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更新日:令和5(2023)年10月16日
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根深ねぎを栽培する経営体では、ねぎの周年出荷を目指す経営体が増えています。県内で栽培が盛んな秋冬ねぎは、台風や高温期の気象の影響を受けますが、夏ねぎはそれらの心配が無く、考え方によっては作りやすい作型です。
一方で、真夏の暑い時期に出荷するため、一日の出荷量が限られることや、収穫適期が短いことなど、秋冬ねぎとは栽培管理のポイントが少し異なります。
ここでは、トンネルを用いない、露地での夏ねぎ栽培のポイントを紹介します。
・水はけが良く地力のある畑を選びます。
・砂質のほ場では強風により砂が飛び、定植後のネギが埋まる可能性があります。北風を受けにくい畑を選ぶとともに、防風ネット等を設置し砂飛びを防止することも有効です。
写真1 強風により埋没したねぎほ場(1月撮影)
写真2埋没後掘り起こしたねぎほ場(4月撮影)
・収穫時に襟割れの少ない品種や、暑さによる老化の進みが遅い品種を選びましょう。
・播種は10月下旬から12月上旬にかけて行います。無理な早まきは抽台する可能性があるためなるべく避けます。10月中に播種する場合は晩抽性のある品種を選びます。
・夏ねぎは土壌病害等による欠株が発生しにくいのが特徴です。チェーンポットの播種粒数は、6月出荷は2粒播き、7月出荷は2粒・3粒交互播きを基本とします。
・育苗はハウス内で行います。秋冬ねぎと比べて気温が低く、日照が短い時期での育苗となります。灌水は床土が乾いたら行いますが、秋冬ねぎよりも回数、量ともに少なくなります。
・夜の冷え込みが厳しい時期は、夕方早めにハウスを閉じます。また、寒さが厳しい地域では夜間のみトンネルをかけます。
写真3ハウス内での小トンネル設置事例(1月撮影)
・たい肥を施用し土づくりを行います。牛フンたい肥だと10a当たり2t施用します。
・基肥は緩効性肥料を施用し、窒素は秋冬ねぎの1.5~2倍程度施用します。
・定植は1月上旬から3月上旬に行います。砂地ほ場では砂飛びによる欠株リスクを少なくするため、2月以降の定植を基本とします。また霜柱が立つような地域でも早植えは避けます。
・秋冬ねぎよりやや深めに定植し、定植後に株元を足で踏むなどして、活着を促します。
・夏ねぎは、雑草の発生は少ない作型ですが、生育期から収穫期に病害虫が多発します。
・3月上旬からべと病、さび病の予防を行います。5月上旬からは、特にべと病、さび病、アザミウマ類による被害が多発します。この時期に病虫害の被害が拡大すると、収穫遅れにつながりますので、4月以降は予防を徹底してください。
・地上部の病害に加えて、5月中旬以降は土壌病害である白絹病、軟腐病の予防を行います。粒剤を使用する場合は、収穫前日数に注意してください。
・3月中に1回目の土寄せを行います。その後は、土寄せを繰り返し生育を促しますが、秋冬ねぎより早めに土寄せを行い、土寄せをして生育させていきます。
・追肥は3回程度行います。収穫時期に窒素肥料が効いていると襟割れを起こすので、特に肥持ちの良い畑では、5月中旬以降は無施肥か少なめに行います。
・高温時に根を切ると生育が弱くなるため、土寄せは回数を多くし1回の土寄せ量は少なめとします。根を切るような土寄せを行う場合は、片側ずつ行うことも有効です。
写真4収穫時に襟割れしたネギ
・止め土は土寄せと同じく首下とします。秋冬ネギのように首を埋めてしまうと、白絹病の発生により枯死する可能性が高まります。
・止め土は収穫14日前を目安とします。止め土後25日程度経過するとネギの品質が極端に低下するため、止め土は1回に圃場全体を行うのではなく、例えば10日間で収穫しきれる分だけ行い、順次止め土を行っていきます。
図1止め土のイメージ(出典:「千葉県ネギ栽培マニュアル』平成29年3月)
図2止め土と収穫時期のイメージ
初掲載:令和5年10月
担い手支援課
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