答申第192号
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答申の概要(答申第192号:諮問第271号)
実施機関
知事(山武地域整備センター)
事案の件名
建築基準法に基づく報告書
対象文書
- 種類 申請・届出
- 情報 報告書、配置図・案内図、仕上表、立面図・断面図、平面図、構造図及び構造計算書
請求に対する決定
部分開示
不開示条項
条例第8条第3号
原処分
- 不開示部分 法人代表者印の印影、建築士事務所の名称等、内部仕上表、排煙計算、断面図、平面図、構造図及び構造計算書
- 不開示理由
- 法人代表者印の印影、内部仕上表、排煙計算、断面図、平面図、構造図及び構造計算書は、建築主である法人の内部情報であり、当該法人の事業活動を行う上での内部管理に属する情報のため、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。
- 建築士事務所の名称等は、当該建築士事務所が違反に加担しているなど、誤解されるおそれが多分にあることから、当該建築士事務所の事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。
- 構造図及び構造計算書は、建築士事務所の生産技術上のノウハウに関するものであり、公にすることにより、当該建築士事務所を経営する個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。
申立年月日
平成16年4月10日
諮問年月日
平成16年6月11日
答申年月日
平成17年3月14日
審査会の判断
実施機関が不開示とした情報のうち、建築主である法人代表者印の印影に係る情報は条例第8条第3号に該当し不開示が相当であるが、その余の情報は条例第8条第3号に該当せず開示すべきである。
条例第8条第3号該当性について
1 建築主である法人(以下「建築主」という。)に係る情報の該当性について
- 法人代表者印の印影
法人代表者印の印影は、法人を代表する者として押印されたものであり、本件文書に記載された内容が真正なものであることの認証的な意味があるものと認められる。
そして、法人代表者印の印影を見分すると、法人の契約書類等の重要書類にも使用するものとして、特別な管理をしている印鑑のものと推認されることから、建築主の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められ、本号イに該当し、本号ただし書に該当しない。
- 建築主に関するその余の情報について
仕上表、断面図、平面図及び構造計算書等の情報は、建築物としては一般的なものであり、建築主の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められないことから、本号本文に該当しない。
2 建築士事務所としての事業を営む個人(以下「事業者」という。)に係る情報について
- 建築士事務所の名称、所在地等の情報は、建築主から本件文書の作成依頼を受けた事業者に関するものであるが、実施機関は、これらの情報を公にすることにより、あたかも事業者が違反に加担しているなど、誤解されるおそれがあると説明するが、本件建築物は既に建てられた建築物であり、本来、一級建築士でなければ設計してはならない建築物であったことから、建築主は報告書を作成するための業務を事業者に依頼し、事業者は資料作成を通常の契約行為として受注したものと考えることが相当である。
そうすると、実施機関の説明には合理性がなく、事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められないことから、本号本文に該当しない。
- 構造図及び構造計算書は、既に建てられた建築物を、建築主からの依頼により、法やその他の関係法令の基準に適合しているかどうかを確認するために作成されたものであり、設計者がその蓄積された建築設計に関する知識、技術、経験等を用いて作成されたものではあるが、創意工夫の結果として設計されたものとは解しがたい。よって、事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると認められないことから、本号本文に該当しない。
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