有していないと、故意に虚偽記載した。

イ原処分は、県が、国補助金を○○町に不正受給させている事実を隠ぺいしようとしている現状を明らかにしている。こうした違法行為を組織的に隠ぺいするため、各担当課は、存在する行政文書を隠している。

4.実施機関の説明要旨

政策法務課は介護保険法に関する事務は所掌しておらず、市町村課の行政文書(△年△月△日付市△△号)及び保険指導課の行政文書(□年□月□日付保指□□号)も保有していない。さらに、県の行政組織上の事務分掌として他課の事務の適否を評価することはなく、市町村課及び保険指導課のどちらの見解が違っているかについて分かる行政文書を作成、取得、保有することはない。

本件請求における「開示請求をする自己の個人情報の内容」では、「●年●月●日付厚生労働省発老●●号行政文書開示決定通知書」を含むとされているが、これは、異議申立人が国に対して行った行政文書の開示請求に対しての決定通知書であり、市町村課及び保険指導課のどちらの見解が違っているのかについてわかる書類に該当しないことは明らかである

5.審議会の判断

(1)本件請求の内容について

本件請求は、自己情報開示請求書の記載内容、同請求書に「(政法センター分)」「(政法法務室分)」と表記されていること、実施機関の説明及び異議申立人の主張の内容から判断すると、その実質において、○○町の介護保険事業の財源に関する市町村課と保険指導課の見解の相違について言及した、政策法務課が保有する行政文書を求めているものと思われる。

(2)自己情報該当性について

条例第15条第1項によれば、「何人も、実施機関に対し、行政文書に記録された自己の個人情報の開示の請求をすることができる。」としている。

ここで言う「個人情報」とは、条例第2条第1号の規定によれば「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)」とされている。

そこで、本件請求の対象を検討すると、前述のとおり「市町村課と保険指導課の見解の相違について言及した行政文書」を求めているが、これは特定の個人を識別できるものではなく、個人情報に該当しないことは明らかである。

開示請求の対象が個人情報に該当しない場合は条例第21条第2項による不開示決定を行うこととされており、原処分はその結論においては妥当である。

(3)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

異議申立人及び実施機関双方のその他の主張は、原処分の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

なお、審議会としては、本件のように請求対象が個人情報に該当しない開示請求は、条例第15条第1項に基づく「自己の個人情報」の開示請求に当たらず、個人情報保護制度の趣旨を逸脱したものと考える。

したがって、自己情報の開示請求そのものが成立していないとして却下することが相当である。

6.審議会の処理経過

審議会の処理経過は別紙のとおりである。


別紙

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成18年8月21日

諮問書の受理

平成18年9月29日

実施機関の理由説明書受理

平成19年2月2日

異議申立人の意見書受理

平成19年4月16日

審議(第152回審議会)

平成19年5月21日

審議(第153回審議会)

平成19年6月18日

審議(第154回審議会)

平成19年7月23日

審議(第155回審議会)

平成19年9月10日

審議(第156回審議会)

 


 

答申第72号(平成19年9月19日付け)(PDF:77KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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