放射線科
当科の特徴
放射線科は、救急患者への対応も行えるように、24時間365日稼働しています。また、通常は事前予約での検査が必然であるCTやMRIの検査においても、造影剤を使用しない単純撮影であればほぼ当日対応しています。
主な業務案内
一般撮影検査
X線を利用して、胸部や腹部、全身の骨などを対象に、体の内部を透過した画像を撮影します。放射線科の検査では、最も一般的であり、全体像を短時間で把握できるため、救急対応時などにも行われる検査です。当院の一般撮影検査は、FRD(フラットパネルディテクタ)を用いてデジタル化されており、デジタル画像処理により、高画質・高鮮鋭度であるとともに、低線量化や検査時間の短縮を図っています。検査時間は、撮影する部位や枚数により異なりますが、概ね5分程度です。
透視検査
X線を利用したデジタル透視画像を確認しながら、各種処置対象や目的部位の撮影などを行います。内視鏡によるERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)検査やステント留置、胆管結石除去など、透視で確認しながら内視鏡で行う各種治療、造影剤を用いた消化管の検査やドレナージなどの治療、整形外科領域での神経根ブロックなどを主に行っています。
CT(Computed Tomography)検査
X線を利用することにより、物体を透過して得られたX線の量のデータをコンピュータ処理し、物体の断面の画像を得る検査です。現在多くの施設で使用されている装置はマルチスライスCTと呼ばれ、短時間で広範囲な撮影を行うことができ、画像処理により三次元(3D)画像を作成して観察することもできます。
また、必要に応じて造影剤(ヨード製剤)という薬を使用して行う造影検査は、血管の状態や関心部位の血流の情報が得られるため、病気や臓器の状態をよりわかりやすくすることができる検査ですが、ぜんそくやアレルギー、腎機能に問題がある場合などは使用できないこともありますので、事前に主治医に御相談ください。
検査時間は、造影剤を使用しない単純撮影で5分程度、造影剤を使用する場合は事前に点滴や問診等が必要になりますので、20分から30分かかります。
CT検査準備
CT装置操作
MRI(Magnetic Resonance Image)検査
CT検査と同様に体の断面画像を作成して病気を診断する検査です。この検査では画像の作成にX線を使用せず、強力な磁石と電波を使用します。非常に強力な磁石を使用しておりますので、原則として撮影室内に金属を持ち込むことはできません。ペースメーカー等の体内金属デバイスを使用されている方は基本的に検査を受けることができません。安全に検査を行うため、検査前にはスタッフが金属類等のチェックを行います。また、この検査は体の動きに弱いため、検査中じっとしていることができない場合には検査が行えない場合があります。ご心配、ご不明な点は、事前に主治医にご相談ください。
MRI検査では、一種類の画像の撮影に3分程度かかりますが、通常、複数の種類と方向を撮影しますので、検査全体では30分から1時間近くかかります。
MRI検査装置
MRI装置操作
核医学検査(RI検査・アイソトープ検査)
核医学検査では、特定の臓器に集まる物質に放射線を放出する元素(放射性同位元素)を結合させた薬(放射性医薬品)を使用します。放射性医薬品を静脈注射などにより体内に入れて、全身または特定の臓器における、その薬の動態や排泄状況などを画像解析し、病変の診断や臓器の機能を把握します。画像解析のための撮影は、30分程度仰向けに寝ているだけで終了しますが、放射性医薬品を体内に入れてから、目的の臓器に集まるまでに数時間必要となる場合もあります。検査時のスケジュールについては、検査予約時に主治医もしくは病院スタッフにご確認ください。
現在当院で使用中の放射性医薬品に使用される放射性同位元素は非常に微量であり、検査後数時間で体内から無くなります。また副作用は非常に少なく、その安全性は確立されておりますので安心して検査をご利用ください。
マンモグラフィー検査
乳房のX線撮影検査です。乳房は皮膚や脂肪、乳腺組織といったX線の透過の差が少ない組織から構成されており、病変の発見に必要なコントラストを得るためにエネルギーの低いX線を使用して撮影します。撮影時には、乳房を押さえた(圧迫した)状態で、できるだけ乳房を薄く広げて撮影しますが、これにより、重なり合った部分の病変を見つけやすくしたり、画像のボケが少なくなる、また、被ばく線量も少なくなる等の利点があります。ただし、乳腺が固い場合や乳腺が張っている時期などの撮影時には、痛みを感じる可能性もありますので、検査中に痛みを感じた場合には、遠慮なく担当技師にお話しください。当院では、基本的に女性技師がマンモグラフィー検査を担当します。
骨塩定量検査(骨密度検査)
骨塩定量検査とは骨密度を測定する検査です。骨の中に含まれるカルシウムなどのミネラル分を骨塩といい、ある大きさの骨に含まれる骨塩の量を骨密度といいます。カルシウムなどのミネラル成分が不足してくると骨がもろくなり、骨折しやすくなると言われています。これら骨塩の量(骨密度)を測定し数値化することにより、骨の強さを調べることができ、骨粗しょう症や代謝性骨疾患の診断に役立ちます。
当院では、エネルギーの異なる二種類のX線を使用したDXA法(Dual-energy X-ray Absorptimetry:二重X線吸収測定法)により、腰椎と大腿骨近位部の2か所を測定します。定期的に検査することで継時的な骨密度の変化を知ることもできます。検査時間はおよそ15分程度です。
スタッフ紹介
当科では、放射線技師12名(非常勤含む)、放射線科クラーク4名の、合計16名のスタッフで業務を行っております。(2023年2月時点)
- 第一種放射線取扱主任者1名
- 検診マンモグラフィー撮影認定技師3名