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更新日:令和5(2023)年12月21日

ページ番号:3104

第2部I-4障害のある子どもの療育支援体制の充実

総合計画から

  • 障害のある子どもが、ライフステージを通じて一貫した療育支援を受けられるよう、関係機関の連携により、地域における療育支援体制の構築を図ります。
  • 手帳の有無や診断名等に関わらず障害の可能性が見込まれる児童のために、地域の障害児施設の有する機能や人材を活用して早期発見や診断、適切な治療や訓練等を行い、地域生活における療育、相談支援体制の充実及び在宅障害児等やその家族の福祉の向上を図ります。
  • ホームヘルプや障害児通所支援、訪問看護などを通じて在宅支援機能の強化を図り子どもの育ちと子育てを支える施策に取り組みます。
  • 東葛地域における医療型障害児入所施設について東葛6市と連携しながら引き続き支援を行うとともに、他の地域についても支援のあり方について検討します。
  • 重症心身障害の状態にある子ども等が入所する老朽化が進んだ県立施設の整備のあり方について、今後検討します。

(1)障害のある子どものライフステージを通じた一貫した療育支援体制の充実

I現状・課題

障害のある子どもが、乳幼児期から学校卒業後までライフステージを通じて一貫した療育支援を受けられるよう、関係機関の連携により、地域における療育支援体制の構築が求められています。

障害のある子どもを対象としたサービスは、平成24年4月の児童福祉法等の改正により、障害種別で分かれていた通所・入所サービスが、障害児通所支援、障害児入所支援に一元化され、障害児通所支援には児童発達支援センター、児童発達支援事業、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援が、障害児入所支援には福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設がそれぞれ位置づけられました。

第五次千葉県障害者計画の策定に当たっては、こうした制度の見直しを踏まえるとともに、第四次計画の第3章「障害のある子どものための施策の展開」の冒頭に掲げた基本スタンスを継承し、子どもの権利を尊重し、個々の特性に応じた支援に当たるものとします。

千葉県袖ヶ浦福祉センター養育園の事件を受けて、県立施設だけの問題としてではなく、これまで養育園が求められてきた果たすべき役割である「強度行動障害児等の手厚い支援が必要な障害児、被虐待児への支援」「被虐待児童の緊急一時保護を含めたセーフティネット機能の強化」について、県として対応していくことが必要です。

1歳6か月児健診や3歳児健診等の乳幼児健診の充実による早期発見や、保育所・幼稚園における障害の理解の向上を図り、これらの場での気づきを速やかに専門的機関につなげることで、早期に家族が障害を受け入れて専門的な支援につなげることが重要であり、併せて、こうした対応により、二次障害を防ぐことが重要です。

また、ライフステージを通じた支援を行うための情報伝達ツールであるライフサポートファイルの拡充及び活用や、障害特性に応じた支援が必要です。

さらに児童発達支援センターや児童発達支援事業、放課後等デイサービスの拡充、児童発達支援センターの機能強化を通じたネットワークの構築により、療育支援体制の整備を図る必要があります。

また、今後、策定される「千葉県子ども・子育て支援事業支援計画」や「千葉県特別支援教育推進基本計画」、「子どもの貧困対策の推進に関する法律による県の計画」などとも整合性を取りながら施策の実施に努める必要があります。

II取組みの方向性

  • 1障害の早期発見や早期支援につなげるために重要である乳幼児健診の精度の向上や、継続支援の充実及びライフステージを通じて一貫した支援が受けられるライフサポートファイルの導入や一層の活用について、市町村に働きかけるとともに、事業の実施状況や効果についても検証を行っていきます。
  • 2知的障害、視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由、重症心身障害、発達障害、高次脳機能障害、難病等、障害特性に応じて療育支援のあり方が異なることから、必要とされる支援のあり方についての検討を行います。
  • 3地域の療育支援体制の中核として期待される児童発達支援センターや、児童発達支援事業、放課後等デイサービスについて、機能の充実を図るとともに、事業の拡充を図ります。
  • 4児童発達支援センターが、発達障害者支援センター(CAS)と連携を図り、同一の障害保健福祉圏域にある児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所、教育関係機関、保育所等とネットワークを構築し、情報共有のための会議及び職員の支援技術向上のための研修を実施します。

III数値目標

障害のある子どものライフステージを通じた一貫した療育支援体制の充実に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

1

児童発達支援センター箇所数

28

33

35

37

2

児童発達支援事業箇所数

121

161

179

198

3

放課後等デイサービス事業所箇所数

199

305

338

378

4

ライフサポートファイルの実施市町村数

29

34

44

54

(第四次千葉県障害者計画から)

~障害のある子どもへの施策の基本スタンス~

すべての子どもは社会の宝です。

子どもは皆等しく「子ども」として守り育てられる権利を持ち、社会は子どもを健全に育てる義務を有します。このため、子どもが、等しく子どもとして育てられるに当たり、一人の人として十分に尊重され、個々の特性に応じた配慮がなされなくてはなりません。

また、子どもにとって、親の愛情の下に育てられることは、最大の幸せです。このため、親にとって子育てが過剰な不安や負担とならないよう、家族への支援を行うことも含めて、子どもが心身ともに健全に育つための必要な支援がなされなければなりません。

さらに、子どもが自立していくこととは、その子の可能性を最大限生かせる環境を社会が提供し、生きている喜びを、当人や家族が感じられるように保障されることです。

本県においては、このような考え方に立って、個々の子どもの「障害」という一つの特性に十分に配慮し専門的な支援を行いつつも、障害のない子どもと同様に、それぞれが住む地域において、子どもの育ちと子育てを支えることを基本スタンスとします。

このために、障害のある子どもやその家族のニーズに寄りそって、できる限り組織や制度の縦割りも排除しつつ、その支援に当たることとします。

(2)障害のある子どもと家族への在宅支援機能の強化

I現状・課題

障害のある子どもやその家族が身近な地域で支援が受けられるよう、また、家族が問題を抱え込むことのないよう、居宅介護(ホームヘルプ)、訪問看護、短期入所、訪問相談、訪問療育支援、訪問診療相談を充実し、さらには、市町村や児童相談所との連携により早期の虐待防止に努めるなど、在宅支援機能の強化が必要です。

II取組みの方向性

  • 1障害のある子どもが、できる限り自宅や住み慣れた地域で生活し、また、家族のレスパイトや緊急時に対応できるよう、短期入所事業所を拡充し、在宅支援の環境整備に努めます。
    また、強度行動障害のある子どもを受け入れる短期入所施設の拡充が図られるよう検討します。
  • 2ホームヘルプ、訪問看護など、在宅生活を支える訪問系サービスの充実が図られるように、また、比較的軽度な障害の子どもでもニーズに沿ったサービスが受けられるよう、市町村に働きかけます。
  • 3医療的ニーズの高い障害のある子どもを支援するホームヘルパーの養成を進めるため、医療的ケアの研修の充実を検討します。
  • 4親の療育技術の向上やストレスの軽減等を図るため、発達障害やその疑いのある子どもの保護者を対象とした子どもとの接し方や育て方についてのペアレントトレーニングを受ける保護者の増加に努めます。

III数値目標

障害のある子どもと家族への在宅支援機能の強化に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

5

短期入所事業所数(障害のある子どもを受け入れる施設)

78

82

84

86

6

居宅介護事業所数(障害のある子どもを受け入れる事業所)

662

762

812

862

(3)地域における相談支援体制の充実

I現状・課題

障害のある子どもの早期支援には障害の早期発見が必要です。そのためには、障害認定の有無に関わらず、地域の障害児施設の有する機能や人材を活用し、在宅の障害のある子どもや療育を実施している事業所に対して支援を行う障害児等療育支援事業の推進が求められます。

また、発達障害のある子どもの親に対する相談・助言を行うペアレントメンターの養成や、地域の実情に応じた総合的な支援体制を構築し、医療・保健・福祉・教育のコーディネートができる人材の育成、充実を図ることが必要です。

さらに、虐待や二次障害の悪化という状況に陥らないよう、家庭に寄り添ったきめ細やかな相談支援体制も求められます。

II取組みの方向性

  • 1発達障害のある子どもへの早期支援を図るため、保育士や幼稚園教諭等、また、施設の巡回支援を実施する保育所等訪問支援事業所や障害児相談支援事業所の支援員等を対象に、障害の基礎知識や各種援助技法等の研修を実施します。
    また、障害児通所支援の保育所等訪問支援事業の事業所の拡充に努めます。
  • 2在宅の障害のある子どもに対して各々の特性に応じた療育支援を提供できるよう、医療・保健・福祉・教育関連機関の連携を調整する療育支援コーディネーターを地域生活支援事業を活用して市町村に配置するよう促します。
    また、複数の市町村が圏域単位で配置する場合は助成額を上乗せするなど、広域での活動を促します。
    さらに、情報交換等のため、関係市町村等も含めた療育支援コーディネーター連絡協議会を開催します。
  • 3発達障害やその疑いのある子どもを育てる親が安心して子育てができるよう、発達障害のある子どもを育てた経験のある親をペアレントメンターとして登録し、発達障害者支援センター(CAS)と連携して、親の会などの場で相談・助言を行います。
    また、ペアレントメンターに対してのフォローアップ研修会の開催や家族とペアレントメンターを結び付けるペアレントメンターコーディネーターの配置に努め、発達障害のある子どもを持つ親への支援を実施します。
  • 4障害のある人や障害のある子どもを受け入れる通所・入所施設の有する機能を活用し、在宅の障害のある子どもや障害の可能性のある子どもを支援するため、障害児等療育支援事業を推進します。また、障害児等療育支援事業における施設指導支援事業の訪問先として、より多くの利用者を支援するため児童養護施設も対象とするよう検討します。
  • 5相談支援専門員、療育支援コーディネーターや児童発達支援センターの職員を対象として、障害児支援に関する総合的なコーディネートやアセスメントに関する知識や技術を向上させるための研修を検討します。
  • 6障害児通所支援事業所において行われていることばの教室などの、障害特性に応じた支援について、その充実を市町村等に働きかけるとともに、周知します。

III数値目標

地域における相談支援体制の充実に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

7

障害児等療育支援事業(実施見込み箇所数)

77

65

65

65

  障害児等療育支援事業(相談見込み件数)

29,806

31,500

32,000

32,500

8

療育支援コーディネーターの配置人数

6

増加に努めます

増加に努めます

増加に努めます

(4)障害のある子ども一人ひとりが十分に教育を受けられるための取組の充実

I現状・課題

障害のある幼児・児童・生徒が、それぞれの発達段階や障害の特性に応じた教育を十分に受けられる取組の充実が必要です。また、障害への対応が不適切な場合、いじめを受けたり、加害者になったりする可能性があり、障害に対する理解を拡げていくことも必要です。そのため、どの学校においても、障害の特性に配慮した支援や、一人ひとりの教育的なニーズに対応した適切な支援ができるよう、学校全体での特別支援教育の充実を図ることが不可欠です。

さらに、教育環境を整備し、合理的配慮の充実を図り、全ての教職員の専門性の向上に関する取組を推進するとともに、ライフステージに応じた教育相談支援体制と、卒業後に地域社会の中で利用できる社会資源の積極的な活用に結びつけていくための連携支援体制の充実を図ることも重要です。

また、現在、特別支援学校の児童生徒数の増加が著しく、それに伴う教室不足や施設の狭隘化が喫緊の課題となっており、「県立特別支援学校整備計画」に基づき、平成23年4月から平成27年4月までに7校の新設校を開校するなど対応を図っているところです。

これらの課題の具体的な解決を図りながら、障害のある子どもが、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加することができることを目指すとともに、共生社会を形成する基礎となる特別支援教育の推進と教育環境の整備を進めていくことが不可欠です。

II取組みの方向性

  • 1幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、通常学級の担任をはじめ全教職員の障害への理解促進と障害のある児童生徒への対応、特別な教育的ニーズに応じた指導力を高めるため、研修の充実を図るとともに、保育所、認定こども園、放課後児童クラブにおいても特別支援教育に関する研修の充実を図ります。
  • 2幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校と保健・医療などの関係機関との連携の充実を図るとともに、不適応の個別のケースについて、児童発達支援センターや発達障害者支援センター(CAS)と連携して解決を図ります。
  • 3幼稚園、小学校、中学校、高等学校における個別の教育支援計画の作成と活用を一層進めるとともに、学校における特別支援教育コーディネーターの資質の向上を図り、また、コーディネーターとして複数の教員を指名できるように努めるなど、校内支援体制の充実を図ります。
  • 4医療依存度が高くて特別支援学校への通学が困難な児童・生徒に対して、訪問教育の充実に努めます
  • 5いじめや不登校の問題については、学校や家庭、教育委員会と児童相談所等の関係機関との連携や、子どもと親のサポートセンターや総合教育センターなどの相談機関との連携により支援の充実を図ります。
  • 6高等学校や特別支援学校の卒業後の進路について、個別の移行支援計画の作成と活用を図り、学校とハローワーク、就労支援施設、相談支援事業所などの就労関係機関との連携を強化します。
  • 7過密化の状況、緊急性、児童生徒数の動向、通学の利便性向上などを踏まえ、「県立特別支援学校整備計画」等により、計画的に整備を進めていきます。

III数値目標

障害のある子ども一人ひとりが十分に教育を受けられるための取組の充実に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

9

小・中学校等における特別支援教育に関する個別教育支援計画作成率(%)

62.7

72.0

76.0

80.0

10

特別支援教育に関する教員研修受講率(%)

76.4

85.0

90.0

90.0

(5)障害のある子どもへの医療・福祉サービスの充実

I現状・課題

医療的ケアが必要な障害のある子どもが、在宅において医療・福祉サービスが提供され、地域で安心して生活できるよう、医療・福祉・教育・保健の連携を図り、在宅療養を支える体制の整備が必要です。

視覚障害、聴覚障害、内部障害や発達障害等のある子どもの中にも医療的な支援が必要な子どもたちがいます。また、公的支援の対象となる難病の範囲の指定が拡大され、難病によるADLの低下が障害になるなど、障害の範囲の見直しがされていることから、こうした子どもたちに対する支援のあり方についても検討が必要です。

なお、難病患者への支援については、障害者総合支援法と同様に、制度の谷間のない支援を提供する観点から、児童福祉法においても障害のある子どもの定義に難病等が加えられました。

この難病等の範囲については、平成27年1月に151疾病に拡大されましたが、平成27年度に国において更なる見直しが行われる予定です。

重症心身障害の状態にある人(子どもを含む)への入所支援については、成長した後でも本人をよく知る職員が継続して関われるようにするなど、児者一貫した支援が望ましいことから、今後も医療型障害児入所施設と療養介護の一体的な運営の継続が求められています。また、重症心身障害の状態にある人(子どもを含む)が入所する県立施設の老朽化も課題となっています。

また、強度行動障害のある子どもに対応する支援の充実も必要です。

さらに、入所施設が設置されていない地域においては、実態の把握や在宅支援のあり方についての検討が必要です。

II取組みの方向性

  • 1国のモデル事業である小児等在宅医療連携拠点事業(平成25、26年度実施)の成果を活かし、医療・保健・福祉・教育の分野で小児等の在宅支援に関わる人材の育成、医療資源の拡充、関係者のネットワークの構築を進めます。
  • 2医療的ケアを要する障害のある子どもが在宅で医療や福祉のサービスを受けられるよう、訪問看護師の育成研修や、「医療的ケアのある子どもに対する相談支援ガイドライン」を活用して相談支援専門員の育成を行います。
  • 3重症心身障害の状態にある子どもや強度行動障害のある子どもの在宅支援については、医療的ケアの問題とともに家族の高齢化の問題などもあり、施設入所のニーズが高い状況にあります。
    こうした中で、医療型障害児入所施設や強度行動障害のある子どもに対応する施設の支援の充実を図るとともに、施設の役割や施設が設置されていない地域における在宅支援のあり方について検討します。
  • 4重症心身障害の状態にある人(子どもを含む)が入所する老朽化が進んだ県立施設について、県民からの高いニーズに対応できるよう、県立施設としての役割を維持・強化する視点から、整備のあり方について検討します。

III数値目標

障害のある子どもへの医療・福祉サービスの充実に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

11

福祉型障害児入所施設入所定員

288

288

288

288

12

医療型障害児入所施設入所定員

492

562

562

562

(注)医療型障害児入所施設は、いずれも療養介護の指定を受けており、この場合の定員は障害のある子どもと障害のある人を合わせた数となっていることから、上記の定員には、障害のある人も含まれています。
また、上記の定員には、主として肢体不自由のある人(子どもを含む)の入所定員20人も含んでいます。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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