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診療科・部門紹介

臨床工学科

部門紹介

千葉県がんセンターの臨床工学科は、常勤の臨床工学技士4名とパート職員で業務を行っています。

臨床工学技士は、他の医療資格と同様に国家資格を保有し、専門知識を生かして病院内の生命維持管理装置(医療機器)に係わる診療の補助や操作及び保守点検を行っています。

部署の沿革

2012年頃~2020年3月

臨床工学技士の常勤1~2名が、医療安全室などの他部門に所属し医療機器関連業務に携わっておりました。後年は、院内辞令の取り扱いにて臨床工学科とされていました。

2020年4月

新病院移転予定の年度で常勤者が4名となりました。

2020年10月

新病院に移転しました。

病院機能は大きく進化し、許可病床数の増床、IT設備や防災機能拡張が行われました。

医療機器に関しては、大幅な追加調達と更新が行われました。医療用ロボットも1台追加され2台になり、温熱療法(ハイパーサーミア室)も新設されました。

臨床工学科のスタッフや医療機器管理室の機能が大幅に増強しました。

2022年4月

院内表記的な臨床工学科から、病院局の組織として正式な臨床工学科が設置となりました。

技師が科部長となりました。

院内の組織は、医療局→診療部→臨床工学科の位置づけになっています。

業務内容

・手術室支援

がんセンターでは、年間3000件程度の手術が行われており、医療機器に係わる安全をサポートしています。

主に麻酔用生体情報モニタシステム、手術室中央映像システム、麻酔器、手術用ロボット、脳外科大型機材、腹腔鏡手術装置、などの保守、準備、修理点検、情報管理、臨床補助、メーカーとの仲介、医師や看護師からの相談対応を行っています。

・内視鏡センター支援

年間6000件程度の内視鏡検査、手術が行われており、医療機器に係わる安全をサポートしています。内視鏡、胸腔鏡装置など点検準備、修理点検の情報管理、内視鏡スコープの管理、臨床補助、メーカーとの仲介、医師や看護師からの相談対応を行っています。

・ICU支援

人工呼吸器の点検、使用管理、巡回、医療機器の貸し出し、各種医療機器の相談を行っています。

・病棟支援

人工呼吸器の点検、使用管理、巡回、医療機器の貸し出し、各種医療機器の相談を行っています。

 ・温熱療法室(ハイパーサーミア)支援

年間500件程度の治療が行われています。装置の点検、使用管理、医師の指示のもと操作運転を行っています。

 ・その他臨床業務支援

頻度は少ないですが、末梢血幹細胞採取のサポート、一時的ペースメーカー留置のサポートも行っています。

・臨床工学技士養成校学生への病院実習の支援

臨床工学技士会の臨床実習指導者講習を受講済みの技師が在籍しています。

当院は、人工透析、人工心肺を保有していないため、他の千葉県立病院群の所属病院である循環器センター、こども病院、総合救急医療センターと協力して学生実習の一部を分担しています。

・医療機器管理室業務

中央管理機器について

輸液ポンプ、シリンジポンプ、栄養ポンプ、PCAポンプ、フットポンプ、人工呼吸器について中央管理(貸し出し管理)を行っています。

各業務での医療機器対応の変化

近年、世の中の医療機器事情は大きく変化しています。高性能、高機能にはなりましたが、機器の内部は従来型よりも電子部品やコンピュータチップが多用されており、デリケートで壊れやすく、寿命が短くなっています。このため、より点検が必要になり、早めの更新、調達管理が必要になっています。

従来は、軽修理や分解調整なども行われていましたが、近年の故障原因は、電子部品の不具合や電子プログラムの不整合、ネットワークエラーによるものがほとんどとなり、医療機器のユーザー保守も工具などを使って分解修理できるようなものは少なくなり、メーカーから分解修理の許可も下りなくなっています。

このため、機器の不具合時には、故障状況を適切に把握しスムーズにメーカーと情報共有し、メーカーに修理依頼する方向に変化しています。

状況を把握せずに修理に出しますと、高額修理になることや、メーカーの工場で故障状況が再現されず、不具合を残したまま修理返却されることがあります。これを避けるため、機械知識のある者が修理の仲介をすることが重要なことと考えています。

医療機器管理室の紹介

医療機器の中央管理や貸し出しや点検を行うエリアを、CEセンター、MEセンター、医療機器センターなど、様々な呼ばれ方がありますが、当院での正式名称は医療機器管理室としています。

特徴

・新病院移転に合わせて、400床規模の中央管理室として必要十分な面積(102m2)や設備が確保されています。

・医療機器の点検管理にかかわる専門職として臨床工学技士が確保されています。

・貸し出し機器は、輸注ポンプ、フットポンプ、栄養ポンプ、モニタを配置、人工呼吸器は回路を組みICU機材庫に保管しています。

・貸し出しを行っている中央機器は、機器需要の繁忙時期に合わせ、医療現場に不足ない数を保有しています。

・点検済み貸し出し棚と返却棚を間違いのないよう、十分な距離で分離できています。

・点検時に清拭前、清拭後の作業場所を分けるスペースが確保されており作業の分離が行えています。

・祝日含む24時間、整備済みの医療機器を貸し出しが可能で、電子カルテにより入出庫、貸出先の把握が可能です。

・電子錠により施錠されたスペースで機器を保管、職員は日中と変わらない手間で24時間入出庫が可能です。

・重要機器の夜間のトラブルはメーカーの緊急連絡先や手順が周知されています。

・人工呼吸器使用時など、重症部門や一般病棟へのサポートが行えています。

・看護師や医師など、院内全体の医療機器教育、講習、スケジュール調整などを行っています。

・重要医療機器の取り扱い説明書や添付文書が電子カルテPCから閲覧できるようにしています。

・医療機器管理に主にかかわっている臨床工学科が、院内で中立的な立場の組織として独立できています。

・日常的に病院幹部や安全室と連絡を取り合えており、安全にかかわることは幹部のトップダウン依頼が容易に行えています。

スタッフの参加学会・研究会

日本臨床工学技士会、千葉県臨床工学技士会、日本体外循環技術医学会、日本人工臓器学会、日本ハイパーサーミア学会等

年度業務実績(2020年度~2023年度)

区分  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
輸液ポンプ 10501 11148 111769 12482
フットポンプ 2073 2149 2148 2174
シリンジポンプ 1396 1471 1459 1383
PCAポンプ 628 733 696 693
経腸栄養ポンプ 178 172 144 128
人工呼吸器 73 82 94 101