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更新日:令和5(2023)年4月28日
ページ番号:23601
答申第133号
平成25年9月24日
千葉県公安委員会委員長
福田康一郎様
千葉県個人情報保護審議会
会長土屋俊
審査請求に対する裁決について(答申)
平成24年5月9日付け公委(会)発第4号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。
記
平成24年4月1日付けで審査請求人から提起された、平成24年3月15日付け会発第243号で行った自己情報部分開示決定に係る審査請求に対する裁決について
諮問第109号
|1.審議会の結論|2.審査請求の経緯|3.審査請求人の主張要旨|4.諮問実施機関の説明要旨|5.審議会の判断|6.審議会の処理経過|
千葉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成24年3月15日付け会発第243号で行った部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。
実施機関の判断は、妥当である。
(1)審査請求人は、平成24年3月6日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「H23年4月7日付公委(会)発第3号『理由説明書について』の起案書類一式」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。
(2)本件請求に対し実施機関は、対象文書を「行政文書部分開示決定通知書に対する審査請求の諮問に伴う情報公開審査会への理由説明書の提出について」(平成23年4月27日付け公委(会)発第3号。以下「本件文書」という。)と特定した上で、その不開示部分は条例第17条第2号及び第6号に該当するとして本件決定を行った。
(3)本件決定に対し審査請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により、実施機関の上級行政庁である千葉県公安委員会に対し、平成24年4月1日付けで本件決定の取消しを求め、審査請求を行った。
(4)これを受けて、条例第46条第2項に規定する諮問実施機関として千葉県公安委員会(以下「諮問実施機関」という。)は、同条第1項の規定により、平成24年5月9日付け公委(会)発第4号で審議会に諮問した。
(1)審査請求の趣旨
「本件決定を取消す。」との裁決を求める。
(2)審査請求の理由
規則がデタラメである。行政文書と司法文書をゴッチャ混ぜにして取扱っている。
(1)対象文書の特定について
実施機関が保有する本件文書を対象文書として特定した。
(2)対象文書について
ア理由説明書提出の発端となる行政文書開示請求について
(ア)審査請求人は、平成22年4月6日付けで実施機関に対して千葉県情報公開条例(平成12年千葉県条例第65号。以下「情報公開条例」という。)第7条第1項の規定により、「1.県監査委員へ提出した平成20年度不正会計処理にかかる調査結果報告書(様式1~4含む)2.県特別監察室へ提出した平成15~20年度不正会計処理にかかる調査結果(様式1~5含む)」の開示請求を行った。
(イ)実施機関は、上記ア(ア)の開示請求に対して、平成22年12月10日付け会発第1098号で部分開示決定(以下「処分1」という。)を行い、平成23年1月24日付け○○警発第21号で部分開示決定(以下「処分2」という。)を行った。
イ行政文書部分開示決定に対する審査請求について
(ア)審査請求人は、処分1及び処分2のうち、警部補以下の警察官又は警部補相当職以下の警察官以外の警察職員の氏名を不開示とした部分を不服として、平成23年2月7日付けで諮問実施機関に対して、処分1及び処分2の取消しを求めて審査請求を行った。
(イ)諮問実施機関は、上記イ(ア)の審査請求について、平成23年3月9日付け公委(会)発第1号で千葉県情報公開審査会(以下「情報公開審査会」という。)に諮問した。
(ウ)情報公開審査会は、上記イ(イ)の諮問について、平成23年3月29日付け公開審第86号で諮問実施機関に対し理由説明書の提出を依頼した。
(エ)諮問実施機関は、上記イ(ウ)の依頼に対し、平成23年4月27日付け公委(会)発第3号で情報公開審査会に対し理由説明書を提出した。
ウ本件文書の内容
上記イ(エ)において、実施機関の担当課である千葉県警察本部総務部会計課が、諮問実施機関の事務の補佐として作成した、諮問実施機関の決裁を受けるための決裁用起案用紙、情報公開審査会委員長宛ての送付書(案)、送付書の写し及び理由説明書である。
(3)不開示部分及び理由について
ア起案用紙の「係長の印影」
(ア)条例第17条第2号の該当性について
印影については、社会通念上、氏名と一体のものとして使用されており、氏名と同一視又はこれに準じて取り扱われるべきものと考えられている。当該情報は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができることから、本号本文に該当するのは明らかである。
(イ)千葉県個人情報保護条例第17条第2号ハの警察職員を定める規則(平成17年千葉県規則第65号。以下「警察職員規則」という。)の該当性について
条例第17条第2号本文は、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの」について、原則不開示としている。もっとも、同号ただし書ハでは、当該個人が公務員である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該公務員の職、氏名及び当該職務の遂行に係る部分を開示することを規定した上で、その括弧書きにおいて、「警察職員であって規則で定めるものの氏名を除く。」と定めている。これを受け、警察職員規則は、不開示とすべき警察職員を、第1号及び第2号で規定する。
本件情報は、「警部補以下の階級に相当する職にある警察官以外の職員」(第2号)に該当し、不開示となる。
イ起案用紙の警察電話番号の条例第17条第6号の該当性について
起案用紙の中で、不開示とした「警察電話番号」は、開示することにより、関係者から抗議を受けるなどの、当該内線電話の開設目的とは異なる架電を誘発するとして、会計監査事務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報に該当するため、当該箇所を不開示とした。
(4)本件決定の妥当性について
ア審査請求人は、「規則がデタラメである。」と主張する。
審査請求人の主張は、警察職員規則が誤っているという判断があると思料されるが、実施機関は、開示請求に対して条例、情報公開条例及び警察職員規則の規定に基づき、適正に事務処理を行っている。
イまた、審査請求人は、「行政文書と司法文書をゴッチャ混ぜにして取扱っている。」と主張する。
これについても、実施機関は、対象文書を「個人情報が記録された行政文書」として、条例及び警察職員規則の規定に基づき、適正に事務処理を行い、開示決定に係る手続を行っている。
ウよって、審査請求人の主張は妥当性を欠くものであり、審査請求人の主張は認められるものではない。
(1)本件請求の対象文書について
本件請求の対象文書とされる本件文書は、実施機関による行政文書部分開示決定に対する審査請求人の審査請求に係る手続において諮問実施機関が情報公開審査会に理由説明書を提出した際の、起案用紙、鑑文(案)、理由説明書及び鑑文の写しである。
(2)不開示情報について
本件文書における不開示情報は、次のとおりである。
ア起案用紙中、決裁欄における係長の印影
イ起案用紙中、「所属・職・氏名」欄における内線番号
(3)決裁欄における係長の印影について(上記(2)ア)
ア実施機関は、上記(2)アの情報が条例第17条第2号及び警察職員規則に該当することを理由として不開示としている。
イまず、条例第17条第2号本文は、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの」(前段)及び「識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの」(後段)を、原則として不開示とする。
当審議会において見分したところ、上記(2)アの情報は、警察職員の姓を刻した印影であり、開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものであるので、同号本文前段に該当する。
ウ次に、条例第17条第2号ただし書は、イからニまでのいずれかに該当する情報については、同号本文に該当するものであっても開示するものとする。
(ア)ただし書ハの該当性について
条例第17条第2号ただし書ハは、「当該個人が公務員等…である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該公務員等の職及び氏名」を開示することを規定する。もっとも、その括弧書きにおいて、「警察職員であって規則で定めるものの氏名を除く。」とし、これを受けた警察職員規則が不開示とすべき警察職員を「警部補以下の階級にある警察官」(第1号)及び「前号の階級に相当する職にある警察官以外の職員」(第2号)と規定している。
これについて確認したところ、上記(2)アの情報は、警察官以外の職員の氏名であり、かつ、当該職員は、警部補以下の階級に相当する職にある。よって、本情報は、警察職員規則第2号に該当するため、条例第17条第2号ただし書ハには該当しない。
(イ)ただし書イ、ロ及びニの該当性について
上記(2)アの情報については、条例第17条第2号ただし書イ、ロ又はニに該当する事情があるとも認められない。
エしたがって、上記(2)アの情報については、不開示が相当である。
(4)「所属・職・氏名」欄における内線番号について(上記(2)イ)
ア実施機関は、上記(2)イの情報が、開示することにより、関係者から抗議を受けるなどの当該内線電話の開設目的とは異なる架電を誘発し、会計監査事務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、条例第17条第6号に該当することを理由として不開示としている。
イ本号は、県の機関や他の地方公共団体等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものは不開示とすることを定めたものである。かかる趣旨から、本号柱書きの「当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」の有無は、事務又は事業の根拠となる規定・趣旨に照らし、客観的に検討して判断することが必要である。
ウこれについて当審議会で見分したところ、上記(2)イの情報は、本件文書を担当する警察職員に割り当てられた警察電話番号である。
警察電話は、本来的に機密性が要求される警察業務の特殊性から、内部でのみ利用することを目的として設置された警察独自の情報通信網の一つであり、その番号は同通信網構成上の固有情報である。そうすると、これが開示されることにより警察業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ、会計監査事務もかかる警察業務の一つであることに変わりはない。
エしたがって、上記(2)イの情報については、不開示が相当である。
(5)結論
以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。
審査請求人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。
審議会の処理経過は下記のとおりである
審議会の処理経過
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成24年5月10日 |
諮問書の受理 |
平成24年6月22日 |
諮問実施機関の理由説明書受理 |
平成25年6月13日 |
審議(第221回審議会) |
平成25年7月11日 |
審議(第222回審議会) |
答申第133号(平成25年9月24日付け)(PDF:117KB)
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