答申第376号
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答申の概要(答申第376号:諮問第460号)
実施機関
千葉県知事(安房土木事務所)
事案の件名
平成21年度会計の支出負担行為支出伝票の行政文書部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について
対象文書
- 種類:支出負担行為支出伝票
- 情報:法人名等、代表者氏名、法人の印影、代表者の印影、住所、伝票番号等
請求に対する決定
部分開示
不開示条項
条例第8条第3号
原処分
- 不開示部分:法人名等、代表者氏名、法人の印影、代表者の印影、住所、伝票番号等
- 不開示理由:法人等の事業活動に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等の社会的信用や評価を低下させ、権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため(3号)
申立年月日
平成23年3月10日
諮問年月日
平成23年6月30日
答申年月日
平成25年3月8日
審査会の判断
- 実施機関は不開示とした情報の一部を開示すべきである。
- 条例第8条第3号及び第6号該当性について
(1)支出負担行為支出伝票に記録された伝票番号は、当該伝票の適正な管理に資するため、当該伝票を作成する際に付される番号であり、一般的には、条例第8条第3号本文及び第6号に規定する不開示とする情報に該当しない。
(2)審査会は、本件請求の対象となる支出負担行為支出伝票に関し、本件請求とは別の開示請求に対し開示した支出負担行為支出伝票を照らし合わせたところ、前者の伝票については、事業者の名称及び伝票番号が開示されていないのに対し、後者の伝票については、これらが開示されていた。したがって、実施機関の説明のとおり、本件請求において、伝票番号を開示すると、事業者の名称及び伝票番号を開示した後者の伝票を有する異議申立人において、事業者の名称を特定し得る。
(3)こうしたことから、本件請求における伝票番号の取扱いについては、経理調査において、事業者から情報を収集した経緯、事業者の名称が特定され得る場合の影響から、実施機関が伝票番号を不開示としたことについては、一応の合理性があると認められる。
(4)しかし、審査会が、本件請求の対象となる支出負担行為支出伝票に関し、本件請求とは別の開示請求に対し開示した支出負担行為支出伝票を照らし合わせたところ、両者の伝票に記録された情報のうち、開示された情報である起票日、金額、履行期限、執行限度額、支出命令起票日、支払(予定)日、支出命令額、支払(更正)登録校合印・年月日等を照合することにより、異議申立人において、両者が同じ支出負担行為支出伝票であると容易に推測することが可能であると考えられる。
(5)したがって、本件請求に係る限りにおいて、伝票番号に実施機関が説明する事情はなく、本件請求とは別の開示請求に対し開示した支出負担行為支出伝票に記録されている、すべての情報が開示されている以上、本件請求の対象となる支出負担行為支出伝票に記録されたもののうち伝票番号を開示することは、事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがないことから、条例第8条第3号イに該当しない。また、経理調査を行うために、事業者の名称等を公表しないこと及び提供された情報について経理調査以外に使用しない条件を付することが伝票番号の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められないことから、条例第8条第3号ロに該当しない。さらに、当該条件を付することが合理的であると認められず、事業者及び事業者以外のものに対する県の信用、信頼が損なわれ、県の機関における契約に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないことから、条例第8条第6号に該当しない。
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