答申第370号
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答申の概要(答申第370号:諮問第419号)
実施機関
教育委員会(教職員課)
事案の件名
学校職員の懲戒処分についての行政文書部分開示決定に係る異議申し立てに対する決定について
対象文書
- 種類:学校職員の懲戒処分について(議案・通知)の起案文書
- 情報:教育委員会会議の開催年月日、被処分者の氏名、所属、処分内容及び処分事由、当該処分の法的根拠及び適用条項等
請求に対する決定
部分開示
不開示条項
条例第8条第2号
原処分
- 不開示部分:教育委員会議の種別及び回数並びに開催年月日、被処分者の氏名、所属等、処分事由中の非違行為が行われた年月日、曜日、時刻、場所、具体的な被処分者の行動、被害生徒の行動及び被害状況等、適用条項の地方公務員法第29条第1項のうち該当する号の番号
- 不開示理由:個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができる情報であるため(2号)。特定の個人を識別することはできないが公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがある情報であるため(2号)。
申立年月日
平成19年5月28日
諮問年月日
平成21年9月7日
答申年月日
平成24年11月30日
審査会の判断
- 実施機関は次に掲げるものを開示すべきである。
(1)教育委員会議の種別
(2)教育委員会議の開催年等
(3)戒告、減給、停職又は免職を示す情報
(4)地方公務員法第29条第1項のうち懲戒処分の根拠となる条項
- 条例第8条第2号該当性について
(1)本件対象文書には、被処分者の非違行為の内容及びこれに対する処分に関する記載が、当該被処分者の氏名、所属等とともに記載されていることから、それぞれの文書の全体が当該被処分者に係る条例第8条第2号本文に規定する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名その他の記述により特定の個人を識別することができるものに該当すると認められる。
(2)本件対象文書に係る懲戒処分事案については、既に相当期間経過しており、期間の経過による社会的影響、当該事案に対する社会一般の関心及び記憶が薄れることと非違行為の事案を起こした職員の権利利益の擁護の必要性等を併せ考えると、それが過去の一時期において公表されたことがあったとしても、現に公にされている情報とも公にすることが予定されている情報とも認めることは困難である。
- 条例第9条第2項の部分開示の可否について
(1)被処分者の氏名、所属していた学校の名称等は、被処分者を識別することができることとなる記述であり、同項に規定する特定の個人を識別することができることとなる記述の部分に該当すると認められる。
(2)教育委員会会議の開催月日及び起案月日等、並びに停職等の期間の始期及び終期を示す情報等については、条例第8条第2号に規定する個人に関する情報のうち、被処分者を識別することができることとなる記述の部分に当たるものとは必ずしも言えない。しかしながら、既に開示された部分により当該被処分者の非違行為のおおよその内容が明らかになっている以上、更にこれらの情報を開示すれば、当該被処分者の氏名など上記3(1)の特定の個人を識別することができることとなる記述の部分を除いたとしても、被処分者の同僚、知人その他の関係者にとっては、当該被処分者が誰であるかを特定することができ、これまで知られていなかった懲戒処分の内容、非違行為の詳細、被処分者の処分歴に係る情報がこれらの者に明らかとなることにより、当該被処分者の権利利益が害されるおそれがある。
(3)したがって、上記3(2)の情報は、これを公にしても被処分者等の権利利益が害されるおそれがないと認めることはできないので、条例第9条第2項により部分開示を行うことはできない。
(4)しかしながら、本件対象文書に記載されている情報のうち上記1(1)~(4)に掲げるものは、被処分者がだれであるかを特定することができる情報とは認められず、また、これを公にしても被処分者の権利利益が新たに追加的に害されるおそれがあるとは言えないことから、条例第9条第2項の規定により、部分開示すべきである。
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