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更新日:令和5(2023)年12月21日

ページ番号:3106

第2部I-6障害のある人の一般就労の促進と福祉的就労の充実

総合計画から

  • 障害のある人が可能な限り一般企業で就労するとともに、継続的な職業生活を維持できるよう、障害福祉施設からの就労拡大をはじめとして障害のある人の就職、職場定着、離職時フォローの支援などを進めます。
  • 障害のある人の経済的自立に向けて、工賃向上計画に基づく官公需の受注促進と就労支援事業の強化のための支援を行い、工賃の向上を図ります。
  • 障害者優先調達推進法に基づき、県の調達方針を策定し、県の取組を進めます。
  • 障害のある人が自らの価値観に沿った働き方を選択し、自らの能力を最大限発揮し自己実現できる環境づくりを進めます。

(1)就労支援・定着支援の体制強化

I現状・課題

平成25年9月に策定された国の障害者基本計画(第3次)においては、「働く意欲のある障害者がその適性に応じて能力を十分に発揮することができるよう、一般就労を希望する者にはできる限り一般就労できるように、(中略)総合的な支援を推進する。」とされており、障害のある人の一般就労の促進は重要な課題となっています。

一般就労の促進においては、障害者雇用促進法に基づく企業等の雇用の義務付けや障害のある人への職業リハビリテーションが実施されています。平成25年には、法定雇用率が1.8パーセントから2.0パーセントに引き上げられ、同法の改正により、平成28年4月から雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いの禁止や職場で働くに当たっての合理的配慮の提供、また、平成30年4月からは、精神障害のある人の雇用が義務化されます。

就労意欲のある障害のある人は毎年増加しており、千葉県内の新規求職件数は平成21年度の4,838件から平成25年度の7,011件へと約1.4倍になっています。就職件数も、平成21年度の1,373件から平成25年度は2,572件と増加していますが、新規求職件数と就職者数の間に開きがあり、多くの働く意欲のある障害のある人が就職の機会を得られない状況にあります。また、多様な障害の中でも、精神障害(発達障害を含む。)のある人の就職希望が特に増加傾向にあります。

就職の件数を更に増やすとともに、障害のあることを理由に不当に扱われることなく、就職後も安心して働き続けられるよう、障害特性に応じた就労支援と定着支援を行う必要があります。

II取組みの方向性

  • 1企業や公的機関、地域における障害の特性に応じた就労の機会の拡大を促進するとともに、適時のアセスメントができる体制の充実を図るほか、障害のある人が安心して働き続けられるよう、就労先での労働条件等の権利擁護に関して、相談支援体制の強化を図ります。
  • 2一般就労を促進するためには、就労移行支援事業所をはじめとする支援機関や特別支援学校の支援体制を強化する必要があることから、就労移行支援事業所等に対する研修や情報提供を実施するほか、定着支援の充実を促すような給付費の制度の見直しについて、必要に応じて国に働きかけます。
  • 3精神障害のある人を支援対象とする就労移行支援事業所の一層の拡充とともに、障害者就業・生活支援センターをはじめとする支援機関による就職後の定着支援体制の充実を促進します。
  • 4県立障害者高等技術専門校において、障害のある人が就職に必要な知識・技能を習得し、職業人として自立するために必要な職業訓練の充実を図ります。また、障害のある人が身近な地域で職業訓練を受講できるよう、企業や社会福祉法人等の多様な委託先を活用し、就職に必要な知識・技能の習得を図ることで障害のある人の雇用に向けた効果的な職業訓練の機会の確保を推進します。
  • 5民間企業における雇用及び職域が拡大するよう関係機関と連携して働きかけるほか、県内公的機関における障害のある人の雇用を促進します。県庁において、チャレンジドオフィスちばをはじめとした障害のある人の雇用の取組や更なる職域の拡大に向けた研究を推進します。また、入札参加資格の登録において、障害者雇用率達成企業に対し優遇措置を実施します。

III数値目標

就労支援・定着支援の体制強化に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

1

福祉施設利用者の一般就労への移行者数

570

820

940

1,060

2

就労移行支援事業の利用者数

2,397

3,000

3,400

3,840

3

就労移行率が30%以上の就労移行支援事業者数(全体に占める割合)(%)

29

35

40

50

4

就労移行支援事業及び就労継続支援事業の利用者の一般就労への移行者数

566

810

930

1,050

5

公共職業安定所におけるチーム支援による福祉施設利用者の支援件数

163

190

200

210

6

障害者高等技術専門校の就職率(%)

79.3

80

80

80

7

委託訓練事業の受講者数

237

250

260

270

8

障害者トライアル雇用事業の開始者数

93

120

130

140

9

職場適応援助者による支援の対象者数

75

90

100

110

10

従業員50人以上規模の企業で雇用される障害のある人の数

8,194

9,730

10,600

11,550

11

従業員50人以上規模の企業で雇用される精神障害のある人の数

482

790

1,010

1,293

12

障害者雇用率が法定雇用率を達成した公的機関の割合(%)

80

100

100

100

※上記項目における人数及び件数は、県内の施設又は支援機関を利用した数

(2)障害者就業・生活支援センターの運営強化

I現状・課題

障害のある人が安心して働き続けるためには、就労と生活を支える地域のネットワークが重要です。本県では、県内全ての障害保健福祉圏域に障害者就業・生活支援センターを設置するように努め、就労面及び生活面の一体的な支援の充実を図ってきました。

障害のある人が企業等で働くうえで、適切な労働条件や職場環境の確保など障害のある人の権利擁護が重要です。障害者就業・生活支援センターにおいても、その環境整備のため障害のある人や企業等を支援する役割が期待されます。

II取組みの方向性

  • 1障害者就業・生活支援センターを県内全圏域(16箇所)に設置し、雇用、福祉、教育、医療等の関係機関と連携しながら、障害のある人の就業及びそれに伴う生活に関する指導・助言、職業訓練の斡旋などを行い、障害のある人の職業生活及び地域生活の安定と福祉の向上を図ります。また、各障害者就業・生活支援センターの取組内容について随時確認し、提供される支援の質の確保に努めます。

III数値目標

障害者就業・生活支援センターの運営強化に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

13

障害者就業・生活支援センター事業の支援対象者数

6,059

7,060

7,630

8,240

14

障害者就業・生活支援センター事業の実施見込み箇所数

15

16

16

16

(3)障害のある人を雇用する企業等への支援

I現状・課題

障害のある人の就職件数は増加傾向にありますが、法定雇用率の適用のある従業員50人以上の企業では、企業規模が小さいほど法定雇用率の未達成率が高く、法定雇用率が2.0パーセントに引き上げられたことに伴い、障害のある人の雇用に関する一層の支援が必要と考えられます。

また、障害者雇用促進法の改正により、平成28年度から障害のある人の雇用に当たって合理的配慮を講ずることが義務化されますが、特に、精神障害のある人や知的障害のある人の雇用への具体的対応について助言を求める声があります。

II取組みの方向性

  • 1障害のある人への理解と雇用促進に取り組む企業等を応援するため、障害のある人の能力を活用する工夫や職場において合理的配慮が講じられるよう雇用管理上のアドバイスを行う企業支援員(障害者雇用アドバイザー)を各障害保健福祉圏域に配置するとともに、法定雇用率未達成企業等を対象に雇用の受入れ準備や定着を支援する障害者雇用サポート事業を実施するなど、障害のある人の職域開拓や、合理的配慮への対応を含めた企業等に対する継続雇用の支援を行います。
  • 2障害のある人を積極的に雇用し、障害のある人もない人も共に働きやすい職場づくりに努めている企業等を千葉県障害者雇用優良事業所(通称「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」)として認定し、その取組内容を県民に周知することで、障害のある人の雇用に対する理解と促進を図ります。認定された事業所は、ロゴマークを会社案内や名刺等に使用することができます。

III数値目標

障害のある人を雇用する企業等への支援に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

15

企業支援員の配置人数

8

16

16

16

16

フレンドリーオフィスの新規認定数

11

15

15

15

17

従業員50人以上規模の企業で雇用される障害のある人の数(再掲)

8,194

9,730

10,600

11,550

18

従業員50人以上規模の企業で雇用される精神障害のある人の数(再掲)

482

790

1,010

1,293

(4)支援機関や関係機関のネットワークの構築及び情報共有化

I現状・課題

障害のある人の就労支援に当たっては、関係機関が協力して支援を実施することが重要です。関係機関の連携強化を図るため、障害者就業・生活支援センターを中心に地域意見交換会等を実施し、ネットワークづくりを行っています。

特別支援学校及び高等学校の卒業生のうち、一般就労を目指す障害のある生徒が増加する中、特別支援学校及び高等学校を含む関係機関の連携の重要性が増しています。

II取組みの方向性

  • 1就労を促進するための情報共有化を目的とした会議等の開催、支援者のスキル向上のための研修会等を実施し、各障害保健福祉圏域ごとにハローワーク、就労支援施設、相談支援事業所、特別支援学校、高等学校、医療機関等の地域の関係機関の連携・協力を促し就労支援ネットワークを強化します。また、関係機関の連携強化を促す仕組み作りについて検討します。

III数値目標

支援機関や関係機関のネットワークの構築及び情報共有化に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

19

ネットワーク構築のための会議を開催した圏域数

15

16

16

16

(5)福祉施設等で生産活動・福祉的就労を行う障害のある人の賃金(工賃)向上への取組の推進

I現状・課題

就労の意欲があっても企業等での就労が難しい障害のある人は、就労継続支援事業所などの福祉施設等において生産活動に従事しており、そのような活動は「福祉的就労」と呼ばれています。福祉的就労を担う就労継続支援事業所には、障害のある利用者が事業所と雇用契約を締結することを原則とする就労継続支援A型事業所と、雇用契約に基づかない生産活動の場である就労継続支援B型事業所があります。雇用契約に基づかない生産活動の結果利用者に支払われる賃金は、「工賃」と呼ばれています。

県では、就労継続支援B型事業所において障害のある人が受け取る工賃の額を平成26年度末に平均月額18,000円とする目標を設定しましたが、平成25年度末で12,596円となっています。工賃が伸び悩む要因の1つとして、新規開設の就労継続支援B型事業所が、目標工賃を達成するだけの作業を確保することが困難な現状が見受けられます。

このような中、平成25年4月に「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」(以下「障害者優先調達推進法」という。)が施行され、国や地方公共団体等が率先して障害者就労施設等からの物品等の調達を推進するよう、必要な措置を講じることが定められました。

障害者就労施設等からの物品等の調達に関して、県では調達方針を定めて発注増に取り組んでいるほか、発注可能業務を登録するデータベースである「チャレンジド・インフォ・千葉」を設け、受注機会の拡大に努めていますが、障害者就労施設等が受注できる業務内容や、障害者優先調達推進法の理解を一層広げる必要があります。

就労継続支援A型事業所は増加傾向にあり、平成21年度末から、平成25年度末までに7事業所から30事業所に増えています。就労継続支援A型事業所は、原則として雇用契約を締結したうえで障害のある人に就労の機会を提供することから一般就労に近い側面がありますが、障害のある人へ生活支援を提供するという障害福祉サービス事業所としての目的を見失わず、その役割を果たすことが重要です。

II取組みの方向性

  • 1就労継続支援事業所への支援を通じ、作業内容の充実や施設外就労への取組など、福祉的就労の一層の充実を促進します。就労継続支援事業所に対し、作業の種類の拡大も含めた事業内容の充実、経営改善など、福祉的就労を行う障害のある人が働く力を充分発揮できる環境づくりを通じた賃金(工賃)向上に資する支援を実施します。
  • 2千葉県障害者就労事業振興センターを通じて、障害者就労施設等が提供できるサービスや製品を県、市町村や民間部門へ周知するほか、同センターにおいて共同受注をするなどして、障害者就労施設等への発注の増加を促進します。
  • 3就労継続支援A型事業所について、提供されるサービスの内容に課題がないか確認し、研修や情報提供等を実施してサービスの質の向上を図ります。

III数値目標

福祉施設等で生産活動・福祉的就労を行う障害のある人の賃金(工賃)向上への取組の推進に係る年度別数値目標
ナンバー 項目 25年度実績 27年度 28年度 29年度

20

就労継続支援B型の平均工賃月額

12,596

14,000

15,000

16,000

21

県内官公需実績(県及び市町村)(千円)

107,815

110,000

120,000

130,000

22

官公需拡大のための商談会(県後援)への参加行政機関数(所属部署単位)

32

50

80

100

(6)障害のある人の自らの価値観に基づいた働き方の選択を尊重した支援

I現状・課題

障害のある人が働くことによって得られるものは、賃金(工賃)だけとは限りません。「感謝される喜び」や「社会のために貢献している感覚」を大切にしたいと思うのは障害の有無に関係ありません。障害のある人も、自らの価値観に基づいて就労の選択ができることが大事です。その際、障害の特性上自分の希望を思うように伝えられない人にとっては、周囲の支援者が本人の価値観を理解し、適切な支援を行うことが欠かせません。

II取組みの方向性

  • 1障害のある人が働く際に、経済的自立のほか、障害のある人が自らの価値観に基づく「働き方」や「生き方」を追求し、多様な働き方の選択が尊重されるように支援を行い、安心して継続して働ける環境づくりに努めます。
    障害のある人の相談を受ける際や、サービス等利用計画及び個別支援計画を作成する際には、支援会議やモニタリングを通じて本人の希望を丁寧に確認し、希望が実現されるよう配慮することを支援機関等に周知徹底します。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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