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更新日:令和5(2023)年4月21日
ページ番号:23629
答申第70号
平成19年4月26日
千葉県知事堂本暁子様
千葉県個人情報保護審議会
会長原田三朗
千葉県がん登録事業に係る個人情報の本人収集の原則の例外及び目的外提供について(答申)
平成11年9月3日付け保予第901号で諮問のありましたこのことについて、下記のとおり答申します。
記
別紙
事業は、千葉県内におけるがん患者等やがん死亡者の登録を実施し、がんの罹患の実態を把握することにより、がん対策推進上の基礎資料とし、本県のがん医療水準の向上及び県民の健康増進に寄与することを目的とするものである。
事業において収集する個人情報(届出票)をがん患者等の本人から収集することは、通常は困難である。
また、がん患者等や家族の同意を得て収集することに限定すると、事業の公益性が必ずしも正確に理解されないこと等により収集率が低下し必要な量の情報が収集できないおそれがあるのみならず、情報の内容に偏りが生じ罹患実態等の正確な把握ができないおそれがある、という実施機関の主張には、その可能性が認められる。
実施機関は、がん患者等が、事業により作成される千葉県がん登録(以下「がん登録」という。)に自己の個人情報が登録されることを拒む(以下「登録拒否」という。)場合は、個人が識別される形では情報を収集又は登録せず、また、がん患者等が、がん登録に登録された自己の個人情報(以下「登録情報」という。)の削除(以下「登録削除」という。)を申し出た場合は、その登録情報から個人が識別される部分を削除する仕組みを設ける、としている。
事業における個人情報の保護措置に問題があるとは認められない。
(1)届出票を提出した医療機関等に対し、がん患者等が転院・退院した後の当該がん患者等に係る情報(以下「予後情報」という。)を提供することは、当該医療機関等における検診の見落とし状況や治療の適否を自己評価することに関し公益性が認められる。
(2)事業を実施する他県との間で、がん患者等の届出票を互いに提供することは、がん対策推進上公益性を有する。
(3)予後情報の提供や他県への届出票の提供に係る個人情報の保護措置に問題は認められないことから、個人情報の漏えい等により、がん患者等が権利利益を不当に侵害されるおそれはない。
審議会が個人情報の本人収集の原則の例外を認めるのは、実施機関において、一般の県民が個人情報の取扱い等について容易に知り得るよう徹底した周知を行うこと及び医療機関等においてがん患者等や家族に対し、可能な限り個別の説明がなされることを前提として、登録拒否や登録削除の申出がない場合には本人同意が得られた場合に準じて取り扱うものであるから、その前提を満たすよう求めるものである。
実施機関が設けるとする本人関与の仕組みは、がん患者等が自己の個人情報の取扱いに関与するための極めて重要で、個人情報の本人収集の例外を認める言わば必須の前提である。がん患者等の権利利益を保護するため、この仕組みを県民にとって利用しやすく、かつ実効性があるものとするよう求めるものである。
事業で取り扱う個人情報の保護措置について、個人情報の漏えい等を防止するために事業に従事する者に対する継続的な指導等を求めるものである。
特段の配慮を求める事項に係る実施機関の対応について、審議会として確認し、その実行を担保するため求めるものである。
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成11年9月3日 |
諮問書の受理 |
平成11年9月13日 |
審議(第60回審議会) |
平成11年10月25日 |
審議(第61回審議会)実施機関口頭説明 |
平成12年3月27日 |
審議(第66回審議会)実施機関口頭説明 |
平成18年12月18日 |
審議(第147回審議会) |
平成19年1月22日 |
審議(第148回審議会)実施機関口頭説明 |
平成19年2月9日 |
審議(第149回審議会)実施機関口頭説明 |
平成19年2月19日 |
審議(第150回審議会) |
平成19年3月19日 |
審議(第151回審議会) |
答申第70号(平成19年4月26日付け)(PDF:19KB)
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