答申第215号
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答申の概要(答申第215号:諮問第299号)
実施機関
知事(保険指導課)
事案の件名
「通所介護事業者の鋸南町が居宅サービスに要した費用から日常生活に要する費用を支出している違法についてわかる書類」外3件の行政文書不開示決定に係る異議申立てに対する決定について
対象文書
請求に対する決定
不開示(不存在)
不開示条項
-
原処分
申立年月日
平成17年6月22日
諮問年月日
平成17年8月1日
答申年月日
平成18年3月1日
審査会の判断
実施機関の決定は妥当である。
本件文書の不存在について
- 「通所介護事業者の鋸南町が居宅サービスに要した費用から日常生活に要する費用を支出している違法についてわかる書類」及び「通所介護者の鋸南町が一般会計で通所介護事業の会計処理をしている違法についてわかる書類」を求める2件の請求は、いずれも「違法についてわかる書類」の開示を求めるものであるが、実施機関は開示請求において指摘されている事項について、違法と認定していないと説明しており、そのため「違法についてわかる書類」は存在しないとする実施機関の説明に不合理な点は認められないので、請求に係る行政文書は存在しないものと認められる。
- 「居宅介護支援事業者の社会福祉法人鋸南町社会福祉協議会の事業所が運営規程と現況とが違うことがわかる書類」を求める開示請求について、実施機関は、運営規程と現況が異なると判断される文書の存在は確認できなかったとしている。
実施機関が現に鋸南町社協の運営規程と現況が異なっていることを認識すれば、鋸南町社協に対して変更届出書の提出や運営規程の改正を指導するはずであるが、そのような事実も確認できない。
よって、運営規程と現況が異なると判断される行政文書の存在が確認できなかったとする実施機関の説明に不合理な点はなく、請求に係る行政文書は存在しないものと認められる。
- 「社会福祉法人鋸南町社会福祉協議会の居宅介護支援事業の事業所が鋸南町の公の施設の保健福祉センター「すこやか」にあったことがわかる書類及び公の施設の使用権限について鋸南町条例に定めがなく県知事の指定を受けたことについてわかる書類とそれが違法でないことがわかる書類」を求める開示請求について、実施機関は「社会福祉法人鋸南町社会福祉協議会の居宅介護支援事業の事業所が鋸南町の公の施設の保健福祉センター「すこやか」にあったことがわかる書類」に対応して別途開示決定を行い、「公の施設の使用権限について鋸南町条例に定めがなく県知事の指定を受けたことについてわかる書類とそれが違法でないことがわかる書類」に対応して請求に係る行政文書の不存在を理由とした不開示決定(異議申立ての対象)を行った。
実施機関は、居宅介護支援事業者の指定の際に適合することが求められている基準には公の施設の使用権限に関する規定はなく、また申請の際の必要書類としても公の施設の設置及び管理に関する事項を定めた条例等を求めていないので、請求に係る行政文書は不存在であると説明する。
確かに、介護保険法施行規則第132条の規定では、申請者の事業所の使用権限に関する書類を求めておらず、また、鋸南町社協が提出した申請書に、現に鋸南町の条例を記録した文書が添付されている事実も確認できなかった。さらに、「それが違法でないことがわかる書類」については、審査対象となっていない事項について、違法でないことを示す文書の作成又は取得を義務付ける規定は考えられず、現に存在も確認できなかった。
よって、請求に係る行政文書が存在しないとする実施機関の説明に不合理な点は認められず、請求に係る行政文書は存在しないものと認められる。
なお、異議申立人は、鋸南町の事業者指定申請書に公の施設の条例を記録した文書が添付されていたことを記憶しているので、対象文書は存在すると主張しているが、仮に鋸南町が別途、自らが事業者の指定を受けるために提出した指定申請書に当該条例を記録した文書が添付されていたとしても、鋸南町社協が行った申請に基づく指定に際して考慮されたものではなく、当該条例を記録した文書は請求の趣旨を満たす行政文書とは認められない。
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