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更新日:令和5(2023)年12月21日

ページ番号:3107

第2部I-7障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実

総合計画から

  • 発達障害、高次脳機能障害、強度行動障害など、地域の支援施設・機関では通常の対応が難しい障害について、県内に拠点を設置して支援の拡充を図るとともに、より地域に密着した支援ができるよう、民間での専門的・広域的な支援拠点機関の普及促進や、そのための機関・人材育成などの具体的な仕組みづくりを進めます。
  • 通所による施設サービスだけでは支援が困難な障害のある人に対して、親の会、当事者サポート団体などと連携した支援などを進めます。
  • 特に本人や家族の負担が大きい重度心身の障害のある人に対しては、支払いに係る利便性の向上を推進します。
  • ひきこもり本人や家族等に対しては、相談支援等により、ひきこもり本人の自立を推進し、本人及び家族等の福祉の増進を図ります。

(1)重度心身障害者(児)医療費助成制度の現物給付化の実施

I現状・課題

重度心身障害者(児)の健康・福祉の増進と医療費の負担の軽減を図るため、国民健康保険法等に基づく保険による医療給付の自己負担額の助成を実施しています。

現在、医療機関の窓口で一旦自己負担額を支払い、後日、その領収書を添えて実施主体である市町村に申請し、還付を受ける償還払いとなっているため、障害のある人やその家族への負担が大きく利便性の向上が必要です。

市町村への後日の還付申請を不要とする本制度の現物給付化については、本県においては平成25年度に、その方向性を打ち出しました。

II取組みの方向性

  • 1重度心身障害者(児)の医療費に係る利便性の向上を図るため、市町村との協議結果を踏まえ、平成27年8月の現物給付化の実施に向けて、制度の詳細部分の調整を行い、事務を進めます。
    なお、現物給付化されると、医療機関の窓口で受給者証を提示し、通院1回、入院1日につき300円の一定の自己負担をいただくことで、後日、市町村に対して払い戻し請求を行う必要がなくなります。なお、低所得者(住民税非課税世帯)については、引き続きご負担はありません。また、65歳以上で新たに重度障害となった方については、制度の対象外となります。

(2)地域の支援施設等のみでは支援が困難な障害に対する支援の推進

I現状・課題

発達障害、高次脳機能障害などについて専門的な支援体制や、日中活動の場の確保が課題となっています。支援に当たっては、より身近な地域での支援体制の整備が必要です。

発達障害

知的障害を伴わない自閉症やアスペルガー症候群その他の広汎性発達障害(「高機能広汎性発達障害」ともいいます。)のある人の存在が社会的に認識されてきており、支援を必要とする人は県内にも一定程度存在すると考えられます。

県では、千葉市、我孫子市に専門的支援拠点として千葉県発達障害者支援センター(CAS)を設置し、各ライフステージに応じた電話・窓口・巡回による相談支援や、各分野の関係者への研修等を行っています。

発達障害における相談支援のニーズが千葉県発達障害者支援センター(CAS)に集中しており、速やかな対応が困難な状況にあります。また、地域における相談支援体制の整備や発達障害のある子どもを育てた保護者の経験やノウハウを活用できる制度、仕組みづくりが必要です。

また、高機能広汎性発達障害のある人などの日中活動の場が不足しており、対応可能な事業所の整備や利用者への情報提供が必要です。

高次脳機能障害

県内3か所に支援拠点を設置し、支援コーディネーターを配置し、機能回復・社会復帰に向けた訓練、就労支援、情報発信、研修等を行い、支援普及を図るとともに、千葉県千葉リハビリテーションセンターに高次脳機能障害支援センターを設置し、より専門的な支援を実施しています。一方、地域における支援体制強化と県内の高次脳機能障害のある人の数などの実態把握が必要です。

高次脳機能障害のある人への支援は、より専門性が必要となるため、地域の相談支援事業所等においては支援が難しい場合もあります。また、就労定着が困難な場合もあり、就労支援の方法についてさらなる支援の検討が必要です。

矯正施設からの退所・円滑な社会復帰

矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院)に入所する障害のある人の円滑な社会復帰を促進するため、地域生活定着支援センターにおいて、支援を行っています。また、医療観察法の対象者の社会復帰を促進するため、保護観察所等の関係機関と連携を図ることが必要です。

矯正施設に入所している障害のある人の中には、自立した生活を送ることが困難であるにもかかわらず、必要とする福祉的支援を受けられなかった人が退所後の受入先や住む場所を確保できず矯正施設を退所し、犯罪を繰り返す例もあり、課題として指摘されています。

II取組みの方向性

  • 1発達障害、高次脳機能障害については、県としての広域的な専門支援拠点における支援の拡充やバックアップ体制を整えつつ、市町村においても相談支援に対応できるような体制の整備を引き続き推進するため、地域における専門性の高い人材の育成や、県内拠点及び地域内の関連支援機関とのネットワーク構築に取り組みます。
  • 2発達障害のある人への理解の深化や支援体制の整備を図るため、地域において啓発や支援者養成を目的とする研修等を行うとともに、千葉県発達障害者支援センター(CAS)と地域の相談支援機関との役割分担を明確にし、連携を進めます。
  • 3高機能広汎性発達障害のある人などの日中活動の場の整備を促進します。
    また、発達障害のある子どもの子育て経験のある保護者をペアレントメンターとして登録し、その拡充や活動を支援します。
  • 4高次脳機能障害のある人に対する支援について、各支援拠点機関の支援者の育成や地域連携の構築により支援体制を強化するとともに、高次脳機能障害ネットワーク連絡協議会等を通じて、各支援拠点機関と連携しながら高次脳機能障害のある人の実態の把握や就労定着に繋がるよう就労支援の方法等について検討します。
  • 5矯正施設の退所者に対する支援については、保護観察所等の関係機関と連携のもと、矯正施設に入所する障害のある人が出所後に必要な福祉サービスを受けるための支援を行います。また、医療観察法の対象者に対する支援についても、保護観察所等の関係機関と連携のもと、社会復帰できるよう支援を行います。

III数値目標

地域の支援施設等のみでは支援が困難な障害に対する支援の推進に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

1

発達障害者支援センター運営事業(研修等受講者数)

5,977

9,000

9,000

9,000

  発達障害者支援センター運営事業(相談件数(地域相談支援機関での対応を含む))

2,752

設定なし

設定なし

3,500

2

高次脳支援拠点機関数

3

3

3

3

3

高次脳機能障害相談件数

9,244

9,300

9,300

9,300

(3)通所サービスだけでは支援が困難な障害に対する支援の推進

I現状・課題

発達期までに生じた重度の知的障害と身体障害を併せ持ち、医療的ケアの必要な状態を重症心身障害といいます。重症心身障害では、日常的に医療的ケアが求められることから、常に専門性を備えた施設とつながりを保つ必要があります。

県内には、重症心身障害の状態にある人(子どもを含む)が入所できる施設が6箇所ありますが、立地する地域が限られていることもあり、さらに充実を求める声があります。加えて、福祉型短期入所事業所では、喀痰(かくたん)吸引の研修を受けた職員が不足しているために短期入所サービスが利用できない問題があるという意見があります。

また、事故等により遷延性意識障害となった人が呼吸器等を付けて医療的ケアが必要な状況で在宅生活している場合も同様な問題があると言われています。

重症心身障害の状態にある人等が、地域で生活するにあたってのニーズや実態に対応するとともに、家族・介護者等のレスパイトなど、より身近な地域で必要な時に利用できるサービスの提供体制整備が求められています。

II取組みの方向性

  • 1地域で生活する重症心身障害の状態にある人等が、専門性を備えた施設で短期入所等のサービスを利用できるようにすることは、家族等を支援するうえでも重要です。事業者によるこれらのサービスの提供を促進するため、福祉型短期入所事業所に対して、国の制度にはない報酬加算を引き続き実施するなど、必要なときに十分に利用できるサービス提供体制の整備に努めるとともに、制度の拡充等を検討します。
  • 2医療的ケアが必要な障害のある人の在宅での暮らしを支援するため、市町村の支援状況の実態把握に努めるとともに、医療分野等との連携を含めた支援体制の整備等を行えるよう市町村協議会への支援に取組みます。

III数値目標

通所サービスだけでは支援が困難な障害に対する支援の推進に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

4

短期入所事業者数

134

137

140

143

(4)ひきこもりに対するアウトリーチ型支援の推進

I現状・課題

ひきこもりとは、「様々な要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6カ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」とされています。

内閣府が平成22年に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によれば、普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する人を含めて、全国で約70万人がひきこもり状態にあると推計されています。県内のひきこもり状態にある人の実数等の県の実態調査はありませんが、全国と本県の平成26年4月1日現在の人口比を用いて推計すると、本県におけるひきこもり状態にある人は約3万人と想定されます。

県では、このような状況を踏まえ、平成23年10月に「ひきこもり地域支援センター」を開設し、本人及び家族等からの電話相談に応じるとともに、平成25年度から希望者に対しアウトリーチ(訪問支援)を実施しています。また、ひきこもり地域支援センターの周知を行っています。

ひきこもりは、長期化するほど、社会復帰が難しいとされており、できるだけ早期に支援につなげる必要があります。

また、平成25年度に寄せられた相談において、ひきこもり対象者の年齢は20代と30代が合わせて6割強を占めており、特に、若年層の支援をしている関係機関との連携を図る必要があります。

さらに、ひきこもり地域支援センターにおけるひきこもり支援コーディネーターのスキルアップやアウトリーチ型の支援ができる担い手の確保が課題となっています。

II取組みの方向性

  • 1ひきこもり地域支援センターにおいてアウトリーチ型の支援を充実するとともに、同センターで開催している「事例検討会」等を活用して、ひきこもりから仕事や学校に行けるようになり、かつ家族以外の人との交流ができるようになった事例を蓄積・分析することにより、ひきこもっている人の自立促進のための対応策の検討をし、ひきこもり支援コーディネーターのスキルアップを図ります。
  • 2また、「子ども・若者育成支援協議会」等を通じて、関係機関の連携体制の構築を図ります。
  • 3「ひきこもりサポーター養成・フォローアップ研修事業」を実施し、より身近な支援者を育成するとともに、ひきこもりサポーターを派遣する市町村等、関係機関と連携しながら、ひきこもりの早期発見に努めます。
  • 4千葉県子ども・若者総合相談センター「ライトハウスちば」におけるひきこもりに関する相談に努めます。
  • 5今後、市町村の取組みの現状把握に努めるとともに、実態調査についても検討していきます。

III数値目標

ひきこもりに対するアウトリーチ型支援の推進に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度
5 ひきこもりサポーター養成者数

なし

50

75

100

6 ひきこもり地域支援センターの相談見込み件数

483

800

900

1,000

7 ライトハウスちばの相談件数(ひきこもりに関するものに限る。)

297

600

700

800

8 アウトリーチ型の訪問件数

15

50

100

200

 

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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