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更新日:令和3(2021)年12月27日
ページ番号:3056
平成27年1月13日(火曜日)午後3時00分から午後5時00分まで
県庁南庁舎4階相談室
高梨座長、宮代副座長、石毛委員、川上委員、刑部委員、倉田委員、小林委員、鈴木委員、田上委員、吉田委員、吉野委員
欠席委員:佐藤恵委員、佐藤伸委員、佐藤尚委員
古屋課長、桜井副課長、美細津副課長、石毛施設指導班長、原見県立施設改革班長、高梨主査、霜崎副主査、宇留賀主事
(事務局)
本日はお忙しいところご出席いただきまして、ありがとうございます。ただ今から、千葉県総合支援協議会(第五次千葉県障害者計画策定推進本部会)入所・地域移行等ワーキングチーム第6回会議を開催します。本日の進行を務めます、計画推進班の高梨と申します。よろしくお願いいたします。
《資料確認》
それでは会議に先立ちまして、古屋障害福祉課長から御挨拶申し上げます。
(障害福祉課長)
皆さん、こんにちは。本年もよろしくお願いいたします。昨年、君津地域フォーラム、山武地域フォーラム、東葛飾地域フォーラムの3箇所を含む5箇所でフォーラムを行い、最後に千葉県障害者計画フォーラムを12月23日に開催いたしました。シンポジウムには、高梨座長、宮代副座長、田上委員に御出席いただきました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。また小林委員、倉田委員をはじめ多くの方にご来場いただきまして、この場を借りてお礼申し上げます。
地域フォーラムや障害者計画フォーラムを含めまして、本日はパブリックコメントに向けて計画素案の案をまとめました。様々な意見を取り込み、できる限りのことをしようと入れたところです。今日またご議論いただきまして、パブリックコメント等でも意見を伺い、計画にしていきたいと思っています。今日もよろしくご議論のほどお願いいたします。
(事務局)
議題に入る前に事務局からお願いがございます。御発言の際はお名前を名乗っていただき、その後に御発言をお願いいたします。それでは、議題に入りたいと思いますので、進行を高梨座長にお願いいたします。
(高梨座長)
あらためまして、皆さんこんにちは。おめでとうございますというには時間が経ちすぎてしまいましたが、この計画策定の作業もいよいよ大詰めということになってまいりました。年度内にきちんとまとめられるように本年もどうぞよろしくお願いしたいと思います。
それではさっそく議事に入ります。まず議題(1)報告事項のその1、千葉県障害者計画フォーラムにつきまして、事務局より説明をお願いします。
《事務局説明》
(高梨座長)
それではただ今の報告につきまして御質問等がありましたらお願いしたいと思います。
(川上委員)
資料1-3の東葛飾地域フォーラムのところで、「日常生活自立支援事業や県単事業と成年後見制度との関係」というのが再質問であるが、ここで言っている「県単事業」は何を指しているか。
(事務局)
特に具体的な事業を指した質問ではなかった。県としての取組の内容をもう少し知らしめしてもよいのではないかという趣旨であった。
(高梨座長)
県民の人口が非常に多い割には参加者がどうしても偏ってしまい少ないという残念な気はいたしますが、これも今後の広報・啓発のあり方を考えていく一つの参考になるかと思います。
いかがでしょうか、参加された方は比較的好意的な意見が多かったとのことのようです。それでは、全部見ている時間もないかとは思いますが、特に御意見がないようですので、次に進みます。
では、議題(2)、千葉県障害者計画の各分野の素案について、事務局から説明をお願いします。
《事務局説明》
(高梨座長)
ありがとうございました。このワーキングチームの所管する部分で、特に「1入所施設から地域生活への移行の推進」という部分を中心に御説明いただきました。私も事前に読ませていただいたのですが、これまで委員の皆さんから出ていた意見を反映してかなり丁寧に加筆修正していただいているのではないかなと評価しています。また、今まではっきりとはしていなかった入所施設の定員及びグループホームの整備目標数等についても書き込んでいただいています。
皆さんの御意見をいただきたいところですが、まず最初に、新たに書き入れていただきました入所施設の定員とグループホームの整備見込み数の部分について、御意見をいただこうと思います。
資料が提出されていますので、小林委員、補足がありましたらお願いいたします。
(小林委員)
最後の最後まで見苦しくて申し訳ないが、入所定員についてはぜひ現状維持ということでいじらないでいただきたいというのが私の主張。
たとえば現状で200人ずつ地域に移行させていくことによって、あるいは事業団(千葉県袖ヶ浦福祉センター)の定員を減らすことによって、待機者数がなくなるという。それは数字の上ではそうなるかもしれない。200人を3年間続ければ600人になるし、事業団が36人減らせばそうなる。ところが実態はどうなのかというのが私の出した資料で、現実的には行動障害あるいは知的障害プラス精神障害あるいは発達障害、そういった人たちが誰も調整してくれない中で入所施設に入れないという現状がある。当事業所の理事長で短期入所の窓口をしている者が書いた文の中に、「受話器を置いたらこの方はいったいどうなるのだろう」とある。何のために福祉をやっているのだろうというのが彼の意見。そういった中で定員を減らすというのは本当に正しいのだろうか。たとえば200人ずつ出して最後に600人減って入れ替えできる、待機者がいなくなるというが、実際のところ毎年のように卒業生の中には家庭での生活が困難である方がいる。たとえば児童施設、ここの中でも養育園で加齢児になったので卒業するという方の中で受け止めなければいけない方がいる。また、3年の間に年を取ってくる方もいる。そういったことを考えると、先ほど美細津副課長が36人の部分を、数字を合わせるために37人にして4,700人にしたというのが、非常に行政のおごりなのではないかと私は思う。そういった数字合わせのために、どうにもならない方がいる。この中の、当法人でお断りしたケースを一つ一つ読み上げてもいいのだが。県は(目標値は)何人でもいいのではないか。実態として入所施設に入らなくても、入所施設がガラガラの千葉県を作るという感覚でいいのではないかと思う。なぜあえて定員を減らすのか。今までも定員はいじらないという路線でやってきたはず。8パーセント減らそうと言ったときにも。実際のところ今までの定員を守ってきた結果、みんなが入所施設に入らなくてもいい、あるいは施設がガラガラである世の中が来たかといえば、現実的には来ていない。この600人であっても、実はたまたま行政が把握している数であって、実態はもっと多いと思う。グループホームでも同じ。そういうことを考えると、定員はこのままでいいと私は思う。
もう一つ、定員と入所者数の開きは何なんだろうと疑問に思っている。どこの施設が空いているのだろうか。総合支援法の中では、身障両方の方、知的障害の方、そういう方も含めて障害者支援施設と言っているので、どの人たちの分野が空いているのか、あるいは空いている施設の中でもなぜ空いているのかが見えていない状況での計画になっている。我々の準備不足なのだろうとは思うが、なぜおたくの施設は定員が空いているのか、今後充足する見込みはないのかと(聞いてみる)。おそらく、例えば50人の施設が4人部屋を2人部屋や個室にするために、入所者をグループホームに出した後に定員を変更しないでそのままになっているケースもあるだろう。なお、しもふさ学園でも入所施設が足りないといいながら、40人に対して38人しか入れていない。2人はなぜ空いているのかといえば、あまりにも悲惨なケースの短期入所の人たちがいるので、その人たちを一ヶ月でも半年でも、できるだけ多くの人たちを救おうという意図で、我々はあえて2人入れていない。したがって、この数字が何を意味しているのということも考慮しないと血の通った計画にならないのではないだろうか。
この36人という数字、千葉県袖ヶ浦福祉センターの定員を減らす数だというが、袖ヶ浦福祉センターの36人は確かに地域移行するかも知れないけれど、袖ヶ浦福祉センターの36人の定員の重みというのは、もともと医療的なケアを要する人、加齢者、あるいは強度行動障害のある人、その人たちの定員だった。そういったことをやってくれるようなところがなくなってしまうのではないか。県がその分を指導する、あるいは定員が減った分だけを、今度はどこかを強化施設としてきちんと調整するのであればよいが、そういうこともなしに36人を減らすというのは単純な数合わせでしかない。
定員はいじらない、定員があっても入所施設を使う人が少なくなるような世の中になればいいだけの話。県は定員が減ったからといって支出が減るわけではないはず。(定員が多いままでも)本当に誰も使わなかったらお金は変わらないはず。40人のところを30人で入れていたとしても、我々の収入が少なくなるだけで県には迷惑をかけないはず。本当にそういう世の中にすべきである。先ほど出した資料でも横浜とか埼玉とか東京とかの相談が来ている。付近一円で施設が足りなくて四苦八苦している現実。これは千葉県でも同様。定員は変えず、ただ入所者数が定員をいっそう割るような、そういう千葉県を作るという覚悟にしていただきたいと私は思う。
もう一つ、グループホームも毎年200人ずつくらい地域移行させるというが、その根拠は何か。県の場合1年あたり10箇所程度にしか補助金を出していない。あるいは田上委員の指摘のように、規制緩和をしない限り、グループホームは一層作りにくくなっている。そういう状況の中で、絵に描いた餅にならないのか心配だ。
(高梨座長)
数値目標ですので、これが実態、実績として本当にどうなっていくのかというのは確かに見通しのない中での議論になってしまうかなと思いますが、小林委員から、入所定員の必要性についてのお話を伺いました。それにあわせてグループホームの整備が進められるわけですが、施設からの移行もあるでしょうが地域の生活の様々なスタイルに対応していくのもグループホームの一つの役割だと思います。今回の整備目標について、宮代委員はどのように評価されているでしょうか。
(宮代委員)
今の小林委員に対する私の思いも含めてお話したい。小林委員のお話は本当だと思う。ただ、私はいつも思うのだが、入所施設が誰のためにあるのか、何のためにあるのかということを本当に詰め切れていない。たとえば4,566名の方が平成25年度には入所している。この人たちは本当に入所施設でないと暮らしていけないのだろうか。自分の足もとを見るに、自分の施設でもまだまだ地域で暮らせる人がいる。しかし、今お話にもあったように、グループホームがソフト、ハード両面で非常に構えづらくなった。人材も不足している。同時に、親御さんにとっては施設から出ることへの抵抗がある。それほどうまくいくとは思わないが、やはり入所施設は誰のためにあるのかということを精査していく中で、本当に必要な人が必要なときに利用できるシステムを作っていくことが一番大事なことではないかと思っている。
4,737名から37名減とのことだが、これはほぼ(減少が)ゼロだと思っている。小林委員は非常に気にされるが、ほとんどプラマイゼロの範囲ではないだろうか。私自身は数字はそのように眺めている。国の方針として4パーセント減の是非はいろいろあるかもしれないが、入所定員を減らしていこうということは今の時代にまさに正論だと思うので、そのような中で方向性を示すために数字をこのように出していくことは大事なことではないだろうか。あわせて、グループホームを200名ずつ増やしていくということも、同様の意味で大事なことだと思う。ただ、繰り返すが、それにはやはりグループホームを、質量ともにより高いもの整備していく、よほどの覚悟と実行力がないとやはり絵に描いた餅になるのではないかということは非常に気にしている。
(高梨座長)
ありがとうございます。他の委員の方はいかがでしょうか。
(吉田委員)
この、居住系目標の考え方は、メールで資料をいただいたときに一番に目にとまった。いい悪いは別として分かりやすい図であると認識した。ただこれはあくまで考え方についてであり、パブリックコメント等のいろいろな場面で資料としては表に出ないものであろう。ただ、そうであるならば数としてはできていて、公開しないのだろうが、じっくり見たときには、待機の621人と入所減の36人と児童から上がってくるうちの72人、合計729人が地域移行するというと、数としては分かるかも知れないが、きっと中には施設に入る方もいるだろう。玉突きだろう。それもいかがなものか。入れば玉突きでこれだけ出すという、数としては合うが、いかにもそれを押し出して数だけ合わせるというものでは、考え方としてはよいにしても表に出すのはまずいだろう。考え方がこじつけのような資料であると思った。数の上ではきっとこういうふうにはいかないだろう。整理をするためのものだろうと受け止めた。
宮代委員のお話のように、数の考え方であるから、こういうものは一つの大きな図式として持っていても構わないとは思うが、それが目標であるからその通りにいくわけではなく、そのときになぜいかないかを再度検討して、このとおりにいかなかった、問題はここだと、考えていけばよいのかなと私は思う。
(高梨座長)
他にはいかがでしょうか。
(田上委員)
入所者を減らすのは国の方針として4パーセントとすると年間36人ずつくらいになる。ただ、国が地域移行ということで地域で生活する人を増やすために入所施設の定員を減らしていこうという方針にしたのだろうが、現実問題として減っていない。吉田委員が指摘されたように、玉突きで減っていない。外に出た分、また待機者が利用している。国の目標を達成しなかった県に対しては罰則か何かあるのだろうか。
(事務局)
罰則のようなものはない。
(田上委員)
すると、先ほど宮代委員が発言されたように、親の気持ちをまず変えないといけない。例えば入所施設を利用している人たちに、グループホームを作りましたから何人か出る人を募集します、と言っても名乗り出る人はおそらくいないだろう。その中で職員が見て、地域で生活するのに適していると思う人をピックアップして地域へ出そうという形でそれぞれの入所施設で努力されていると思う。それに対しても親はすぐに納得する人はおそらくいないだろうと私は思っている。
よく聞いたのは、法人の施設を作る際に自分は何百万出したと。自己資金が必要ということで、何十人かで何百万ずつ出して基本財産を作ったと。その人に今更出て行けと言うのか、という意見をよく聞く。二、三百万円というのは何年かすれば使ってしまっているお金なのだが、当面の資金がないと法人を設立することができない状況があったので、その人たちにしてみれば、私たちがやってきたこと(入所施設を作ったこと)は間違っていなかったはずだと。なぜかというと、いずれは入所施設で生活を送らせるという法律が40年近く続いていた。親御さんたちは、その間に活動していた人たち。その人たちの頭を切り換えるというのは非常に難しいので、その人たちはそのままで、今の入所施設を利用したい人は利用させて、今後の人たちを入所施設を送り込まないような、そのために地域にグループホームを点在させていく、それが大きな目標になると嬉しいと思う。それも、魅力のあるグループホーム。今みたいに縛りがあると、百平方メートルぎりぎりで作らないといけない。すると廊下なども本当に狭い。少なくとも一般家庭の廊下は半間(90センチ)くらいあると思うが、それより狭くしないと百平方メートルの中に四人部屋が作れない。四人分の部屋に世話人にパブリックスペースに、と作ると、本当に廊下などあまり使わないところを詰めていかないと、それだけの利用者を受け入れられるだけの設備ができない。この百平方メートルというのも、二百平方メートルまで広げる必要はないが、もうちょっとだけ、ある程度のスペースが取れるくらいの面積があればいい。防火対策等も補助金など何らかの形で手当てしていただかないと、なかなかグループホームは増えていかないと思っている。法人だとある程度、土地も農地を利用できる。そこの良さがあるので、そこでグループホームを増やしていく方法しかないのかなと思うが、まだまだそこのグループホームを作るときの支援が薄い。以前は一箇所二千万円の補助金を出す制度があったと思うが、それがその年によって希望者が多いと山分けのような形にせざるを得ない。そうすると二千万円まで補助が出ないとなって、初めから計算し直さないような状況になって、グループホームというのは今の制度では本当に進みにくいだろうと思う。
それから、親御さんの考えをあらためるというのは大変難しいことなので、ここ5年の計画では短すぎる。実際に入所施設から地域に移る人もそうそう出てこないと思う。まだまだ学齢期のお子さんがたくさんいて、その人たちがグループホームを利用するようになると思う。その長い年月をかけてでも、もう入所施設へ送り出さないで地域のグループホームで生活ができるという環境を、これから10年くらいかけて計画を練っていくのがいいのではないかと思っている。
(高梨座長)
ありがとうございました。それぞれの立場の方から、非常に基本的な、貴重な御意見をいただいたかと思います。実際の入所者の数を考えますと、重度の、特に知的障害の関係の施設が、生活介護を中心に非常に厳しい状況にある、ただ県内の他の施設がすべて一杯かというとそうではなく、結構定員が空いている施設も中程度の方を対象にしたところが実際にあるのですね。そういうことを考えますと、どれだけ移行できるかというのも、単に机上の数値であって実態を一人ひとり確認したわけではないですから、そういう意味では実態とズレと生じてくるのだろうと。
今、小林委員、宮代委員、田上委員から言われましたように、本当に必要な方に施設を利用していただいて、地域生活のグループホームについても極力地域生活と言えるような質の高いものにしていく中身の問題がこれから一番重点的に考えていかなくてはいけない課題なのかというように伺いました。
とりあえず数値につきましては見込み量を書かなくてはならないという至上命令がありますので、国の方針は4パーセント、何をもって4パーセントなのか分かりませんが、千葉県の今回の計画では袖ヶ浦福祉センターの分も勘案して0.8パーセント、ほぼ横ばい状態ということで、国の要請に対して千葉県の実態をどのように反映しアピールしていくかということで、事務局のほうでは非常に思案した結果出した答ではなかろうかと私は見ております。課長、いかがでしょうか。
(障害福祉課長)
待機者数がかなり増えてきているということがある。数字だけ出すと、本当にできるのかという部分、血の通ったものをと言われるが、待たれている方が多数いる中で、国の言う4パーセント削減はなかなか難しいという部分もあり、今回は微減という形で打ち出したが、いずれにしても計画は毎年確認していく形なので、これから施策をどう打ち出していくかというのが問われている。いただいた意見も踏まえてやっていきたいと思う。特に人数のところは入所定員に対して待たれている方がいるということを、小林委員に毎回御意見いただいているが、本当に重要なところであるので、4パーセント削減という国の方針もある中で、どの程度できるのかということで、0.8パーセントということになったが、また今後の状況をみながら検討していきたい。特に入所者数と定員の差もこれからよく見ていきたい。
(高梨座長)
ありがとうございます。吉田委員が言われましたように、これはあくまで数値目標ですので、実体をどのようにしていくかということのほうに重きを置いて考えていただく必要があるのかなと、むしろ小林委員が言われましたように、空いている施設はなぜ空いているのか、埋められないのか、というところあたりを、県からの調査や働きかけをしていただくことで、もう少し一部の生活介護の施設に偏らないような方法をぜひ検討していただくということで、数値についてはこの辺で御理解いただきたいと思うのですがいかがでしょうか。
(小林委員)
最後に一言だけ。数字は数値目標だからといっても、やはり千葉県が本当に入所施設を減らせる時代になったのかどうか。個々の施設の理事長さんが、実際に自分の入所施設の定員を4パーセント減らそうと思えるだろうか。私もグループホームを運営しているので、別に入所施設を守ろうとして発言しているわけではない。現実的に現場で何が起きているかというところを言っているだけ。
定員10人のグループホームが何棟もできるのと、例えば千葉市の中野学園のように入所施設でありながらユニット化されて穏やかな暮らしをしているところと。本来は入所施設の中で集団的な生活がよくないというのであれば、大規模修繕をするときにユニット化を進める、あるいは個別を理解した上で行動障害の人にも配慮したような入所施設を作ればよいだけの話である。世の中がいつの間にか勘違いしたのは、アメリカにあるような4千人とか3千人とかの規模の入所施設がよくないと言っていたのが、日本にそれを持ち込んで「入所施設はいけない」と言っている。実に20人とか10人単位でユニットでやっていれば、グループホーム以上の安心感もあるし、その人たちの暮らしも豊かになるはず。私は宮代委員のところの入所施設も見学したが、私ならあそこで暮らしたい。廊下幅が半分しかなくて車いすも通れるか通れないかのようなところで暮らしたいとは思わない。
私はこの数字が一番大事だと思う。親御さんたちを嘆き悲しませることになる。「私は入れない」「電話してもどこも受けてくれない」と横浜から東京から片っ端から電話していると言う。そういう中でうちの職員が聞いて、本当になぜこんなに理不尽な境遇の人たちが生じてしまうのだろうというのが現実。千葉県が我々のこの会議の中で、減らしましょうと私は言えない。定員はそのままでいいではないか。実態として使う人が減るような世の中を作ればよいではないか。後は皆さんの御判断にお任せするのでこれ以上は言わないが。
(障害福祉課長)
入所者数、定員数のところで、逆に入所者数に合わせて定員数を減らすというふうに考えられるのだと思う。入所者数の部分に関しては国の目標があるという中で、やはり待機者の方もいらっしゃるというところで、どこまで対応できるのかという部分で、最小限と考えて今回数字を設定している。
入所者数の一つの考え方として、定員は残しておいてもよいのではないかという考えがあるのは理解するが、一方で入所者数に合わせて定員が動いていかないというのは、これはこれで本当に実態にあった入所者数なのかということもあるので、今回は合わせて削っているが、先ほど御意見があったようにある程度の枠があってもということで、ここは引き続き検証を進めていきたい。
(高梨座長)
かつて措置の時代には、結構入所者数のコントロールがされていたのですが、契約になってそれぞれの法人の判断になったので、空いているところは空いていても一杯のところはどうにもならない状況ということで、まちまちになっているというのは事実だと思います。やはり、それをきちんと精査していかないといけないだろうなと。
(小林委員)
社会福祉法人として、社会貢献として、行動障害などの困っているケースを優先して入れるという県の誘導策をきちんと作るべきだと思う。その結果の中で、私は今でも入所施設の定員は足りないと思っている。
(高梨座長)
そのあたりを今後の課題として検討していただきたいと思います。実の上がる方法をとっていただくのが必要かなと。
(宮代副座長)
「のまる」は40人の定員を35人にした。何年前だったか、年間で3つくらいグループホームを増やせた時期があって、そのときにかなりグループホームに移行できたので、減らそうということで35名にしてそのまま続いている。最初は船橋市から、減らして大丈夫なのか、減らしては困るということを色々言われたが、私たちの姿勢として、入所を減らして地域へということでやっていこうと、それは「のまる」を作ったときからの方針だったのだが。ただ、おっしゃるように減らした分がどうなっているかというと、ショートステイになってしまっている気がしなくもない。そこで足踏みしてしまっているので、さらに減らせるかというと今のところ難しい。
また、この問題の中で、入所施設が強度行動障害と高齢者に向いているのかというと、そういうものでもないと思う。小林委員のところで今やられているような、行動障害を持った人がグループホームで暮らせるシステムをどのように作っていくかということをあわせてやらないと、施設は行動障害の人たちが集まってそれでいいのかということになる。そうではないだろう。色々なニーズがあって、それに応えていくべき。器を決めてそういう人ばかりいらっしゃい、というのでは違うと思う。最終的には、暮らしやすさ、居心地の良さというのは本人が判断するものなので。
やはり行動障害と言われる人たちもグループホームでどこまでできるのか、何が必要なのかということを積み上げていって、そこに至らないと、この議論は永遠に振り出しに戻ってしまうように思える。
(高梨座長)
国のほうもただ数値を減らせばいいということではなくて、そういう苦しみを伴いながらも少しでも地域意向が進むようにということだと理解しておりますので、引き続き小林委員、宮代委員の意見を参考に検討していただきたいと思います。
(倉田委員)
私の立場から言うと、障害者支援施設とグループホームの見込み量と書いてあるが、では、障害者支援施設ではなく、グループホームでもなく、私みたいに本当に地域で暮らしている人たちの、見込み量というと大げさだが、その人数がリストに書かれていないのは残念だと思う。
(高梨座長)
グループホームについて、ということですか。
(倉田委員)
施設を退所したり、グループホームを退去したりして、家で暮らすとかの見込み量か何かを……。地域移行という話であるから、究極の目的は自分の家で暮らすことだと私は思う。それが全然ないというのはどうなのかと。
(高梨座長)
地域移行の中に、在宅に戻る人数は考えていないのでしょうか。
(事務局)
指標には挙げていないが、柱の1「入所施設から地域生活への移行の推進」の中で、「地域生活を推進するための在宅サービスの充実」ということで項目を設けているので、参考にさせていただきたい。
(高梨座長)
具体的な数値までは盛りこんでいないということですね。
(倉田委員)
もう少し付け加えていただくとありがたい。
(障害福祉課長)
居住の場所についてのサービスが、ここのところの目標で立てているもの。あと、例えば短期入所などは市町村から必要サービス見込み量として提出されている。これは第3部として後ろのほうにまとめて掲載している。
(高梨座長)
少し時間がおしてしまいましたが、先ほどの説明がありました「入所施設から地域生活への移行の推進」の部分で、入所施設の定員、グループホームの問題以外のことで何かお気づきの点はございますか。
よろしいですか。ここはかなりきちんと、これまでの意見を踏まえて修正していただいているかなと思いますが。
では、もしございましたらまた後で全体を通して時間が取れたらお伺いしたいと思いますので、その時にお願いします。
それでは次の部分に入ります。7の「障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実」、8の「その他各視点から取り組むべき事項」について、事務局から説明をお願いします。
《事務局説明》
(高梨座長)
ありがとうございました。それではただいま説明のありました7と8について何か御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
(川上委員)
95ページの「人材の確保・定着」のところ、97ページの指標のところで、医師及び看護師の確保定着についての指標があるが、社会福祉士や介護福祉士についても同じように千葉県社会福祉協議会で修学資金の貸付事業を行っているので、そういったものも指標に入れていただいたらどうかと思う。
(事務局)
今の御意見の趣旨を健康福祉指導課に伝えて検討させていただく。
(高梨座長)
他にはいかがでしょうか。特によろしいですか。
ないようでしたら、最後になりますが、全体を通して、また御意見のある方、いかがでしょうか。
(川上委員)
入所・地域移行等ワーキングチームとは外れるところだが、今回の障害者計画フォーラムや、先般の社会福祉協議会が行った地域福祉フォーラムで障害者に対する差別や偏見について、学校現場での教育等をしっかりとやってほしいという意見が多数あった。これについては、障害者計画全体でいうと権利擁護の部分に「障害のある人への理解の促進」があって、そこで福祉教育について触れられているが、そこをもうちょっと丁寧に書いていただく必要があるのではと思う。千葉県は、小中高の中から福祉教育推進校を指定して取組を進めているので、その辺を指標に入れていただきながら県ではこういう取組をしっかりやっているのだということを県民にわかっていただく必要があるのではないかと思う。
(障害福祉課長)
先ほどの件、確かにフォーラム等でいろいろと沢山の方から御意見をいただいている。
(高梨座長)
他にはいかがでしょうか。
ないようでしたら、ただ今いただきました意見を参考に事務局であらためて整理をしたいと思います。
それでは、予定していた議題は以上で終了いたします。なお、1月22日開催の本部会で、この入所・地域移行等ワーキングチーム及び各専門部会での検討した素案をもとに、パブリックコメントに向けてのとりまとめを予定しています。ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
続きまして、事務局から何かございましたらお願いします。
《事務連絡》
(高梨座長)
それでは、若干早いですけれど、すべての議事を終了しましたので、進行を事務局にお返しします。御協力ありがとうございました。
(事務局)
本日は長時間にわたり誠にありがとうございました。以上をもちまして、第6回入所・地域移行等ワーキングチームを終了いたします。どうもありがとうございました。
《閉会》
お問い合わせ
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