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更新日:令和4(2022)年8月22日
ページ番号:524443
経営面積の拡大や農業従事者の減少・高齢化に伴う労働力不足に対応するため、稲作経営においてはスマート農業機械導入による省力化・労働負担の軽減に向けた取り組みが求められています。特に、農業用ドローンについては、無人ヘリコプターより安価であり、身体的負担が大きい動力散布機等による除草剤、殺虫・殺菌剤散布作業を代替できることから、千葉県では普及が進んでいます。しかし、農業用ドローンで農薬散布等を行う際には、航空法等法令の他、農林水産省が制定した「無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」(PDF:273.1KB)に基づき、事故を起こさないための安全使用について、正しい知識を身に着けることが重要です。そこで、ここでは、農業用ドローンの散布前から散布後までの確認事項や散布時の飛行例について紹介します。なお、内容については、千葉スカイテック株式会社様の御協力の下、作成しております。
ドローンを飛ばす前には、下記5点について注意しましょう。
農薬散布を行う際には、下記の3点について注意しましょう。
また、実際に圃場で農薬散布する際の飛行例を紹介します。
最初に、図1の圃場における飛行例について、図2が良い例となります。離陸地点は、オペレーターがドローンと障害物の距離を目視で確認できる位置からとします。また、散布開始時はオペレーターとドローンの安全な距離を確保するため、枕地散布を行います。今回の例では枕地散布が1往復だけとなっていますが、十分な距離が確保できない場所では、枕地散布をもう1往復行った方がより安全に作業ができます。なお、図2では便宜上、離陸地点とオペレーターの距離が近くなっておりますが、実際は20メートル以上距離を確保してください。
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図1 圃場1筆のみの例
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図2 良い飛行例
次に、図3の圃場における飛行例について見ていきます。図4が良い例、図5が悪い例となります。ドローンの事故で特に多い事例は、電線や建物との接触事故です。図4のように4工程に分け、障害物に向かって飛行しないこと、接触の危険性がある場所にはナビゲーターを置くことを意識しながら作業を行いましょう。また、図5のような散布方法では、横移動する際にハウスの方向に飛行させており、尚かつオペレーター、ナビゲーターが距離を目視できないため、より事故のリスクが高くなります。
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散布作業終了後は、ドローンの故障を防ぐため、下記2点を確認しましょう。
近年は農業従事者の減少・高齢化に伴い農業用ドローン等の無人航空機の導入が増えておりますが、国土交通省に報告のあった無人航空機の事故トラブルについて、令和2年度は70件、令和3年度は86件と直近2年間だけで156件の事故が発生している現状です。これから農業用ドローンを導入される方や既に導入されている方についても、上記の注意点や国土交通省の無人航空機飛行マニュアル等を遵守し、事故のないよう安全な使用を心がけましょう。
初掲載:令和4年6月
海匝農業事務所
改良普及課旭グループ
普及指導員
山本一浩
電話番号:0479-62-0334
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