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更新日:令和6(2024)年12月18日

ページ番号:4643

千葉県感染症情報センター

千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。

週報月報新型コロナウイルス感染症梅毒腸管出血性大腸菌感染症インフルエンザ感染性胃腸炎麻しん風しんリンク

週報

2024年第50週(2024年12月9日から2024年12月15日)(PDF:1,120.5KB)

2024年12月9日から2024年12月15日までの期間(2024年第50週)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。

※過去の注目疾患:2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年

※過去の週報:2012年から2016年週報2017年週報2018年週報2019年週報2020年週報2021年週報2022年週報

       2023年週報2024年週報

今週の注目疾患

つつが虫病

 2024年第50週に県内医療機関から3例の届出があり、本年の累計は34例となった。県内では、例年11月頃から翌1月頃にかけて届出数が増加する傾向にあり(図)、引き続き注意が必要である。推定感染地域は県南部が多いが、他の地域でも発生がみられている(表)。

図1

表 2020年から2024年の県内のつつが虫病の推定感染地域別の届出数(2024年第50週時点)
保健所地域 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 総計
安房 30 39 30 34 16 149
夷隅 18 17 9 10 3 57
君津 4 4 4 4 1 17
市原 1 1 7 5 1 15
海匝 4 2 1 2 0 9
長生 2 0 0 3 1 6
印旛 0 0 0 2 4 6
香取 2 3 0 0 0 5
山武 2 0 2 1 0 5
千葉市 0 0 0 1 0 1
船橋市 0 0 0 1 0 1
県内(市町村の記載なし) 2 5 7 6 5 25
県外 0 1 1 0 0 2
海外 0 0 0 1 1 2
不明 1 0 0 2 2 5
総計 66 72 61 72 34 305

 

つつが虫病の病原体は Orientia tsutsugamushiと呼ばれるリケッチアで、ダニ類の一種であるツツガムシが媒介する。わが国で本菌を媒介するツツガムシは主に3種類であり、それぞれのツツガムシの0.1~3%が菌をもつ有毒ツツガムシである。ヒトはこの有毒ツツガムシに吸着されると菌に感染する。潜伏期間は5~14日で、典型的な症例では高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的なツツガムシの刺し口(黒色痂疲)がみられ、その後数日で体幹部を中心に発疹がみられるようになる。また、患者の多くは倦怠感、頭痛を訴え、患者の半数には刺し口近傍の所属リンパ節、あるいは全身のリンパ節の腫脹がみられる。有効な抗菌薬(第一選択薬はテトラサイクリン系)があるが、死亡例が報告されているため、適切な診断・治療が重要である1)

 本疾患を予防するワクチンはないため、ダニの刺咬を防ぐことが極めて重要となる。キャンプやハイキング、農作業や草刈り等で山林や草むら等に立ち入る際には、(1)長袖長ズボンなど肌の露出が少ない服装にする、(2)忌避剤(防虫スプレー)を使用する、(3)地面に直接座らずにレジャーシート等の敷物を使用する、(4)帰宅後はすぐに着替え、洗濯する、(5)帰宅後はすぐに入浴する、などの対策をとる1-3)

 

■参考・引用

1)国立感染症研究所:IDWR 注目すべき感染症 ダニ媒介感染症 つつが虫病・日本紅斑熱外部サイトへのリンク

2)千葉県衛生研究所:つつが虫病に注意!(PDF:325.9KB)

3)千葉県健康福祉部疾病対策課:ダニ媒介感染症について

 

【Topics】

≪年末年始に海外へ渡航される皆様へ≫

海外においては、国内では見られない感染症が流行していることがあり、海外滞在中に感染する可能性があります。海外へ渡航する際には、事前に渡航先における感染症の流行状況、現地滞在中の注意点、海外渡航に際し推奨されている予防接種をご確認ください。

また、感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中や帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。その場合は、医療機関に事前に電話連絡して海外渡航歴があることを伝えた上で受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴等についてお伝えください。その他詳細は下記をご参照ください1-3)

なお、2024年に県内医療機関から届出のあった感染症のうち、海外で感染したと考えられるものは次のとおりです。

表 2024年に県内医療機関から届出のあった海外で感染した可能性がある感染症(2024年第50週時点)
感染症名 全届出数 うち推定感染地域に海外を含む届出数* 記載のあった海外の地域
細菌性赤痢 6 3 アジア
腸管出血性大腸菌感染症 180 15 アジア、中東、欧州
腸チフス 2 2 アジア
A型肝炎 5 2 アジア
コクシジオイデス症 2 2 北米
チクングニア熱 1 1 アジア
つつが虫病 34 1 大洋州
デング熱 21 21 アジア、北米
ブルセラ症 2 2 アジア
マラリア 5 5 アジア、アフリカ
ライム病 1 1 欧州
類鼻疽 1 1 アジア
レジオネラ症 126 3 アジア
アメーバ赤痢 24 1 アフリカ
ウイルス性肝炎 13 1 アジア
後天性免疫不全症候群(HIV感染症を含む) 34 3 アジア
侵襲性髄膜炎菌感染症 5 1 アジア
水痘(入院例) 19 1 アジア
梅毒 429 6 アジア
百日咳 63 1 アジア
麻しん 1 1 アジア

* 推定感染地域に国内及び国外の両方の記載がある届出を含む

 

■参考・引用

1)厚生労働省検疫所FORTH:海外へ渡航される皆さまへ!外部サイトへのリンク

2)【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.518(2024年8月4日)外部サイトへのリンク

3)【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.519(2024年8月19日)外部サイトへのリンク

 

疾患別・保健所別5週グラフ

RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。

月報

2024年11月の千葉県結核・感染症月報(2024年49週週報)を掲載しています。

新型コロナウイルス感染症

《発生状況について》

2024年50週の県全体の定点当たり報告数は、前週(3.13)から増加し、3.68であった。

2024年50週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。

《新型コロナウイルス変異状況について》

県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。

その状況についてお知らせします。

 

インフルエンザ/COVID-19定点医療機関から保健所への報告様式

保健所への報告は、報告様式1(小児科定点・インフルエンザ/COVID-19定点用)又は報告様式2(インフルエンザ/COVID-19定点用)をお使いください。なお、集計様式2は、保健所への送付は不要です。

オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)

梅毒が増加しています!

千葉県では2024年50週に5例届出があり、累計は429例となった。

昨年2023年は1999年の現行感染症サーベイランス開始以降最多となる472例の届出があり、注意が必要です。

2024年50週までの県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

腸管出血性大腸菌感染症情報

千葉県では2024年50週に6例届出があり、累計は180例となった。

2024年50週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

インフルエンザ情報

2024年50週の県全体の定点当たり報告数は、前週(13.23)から増加し、24.49であった。

2024/25シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。

感染性胃腸炎情報

2024年50週の県全体の定点当たり報告数は、前週(3.61)から増加し、4.39であった。

2024/25シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

麻しん情報

千葉県では、2024年50週に届出はなかった(2024年12月18日現在)。2024年の累計は1例である。

2024年50週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。

また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。

風しん情報

千葉県では、2024年50週に届出はなかった(2024年12月18日現在)。2024年の累計は0例である。

2024年50週までの県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

リンク

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所感染疫学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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