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更新日:令和4(2022)年10月20日
ページ番号:7485
ネギ栽培で緑肥を導入することにより、以下のような利点があります。
ネギの作型に応じて、緑肥を使い分けます(表1,2)。秋冬ネギの作付後には、ハゼリソウ、カラシナ、アウェナストリゴサ(エンバク野生種)など、夏ネギの作付後には、ソルゴーなどを使用します。
科 |
作物名 |
主な品種名 |
は種量(散播) (10アール当たりキログラム) |
は種時期 (月・旬) |
---|---|---|---|---|
イネ |
アウェナストリゴサ (エンバク野生種) |
ヘイオーツ |
10から15 |
10下から11中 3上から5下 8下から9上 |
ライムギ |
サムサシラズ |
6から8 |
10上から11下 |
|
ギニアグラス |
ソイルクリーン |
1から1.5 |
5下から8上 |
|
ソルゴー |
グリーンソルゴー |
4から5 |
5中から8上 |
|
ハゼリソウ |
ハゼリソウ |
アンジェリア |
2 |
10中から11上 3上から4中 |
アブラナ |
カラシナ |
辛神 |
1から1.5 |
10中から10下 3上から4上 |
表2.緑肥の作型
出典:「千葉県ネギ栽培マニュアル」平成29年3月(公社)千葉県園芸協会
写真1.秋冬ネギ作付後のハゼリソウ
写真2.夏ネギ作付後のソルゴー
緑肥作物の種類に応じたは種量(表1参照)を、背負式動力噴霧機(ミスト)や、手動の散粒機などで圃場全面に播き、トラクターで軽く耕うん(深さ3から5センチメートル程度)します。鎮圧ローラーがあれば使用するとより発芽が安定します。は種直後に豪雨があったり、極度の高温乾燥が続くと発芽不良となるため、天気予報を確認しては種します。
ネギ栽培後は土壌中に残肥も十分あるため、基本的に無施肥で栽培できます。
緑肥の栽培期間は、播き時期やその後の天候によって変動しますが、ネギ定植の概ね1か月前までにはすき込みを行い、十分に腐熟させます。腐熟を促進するためと、次作で緑肥が発芽して雑草化しないように、定植までに耕うん(なるべく2回以上)します。
ハンマーナイフモアなどを使用して細断すると分解が速まります。また、夏季のソルゴーなどは、草丈が伸びるたびに2から3回ほどロータリやモアで刈り取ることで、より多くの有機物を土壌に補給できます。
定植直後の強風や大雨などにより、土壌が流れてネギが埋没し、枯死してしまう場合があります(写真3)。作物が栽培されていない周辺のほ場に緑肥を栽培する(写真4)ことで、このような土壌の流亡や強風を軽減することができます。
ほ場の周囲に緑肥を播き、台風や春の強風等によるネギの倒伏軽減対策として利用できます。秋冬ネギの台風対策では、ソルゴーを使用します(写真5)。は種は6月から7月上旬頃に行い、手押しのは種機(ごんべえ、クリーンシーダー等で株間1センチメートル程度の1条播き)を使用するか、手で播く場合は管理機で浅く溝を掘り、適量(10アール圃場を囲うのに種子500グラム程度)を播いて、レーキ等で覆土します(鳥害対策)。倒伏防止のため、は種後1か月程度から、伸びるたびに胸の高さくらいまで刈り揃えます(栽培期間中複数回必要)。
夏ネギでは、主にトンネル作で春の強風による被覆のはがれを防止します。
緑肥の種類としてはライムギを使用(写真6)し、は種は10月から11月上旬頃に行います。
防風柵として播く場合は、ネギ畝から1.5メートル以上離すと管理作業等がしやすくなります。
このように様々なメリットがある緑肥栽培を、是非取り入れて良いネギを作りましょう!
写真3.強風・大雨により泥に埋没したネギ
写真4.緑肥栽培による土壌流亡の防止
写真5.秋冬ネギ防風柵のソルゴー
写真6.夏ネギ防風柵のライムギ
令和元年10月
海匝農業事務所改良普及課
匝瑳グループ
普及指導員
岡崎遼人
電話番号:0479-62-0334
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