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更新日:令和5(2023)年8月17日
ページ番号:343556
田植え直後は深水管理、活着後は浅水管理とします。
田植え直後、苗が活着するまでは、風の強い日や低温の日は苗の葉先が少し見える程度の水深を保持し苗を急激な環境変化から保護します。しかし、深水を続けると発根や分げつの発生が悪くなり、初期生育の抑制につながります。地温を上げるため、天候が安定している日や、苗が活着したら浅水管理を基本としたこまめな水管理が必要です。
除草剤の剤型により散布時の水深に違いがあり、粒剤・フロアブル剤・顆粒水和剤が3~5cm、ジャンボ剤・自己拡散型粒剤がやや深く5~6cmです。また、散布後3~4日間は3~5cmの湛水深を保ち、散布後7日間は止水管理とします。
水稲用除草剤の初期剤や初中期一発剤は、「茎葉兼土壌処理剤」です。湛水した水田に散布して溶けた有効成分を雑草に吸収させて枯らす効果(茎葉処理)と、雑草が生える前に散布して土の表面に有効成分が吸着した「処理層」をつくり、後から生えてくる雑草がその処理層を通過するときに吸収して枯れる効果(土壌処理)があります。漏水などで田面が露出すると、処理層の分解が早まり抑草期間が短くなるので、水管理に注意しましょう。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が多く発生しているほ場では、ジャンボタニシの活動を抑制するために、移植後2~3週間水深4cm以下の浅水で管理します。
ジャンボタニシは水が深いところで活発に活動し、移植3週間後頃までの柔らかい苗を好んで食害します。時には苗がほとんどなくなる被害が発生する場合もあります。近年は暖冬傾向のため、ジャンボタニシの越冬数が増加していると言われています。適切な水管理により、被害を防ぎましょう。
水位センサー(写真1)や自動給排水システムといった水管理を省力化するための技術が開発されています。水回りしにくい場所や離れたほ場でも、スマートフォンなどのモバイル端末から水位が確認できるようになり、水管理にかかる労力を軽減することができます。
印旛農業事務所では、令和元年度に印西市で水位センサーの現地実証試験を行いました。試験を実施した農家からは、「遠いほ場の水位の変化をスマホから確認することができ、水回りの労力軽減につながった。」「水管理の手間を減らせた分、田植えなど他の作業に労力を回せた。」とのコメントがあり、労力軽減対策として期待できます。
最近では機能が充実したものから比較的安価に導入できるものまで、数種類が発売されています。水管理の労力を減らしたい、またはきめ細やかな水管理をしたいという生産者の皆さまは、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
写真1.水位センサー
初掲載:令和2年5月
印旛農業事務所
改良普及課
普及指導員犬塚沙織
電話:043-483-1124
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