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更新日:令和5(2023)年10月31日
ページ番号:617990
日時 | 令和5年10月26日(木曜日)10時30分~10時49分 |
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場所 | 本庁舎5階大会議室 |
動画 |
(知事)
皆様、こんにちは。
はじめに、昨日、長野県で開催された「関東地方知事会議」について、お話をいたします。
本県からは、大きな災害により死者が発生する場合に備え、取扱いの差異による混乱が生じないよう、「災害時における死者の氏名等の公表」について、国による見解やルールづくりを要望することを提案いたしました。
災害時における「安否不明者」の氏名等の公表については、今年の3月に、内閣府による「防災分野における個人情報の取扱いに関する指針」において具体的な国の見解が示されました。
一方で、「死者」の氏名等の公表については、この指針において取り扱わないこととされており、国の見解は示されておりません。
災害の発生及びその被害は、一団体の行政区域内にとどまるとは限らないため、広域的な災害が発生した場合、各地方公共団体による氏名等の公表の取扱いの差異が、関係機関に大きな混乱を招く可能性があります。
そこで、「死者」の氏名等の公表の取扱いについても、「安否不明者」の氏名等の公表と同様に、各地方公共団体の自主的な判断に委ねるのではなく、全国統一的なルールに基づき運用されることが望ましいことから、災害時における「死者」の氏名等の公表について、国による見解を示すこと、併せて、国による全国統一的なルールづくりを検討すること、これを提案し、皆様に御賛同いただきました。
また、長野県から提案のあった「教職員配置に係る地方の裁量拡大」については、私から地域の実情や学校の実態に応じて、柔軟な学級編制ができるよう申し上げ、要望文に取り入れていただきました。
このほか、AYA世代のがん患者支援など、様々な要望が提案され、一都九県が一丸となって国に強く働きかけていくことを確認いたしました。
今後とも、一都九県が連携を図り、共通する諸課題の解決に向けて取り組んでまいります。
(知事)
次に、アーティスト・フォローアップモデル事業について、お話をいたします。
本県は首都圏にありながら豊かな自然環境に恵まれており、自然や広い野外空間を活用した音楽イベントや芸術祭、ダンスイベントなどが県内各地で開催されています。
時代の流れの中で生まれた新しい文化芸術活動を積極的に振興するため、このたび、既存の枠にとらわれない才能豊かな若手アーティストの支援を行う事業を新たに実施することといたしました。
募集は、絵画・彫刻、デザイン、軽音楽、コンテンポラリーダンスの4分野で、支援プログラムは2つあります。
伴走型プログラムでは、アーティストのキャリア形成に関わる活動などを支援するもので、活動場所の紹介や、その分野で活躍されている方から作品制作、ネットワーク形成に関する助言を行います。また、資金面での支援も行います。
テーマ設定型のプログラムでは、「東京の隣接性を意識しつつ、千葉の豊かな自然環境を活かす芸術活動」、こちらをテーマとし、テーマに合った活動に対し資金面での支援を行います。
両プログラムとも、募集は11月1日から開始し、選考の上で来年3月に支援の対象者を決定する予定です。
募集に関する説明会も開催する予定ですので、ぜひ御参加ください。詳しくは県のホームページを御覧ください。
文化芸術は、ゆとりと、そして潤いを実感できる心豊かな生活を実現していく上で欠かせないものであります。
本県の将来を担う若者の文化芸術活動を応援し、多くの県民に親しまれる活力ある「ちば文化」の創造に努めてまいります。
本県の文化芸術を共に盛り上げてくれる熱意あるアーティストの皆さんの応募をお待ちしております。
(知事)
次に、「電話de詐欺」被害防止について、お話をいたします。
県内における「電話de詐欺」の本年の被害は、1月から9月末までの間で1,044件、被害額は約22億円に上ります。
昨年の同時期と比べ、被害件数、被害額ともに増加しており、深刻な状況です。
被害に遭わない一番の方法は、犯人と直接話さないことであります。
犯人は会話を録音されることを嫌がるため、自動通話録音・警告機能などを備えた電話機の設置が有効な対策であり、また、被害者の多くは高齢者であることから、普段から家族と連絡を取り合い、連絡の際には合言葉を決めておくなどの家族の絆で高齢者を詐欺被害から守ることも大切です。
県では、市町村が防犯機能付き電話機の普及を図る際の費用を助成する制度を昨年度から実施するとともに、県警などと連携して対策機器の普及促進や、家族の絆で被害を防ぐための広報・啓発をしているところです。
また、来月から、「STOP!電話de詐欺カクニンダーはがき大作戦」を実施いたします。
県内の小学5年生の皆さんに、被害を未然に防ぐためのメッセージを記入したハガキを、御自身のおじいちゃんやおばあちゃんに送ってもらうことで、お孫さんたちから注意を呼びかけてもらうものです。
例年、年末に向けて被害が増えていく傾向にありますが、「電話de詐欺」被害は、一人ひとりの力で防ぐことのできる犯罪です。
繰り返し申し上げますが、被害に遭わないためには、御家庭に防犯機能付き電話機を設置することが有効であります。
子や孫の世代から、身内の高齢者の方に防犯機能付きの電話機を贈ってみてはいかがでしょうか。御家族の間で被害を防ぐための行動を共有することで、皆様にも防犯意識を高めていただき、力を合わせてこの卑劣な犯罪をなくしてまいりましょう。
(知事)
最後に、県立美術館で、明日27日から開催される「テオ・ヤンセン展」を御紹介いたします。
今回の展示では、オランダ出身の世界的なアーティスト、テオ・ヤンセン氏の作品を一堂に集めました。
本県とオランダは、江戸時代に佐倉藩が蘭学を奨励したことなどから、歴史的に深いつながりがあります。また、同国のホストタウンとして、東京2020オリンピック・パラリンピックの事前キャンプが実施されるなど、現在も様々な交流が続いています。
現代のレオナルド・ダ・ヴィンチとも称されるテオ・ヤンセン氏の代表作「ストランドビースト」は、オランダ語で「砂浜の生命体」という意味で、風の力で生き物のように動くアート作品です。
今回は、10メートル以上のものを含む10点以上の作品を展示するほか、オランダの砂浜を美しく駆ける映像や、自筆のスケッチ、制作に使用する工具なども公開いたします。
また、館内では、「ストランドビースト」が動く様子を間近に御覧いただけるイベントを毎日実施いたします。
そして12月3日には、この「ストランドビースト」が美術館を飛び出し、千葉みなとの海岸を歩きます。このイベントでは、日本で初めて一般の方もビーストの隣を歩くことができるというものです。
この展示が、本県とオランダの文化交流のすそ野を広げる機会となることを期待しております。オランダと千葉の海を通じたつながりを感じていただくとともに、本県の豊かな屋外空間を活かした海辺のアートをぜひお楽しみください。
私からは以上です。
(記者)
よろしくお願いします。
私からは発表案件の中から文化芸術に関することで2的新しい文化芸術というところに焦点を当てているかと思うのですけれども、募集分野にこういった軽音楽ですとかコンテンポラリーダンスだとか、そういったものを選定した意図などを教えてもらえればと思います。
(知事)
先ほど申し上げたように、時代の流れの中で生まれてきた新しい文化のうねりというか活動を、我々は積極的に千葉県として振興していきたい、後押しをしていきたいと考えています。東京の隣にありながら、この豊かな自然環境に恵まれているというのは我々千葉県としての地域特性、これを踏まえて、モデル事業としてまずこの4分野から取り組んでいくということにしたもので、この状況をしっかり見極めながら、この分野を拡大していくことが妥当なのかも含めて、我々としてはしっかり続けていきたいと考えています。
(記者)
ありがとうございます。あともう一点、「テオ・ヤンセン展」ですけれども、私も先日偶然、この「ストランドビースト」が動いている動画を見たら、ちょっと見入ってしまうというか、どうやって動いてるんだという感じで、すごく興味深かったですけれども、いま一度どういったところを楽しんでもらいたいかということを。
(知事)
「ストランドビースト」に関しては、もともと非常によく知られている作品だと思いますけれども、アートでもあり、かつ科学とも融合した、そういう意味でも新しく、新たな世界を切り開く、そうしたアートテクノロジーだと思っています。それをこれだけ身近に御覧いただける、また12月3日には千葉の海岸線の中で隣で歩くことができるという、日本にとって極めて貴重な機会になっています。
そうした点をぜひ見ていただければと思いますし、最終的にはこの「ストランドビースト」がオランダの海面上昇を、環境への深い関心から制作されたというふうにも聞いておりますので、そうした意味で、今日的に世界的な課題である環境問題にも最終的には関心を持つきっかけにもつながると思っています。アート、テクノロジー、そしてSDGs、環境問題、こうした部分について、理屈を超えて感性で感じる、そういう機会になるのではないかと思っています。
(記者)
よろしくお願いします。関東地方知事会の件でお伺いします。災害時における死者の氏名公表について、国で統一的なルールを示していない一方で、県では2021年に死者については氏名を公表しないとする方針を示しておりますが、この死者の氏名公表に関する知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
行方不明者については、これは氏名を公表することで救助活動等に資する、そういう公益的な価値も我々としては十分にあると考え、公表をしていくという考え方にしておりますが、死者については、遺族や家族等の心情への配慮など、慎重な対応が求められていると考えます。先ほど申し上げたように安否不明者とは異なって、死者の場合は救助活動の効率化、円滑化に資するものではありませんし、国から統一的な見解が示されていない。こういう現状の中で県として慎重に取り扱うべき問題というふうに位置づけたものであります。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
発表外の事項になりますけれども、有害鳥獣の問題について質問します。全国では都市部でクマが出没したりする事案があり、昨日は千葉の中心部でイノシシが出ました。この有害鳥獣の問題についてどう考えているか、また、その必要な対策についてお考えを教えてください。
(知事)
有害鳥獣の問題、特に我々千葉県の場合は農業被害に対する深刻な課題だと考えていますので、これまでも市町村と連携をしながら、鳥獣対策の担い手の育成確保にも取り組んでまいりましたし、またそうした生息域を広げないための対策などにも取り組んでまいりました。そういう意味では、我々とすれば、そうした人との共生であったり、農業との共生の中で一定の鳥獣対策というのは必要だと考えています。
御質問の中でも、昨日のように本当に都市部の中に入ってくるケースというのが、稀ではありますが存在をしておりますので、県民の皆様方がそうした場面に遭遇したときにけがをしないように、我々としては普段から、特にこの機会に県民の皆様方に、例えばイノシシ出会った場合どういうふうに行動するかというのをまとめたホームページやチラシ等がありますので、改めてこの機会に県民の皆様方には、私どもしっかりと周知啓発を図っていきたいと考えています。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
話題は変わるのですが、政府が税収が増えた分を還元するとして所得税など4万円を減税する方針を出されています。先般、知事は別件ですけれども、財源面での議論というのは避けられないものだというお話もありましたけれども、政府の方針に賛否もある中で、何かこの方針や動きにお考えや受け止めなどがあればお聞かせください。
(知事)
政府の物価高騰対策に。減税に。
(記者)
減税ですね。
(知事)
そうですね、これは今、国の中で議論されて詳細がこれから出てくると思うので、なかなかコメントすることは難しいと思いますが、物価高騰に苦しむ国民に対してどのような支援策を講じるかという中で、今、政権として検討、議論がされているかと思っています。
そういう意味では、どういう内容になるかというのは見極めていきたいと思いますが、税収増の還元という言葉が独り歩きしてしまうと、税収増になれば還元するのが本来なのかみたいな話であったり、逆に言えば税収減になった場合は増税するのかを含めて、その言葉が一般的にあまりならないようにすることが大事ではないかと個人的には思います。
(記者)
お願いします。続けて経済対策のことで、政府にどのような経済対策を打ち出してほしいかという期待があればお願いします。
(知事)
まず一つは、当然ながら国民のいわゆる短期的な生活で、物価高騰で影響を受ける世代に対するきめ細かな、対象を絞った形での支援というのは、私は必要だと思います。
もう一つは、物価高騰の中で世界的な物価高騰が短期で収まるというのはあまり期待できないという意味でも、生産性の向上であったり、社会の変化、エネルギー価格の高騰などに、社会全体がそれに対応した形でシフトしていくための支援に、より投資をしていくというのが中長期的に求められると思いますので、そうした分野での政策がさらに進んだものが出てくることを我々としては期待をしたいと思います。
(記者)
ありがとうございます。話変わって、昨日話題になった性別変更の手術要件のことなのですけれども、御存じだと思うのですが、最高裁大法廷で戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手術を事実上要件とする特例法の規定を違憲と判断されました。これまで法律上の性別を変更するためには手術で除去するしかなかったわけですから、性別のあり方について自己決定が尊重されるというか、生きやすさが保障されるのではないかという見方もありますけれども、知事はこの件についてどう受け止められているかということと、法改正も含めて期待などがあればお聞かせください。
(知事)
今の要件では、例えば医学的に課題を持っている方であったり、様々な事情を抱える方々がこの要件を満たせないケースもあったと承知をしております。そういう意味で生きづらさを解消していくために最高裁として一つの見解が示されたと考えています。今後、この最高裁の判断を受けて、国民の皆さんが納得できるように国会において法改正等を含めた議論をしていただきたいと考えています。
(記者)
ありがとうございます。最後に自転車のヘルメットの着用のことで伺いたいのですけれども、今年の4月から自転車を利用する際には、みんなヘルメットを着用するということが「努力義務」になったところなのですが、千葉県は警察庁の発表だと、全国平均よりもまだちょっと下回っていると。着用が進んでいない背景などをどういうふうに見ていらっしゃるかということと、県内でも観光とか移動手段でだんだん自転車利用というのが進んでいると思うのですが、改めて自転車の安全利用とヘルメット着用を促進していくために、県としてどう取り組んでいくかをお願いします。
(知事)
私も仕事でもプライベートでも外に出た際に、どれぐらいの方がヘルメットを着用されているか、またどんな層の方が着用されているのかというのをよく見るようにしていますけれども、以前に比べれば増えたとはいえ、まだまだ多くの方々がヘルメットを着用されていないなと感じています。
これは当然ながら、我々担当課が調査したアンケートで、例えば格好が悪いという話もあるし、髪型が乱れるですとか、もしくはヘルメットの置き場がない、こういう様々な課題があると聞いております。ただ、もう今我々も発信をしておりますけれども、自転車事故の際にヘルメットを着用しているか否かで大変大きく致死率が変わる、2倍違うということが示されてきておりますので、自転車というのは決して安全な乗り物ではなく、御本人が意図していない形でも事故に巻き込まれる可能性は当然あるわけでありますので、そうした際に少しでも御自身の体を守るという観点からも、ヘルメットの着用を積極的に御検討いただきたいと思いますし、我々はそうした必要性について継続的に県民の皆様方にアピールしていきたいなと考えています。
(記者)
ありがとうございます。
関東地方知事会議の結果について
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