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更新日:令和5(2023)年2月13日
ページ番号:559384
昨今のウクライナ情勢や円安などの社会情勢により飼料価格が高騰しており、畜産経営が圧迫されている中、稲WCSの需要は高まっています。
今年度、市原地域では新たな品種でのWCS用稲の栽培が始まりました。主食用米との収穫時期の分散と、収穫機械の能力を考慮した結果、令和4年度から一般栽培が始まった早生品種の「つきはやか」を導入しました。
また今回は、粗飼料不足解消のため、早生品種の特徴を生かして再生稲まで収穫したので、その事例を紹介します。
表1に栽培概要、表2に生育調査の結果をまとめました。
施肥については、主要農作物等施肥基準をもとに設計しました。牛ふん堆肥と、不足している窒素成分を化成肥料で補ったところ、生育初期から濃い葉色を示し、栽培後期まで維持していました。これは、窒素単肥を施用したことで初期生育が良好となり、生育後期には牛ふん堆肥の肥効が現れていたためと考えられます。
草丈は、同時期にWCS用稲として栽培していた「夢あおば」と比較して約30センチメートル高い150センチメートルとなり、早生品種の中でも比較的高い結果となりました。
表1.栽培概要
※画像をクリックすると大きく表示されます。
幼穂形成期 | 7月8日 |
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出穂期 | 8月3日 |
収穫日 | 8月16日 |
草丈 | 149.6センチメートル |
茎数(平方メートル当たり) | 478本 |
葉色(SPAD値) | 43 |
再生稲の収穫日 | 10月31日 |
※草丈・茎数・葉色は出穂期(8月3日)時点の調査結果
収穫は令和4年8月16日に行い、熟期は乳熟期でした。収量は、10アール当たり3,318キログラムであり、目標収量の3,000キログラムを超えました。
収穫1週間前に、坪刈りを行いました。主食用米の再生稲と比較した結果、稈茎が明らかに太く約5倍の収量を見込みました。
再生稲の収穫は、令和4年10月31日に行い、草丈は30センチメートルから50センチメートルで実収量は10アール当たり837キログラムでした(表3)。また、水分率は55パーセントであり、良い発酵が期待できました。
通常収穫 | 3,318キログラム |
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再生収穫 | 837キログラム |
合計 | 4,155キログラム |
収穫は、フレール型の飼料コンバインべーラで行い、乳酸菌を添加し、ラッピングマシーンで梱包しました。一回目のWCS用稲は稈茎が太いため、機械の中で稲が詰まってしまうなど、フレール型飼料コンバインベーラでは収穫時に注意が必要な点がありました。一方、再生稲は、草丈が短いため問題なく収穫できました。(写真1)
(JPG:243KB)
写真1.二番稲の収穫
※画像をクリックすると大きく表示されます。
通常収穫と再生収穫の合計収量は10アール当たり約4,155キログラムとなり、晩生の品種と同等の高い収量を得ることができました。また、粗飼料確保にも大きく貢献しました。
通常収穫に関しては、機械の負担を考えると、早期の収穫が望まれますが、水分がやや高い状態での収穫となってしまうため、収穫適期の判断について今後も調査していく必要があります。
初掲載:令和4年2月
千葉農業事務所改良普及課
市原グループ
普及技術員 山下 瀬里奈
電話番号:043-300-0950
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