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更新日:令和5(2023)年12月21日

ページ番号:3098

第1部I障害者計画の目指すもの

1計画策定の背景

平成18年の障害者自立支援法施行後、本県では、「第三次千葉県障害者計画」(平成16年度~平成20年度)に引き続き、平成21年1月に「第四次千葉県障害者計画」(平成21年度~平成26年度、以下「第四次計画」という)を策定し、障害者施策を総合的に推進してきました。

この間、国では、今までの取組を踏まえ、障害のある人の地域生活への移行の推進、権利擁護、就労の促進について、平成21年12月に、内閣府の「障がい者制度改革推進本部」内の障害当事者を中心に構成された「障がい者制度改革推進会議」において、障害者施策全般の見直しが行われ、大きく制度が変更されています。

平成23年7月には障害者基本法が一部改正されました。その内容としては、障害者の定義について、いわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえ、「障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」とし、その際の「障害」の範囲を、発達障害や難病等に起因する障害が含まれることを明確化する観点から、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害」とする見直しがなされました。あわせて、障害者が分け隔てられることなく他者と共生することができる社会の実現といった目的規定の改正、防犯・防災、消費者として障害者の保護の追加など、我が国が平成19年9月に署名した障害者権利条約等の趣旨に沿って、改正が行われました(平成23年8月施行)。

障害者基本法の改正等を踏まえて、障害者自立支援法が改正され、地域社会での共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講じるための「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)が平成24年6月に成立し(平成25年4月施行、一部平成26年4月施行)、障害者の範囲への難病患者の追加・重度訪問介護の対象者の拡大・共同生活介護の共同生活援助への一元化などの制度改正が行われました。

権利擁護分野では、虐待を受けた人の保護や虐待の通報時の対応などを定めた「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(障害者虐待防止法)が平成23年6月に成立し(平成24年10月施行)、平成25年6月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が成立しました(平成28年4月施行)。

この障害者差別解消法の成立により、国内法の整備がなされたことから、平成25年12月に障害者権利条約が国会承認され、我が国は同条約の141番目の締約国・地域になりました。平成26年2月19日から日本において条約の効力が発効したところです。

障害のある人の雇用・就労分野では、平成25年4月から法定雇用率が民間企業は2.0パーセント、国・地方公共団体等は2.3パーセントへと引き上げられ、また、平成25年6月には、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(障害者雇用促進法)が改正され、雇用の分野における障害者差別が禁止されるとともに、精神障害のある人が法定雇用率の算定基礎に加えられました(平成28年4月施行、一部平成30年4月施行)。さらに、国・地方公共団体等からの官公需の受発注の増大を目的とした「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」(障害者優先調達推進法)が平成24年6月に成立し(平成25年4月施行)、県としては、同法に基づく物品等調達方針を策定し、障害者就労施設等への官公需の発注促進に努めているところです。

2計画策定の趣旨・位置付け

この計画の趣旨は大きく分けて2つあります。まず、多岐にわたる障害者施策について、今後の基本的方向を示し、実効性ある施策を総合的かつ計画的に推進するためのものです。これは、障害者基本法第11条第2項に基づく法定の基本計画としての位置付けです。次に、これらの施策のうち、特に、障害福祉サービスの必要見込み量等を示すものです。これは、障害者総合支援法第89条第1項に基づくものです。これらの計画の策定に当たっては、国が「障害者基本計画(第3次)」や障害福祉計画策定に当たっての基本指針等を定めていますので、これらに即し、本県の状況を踏まえ策定します。

また、本計画は、本県の総合計画「新輝け!ちば元気プラン」(以下「総合計画」という)、地域福祉の推進・向上の基本計画である「千葉県地域福祉支援計画」に即し、保健医療計画、子ども・子育て支援計画等の関連する計画との連携及び県行政全体との整合性を図りながら、策定するものです。

内容としては、入所施設から地域生活への移行の推進をはじめ、権利擁護、療育支援、相談支援、就労支援、障害特性に応じた支援のほか、障害のある人の「教育」、「生活環境」、「安全・安心」に係る分野など、幅広い分野を対象とします。

3計画の基本理念と目標

障害者基本法では、第1条において、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」ことを目的として規定しています。

また、基本原則として、同法第3条では、「全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること」を前提としつつ、障害者が社会を構成する一員として、社会、経済、文化等あらゆる分野の活動に参加する機会が確保され、地域社会で他の人々との共生を妨げられないこと、同法第4条では、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない」等規定されています。

以上のことから、本計画では、このような障害者基本法の理念のもと

障害のある人がその人らしく暮らせる社会の構築

を目指します。

上記の目標を実現するために、障害のある人のライフステージに沿った福祉サービスが提供されるなど、障害のある人が地域社会の中で人々と共生し、その人らしく暮らせる環境を整備します。

4策定に係り各分野に共通する基本的な考え方

(1)障害のある人等の意見の尊重と障害のある人自らの意思決定の支援

障害のある人は、自らの決定に基づき社会に参加する主体であることを踏まえ、障害者施策の策定及び実施に当たっては、障害のある人及びその生活を支援する家族等の関係者の意見を聴くなど、その意見を尊重します。

あわせて、障害のある人が自らの意思を選択・決定し、その意思を表明できるように、相談の実施等による意思決定の支援とともに、意思疎通のための手段を選択する機会の提供を促進します。

(2)障害のある人本位の総合的な支援

障害のある人が乳幼児期から高齢期まで各ライフステージを通じて、適切な支援を受けられるよう、保健・医療、教育、福祉、雇用等の各分野が連携して、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行います。支援に当たっては、障害のある人の自立と社会参加の支援という観点に立って行うよう留意します。

(3)障害特性等に配慮した支援

障害者施策の実施に当たっては、性別、年齢、障害の状態、生活の実態等に応じてきめ細やかに対応します。

また、発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう等の障害について、県民により一層の理解が進むよう広報・啓発活動を行うとともに、施策の充実を図ります。

(4)アクセシビリティの向上

障害のある人の活動を制限し、社会への参加を制約している、事物、制度、慣行、観念等の社会的障壁の除去を進め、ソフト・ハードの両面にわたる社会のバリアフリー化を推進し、様々な情報やサービス等に関する利用しやすさを示すアクセシビリティの向上を図ります。

あわせて、社会全体でのバリアフリー化を推進する観点から、積極的な広報・啓発活動に努めるとともに、企業、市民団体等民間団体の取組を積極的に支援します。

(5)障害を理由とする差別の解消

障害を理由とする差別は、障害のある人の自立や社会参加に深刻な悪影響を与えるものであるため、障害者差別解消法や「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」に基づき、障害者団体を始めとする様々な団体との連携を図りながら、社会全体において、障害を理由とする差別の解消に向けた取組を積極的に推進します。

(6)施策の総合的かつ計画的な取組の推進

障害のある人が必要なときに必要な場所で適切な支援を受けられるよう、市町村等との適切な連携及び役割分担の下で、障害者施策を立案及び実施します。

また、効果的かつ効率的に施策を推進する観点から、保健・医療、教育、福祉、雇用等多くの関係機関や関係者と連携を図りながら、医療関係施策、子ども・子育て関係施策、障害者施策に関係する他の施策・計画等との整合性を図りながら、総合的・計画的に施策の展開を図ります。

5計画期間

平成27年度から29年度までの3年間とします。

6策定体制

計画の策定体制として、関係機関、関係団体や障害のある人及びその家族、障害のある人の福祉、医療等の職務に従事する者で構成される千葉県総合支援協議会を障害者総合支援法第89条の3第1項の規定に基づき設置し、第五次千葉県障害者計画策定推進本部会とし、その中に設置されている5つの専門部会(精神障害者地域移行推進、権利擁護、療育支援、相談支援、就労支援)と今回の計画策定に当たり新たに設置された1つのワーキングチーム(入所・地域移行等ワーキングチーム)が中心となって総合計画をもとに具体的な検討を行いました。

その検討結果については、障害者基本法及び障害者総合支援法により、計画策定に当たっての意見聴取が義務付けられている千葉県障害者施策推進協議会(障害者基本法第36条第1項の規定に基づき設置が義務付けられている合議制の機関)からの意見を聴きながら策定しました。

7第四次千葉県障害者計画の進捗状況

(1)取組の状況

第四次千葉県障害者計画では、県と民間の委員で構成する「第四次千葉県障害者計画策定作業部会」を設置し、計画を策定しました。その「策定作業部会」を引き継ぎ、第四次計画推進の基本的役割を担う組織として「千葉県総合支援協議会(旧自立支援協議会)」を「第四次千葉県障害者計画推進作業部会」とし、定期的に計画の推進状況の確認と成果の評価を行いつつ、計画の推進を図ってきました。平成21年1月に策定後、3年後の平成24年4月には、第四次千葉県障害者計画への施策の追加等(○1障害者総合支援法改正への対応○2災害時における障害のある人への支援体制の整備○3第3期障害福祉計画の策定及び数値の反映)を行い、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」の理念に基づき、「障害のある人が一番暮らしやすい県」を目指してきました。

(2)政策実現の目安となる数値目標

障害のある人の地域生活への移行については、第四次千葉県障害者計画では、第三次千葉県障害者計画に引続き最重要施策と位置付け、グループホーム等の地域基盤の整備や就労の支援、日常生活における障害のある人への理解の促進や差別解消を図ることにより、障害のある人の地域生活の実現を目指してきました。
その結果、平成18年度から平成25年度までに1,263人の人が、福祉施設からグループホームや自宅などの地域生活に移行したところです。また、施設入所者数については、平成25年度末現在4,566人(平成26年度末目標4,700人)となっていることから、施設入所者の地域移行が進んでいることがわかります。

第四次千葉県障害者計画の主な数値目標
項目 参考 平成25年度実績 平成26年度目標 達成率
地域生活移行者数(累計) 849人
(平成18~22年)
1,263人 1,500人 84.2%

施設入所者数

約4,863人
(平成23年4月)
4,566人
(297人減少)
4,700人
(163人減少)
182.2%

福祉施設からの就職者数

276人
(平成22年度)
566人 400人 141.5%

精神障害のある人の一年未満入院者の平均退院率

71.7%

(平成20年度)

71.8% 76.0% 94.5%

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お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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