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更新日:令和6(2024)年11月20日
ページ番号:4643
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
週報/月報/新型コロナウイルス感染症/梅毒/腸管出血性大腸菌感染症/インフルエンザ/感染性胃腸炎/麻しん/風しん/リンク
2024年第46週(2024年11月11日から2024年11月17日)(PDF:907.5KB)
2024年11月11日から2024年11月17日までの期間(2024年第46週)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年
※過去の週報:2012年から2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報、
2024年第46週に県内医療機関から8例の届出があり、本年の累計届出数は直近10年間で最多の114例となった(図1)。
レジオネラ症は、1年を通して発生が見られるが、夏から秋にかけて特に届出が多くなる傾向がある。本年は第46週時点において、11月の届出数が14例と直近10年間で最多となっており(図2)、引き続き発生動向を注視していく必要がある。
レジオネラ症は、土壌や水環境に広く存在するレジオネラ属菌による細菌感染症であり、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎と、一過性で自然に治癒するポンティアック熱がある。感染経路としては、エアロゾルを発生させる人工環境(循環水を利用した風呂、加湿器、噴水等の水景施設、空調設備の冷却塔等)を感染源とするエアロゾル感染、温泉浴槽水や河川の水を吸引・誤嚥したことによる感染、汚染された土壌の粉塵を吸い込んだことによる塵埃感染などがある1,2)。
高齢者や新生児は肺炎を起こす危険性が高く注意が必要である。また、大酒家、喫煙者、透析患者、移植患者や免疫機能が低下している人もレジオネラ肺炎のリスクが高いとされている1)。
対策としては、追い炊き機能付きの風呂や24時間風呂などの循環式浴槽を備え付けている場合には、配管や浴槽内に汚れやぬめり(バイオフィルム)が生じないよう定期的に清掃を行うなど、取扱説明書に従って維持管理をすることが重要である。また、超音波振動などの加湿器を使用する時には、毎日水を入れ替えて容器を洗浄することが大切である1)。エアロゾルが発生する高圧洗浄や、粉塵が発生する腐葉土の取り扱い等にあたってはマスクを着用して感染を予防していただきたい2)。
■引用・参考
≪侵襲性髄膜炎菌感染症≫
2024年第46週に県内医療機関から届出が1例あり、本年の累計届出数は本疾患のサーベイランスが開始された2013年4月以降で最多の5例となった(図3)。全国においても、本年は第45週までに52例の届出があり、過去最多となっている1,2,3)。
髄膜炎菌はグラム陰性の双球菌で、健康なヒトの鼻咽頭からも低頻度ながら分離され、保菌者・患者から飛沫感染で伝播する。侵襲性感染症としては、菌血症(敗血症なし)、髄膜炎を伴わない敗血症、髄膜炎、髄膜脳炎の4つの病型がある。敗血症を発症すると予後が悪い。急性劇症型として副腎出血や全身のショック状態を呈するWaterhouse-Friderichsen症候群がある。非侵襲性感染症としては、肺炎・尿道炎など多彩な病像がある。潜伏期間は2~10日(平均4日)で発症は突発的である4)。
侵襲性髄膜炎菌感染症のリスク因子は、多くの人が集うイベント、学生寮など共同生活を行っている場などとされ、これまでに国内で届出のあった患者には海外渡航歴がないことが多い3,4)。
診断した医師は直ちに保健所へ届出を行うこととされている。濃厚接触者に対しては可能な限り早期に抗菌薬による曝露後の予防投与が推奨されている。侵襲性感染のほとんどはA、B、C、Y、Wの5つの血清群によるものであり、国内ではA、C、Y、W群を含む4価ワクチンが承認されているが、B群には効果がないため注意が必要である。海外の流行地域への渡航者やハイリスク者(無脾症、脾臓摘出者、補体欠損症、免疫不全者など)に対して接種が推奨されている3,4,5)。
■参考・引用
1)国立感染症研究所:IDWR速報データ 2024年第45週
2)厚生労働省・国立感染症研究所:感染症発生動向調査事業年報
3)国立感染症研究所:感染症法に基づく侵襲性髄膜炎菌感染症の届出状況のまとめ(更新)、2013年4月~2024年6月
4)国立感染症研究所:侵襲性髄膜炎菌感染症 2013年4月~2017年10月
5)新興再興感染症のリスク評価とバイオテロを含めた危機管理機能の実装のための研究班:髄膜炎菌髄膜炎
【Topics】
≪海外へ渡航される皆様・海外から帰国された皆様へ≫
海外においては、国内では見られない感染症が流行していることがあり、海外滞在中に感染する可能性があります。海外へ渡航する際には、事前に渡航先における感染症の流行状況、現地滞在中の注意点、海外渡航に際し推奨されている予防接種をご確認ください。
また、感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中や帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。その場合は、医療機関に事前に電話連絡して海外渡航歴があることを伝えた上で受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴等についてお伝えください1)。
その他詳細は下記をご参照ください。
■参考・引用
2)【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.518(2024年8月4日)
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。
2024年10月の千葉県結核・感染症月報(2024年44週週報)を掲載しています。
2024年46週の県全体の定点当たり報告数は、前週(1.46)から増加し、2.21であった。
2024年46週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。
県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。
その状況についてお知らせします。
保健所への報告は、報告様式1(小児科定点・インフルエンザ/COVID-19定点用)又は報告様式2(インフルエンザ/COVID-19定点用)をお使いください。なお、集計様式2は、保健所への送付は不要です。
オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)
千葉県では2024年46週に6例届出があり、累計は402例となった。
昨年2023年は1999年の現行感染症サーベイランス開始以降最多となる472例の届出があり、注意が必要です。
2024年46週までの県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では2024年46週に4例届出があり、累計は169例となった。
2024年46週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2023年1週から52週)(PDF:381.4KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2022年1週から52週)(PDF:249.1KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2021年1週から52週)(PDF:270.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2020年1週から53週)(PDF:250.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2019年1週から52週)(PDF:240KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2018年1週から52週)(PDF:242KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2017年1週から52週)(PDF:254KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2016年1週から52週)(PDF:145KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2015年1週から53週)(PDF:233KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2010年から2014年)(PDF:224KB)
- 全国の発生状況(国立感染症研究所)
2024年46週の県全体の定点当たり報告数は、前週(2.06)から増加し、3.10であった。
2024/25シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。
2024年46週の県全体の定点当たり報告数は、前週(2.44)から増加し、3.25であった。
2024/25シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では、2024年46週に届出はなかった(2024年11月20日現在)。2024年の累計は0例である。
2024年46週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。
また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。
千葉県では、2024年46週に届出はなかった(2024年11月20日現在)。2024年の累計は0例である。
2024年46週までの県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
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