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更新日:令和5(2023)年4月25日
ページ番号:23648
答申第89号
平成20年10月24日
千葉県教育委員会委員長様
千葉県個人情報保護審議会
会長原田三朗
異議申立てに対する決定について(答申)
平成18年12月22日付け○○第211号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。
記
平成18年3月19日付けで異議申立人から提起された、平成18年2月23日付け○○第206号で行った自己情報部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について
諮問第74号
|審議会の結論|異議申立ての経緯|異議申立人の主張要旨|実施機関の説明要旨|審議会の判断|審議会の処理経過|
千葉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、平成18年2月23日付け○○第206号で部分開示決定(以下「本件決定1」という。)した異議申立人の開示請求に係る「事情聴取記録(本人作成の文書)」、「事情聴取記録(教諭作成の文書)(△△年××月○△日付け)」、「特別指導委員会議事録(△△年××月○△日付け)」、「臨時職員会議議事録(△△年××月○×日付け)」、「臨時特別指導委員会議事録(△△年××月○×日付け)」及び「□□年度学校日誌のうち△△年××月○△日及び同年××月○×日分」(以下「本件文書1」という。)並びに平成18年5月22日付け○○第59号で不開示決定(以下「本件決定2」という。)した異議申立人の開示請求に係る「開示請求者の子以外の個人の事情聴取記録(△△年××月○△日付け)2名分」(以下「本件文書2」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。
実施機関が本件決定1及び本件決定2において不開示とした次の部分は開示すべきである。
なお、実施機関が行った本件決定1のその他の部分及び本件決定2のその他の部分は妥当である。
異議申立人は、平成18年2月8日付けで実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、異議申立人の子の停学処分に関わる文書の開示請求を行った。
この開示請求に対して実施機関は、本件文書1の不開示部分は条例第17条第2号に該当するとして、本件文書1について本件決定1を行ったため、異議申立人は、平成18年3月22日付けで実施機関に対して本件文書2も含めて異議申立てを行ったものである。
異議申立ての趣旨は、対象文書の部分開示決定及び不開示決定の取消しを求めるものである。
本人の処分が正しく判断されているか、相手の記録も確認が必要なため。
学校側が十分に確認をせず、処分の決定に到っているかどうか確認が必要なため。
学校側の拒否理由である「今後の事務に支障がでる」ということに該当するとは思えず真実の解明に必要なため。
前述のとおり、本件文書1について本件決定1のみ行ったが、本件異議申立てを受けて再度開示請求書の確認を行ったところ、本件文書2も対象行政文書とすべきであり、その上で本件文書2は条例第17条第2号及び第6号に該当するとして本件決定2を行った上、本件決定2も含めて審議会に諮問したものである。
本件文書1及び本件文書2における不開示部分は、(1)異議申立人の子以外の個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる情報、(2)特定の個人を識別することはできないが、学校名、学年別、クラス別が開示されていることから、これらの情報等と照合することにより特定の個人が識別されるおそれがある情報、(3)特定生徒に対する指導内容や異議申立人の子以外の特定生徒の感情に関する情報であって、当該情報が開示された場合、異議申立人の子以外の個人の権利利益を害するおそれがある情報である。
また、本号ただし書イ、ロ、ハ及びニのいずれにも該当しないと認められる。
本件文書2が開示されると、被害者をはじめ目撃証言を行う者は常に相手側に自己の証言内容を見られることを前提に証言することになり、加害者から自分の処分を軽くするための働きかけや報復等をおそれ、事実に基づく率直な発言が不可能になったり、発言を控えるおそれが非常に強い。特に学校という極めて限られた環境では、その心理的影響は大である。このように発言が控えられると、学校内で起こった事故の正確な事実把握ができなくなるおそれがあり、学校をはじめとした実施機関が行う指導業務に著しい支障が生じる。
本号は、開示することにより、異議申立人の子以外の第三者の権利利益を損なうことを防止するために定められた不開示情報である。
そして、本号に該当するためには当該情報が異議申立人の子以外の個人に関する情報であって、異議申立人の子以外の特定の個人を識別することができるものであり、かつ、本号ただし書に該当しないことが必要である。
本件文書1及び本件文書2における不開示部分は、異議申立人の子以外の個人に関する情報であって、異議申立人の子以外の特定の個人を識別することができるものである。
そこで、次に本号ただし書該当性について検討する。
当該情報は、異議申立人の子が記載したもの、あるいは陳述した内容を教諭が記録したものであることから、事実上、異議申立人の子が知ることができる情報であると思われる。
よって、当該情報は本号ただし書イに該当することから、本号該当性は否定され、開示が相当である。
当該情報は、異議申立人の子と異議申立人の子以外の者とのトラブルに関して客観的状況が記載されているものと思われ、事実上、トラブルの当事者として異議申立人の子が知ることができる情報であると思われる。
よって、当該情報は本号ただし書イに該当することから、本号該当性は否定され、開示が相当である。
当該情報は、職員が職務に従事しなかったという職務に関する情報であって、職員の休暇の種別、その原因ないし内容や取得状況を示すものではない。
よって、当該情報は本号ただし書ハに該当することから、本号該当性は否定され、開示が相当である。
当該情報は、異議申立人の子が陳述した内容を教諭が記録したものであることから、事実上、異議申立人の子が知ることができる情報であると思われる。
よって、当該情報は本号ただし書イに該当することから、本号該当性は否定される。
当該情報は、担当教諭の職務に関する情報であることから、本号ただし書ハに該当し、本号該当性は否定される。
その他の不開示部分については、本号ただし書に該当する事情は見受けられないことから、不開示が相当である。
実施機関は本件文書2について、条例第17条第6号にも該当すると主張しているが、前述のとおり、本件文書2中、同条第2号に該当する情報については、本号該当性を検討するまでもなく、不開示が相当である。
よって、本件文書2中、同条第2号該当性が否定された情報についてのみ本号該当性を判断する。
実施機関は、「被害者をはじめ目撃証言を行う者は常に相手側に自己の証言内容を見られることを前提に証言することになり、加害者から自分の処分を軽くするための働きかけや報復等をおそれ、事実に基づく率直な発言が不可能になったり、発言を控えるおそれが非常に強い」として、当該情報が被害者や目撃証言者の発言内容であることを前提に主張している。
しかし、前述のとおり当該情報は、異議申立人の子の事情聴取内容、担当教諭の所見及び担当教諭名であり、実施機関の主張はそもそもその前提を欠くと言わざるを得ない。
よって、実施機関の主張には理由がなく、実施機関が行う指導事務の円滑な遂行に支障を及ぼすとは言い難い。
従って、当該情報は本号該当性が否定され、開示が相当である。
以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。
なお、異議申立人及び実施機関双方のその他の主張は、本件文書1及び本件文書2を開示すべきか否かの結論に、直接影響を及ぼすものではない。
審議会の処理経過は別紙のとおりである。
別紙
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成18年12月26日 |
諮問書の受理 |
平成19年2月23日 |
実施機関の理由説明書受理 |
平成20年3月24日 |
審議(第162回審議会) |
平成20年4月21日 |
審議(第163回審議会) |
平成20年5月19日 |
審議(第164回審議会) |
平成20年6月16日 |
審議(第165回審議会) |
平成20年7月28日 |
審議(第166回審議会) |
平成20年9月8日 |
審議(第167回審議会) |
平成20年10月20日 |
審議(第168回審議会) |
答申第89号(平成20年10月24日付け)(PDF:98KB)
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