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更新日:令和4(2022)年4月14日
ページ番号:3067
平成26年6月26日(木曜日)午後6時から午後8時まで
県庁南庁舎4階相談室
高梨座長、宮代副座長、石毛委員、川上委員、倉田委員、小林委員、佐藤(伸)委員、佐藤(尚)委員、鈴木委員、田上委員、吉田委員、吉野委員
欠席委員:刑部委員、佐藤(恵)委員
桜井副課長、美細津副課長、田村地域生活支援班長、石毛施設指導班長、原見県立施設改革班長、川島障害保健福祉推進班長、高梨主査、宇留賀主事、青木主事
(事務局)
本日はお忙しいところご出席いただきまして、ありがとうございます。ただ今から、千葉県総合支援協議会第五次千葉県障害者計画策定推進本部会入所・地域移行等ワーキングチーム第二回会議を開催します。本日の進行を務めます、計画推進班の高梨と申します。よろしくお願いいたします。本日第二回会議では、始めに入所・地域移行等ワーキングチームの担当分野の骨子案についてのご審議をいただきます。この骨子案については、その他の専門部会でご審議いただく各担当分野の骨子案とともに、7月9日に開催する第二回の本部会にて併せてご審議いただくものとなります。そしてその後、本日は各分野の現状課題取り組みの方向性について、総合計画の1番に当たる「入所施設から地域生活への移行の推進」の分野についても、素案作成に当たり、より具体的な検討をお願いいたします。
《資料確認》
(事務局)
それではここから議事に入りますので、進行を高梨座長にお願いいたします。
(高梨座長)
みなさんこんばんは、高梨です。お忙しいところ御出席いただきありがとうございます。議事がスムーズに進むよう皆さんの御協力お願いしたいと思います。まず、議題1、審議事項の中の、○1入所・地域移行等ワーキングチームの担当分野の骨子案につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
《事務局説明》
(高梨座長)
ありがとうございました。これから【資料2-2】骨子案の検討に入りますが、その前に【参考1】のア「第一回入所・地域移行等ワーキングチームにおける委員からの意見、提案」、イ「各専門部会委員からの意見、提案」、【参考2】「県議会における関係分野の質問事項」について、これらの骨子案の検討に係る内容もありますので、併せて事務局から説明をお願いします。
《事務局説明》
(高梨座長)
ありがとうございました。続いて【参考1】ウに吉田委員からの事前の意見・提案があります。折角ですので吉田委員から御説明をお願いできますか。
(吉田委員)
千葉県は人口10万人あたりの医師の数、看護師の数が47都道府県中45位で、介護分野でも医師不足、看護師不足に困っている。私も浦安で自立支援と生活介護の事業所に1年間従事したが、看護師不足が非常に深刻である。自立訓練は常勤の看護師がいないとできない。そのため減算という形を取ることもあった。(計画に)医療的ケアの件はあるが、医療的ケアを受ける方の支援も担っていた経験からすると、本人や家族(の要望)は週4日、5日でも、我々としては人的資源からすると週2日が精一杯。このような部分では地域に移行といっても医療的ケアが不十分である。看護師等の医療職の確保を(計画に)入れる必要があるのでは。
言語聴覚士の件。言語聴覚士は10年前に出来た制度で、全国に23,000人いるが、千葉県の中には養成機関がないので確保に困っている。
次に、会話パートナーと言われる、失語症の方の会話支援、コミュニケーション支援の件。地域生活支援事業として今後必要になってくるかと思う。こういう問題を少し書き込めればと思う。
(高梨座長)
ありがとうございました。ただ今の説明について事務局から何かありますか。
(事務局)
医師不足・看護師不足について、難しい問題だがこれについては第五次計画で取りまとめるべき事項になるのではないか、また三番目の意思疎通支援は権利擁護専門部会で協議する形になるのでは。
(高梨座長)
これまでの説明についてこれから御意見いただくのですが、分野が大分類で3つに分かれております。はじめに入所施設から地域生活への移行の推進につきましてご意見等があればお願いします。
(小林委員)
骨子案が出て心配に思うのは、千葉県において施設入所者の削減数とか、必要定員数というのはどうやって誰が決めるのかという点。この点が今千葉県において一番注目されるべきではないか。第四次障害者計画では入所定員を削減することは記述していないのでは。千葉県は全国平均に比べて施設整備率が圧倒的に少ない。そういった中で、国がこうした計画を出したからそのまま行うのは良くない。千葉県は、(県で)今起きていることに合わせて計画を作っていくべきで、それが議論されないままでは国の数値がそのまま入りこみ、県民不在の計画になるおそれがある。私が今勤務している施設では毎日のように短期入所の依頼が来るが、入所の空きがないので断っている。そうした現場の状況の中でどのような計画を作っていくかをきちんと見定めないといけない。入所施設から地域移行すること自体は、その計画が大規模でも構わない。しかし本当に困っている人たちが施設を利用できない現実がある。そこをどう把握するかを議論なしで指標等の部分に書き込んでいるが、この数字が事務局によって出されてしまうのは不安に思う。第4次障害者計画に削減するとは書かれていないが、そうすると第5次計画ではどう扱うのかという議論をせずに、次の所に進んでいかないのでは。
(高梨座長)
小林委員の発言については、4次計画の中でも国の指針通りに千葉県が実施するか否かでかなり議論になった覚えがあります。千葉県は国の指針通りにはなかなか進みきれないのではということで、表現を考慮したという経緯があります。今の問題については地域移行で一番ポイントになる問題と思いますので、今日ここで議論するには時間が足りないと思います。
(事務局)
国の指針では、入所定員の削減ではなくて、入所定員を定めるよう書いてあり、各都道府県で数字を決めることが必須の指標なので項目として記載しないといけない。これについて様々な意見があり、これを踏まえて第四次計画では削減としていなかったはず。委員の皆様に意見をいただきたい。
(小林委員)
今千葉県において、入所定員・入所施設は減っている。しかしこれは施設が不要だから定員が減っているのではない。なぜかというと、集団で暮らす施設にいいイメージが持たれないため、法人側がグループホームを作って入所者を移動させたり、個室化を図ったりしている。確かにその施設は住みやすくはなる。しかし入所の需要は山ほどあるのでは。その辺りをはっきりさせないと。杞憂といわれるかもしれないが、現場の感覚では本当に困っている人がいる。流れを作ることを記述するのか。グループホームに作って新しい人たちを入れることを記述すると、そのためにはどんな仕組みを作るかを明確にしていくとか、何らかの形にしないといけない。
もうひとつ載っていないのは、短期入所。短期入所の希望も非常に多い。第四次計画の中では地域生活を成立させるために障害が重い人たちの作業所を作ることや、医療的なケアが必要な人たちの短期入所に加算を付ける議論をしているが、グループホームや家庭で暮らしていく中で、本人や家族の都合に応じて利用できる短期入所の確保は地域生活の中で必要なサービスでないか。それを徹底的に作っていかないと(地域生活は)難しい。短期入所がロングステイとなり、結果的に回転しない現実がある。大規模な法人が運営する定員が多いところで顕著。実質的には短期入所の定員が入所化してしまっている。そうした中での弊害をどうするのかは第四次計画で書かれているが、第五次計画でさらにどのように踏み込んでいくのかを検討してほしい。
(高梨座長)
ありがとうございます。第四次計画では地域移行を進めるという基本的な方向性については確認し、その上で千葉県の場合、入所施設のニーズが高いということで必要数は確保していく、地域移行についてはグループホーム等の建設を進めるなどの方向で、地域への移行を併せて進めることで全体的に出ないようにしていこうということがあったと思います。どのような形で書き込むのかについては、この後半で皆さんに意見をいただきまして案をどう書き込むかということでもう一度議論することになるので、その際に具体的なことをお話しいただけたらと思います。
(宮代委員)
小林委員の意見はそのとおりだと思う。ただグループホームができて、国は施策等を挙げて入所から地域へと(推進している)。実際、入所からグループホームに移行する人もいるが、通所から移行する人、あるいは在宅でグループホームに入る人も結構いる。統計によるとそちらの方が多いのではないかと言われているぐらいだ。私の運営しているグループホームでも50数名が暮らしているが、入所から移行した人は3分の1くらいで、あとは通所からあるいは在宅から来られた方が多い。グループホームができたからすべて入所からの受け皿になっているわけではない。その辺りが、(グループホームが)受け切れていない、あるいは(入所から地域への)流れにはなっていない、ということにつながっていく。もちろん通所からグループホームに移ってきてはいけないと言いたいわけではない。グループホームが整備される速度が上がらないと本当のニーズを受け切れていないと言えると思う。背景にはそういうことがあるのだろう。
(高梨座長)
ありがとうございます。次に議論の場がございますので一旦置かせていただきます。
(倉田委員)
ずっと家族と暮らしていて、両親が老いたことで単身生活をしている支援区分4、5、6あたりの人たちの県内の人数は現在把握できているか。
(事務局)
人数は把握していない。
(倉田委員)
私は今一日15時間くらいヘルパーを入れて一人暮らしをしている。入所地域移行等ワーキングチームではあくまでも入所からグループホームがメインで、最初から地域の人が地域で生き続けられる環境整備がこの骨子案にほとんど書かれていないのは残念だ。数の論理でやっているのも不公平だと感じる。例えばグループホームだとか、家賃補助等の取組を県は検討されているが、私のように全面介助で支援区分5くらいの障害で一人暮らししている仲間を見ると、住居の確保等が大変である。私も様々な方の協力を得て生活が成り立っている。ずっと地域で暮らしたい思いになったとき、(そのための環境整備が)考えられていないことを骨子案で感じているが、そのあたりをどう解決していくか。あとヘルパーの確保の問題。現状50から70代の方々のヘルパーが多いが、ヘルパー事業所が(他の)事業所のヘルパーをアルバイトとして確保している状況で、(事業所以外に)なかなか新しい(若い)人材が増えていかない。理由の一つとして介護者初任者研修の敷居が高くなり、介護福祉士の敷居が上がっている。(資質の確保は)大事なことだが、資格を取りにくくなること、一方で資格はあるがアルバイトとしてでは待遇が不安定で、人材の確保が難しい現実がある。その現実をどう解消して居宅の人にヘルパーの確保をしていくかが問題になっている。また、国、県、市町村、どこも赤字で運営しているなか、札幌市のパーソナルアシスタンスは良い取組だと思う。自分でできる人は(事業所でなく)自分で(資格の有無にかかわらず)ヘルパーを集める仕組みにしないと、これから国も赤字が進み社会保障費も膨らんでいくのでこのあたりも真剣に考えていただきたい。
(高梨座長)
小林委員・倉田委員のご意見は各論部分ですので、今後の現状・課題・施策の方向性を具体的に検討する中で当然議論しなければならないことです。こちらは議題2で検討します。
いっぽう、骨子案として今は地域移行のことを扱っていますが、次の大きな項目【資料2-2】「7障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実」、「8その他第五次計画において取り組むべき項目」を含めて取りこぼしないか御意見いただきたいと思います。
(川上委員)
前回会議で吉田委員から累犯障害者について発言があり、参考1を見ると「8その他第五次計画において取り組むべき項目」で議論するとなっているが、この中のどこで議論するのだろうか。それよりも「7障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実」の(2)「支援が困難な障害に対する支援の推進」、この一人ひとりの部分で議論した方が良いのではないか。
(事務局)
【資料3】6ページ、上から4番目にある累犯障害者等の項目で取り上げることができるので、こちら(川上委員の提案の箇所)で取り上げるのは難しい。
(小林委員)
「7障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実」の(5)「重度重複障害者等の地域移行の推進」の部分で、指標で強度行動障害の形で横に書かれているが、重度重複障害者の地域移行等と強度行動障害はマッチングしないのでは。(2)「地域の支援施設等のみでは支援が困難な障害に対する支援の推進」では強度行動障害もすでに上がっているので、「重度重複障害者等の地域移行の推進」は本来、本当に重症心身障害の方たちにどんな支援をするかということなので、強度行動障害の方の支援体制の整備事業は取って付けたような形でマッチングしないのではないか。指標がないので持ってきた印象を受ける。
(事務局)
今いただいた意見をもとに検討したい。
(高梨座長)
小林委員、もし入れるならどこが妥当と思いますか。
(小林委員)
「強度行動障害のある方への支援体制構築事業」の指標は(2)に入っている。「地域の支援施設等のみでは支援が困難な障害に対する支援の推進」というところで、例えばそこでは強度行動障害の拠点施設とか、あるいはモデル事業を県として整備強化を行う、などの記述があるので、(5)の重度重複では強度行動障害をここで謳うことはないと思う。
(高梨座長)
再掲の必要はないと。
(小林委員)
ない。
(宮代委員)
あえて書くならば、例えばグループホーム等における医療体制の構築みたいな形か。
(小林委員)
例えば重度心身障害の人たちでも暮らせるものとか、医療ケアが必要な人たちの短期入所の補助事業とか、そういうものだろう。少なくとも強度行動障害とはミスマッチなのでは。
(高梨座長)
「8その他第五次計画において取り組むべき項目」の(7)「障害のある人に対する理解の促進」について。千葉県には差別を禁止する条例があり、今後障害者差別解消法の施行が予定されている中で、それらに対する記述はあった方が良いのではないか。第四次計画にはかなり書いてあった。
(事務局)
「障害のある人に対する理解の促進」については、第四次計画では権利擁護の部分で記載されている。また、国が去年作成した障害者基本計画では広報関係に載っている。どこに入れるべきかは全体の構成にも関わる。今回は「8その他第五次計画において取り組むべき項目」に入れている。
(高梨座長)
具体的にはもう少し詳細に記述するということか。
(事務局)
はい。障害のある人に関するマークの話があったが、ここの記述によっては権利擁護で書く部分も出てくるかもしれないし、「障害のある人に対する理解の促進」の内容がマーク関係だけでは不足する部分もあるので、項目等あれば皆様からご意見いただきたい。
(高梨座長)
次回具体的なご意見いただくときに、若干の修正は可能ですので、骨子案についてはこういう方向で事務局に整理していただき、今いただいたご意見も参考にしていただくことでよろしいですか。
(事務局)
補足です。骨子案そのものについては7月9日の本部会で他の(部会)とも合わせて出す必要がありますので、今日の会議と会議後にお送りいただいたご意見を調整し作っていきたいと考えています。(次回でなく)今回を中心にしたい。
(高梨座長)
骨子案についてはこのような形で進め、入らないものがあれば具体的な記述の中で考慮していただくことでよろしいですか。では議題1は以上です。
議題2、各分野の状況・課題・取り組みの方向について、素案の作成にあたり重要な審議です。本日は入所施設から地域生活への移行の推進につきまして、事務局説明をお願いします。
《事務局説明》
(高梨座長)
ありがとうございました。では残りの時間、1の問題について皆さんからのご意見を踏まえ事務局から案を示しておりますので、これについて加筆修正等ありましたらご意見お願いします。
(川上委員)
【資料3】3ページ、(2)「日中活動の場の充実」の○1「障害のある人の日中活動の場の充実」について。来年4月から生活困窮者自立支援制度が全国一斉に始まる。生活困窮者の中には障害のある方も多いので、生活困窮者自立支援制度との連携も検討した方が良いと思う。制度には就労に向けた伴走型の支援もあるし、就労になかなか結び付けない方々に対する中間的就労の場の確保もある。そこには社会福祉法人が積極的に取り組むべきという意見もあり、社会福祉法人の社会貢献活動の義務化ということもあるので、そういう部分もリンクさせてはどうか。さらに障害者の方々の居場所づくりという意味でも生活困窮者自立支援制度との連携は重要ではないか。また、○3「障害者・児の地域生活支援の推進」に「親亡きあと」の部分があるが、拠点の整備だけではなくソフト面の整備も必要ではないか。成年後見制度の推進は欠かせない部分。特に法人後見の推進を検討すべきであろう。
(高梨座長)
小林委員が最初おっしゃっていたのは、(5)「入所施設の有する人的資源や機能の拡充」の○2「障害者支援施設の機能向上と連携について」ですね。現状ではまだ書かれていませんが、取組の方向性で入所施設のこれからということで若干書かれています。小林委員、ここでご意見ありますか。
(小林委員)
各課題はあるが、千葉県全体の現状をどう捉えるのかを盛り込んでいただきたい。(入所施設・定員が)少ないのか多いのかということの中で、そこも本当に(重要だ)。
(高梨座長)
これは次回具体的に入れていただくわけですよね
(事務局)
そうです。これをベースに次回(第3回)で議論し、第4回で素案を出す際には皆さんにいただいた意見を取り入れてお示ししたいと思います。第3回ワーキングチームではその他の第五次計画の取組みについて、障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実について今回と同様に議論していただき、第4回のワーキングチームで素案としてお示ししたいと思います。
(吉田委員)
先ほど数の話が出たが、私が(市町村の)障害福祉課にいた時、例えばB型の施設の利用規模や利用できていない人数、あるいは入所希望が満たせていない人数等、県から毎年1回調査が来ていた。その数を積み上げていけばよいし、それがベースになっているのでは。数としてはそれなりに実態を反映しているし、県もそれを把握していることは間違いない。
(小林委員)
私見だが、その数はまったく当てにならないと思う。例えば入所施設を作る際、入所希望者が今まで十数人しかいなかったのがいきなり60人揃う。市役所が福祉事務所の体制で各家庭を把握していた時代と違い、今は本人との契約になり実態を市役所が掴んでいないのでは。市役所が正確に住民ニーズをとらえていないと思う。
(吉田委員)
補足。後半部分について。私もそれ(希望者の人数)を出すときに毎年悩んでいた。報告するのは窓口に来たり、ケースワーカーが実際に把握したりした人数。ところが地域では声をあげない方のほうが圧倒的に多い。ケースワーカーや市役所が訪問しても不要と言われてしまう。手を挙げたり窓口を訪ねたりした人数、ケースワーカーが捕捉した人数は数字に出る。ところがそうではない方、訪問しても追い返されてしまう方が実態として多くいる。そのあたりは難しい部分。計画の中では、相談支援の強化、利用に繋がっていない等の箇所で、潜在的な利用者がいることは書き込む必要があると思う。
(高梨座長)
ニーズをいかに把握するのかが非常に難しい状況になっていることはどの自治体でも同様の問題だと思います。ほかにありますでしょうか。
(吉野委員)
地域移行推進の中で、グループホームの充実や、関連して消防法、建築基準法の問題、日中活動の充実という内容はよくわかるが、部品ごとに充実して資源を増やしていったところで、それが入所・地域移行に直結するのかという問題は出てくると思う。対象者像が非常に不明確だ。私の相談支援の立場の例。家族で見きれないから入所施設に入りたいという相談が日々ある。しかし入所施設は既にパンクしていて、ショートステイですらロングステイの状態になっていて枠がない。受け入れてもらえればグループホームでもよいといっても、グループホームも満員。要するに、本人や支援している家族のニーズがどこにあって、どうすれば充足されるのかがよくわかっていない。前回のワーキングチームで宮代委員が発言された通り、施設入所者の中にグループホームで生活できる人は大勢いるが、その人たちを施設から出せばいいという単純な問題でもない。家族構成やそこに至るまでの様々な経過といった事情があり施設に入所しているので、単純に(施設側)当事者の能力だけの問題でもないだろう。現実的でないかも知れないが、それを分析して実態を掴むためにモデル地域を指定してその中で地域移行協議会を作り、入居待機者がどれ程いてその方たちをどうするかを実際に議論したらよいと思う。入れない待機者はどうするのか、その協議会の中できちんと検討して、グループホームを作って移行できるのか、あるいは地域の入所施設の中で地域移行できる人数を把握するために家族や本人のヒアリングを含めた調査をするのか、そのようなモデル事業等ができないだろうかと思っている。突っ込んだ議論をするワーキングチームを作って、あるいはモデル地域を指定して行動しないと、部品ごとに制度として充実させてもそれが実態と直結して地域移行を推進していくことにはならないと思う。地域の事情があるだろうが、入所施設に今入っている方のニーズ、地域で待機している方のニーズ、実際グループホームを使っている方のニーズがバラバラで、相談支援の立場や入所施設の事業所、通所、グループホームが同じ地域の課題として把握されていないのではないだろうか。
(高梨座長)
今のご意見はその前の(小林委員、吉田委員の)ご意見にも関連します。数を出すのに単に市町村の支給決定の数というよりは、むしろ実際のニーズを掴んでいるのは相談支援専門員であり、そうでなければならないと思います。それぞれの社会資源をどのようにつなげていくのかも地域の自立支援協議会の役割と思いますので、相談支援専門部会にそういう意見が出たと検討の課題として伝えることが必要と思います。
(宮代委員)
3ページ○3「障害児・者の地域生活支援の推進」施設整備班とある箇所、ここの拠点整備は地域生活拠点施設という、たしか厚労省が出した資料では10名のグループホームが2つとショートステイを兼ねたものが30名、重複入所でも20~30名、そこにショートステイ機能とか相談支援機能を付けるなど色々あったと思う。国がそう言うので、(県の)第四次障害者計画の中では圏域に1個ずつ作る目標があり、予算配分も優先するという甘い誘いがあった。正直私に言わせれば、なぜこんなものがいきなり出て、なぜそこにグループホームを付けなければいけないのかわからない。ましてや私が仕事している人口60万人の船橋市では今更こういうものを作って何になるのだろう。私は都会では圧倒的に面型の整備、色んな機能を持った事業体があってそれがどう連携していくのかが力になると思う。国がこうやったからそれをやろうではなくて、そもそもこれは何かという議論から始めないと実態に逆行するような施策になりかねない。もちろんショートステイの場が足りないとか相談支援機能を新規で充実させなければならないとかは大賛成だが、一箇所に集めてやる必要がわからないのでその点を含めて議論すべきと思う。
(事務局)
地域生活支援拠点については、国で詳しい説明はない。一つのポンチ絵(概略図)が示されているだけ。ポンチ絵の理解で言うと、障害者支援施設、グループホーム等が中心になって、そこから面的な支援を行う形になるだろう。事務局としては同心円状に広がっていくものだと認識していたが、ご指摘の通り一点集中になるという見方もあるかもしれない。それについてはおそらく市町村によって資源があるところとないところで違うので、一箇所に集められる市町村もあるかもしれないが、資源がない市町村もある。ない市町村についてはどうするのかという問題もあるので、そういうのは逆に集めるというよりは同心円状に支援・様々なサービスを広げていく形になるかと思う。
(倉田委員)
私はもともと地域で暮らしていて、家族から離れて地域に住んでいる。そういう立場でワーキングチームに参加している。テーマが入所から地域移行であり、施設からグループホームというのが県のメインであるようで、また委員には事業所関係者が多いのでどうしても、地域で暮らし続けるにはどうしたら良いかと言った話がない。私のように家族と離れて単身生活をしている重度の障害者も県内にはたくさんいることも認識したうえで、地域でどうやって住み続けるかということも考えていかないと、施設の人たちがメインという話になっていく可能性もあるがそれは違うだろう。今後のワーキングチームで議論を分けて考えることはできるか。
(高梨座長)
現実的に今から分けることは難しいと思いますが、ご意見はその通りと思いますので、在宅で生活している人たちが安心して暮らせるような支え、項目にもありますので併せてどのような表現をするのかは検討したいと思います。
(佐藤(尚)委員)
私も倉田委員のおっしゃることはよくわかります。
(吉田委員)
倉田委員の意見に関連して、私は仕事の中でグループホームの話を保護者とすることに対して、ある面で非常にいやな思いがある。保護者と話していると、安心だからグループホームに囲い込んでおきたいという思いが伝わってくる。親たちでグループホームを作るという話は個人的にあまり乗りたくはなかった。精神障害の方の中には、グループホームでなくて生活保護を受けてアパートで一人暮らしをし、訪問看護が入って投薬のコントロール等をされている方もたくさんいる。そういう面では、「地域移行イコールグループホーム」のイメージが強いのではと私も感じている。「多様な」地域移行とするにとどめ、グループホームを含めたような、幅を持たせるかたちがないといけない。私の経験上、地域では障害者がアパートを借りて暮らそうとすると、個人で借りるよりグループホームに入ってはどうかと大家や不動産屋が言って、グループホームがあることが障壁になることが多々ある。その辺り倉田委員の意見も良くわかるし、地域移行には幅があることはどこかで表記されればありがたい。
(高梨座長)
これは精神の部会もそうですが、国の施策が地域移行といっているものですから地域移行になってしまう。地域移行の元はどこかとなると施設になってしまうのですが、地域での様々な生活の実現という視点で考えなくてはならないのかなと。「移行イコール地域生活」ではなくて、地域生活をどういう形で過ごしていくのかという所に重点を置いた施策でないとならないのかということを感じます。
(田上委員)
国が地域移行を出してきたのは、国連の権利条約において地域で生活をさせようとあることからスタートしているのだろう。主に知的障害の人の入所施設が大半を占めていて、その人たちをいかに地域へ移すかということに取り組んでいると認識している。したがって、小林委員の指摘のように入所施設から地域へ移行することばかりでなくて、自宅にいる人たちが親亡きあと入所施設に入れないからグループホームを利用しようという方向へこれから向かうだろう。ということは、入所施設は十分あるから本当に必要な人たちが使うべきであって、これから作る必要はない、数は足りている、と国は言っているわけだ。そうすると在宅していて通所施設へ通っている人たちは今後グループホームを目指すしかない。実際のところ、まだ入所施設を利用している親御さんはそこが一番安全と思って、まだ足りないと意見を出すほどだ。国はどこを目指しているのか、それに乗りすぎるのもいかがなものか。我々がグループホームを作りたい理由は、わざわざ遠くの入所施設に出す必要はない、今まで地域で生活してきているのでこれを延長させたいと思うから。したがって入所施設から地域のグループホームに移った方の数と空きができたところに入っていく数で相殺すると、入所施設の利用者はそれほど増減していない。今現在1,000名弱の移動しかないはずだ。しかし、これからも入所施設は作らないというならば、今まで通所施設を利用していた人たちの行く先はグループホームしかない。そのためグループホームを作りたい。ところが色々な条件があって、縛りがきつくなってきて、ここ数年非常に作りづらいのが現実で、それをどう解決するのかが、私がこの会議に参加している理由。したがって、この「入所施設から地域移行」にあまり囚われないで、地域生活をどう充実させるか考えることも必要ではと思う。
(高梨座長)
前回、県内の入所定員が5,000人としたら5,000人分のグループホームを作ればそれでよろしいのかという質問も出ましたが、そういうことも含めて考えないといけない課題と思います。
(佐藤(伸)委員)
【資料3】の2ページ、(2)「日中活動の場の充実」に○2「障害のある子どもへの日中活動の場の充実」とある。現状、課題、取組の方向性を読み、説明も聞いたが、特別支援学級を通常の小学校に設置している私の立場から言うと、ここには特別支援学校の再編や、支援学校の子どもたちという表現しかない。確かに通常の小中学校にある特別支援学級の子どもたちは、特別支援学校の子どもより障害が軽度とされているが、現実に接してみると、特別支援学級の子どもたちも放課後の生活が非常に制限される。通常学級の子どものように自分たちだけで人間関係を作り物事にうまく対応していくといった力はかなり低い。そういう意味では「障害のある子どもへの日中活動の場の充実」のところに、特別支援学級の子どもたちという文言も入れてほしい。特別支援学校は全員が支援の必要な児童生徒だが、特別支援学級は通常の小中学校に1から3クラスくらいでまったく別なので、特別支援学級の子どもたちという文言も入れてほしい。
(高梨座長)
閉会の時間も近いので、まだ発言されてない委員はいかかですか。
(石毛委員)
皆様の素晴らしい意見を拝聴した。自身の意見は精査してまた発言したい。
(鈴木委員)
地域への移行ということで、病院や施設から地域へというルートを考えていくことが大切だろうが、障害を持っている方、家族、障害に対する温度差や自分が障害者である認識の状況によって、地域ではなくて施設で暮らすことが家族から見た安全や本人の安心につながる現状もあるはず。したがって地域に出して放任する形だけではなく、入所またはグループホームという安全な施設を確保しつつ、地域での生活に困ったときに入所施設・グループホーム等体制作りが出来ていることが大事。選択肢があると暮らしやすいのでは。
もう一つ。ハード面での制度は整備が充実しつつある。加えて、やはり医療従事者やヘルパーの充実、リハビリや福祉職の充実をと示してあり、良いと考える。しかし看護師が足りない現状もあると聞くし、看護師やソーシャルワーカーが施設とニーズと技術者をコーディネートしつなぎとめる役割であろうから、その充実も大切だろう。
一つはグループホーム等施設の大切さも踏まえつつ地域移行を推進していくこと、もう一つはハードの部分がたくさんある中で、ニーズと提供できること等をつなぎとめる専門職、医療従事者、ヘルパー、ソーシャルワークの方々の育成・確保が大切になると感じた。
(小林委員)
入所施設の立場から、今のご発言をありがたく思う。先ほどの分野の骨子の中で足りないものはないかという質問があったが、最初のところに「入所施設の果たす役割が引き続き重要であることを留意しつつ」と書かれているが、骨子の中で入所施設の役割が抜かされてはいけない。昭和40年代にできた施設は高齢者の看取りまでやっている側面がある。また入所施設で刑務所から出所した人たちを受け入れて訓練や保護的な部分で機能しようといっても空きがない状況だが、そういうことも入所施設の役割だし、必要な時期や場面で入所施設は重要な役割を果たすことを書いてもらわないと、地域移行とだけ言われると、我々入所施設は本来やってはいけない仕事だけをやっているのかという話になりかねないので、入所施設の重要な役割は何かということをしっかり記述していただきたい。あとは、建物の今後の整備の在り方、入所施設がユニット化するとか瀟洒化していく部分も含めてもらわないと、障害者計画でなく地域移行計画になってしまう。
(高梨座長)
あちこちに入所施設の役割・要請については書かれていますので、一度整理して第四次計画を踏まえて事務局で検討いただきたいと思います。
(佐藤(尚)委員)
【資料3】(2)「日中活動の場の充実」にて、障害者といっても今は高齢者が多い状況。デイサービス的なものを作るとしたら介護保険で、となってしまうが、たとえば「見えない」という障害を切り口して、年齢によって障害と介護保険とを分けるようなことをしないでできないものだろうか。
(高梨座長)
制度上非常に難しいところですが、高齢障害者の問題は別のところで検討しなければならない課題と思いますので、具体的にどのように記述するかも検討いただきたいと思います。
ただ今いただいた意見につきまして事務局で整理をお願いします。まだ十分整理できてないと思うので、事務局あてメール等で7月19日までにお願いします。以上で予定されている議題は終了しました。皆様お疲れ様でした。
《閉会》
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