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更新日:令和5(2023)年4月1日
ページ番号:573146
近年、国内外で海洋ごみをはじめとしたプラスチック問題が注目され、その対応が強く求められています。
農業生産においても、農業用ハウスやトンネルの被覆資材、マルチ、苗や花のポットのほか、肥料成分を合成樹脂等の膜でコーティングした被覆肥料など生産資材としてプラスチックを使用していることから、適切に対応することが必要です。
水田では肥料部分が溶出した後のプラスチック殻が水面に浮上し、河川や海洋等に流出する可能性があります。
被覆肥料を使用している場合は、浅水代かきを行う ほか、代かきや田植え前の強制落水は避けるなどの 水管理を行うことにより、プラスチック殻をほ場外に流出させないようにしましょう。
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写真1.プラスチック殻の状況
入水前に田面はできるだけ均平にしましょう。
あぜが崩れていないか確認しましょう。
排水口には止水板を設置しましょう。
大部分の地表が見えるぐらい浅めの入水にしましょう。
移植前の落水は行わず自然落水により水位を調整しましょう。
藁がネットに詰まることを減らすため、柵を2重にして設置するなどしましょう。
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ネットのみ
(JPG:267.6KB)
園芸用の柵
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写真2.捕集ネットの使用
プラスチック被膜の時期別の流出状況を調査し、排水口へのネット設置の適期を把握しました。
網目2ミリメートルのネットを各圃場の排水口に設置した。代かき後の排水から2週間ごとに流出物を捕集し、その中の肥料のプラスチック被膜殻を計量しました。
(JPG:378.4KB)
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写真3.流出状況調査の様子
代かき後8週間の捕集粒数を全数とすると、全層施肥区と側条施肥区とも代かき15日後までに95パーセント以上が流出する結果となりました。
プラスチック被膜の発生しない硫黄コーティング一発肥料と比較試験を行い、代替肥料としての活用を検討しました。
区分 | 一穂籾数(粒) | 登塾歩合(パーセント) | 千粒重(グラム) | 籾数(平方メートル当たり千粒) | 計算収量(10アール当たりキログラム) |
---|---|---|---|---|---|
慣行区 | 72 | 76 | 22.1 | 34.9 | 588 |
試験区 | 61 | 85 | 22.9 | 26.4 | 513 |
区分 | 推定収量(10アール当たりキログラム) | 集計面積(アール) |
---|---|---|
慣行区 | 549 | 1,182 |
試験区 | 514 | 190 |
硫黄コーティング肥料は、慣行に比べ若干減収のリスクがあるので、施肥量を調整する必要がある。
全国農業協同組合連合会千葉県本部、一般社団法人全国肥料商連合会千葉県部会及び本県が連携して、被覆肥料のプラスチック殻の流出防止対策のチラシを作成し、関係機関や関係団体にお知らせするとともに下記のとおり県ホームページに掲載して周知を図っています。
適正施肥の推進(主要農作物等施肥基準・バランスの取れた土づくりの推進)
初掲載:令和5年4月
安全農業推進課肥料・農薬班
班長:髙橋 博幸
電話番号:043-223-2888
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