平成22年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の概要(千葉県速報値)
発表日:平成23年8月4日
千葉県教育庁教育振興部
指導課生徒指導室
電話:043-223-4054
本調査は、児童生徒の生徒指導上の諸問題の現状を把握し、今後の施策の推進を目的に毎年実施されている文部科学省所管の統計調査です。
本概要は、暴力行為、いじめ、公立小・中学校の不登校、公立高等学校の長欠・中途退学、自殺に関する平成22年度調査の本県分(千葉市を含む)を取りまとめたものです。
1調査項目及び対象
(1)暴力行為
(2)いじめ
(3)小学校及び中学校における不登校の状況等
(4)高等学校における長期欠席の状況等
(5)高等学校における中途退学者数等の状況
(6)自殺
2調査対象期間
- 平成22年4月1日から平成23年3月31日までの1年間
3調査結果の概要
(1)小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は3,180件で、前年度の2,982件より198件増加。
ア 校種別発生件数
- 小学校における発生件数は521件で、前年度の455件より66件増加している。
- 中学校における発生件数は2,349件で、前年度の2,244件より105件増加している。
- 高等学校における発生件数は310件で、前年度の283件より27件増加している。
イ 形態別発生件数
- (ア)対教師暴力
小学校における発生件数は77件で、前年度の64件より13件増加している。中学校における発生件数は271件で、前年度の183件より88件増加している。高等学校における発生件数は30件で、前年度の14件より16件増加している。
- (イ)生徒間暴力
小学校における発生件数は325件で、前年度の293件より32件増加している。中学校における発生件数は1,207件で、前年度の1,143件より64件増加している。高等学校における発生件数は208件で、前年度の197件より11件増加している。
- (ウ)対人暴力
小学校における発生件数は10件で、前年度の12件より2件減少している。中学校における発生件数は70件で、前年度の97件より27件減少している。高等学校における発生件数は18件で、前年度の15件より3件増加している。
- (エ)器物損壊
小学校における発生件数は109件で、前年度の86件より23件増加している。中学校における発生件数は801件で、前年度の821件より20件減少している。高等学校における発生件数は54件で、前年度の57件より3件減少している。
(2)小・中・高等学校・特別支援学校におけるいじめの認知件数は8,335件で、前年度の6,674件より1,661件増加。
ア 校種別認知件数
- 小学校における認知件数は4,239件で、前年度の3,570件より669件増加している。
- 中学校における認知件数は3,931件で、前年度の2,997件より934件増加している。
- 高等学校における認知件数は158件で、前年度の93件より65件増加している。
- 特別支援学校における認知件数は7件で、前年度の14件より7件減少している。
(3)小学校における不登校児童数は、871人で前年度より19人増加し、全児童に対する割合は0.26%で前年度と同じ。
中学校における不登校生徒数は、4,182人で前年度より65人減少し、全生徒に対する割合は2.74%で0.03%減少。
※不登校児童生徒数とは、平成22年度に通算して30日以上欠席した児童生徒のうち「不登校」を理由とする児童生徒数である。
ア 不登校となったきっかけと考えられる状況
- 小学校の児童で「不登校となったきっかけと考えられる状況」のうち上位3つは、(1)不安などの情緒的混乱(18.4%)、(2)無気力(15.1%)、(3)親子関係をめぐる問題(11.5%)である。なお「いじめ」は,2.7%となっている。
- 中学校の生徒で「不登校となったきっかけと考えられる状況」のうち上位3つは、(1)無気力(17.8%)、(2)不安などの情緒的混乱(14.0%)、(3)いじめを除く友人関係をめぐる問題(12.4%)である。なお「いじめ」は、2.6%となっている。
イ 不登校児童生徒への指導の結果状況
- 小学校の不登校児童で「指導の結果、登校する又はできるようになった児童」の割合は、28.7%である。指導中の児童のうち、「登校には至らないものの好ましい変化が見られるようになった児童」の割合は、18.9%である。
- 中学校の不登校生徒で「指導の結果、登校する又はできるようになった生徒の割合は、29.9%である。指導中の生徒のうち、「登校には至らないものの好ましい変化が見られるようになった生徒」の割合は、22.3%である。
ウ 「指導の結果登校するようになった児童生徒」に特に効果のあった学校の措置
- 小学校の児童で「『指導の結果登校するようになった児童生徒』に特に効果のあった措置」のうち上位3つは、
(1)登校を促すため、電話をかけたり迎えに行くなどした。(11.7%)
(2)家庭訪問を行い、学業や生活面での相談にのるなど様々な指導・援助を行った。(10.5%)
(3)保護者の協力を求めて、家庭関係や家庭生活の改善を図った。(9.1%)
である。
- 中学校の生徒で「『指導の結果登校するようになった児童生徒』に特に効果のあった措置」のうち上位3つは、
(1)登校を促すため、電話をかけたり迎えに行くなどした。(11.5%)
(2)家庭訪問を行い、学業や生活面での相談にのるなど様々な指導・援助を行った。(11.4%)
(3)スクールカウンセラー、相談員等が相談にあたった。(9.5%)
である。
エ 不登校児童生徒が相談・指導等を受けた学校内外の機関等の結果状況
- 小学校の不登校児童で「相談・指導を受けた機関等の状況」のうち上位3つは、(1)スクールカウンセラー・相談員等(20.1%)、(2)養護教諭(19.3%)、(3)教育委員会所管の機関(教育支援センターを除く)(14.9%)である。
- 中学校の不登校生徒で「相談・指導を受けた機関等の状況」のうち上位3つは、(1)スクールカウンセラー・相談員等(32.4%)、(2)養護教諭(16.5%)、(3)教育支援センター(12.5%)である。
オ 自宅におけるIT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数
- 小学校の不登校児童で「自宅におけるIT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数」は、4人である。このうち、「他の機関においても指導要録上の出席扱いを受けた児童数」は3人となっている。
- 中学校の不登校生徒で「自宅におけるIT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数」は、6人である。このうち、「他の機関においても指導要録上の出席扱いを受けた生徒数」は4人となっている。
(4)高等学校における長期欠席生徒数は3,684人で、前年度の3,614人より70人増加した。全生徒に対する割合は3.62%で前年度より0.01%減少。長期欠席生徒の中で不登校を理由としている生徒数は2,506人で、前年度の2,376人より130人増加し、全生徒に対する割合も2.47%で0.08%増加。
- 「不登校となったきっかけと考えられる状況」のうち上位3つは、(1)無気力 (29.3%)、(2)あそび・非行(14.2%)、(3)不安など情緒的混乱(9.1%)である。なお、「いじめ」は、0.2%となっている。
- 不登校生徒が「相談・指導等を受けた学校内外の機関等の状況」のうち上位3つは、(1)養護教諭(17.3%)、(2)スクールカウンセラー・相談員等(16.5%)、(3)病院・診療所(6.5%)である。
- 長期欠席者3,684人のうち、「病気・けが」は515人で長期欠席者全体に占める割合は14.0%、「経済的理由」は74人で長期欠席者全体に占める割合は2.0%、「不登校」は2,506人で長期欠席者全体に占める割合は68.0%、「その他」は589人で長期欠席者全体に占める割合は16.0%となっている。
- 長期欠席者で「不登校」を理由としている生徒のうち、全日制の生徒数は1,870人で全日制生徒全体に対する割合は1.9%、定時制の生徒数は636人で、定時制生徒全体に対する割合は18.4%である。
(5)公立高等学校の中途退学者数は1,651人で、前年度の1,745人より94人減少し、年度当初の在籍者数に占める割合は1.6%であり、前年度の1.8%より0.2%減少。(※平成22年4月1日の在籍者数101,710人を基準とする中退率)
課程別に見ると、全日制が1,157人で、前年度の1,305人より148人減少し、定時制は494人で、前年度の440人より54人増加している。
- 課程別の中退率は、全日制が1.2%で前年度の1.4%より0.2%減少している。また、定時制は14.2%で前年度の13.6%より0.6%増加している。
- 学年別の中退率は、第1学年では2.2%で前年度の2.7%より0.5%減少し、第2学年では1.7%で前年度の1.8%より0.1%減少し、また第3学年では0.7%で前年度の0.6%より0.1%増加している。
- 全中退者数に占める学年の割合は、第1学年では48.8%で前年度の53.4%より4.6%減少し、第2学年では34.0%で前年度の33.6%より0.4%増加し、また第3学年では13.3%で前年度の11.4%より1.9%増加している。
- 中退の理由の上位3つは、(1)学校生活・学業不適応(51.0%)、(2)進路変更(23.3%)、(3)学業不振(9.5%)である。「学校生活・学業不適応」の内訳として上位3つは、(1)もともと高校生活に熱意がない(48.0%)、(2)人間関係がうまく保てない(17.1%)、(3)授業に興味がわかない(16.9%)である。「進路変更」の内訳として上位3つは、(1)就職を希望(53.9%)、(2)別の高校への入学を希望(20.1%)、(3)高校卒業程度認定試験を受験希望(11.5%)である。
(6)小・中・高等学校における自殺者数は6人で、前年度と変わらず。
小学校において自殺は、発生していない。中学校における自殺者数は1人で、前年度より1人減少している。高等学校における自殺者数は5人で、前年度より1人増加している。
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