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更新日:令和6(2024)年2月19日
ページ番号:6040
像高8.8センチ
後頭部寄りに山形の髻を結い、正面に大きな三弁の花形宝冠をつける。眉をつり上げ(眉根は連なる)、両眼を瞋らせ、閉口する。左足を前にして岩座上に安坐する。
高肉彫りの本体頭部から岩座までを一鋳し(中型を設けて銅の厚さを均一にする)、甲や着衣に文様、衣文を陰刻線で表わした後鍍金する。背面上下に鏡板(亡失)に取り付けるための柄を造り出す。左手に別鋳製の宝塔を持ち、右手は宝棒を握る形をとるが、亡失する。
毘沙門天は四天王の一(多聞天)で、仏教の守護神として信仰されたほかに、単独で武神としても信仰をあつめた。
遺品も数多いが、坐像はきわめて稀である。この像の典拠としたのは、平安時代に空海が唐から請来した両界曼荼羅図を祖本とするいわゆる現図系曼茶羅の胎蔵界受茶羅に描かれた像である。その図様はこの像とほぼ同じだが、宝冠の形、前に出す足の左右が異なる。曼陀羅が転写を繰り返すうちにほんらいの形が変わっていったためと考えられる。この像はやや粗略な造りであるが、表情に力がこもり、全体にまとまりの良い作柄を示す。製作は鎌倉時代末から南北朝時代初期の間とみて大過ないであろう。
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