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更新日:令和5(2023)年4月21日

ページ番号:23617

答申第58号

答申第58号

平成17年10月3日

千葉県選挙管理委員会委員長様

千葉県個人情報保護審議会

会長原田三朗

異議申立ての決定について(答申)

平成16年7月5日付け千選管第146号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成16年6月22日付けで異議申立人○○から提起された、平成16年6月14日付け千選管第96号で行った自己情報不存在等通知に係る異議申立てに対する決定について


諮問第52号

答申第58号

審議会の結論異議申立ての経緯異議申立人の主張要旨実施機関の説明要旨審議会の判断審議会の処理経過
 

1.審議会の結論

千葉県選挙管理委員会(以下「実施機関」という。)が、平成16年6月14日付け千選管第96号で行った自己情報不存在等決定(以下「原処分」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

実施機関の判断は妥当である。

2.異議申立ての経緯

異議申立人は、平成16年6月2日付けで実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例の一部を改正する条例(平成17年千葉県条例第17号)による改正前の千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「東京高裁平成○年(行ケ)○○号事件で東京高裁へ提出した虚偽の内容が記載されている文書(控え)の頁または部分(答弁書、準備書面、証拠乙号証)」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

本件請求に対して実施機関は、「開示請求に係る公文書を保有していないため(取得及び作成したことがないため。)」として、原処分を行ったため、異議申立人は、平成16年6月22日付けで実施機関に対して異議申立てを行ったものである。

3.異議申立人の主張要旨

(1)異議申立ての趣旨

異議申立ての趣旨は、原処分の取消しを求めるものである。

(2)異議申立ての理由

異議申立人が主張する異議申立ての理由は、概ね以下のとおりである。

  • ア千葉県選挙管理委員会は、東京高裁平成○年(行ケ)第○○号の訴訟の被告として、介護保険法の違法行為を適法なものとして虚偽記載のある証拠をもとに同委員会の判断を示し、社会福祉法の違法行為については判断するのは関係ないとして虚偽記載のある証拠を同委員会では適法なものと判断を示し、その旨を答弁書や被告準備書面に記載し、裁判で反論を展開した。これらは、同委員会の書記らが事実を、同委員会の委員らに伝えず、誤った判断をさせた事を隠すためにされたものである。
  • イ○○町及び社会福祉法人○○町社会福祉協議会は、社会福祉法及び介護保険法の違反を行っている。
  • ウ千葉県選挙管理委員会書記長及び書記長補佐は、○○町や社会福祉法人○○町社会福祉協議会における違法行為を知りながら、選挙管理委員へ報告していない。
  • エ選挙管理委員は、地方自治法182条1項で人格が高潔とされているが、部下の書記らは誤った情報を承知して同委員に報告し、同委員が誤った判断をさせられているのは公益とは言えない。

4.実施機関の説明要旨

(1)虚偽の内容が記載されている文書の不存在について

  • ア実施機関は、訴訟に対し常に誠実に対応しており、訴訟に係る答弁書等に虚偽の内容を記載するようなことはあり得ない。
  • イ異議申立人は、訴訟手続の中で答弁書等に対する反論の機会が保証されており、その手続を経た上で東京高等裁判所は原告の請求をいずれも棄却し、最高裁判所は上告を棄却し、及び上告審として受理しない旨の決定をしている。
  • ウ異議申立人は、全ての答弁書等の送付又は交付を受けており、自らが虚偽と主張する内容が記載された頁または部分を容易に特定できる状況にある。それにもかかわらず抽象的な表現で開示請求を行ったのは、虚偽の内容が記載されている文書の頁又は部分が存在しないからこそ特定することができなかったものであり、真に自己情報の開示を求めているのではないと判断するのが自然である。
  • エ以上のことから、「虚偽の内容が記載されている文書(控分)の頁または部分(答弁書、準備書面、証拠乙号証)」は存在していない。

(2)書記らが選挙管理委員へ事実を伝えていないという主張について

「書記らが事実を、同(選挙管理)委員会の委員らに伝えず、誤った判断をさせた」という事実はなく、そもそもこのような主張の客観的な根拠が何も示されていないことから、申立人が自己の思い込みによってのみこれらの主張をしていると言わざるを得ない。

(3)社会福祉法及び介護保険法の違法について

単に異議申立人が主張しているにすぎず、何ら事実として立証されたものではない。

(4)「選挙管理委員は、地方自治法182条1項で人格が高潔とされているが、部下の書記らは誤った情報を承知して同委員に報告し、同委員が誤った判断をさせられているのは公益とは言えない。」と異議申立人が主張する点について

客観的根拠のない主張にすぎない。

5.審議会の判断

(1)本件請求の内容について

本件請求は、「東京高裁平成○年(行ケ)○○号事件で東京高裁へ提出した虚偽の内容が記載されている文書(控え)の頁または部分(答弁書、準備書面、証拠乙号証)」の開示を求めるというものである。

実施機関の説明及び異議申立人の主張の内容から判断すると、東京高裁平成○年(行ケ)○○号事件に関し実施機関が東京高裁へ提出した文書(控え)(答弁書、準備書面、証拠乙号証)については、実施機関及び異議申立人の双方が保有していると思料される。

したがって本件請求は、その実質において、実施機関及び異議申立人の双方が保有するこれらの文書のうち、虚偽の内容が記載された部分の特定を実施機関に求めるものであると認められる。

(2)開示請求対象文書の不存在について

前記(1)で述べたように、本件請求において請求人は、もっぱら「虚偽の内容が記載された部分の特定」を実施機関に求めているものであるが、請求人自ら実施機関に対し「虚偽記載のある証拠を同委員会では適法なものと判断を示し」と主張しているところから、実施機関に対し対象文書の虚偽記載部分を認めるよう求めることは、開示請求としては自家撞着というほかない。したがって、異議申立人の主張によって特定できる文書は存在しないという意味において、「請求対象文書は不存在である」とする実施機関の判断はやむを得ないものである。

(3)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

異議申立人及び実施機関双方のその他の主張は、原処分の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

なお、実施機関においては、今後本件のような対象文書の具体性を欠いた開示請求についての処理に当たっては、請求内容の補正を求めて開示請求対象文書の特定に努めるとともに、それが不可能な場合には、請求内容の不備として請求を却下することについても検討すべきである。

6.審議会の処理経過

審議会の処理経過は別紙のとおりである。


別紙

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成16年7月5日

諮問書の受理

平成16年8月16日

実施機関の理由説明書受理

平成16年9月14日

異議申立人の意見書受理

平成17年2月21日

審議(第128回審議会)

平成17年3月14日

審議(第129回審議会)

平成17年5月30日

審議(第130回審議会)

平成17年6月20日

審議(第131回審議会)

平成17年7月25日

審議(第132回審議会)

平成17年9月7日

審議(第133回審議会)

 


 

答申第58号(平成17年10月3日付け)(PDF:20KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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