答申第130号
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答申の概要(答申第130号:諮問第139号)
実施機関
教育庁企画総務部教育総務課
事案の件名
「平成9年度教総第217号『平成8年度定期監査資料の提出について』起案文書」の公文書部分公開決定に係る異議申立てに対する決定について
対象文書
表紙・目次、所掌事務の概要(分掌事務の概況、主な事務事業の執行状況)、職員配置状況、事務分掌表、前回監査結果の処理状況調、平成8年度歳入予算執行状況調、収入状況調、平成8年度歳出予算執行状況調、支出状況調、委託料支出状況調、補助金・負担金・交付金等支出状況調、債権に関する調、財産の管理状況調
請求に対する決定
部分公開
非公開条項
旧条例第11条第3号及び第8号
原処分
- 非公開部分 委託事業者名欄の法人名及び一部契約金額、設計額
- 非公開理由
- 審査会の答申先例に基づいて内容を検討した結果、非公開理由の訂正及び追加を行う。
旧条例第11条第7号及び第8号該当についての主張点は取り下げ、旧条例第11条第3号及び新たに検討した第8号該当部分について、非公開とする。
- 旧条例第11条第3号該当の理由について
委託料支出状況調に記録されている情報は、法人の内部管理に属する個別の売上額を判明させるものであり、法人名を公開することが、当該法人の競争上若しくは事業運営上の地位に不利益を与える。ただし、訴訟に関するものについては、弁護士名が訴訟資料等により何人も知り得る情報なので、氏名は公開し契約金額及び支出済額を非公開とする。
- 旧条例第11条第8号該当の理由について
工事請負費支出状況調に記録されている設計額は、各工事を適正な対価で履行させるための基礎となる各工事項目の単価及び単価の積上げによって算出した総額である。入札では設計額をもとに予定価格を定めることから、設計額を公開することは、今後発注する同種の工事の予定価格を類推させてしまうこととなる。これにより公正な競争入札の執行の確保が困難になり、入札事務の公正若しくは円滑な執行に著しい支障が生ずる。
申立年月日
平成9年11月4日
諮問年月日
平成10年3月6日
答申年月日
平成15年3月28日
審査会の判断
実施機関は、非公開とした部分を公開すべきである。
旧条例第11条第3号該当性について
- 非公開とされた法人名は、随意契約による契約の相手先である。確かに、随意契約に係る契約金額は、一般に契約に際して法人に見積書を提出させ、契約担当者の定める予定価格との比較により契約を成立させているところであり、法人が見積額を決定する場合には当該法人が持つ技術力、ノウハウ等に対しての業務の難易度、業務量の多寡及び受注への意欲の度合いなどが総合的に勘案されているものと想定される。
しかしながら、本件文書に記載された内容は、委託内容の概要と委託金額の総額のみであり、これらの情報からは、当該法人がどのような営業努力を行ったのかは知り得べくもなく、また、相応の営業努力の結果の契約金額であるとしても、競争入札において価格競争の結果が公表されていることに鑑みれば、随意契約に係る委託先法人名を公開しても、当該法人の競争上若しくは事業運営上の地位に不利益を与えるとまでは認められない。
- 弁護士との契約金額について、弁護士の能力、事案の難易度、複雑さ等により、契約金額の多寡は当然生ずると思料され、これを公開することにより、弁護士の技量・能力等の評価がなされるおそれも否定できない。
しかしながら、本件文書に記載された内容は、事件名と契約金額の総額のみであり、これらの情報から弁護士の技量・能力等の評価がなされるおそれは考え難く契約金額が明らかになったとしても、事業を営む個人の競争上若しくは事業運営上の地位に不利益を与えるのとまでは認められない。
旧条例第11条第8号該当性について
地方公共団体が行う工事には様々な種類のものがある上、同種の工事であっても、工事の対象、目的、時期的・地域的条件によって、各工事の構造・仕様にはそれぞれ特殊性があり、施工技術の進歩や経済情勢の変化等の事情を併せ考えれば、設計額の総額だけから将来行われる工事の設計額を推測することには一定の限界があると考えられる。よって、本件文書における設計額の総額を公開したところで、同種の工事の予定価格について、相当程度の確かさで類推され得るとまでは考えられず、入札事務の公正若しくは円滑な執行に著しい支障が生ずるとまでは認められない。
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