研究所
お知らせ
集談会のご案内
回数 | 日時 | 演者 | 演題 |
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第894回 | 令和6年12月11日(水曜日) 16時30分から18時00分 |
多田 智裕 (株式会社AIメディカルサービス・医療法人ただともひろ胃腸科肛門科) |
公的研究費の使用について
千葉県がんセンター(研究所)では、各種研究・研究費の取扱い等に関する相談窓口を設置しております。
【相談窓口】千葉県がんセンター 事務局医事経営課
コンテンツ
研究所長からのご挨拶
千葉県がんセンター研究所のホームページをご訪問いただき、ありがとうございます。2022年7月に第6代研究所長を拝命しました筆宝(ひっぽう)義隆と申します。これまでの8年間は発がん制御研究部部長として、新規三次元培養法を駆使して発がん機構解明や個別化医療に資する研究に取り組んでまいりました。今回伝統ある研究所全体の舵取りを担当することとなり、その重責に身の引き締まる思いです。がん研究への貢献を継続すべく、今後も微力を尽くす所存ですので引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
当センターは千葉県におけるがん対策の中核的役割を果たすことを目的に1972 年に開設され、今年11月で創立50周年を迎えます。開設時より病理、生化学、化学療法、疫学の4部門を擁する研究局が併設され、田中昇初代研究局長(1972-1986)は初代病理部長も兼任して臨床と基礎の病理を統合したがん研究を創始しました。新田和男第2代研究局長(1987-1991)は化学療法研究に注力し、崎山樹第3代研究局長(1991-2004)は分子生物学的手法を大体的にがん研究に導入しました。中川原章第4代研究局長(2004-2010)は小児がんである神経芽腫の研究を強力に推進し、世界有数の研究拠点に育て上げました。永瀬浩喜第5代研究局長(2010-2022)は特定のゲノム配列を選択的に標的とするようながんの創薬開発を進めました。
1983年に疫学、1991年には化学療法の2部門の部長も正式に着任し、名実共に4部門体制が確立します。また、2013年には現在の研究所に名称変更しました。この間数回の組織再編を経て、現在の発がん研究、がん治療開発、がんゲノム、がん予防の4部門計6研究室の体制に至っています。総勢64名(16名の常勤職員、40名の非常勤・派遣・委託職員、留学生を含む8名の大学院生)に及ぶ多士済々な面々がそれぞれの強みを生かして独自性の高い研究を展開していますが、医師の部長が各部門を統括することで医学研究としての一体性や方向性を制御しています。また、がん専門病院併設である利点を活かし、基礎と臨床の両方を見据えた研究を展開してきたことが当研究所の大きな特徴です。今後は、当センターの強みでもあるがんゲノム医療の支援や、バイオバンクの利活用による研究にも力を入れていきます。
当研究所に着任して以来、研究に対する手厚い支援には常に感謝しております。例えば、大型機器の整備、動物施設の管理、経理業務の人件費などはすべてセンター負担であり、間接経費の還付割合も高くなっていますが、これらは当センターや千葉県病院局の研究重視の姿勢が強く反映されたものといえます。こうした支援のおかげで、年間2億円弱の外部獲得資金のより効率的な利用が可能になっています。また、学位と専門医の同時取得が可能な研究医制度も設置されています。これは常勤医として臨床を継続しながら、研究日や週末および夕方などを利用して研究所で研究を行い、千葉大の博士号を取得するコースです。大学医局に縛られない形でのキャリア形成に道を開く制度であり、実際に複数の科で活用されています。全国の意欲ある若手医師の参画を歓迎いたしますので、是非お気軽にお問合せ下さい。
現在はセンターの敷地内に千葉県臨時医療施設を開設中のため、残念ながら新研究棟への移転工事も中断したままの状態ではありますが、数年以内には新研究所が開所可能と聞いております。日本の玄関である成田国際空港を擁する千葉県にとって、世界に向けて発信可能な国際的がん拠点を創出することは極めて重要な課題であり、私達もこれまで以上に国内外から認められる研究所としての地歩を固めるべく、日々努力してまいります。県民の皆様からも、これまで以上に温かい応援をいただけますよう重ねてお願い申し上げます。
研究組織
発がん研究グループ
がん治療開発グループ
がんゲノムセンター
- 実験動物研究部 (Division of Experimental Animal Research)
- がん先進治療開発研究室(Division of Innovative Cancer Therapeutics)
がん予防センター
- 予防疫学研究部 (Cancer Prevention Center)
- 精密腫瘍モデル研究室(Laboratory of Precision Tumor Model Systems)
千葉県がんセンター研究所・千葉大学連携大学院講座
千葉大学大学院医学薬学府・連携大学院講座『分子腫瘍生物学』
当研究所には千葉大学大学院医学薬学府連携大学院「分子腫瘍生物学」講座が2005年度より開設され、(1)発がん機構、(2)がんとその微小環境細胞の生物学的特性を分子レベルで解明、(3)トランスレーショナルリサーチおよび抗癌治療法の開発へ応用 を目的とした研究活動に取り組んでいます。新規研究課題に積極的にチャレンジする意欲を持つ研究者・技術者を育成する目的で、大学院教育を実施しています。
常勤職員18名および大学院生8名を含む総勢67名で研究を進めています。4部門8研究室の構成で年間総額2-2.5億円の外部資金を獲得しています。がん専門病院併設の利点を活かし基礎と臨床の両方向の研究が可能です。
千葉県の後援で専門医も同時取得可能な研究医制度が設置されています。
研究所長・筆宝義隆 (客員教授)
- オルガノイド培養技術を用いた発がんモデルの確立による本態解明
- 患者由来がんオルガノイドを用いた創薬研究および精密医療の実装
がんゲノムセンター・若林雄一 (部長・客員教授)
- マウス皮膚化学発がん過程で機能する経路、およびそれを標的とする化合物の探索
がん治療開発グループ・河津正人 (部長・客員准教授)
- ゲノム解析技術開発と実装(ロングリード、シングルセルなど)
- ゲノム解析とそれに基づく病態解明
発がん研究グループ・上久保靖彦 (部長・客員准教授)
- RUNX転写因子制御による難治性癌・希少癌制御法の開発
- 受精鶏卵モデルを用いた新規薬剤スクリーニング系の開発
指導教官
教授
- 筆宝 義隆 (研究所長・発がん制御研究部 部長)
- 若林 雄一 (実験動物部 部長)
准教授
- 河津 正人 (細胞治療研究部 部長)
- 上久保 靖彦 (発がん制御研究部 部長)
大学院生募集
博士課程(4年)、修士課程(2年)の大学院生を募集しています。
【お問い合わせ】千葉県がんセンター研究所 研究所長室
キーワード:千葉大学、連携大学院、分子腫瘍生物学、シラバス
Graduate Education
Chiba Cancer Center Research Institute offers international and domestic students to obtain a graduate degree in Japan through our collaboration with the Department of Molecular Biology and Oncology at Chiba University School of Medicine.
Summary
Department of Molecular Biology and Oncology started in 2005 as a cooperation program between Chiba Cancer Center Research Institute and the Graduate School of Chiba University School of Medicine. The main research subjects are to understand the molecular mechanisms underlying carcinogenesis, the biological properties of cancer cells and to apply our basic findings to translational research, development of new molecular-targeted drugs and cancer therapies. This program challenges students to perform research and pursue careers in science in a wide range of scientific in a unique incubator for a new generation of medical researchers in a fast-paced multidisciplinary yet integrated setting, among other physicians and bench-side scientists.
Graduate Program Faculty Members
Professor
- Yoshitaka Hippo, M.D., Ph.D. (Director)
- Yuichi Wakabayashi, MD, Ph.D. (Division Head, Experimental Animal Research)
Associate Professor
- Masahito Kawazu, MD, Ph.D. (Division Head, Cell Therapy)
- Yasuhiko Kamikubo, MD, Ph.D. (Division Head, Molecular Carcinogenesis)
WELCOME TO THE CCCRI/CHIBA UNIVERSITY GRADUATE PROGRAM
We welcome application from highly motivated students for both the two-year M.S. and four-year Ph.D. courses. Admitted students will enroll in Chiba University School of Medicine with one of the faculty members listed above as their thesis advisors. Please contact us by E-mail for more information.
お知らせ一覧-研究所
研究組織改編のお知らせ(令和6年4月1日)
がん治療開発グループ小児難治がん研究室が新設され、宮崎允研究員が着任しました。
がんゲノムセンター実験動物研究部に齋藤慈研究員が着任しました。
研究所長の就任のお知らせ (令和4年7月1日)
発がん制御研究部の筆宝義隆部長が令和4年7月1日付で研究所長に就任しましたのでお知らせいたします。
論文掲載のお知らせ: 種の進化と遺伝子進化を統合する新たな概念を提唱 (令和4年4月20日)
千葉県がんセンター研究所発がん制御研究部・末永雄介上席研究員を筆頭・責任著者とする学術論文がヨーロッパ分子生物学機構の科学誌『EMBO Reports』に発表されました。本論文では「生物が個体数減少に対する対抗策として新しい遺伝子を誕生させる」とするモデルを提唱しています。
研究グループは今回、国立がん研究センター研究所および東北大学と共同で遺伝子の誕生を検出できる指標ORFドミナンスを考案し、生命樹の全てのドメイン(細菌、古細菌、真核生物)から選んだ100生物種についてORFドミナンスを計算することで進化においてどのように遺伝子が誕生したかを調べました。この指標を用いて同定したヒトの新しい遺伝子候補は、脳の発生やがんに関連する可能性が示唆されました。また、遺伝子誕生の確率は絶滅危惧種などの個体数が少ない生物種では特に高いことを発見しました。がん進展の過程は、DNA変異により遺伝子を誕生させてがん細胞集団の構成を変化させるため、「がん進化」と呼ばれます。今後、ORFドミナンスをがんにおいて計算することで、がん進化を抑制する手法の開発に繋げます。
公開セミナー:集談会
研究所集談会では、さまざまな分野で活躍されている研究者にお越しいただき、最新の知見に関する講演、情報交換と活発な議論を行っております。これまでに国内外から800名を超える研究者の方々にご講演いただきました。毎月原則第2、4水曜日、午後4時30分から午後6時、千葉県がんセンター旧事務研修棟2階大会議室にて開催しております。集談会に関する情報については、がんセンター研究所公式フェイスブックもご覧下さい。 なお、新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて、人数制限を設定する可能性、又はウェブ開催に変更する可能性がございますのであらかじめご了承ください。
Directory・お問合せ
社会活動 / Community Outreach
科学研究を県民へ:絆をさらに大きく
千葉県がんセンター研究所では、研究活動以外にも、さまざまな社会活動を行っています。千葉県教育庁との連携で、「千葉県夢チャレンジ体験スクール」、日本学術振興会の補助による「ひらめき☆ときめきサイエンススクール」を中・高校生を対象に夏休みに開催し、DNAの抽出と簡単な遺伝子解析実験、がん組織や血球細胞の顕微鏡観察実習等を行っています。このようながん教育の振興も、私たちの重要な使命の一つです。一方、当センターでは、患者さんとともにさまざまな活動を行う「ふれあい広場」が組織され、研究所も催し物の開催などに参加しています。研究所では、当センターの他の部局や県内の機関と協力して、県民のがん予防やがん検診率向上のためのがん予防展、またがん患者を支援し、がんの克服をめざす「スマイルキャンサーウォークちば」などに参加しています。このように社会活動を通して県民のがん予防、がん患者を支援するための試みにも積極的に取り組んでいます。
公的研究費の使用について
概要
千葉県がんセンター研究上の不正行為に関する基本的対応規程は、千葉県がんセンターに所属する研究者、医師及び研究に携わるものが行なう研究において、研究上の不正行為及び公的研究費を含む競争的研究資金の不正使用の防止を図ること及びセンターにおいて研究不正問題が発生した場合の迅速かつ適正な解決に資することを目的として、千葉県がんセンターにおける研究活動の行動規範及び遵守事項、並びにセンターに所属する研究者に研究上の不正行為又は研究費の不正使用に関する疑義が生じた場合のセンターの対応及び関係者のとるべき措置などを定めたものです。また、内部監査の規程は「 千葉県がんセンター 公的研究費不正防止計画 」に規定する内部監査について、必要な事項を定めるものとします。下記の情報をご参考ください。