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ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化遺産 > 彫刻・絵画・工芸品など > 彫刻 > (南房総市)銅造毘沙門天立像
像高20.2センチ
単髻を結い、天冠台をつける。天冠台は無文の帯状とする。頭髪は天冠台より下で浅く疎彫りとするほかは平彫りとする。眉根を寄せ、目尻をつり上げて瞋目し、閉口する。大袖、袴、裙を着し、襟甲、肩甲、胸甲、腹甲、腰帯、前盾、籠手、脛当を着け、締具をあらわす。天衣を腰帯にからめる。腹部に獅噛をあらわす。胸下に帯を巻く。左袖の下を括る。左手を屈臂して振り上げ、持物を握る。左足を軽く遊ばせ、腰を右に捻って立つ。
銅製の像で鍍金を施す。構造は頭・体幹部を、一鋳し、両手を別鋳する。左手は上から、右手は後方から蟻ほぞを用いて接合する。著と裙の地付き中央の背面にほぞを鋳出し、中央に小孔を穿つ。天冠台の両耳上及び天冠台上地髪部の正面、右腋下部、右腰部には別鋳部を留めたとみられる小孔を穿つ。甲の細部にタガネを用いる。両脚部内には中型土が残り、左足裏に体内に通る鉄芯の先が残る。
本像は現在、鏡面を失うほか、左手を除く別鋳部の全てを亡失し、鍍金も大半は剥落する。
本像も前出の毘沙門天坐像と同じく、もとは懸仏の尊像部分である。像高からみて、亡失した鏡面の直径は40センチメートル近くとみられ、当初は比較的大型の懸仏であったと思われる。本像は、細部まで丁寧に仕上げられ、宝冠や冠帯、天衣遊離部などの付属部品を別鋳するなど、総じて優秀な制作技術によって造られており、本格的な金銅仏と比べても遜色はない。その表現には、力のこもる表情、引き締まった肉取り、しなやかで力強いポーズなど、運慶風の伝統を感じさせ、その制作は13世紀半は項とみられる。作風、鋳造ともに優れた銅造遺例として重要である。
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