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ホーム > くらし・福祉・健康 > 福祉・子育て > 障害者(児) > 障害福祉に関する施策 > 千葉県障害者施策推進協議会 > 平成27年度第1回千葉県障害者施策推進協議会議事録
更新日:令和6(2024)年11月18日
ページ番号:3085
平成27年9月17日(木曜日)午前10時から正午まで
県庁議会棟4階第3委員会室
中坪会長、坂巻副会長、石田委員、伊藤(澄)委員、植野委員、榎本委員、大竹委員、大屋委員、神林委員、栗原委員、小松委員、坂上委員、里見委員、寺田委員、畑中委員、藤尾委員、松下委員、宮代委員
(欠席:伊藤(和)委員、伊豫委員、臼井委員、佐藤委員、出口委員、永堀委員、森本委員)
16名
(事務局)
おはようございます。本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ただ今から、千葉県障害者施策推進協議会を開催いたします。私は、本日の進行を務めさせていただきます、千葉県障害福祉課の菅野でございます。よろしくお願いいたします。
はじめに、委員の皆様にお知らせいたします。本日、報道機関による取材、録音が入る場合がございます。また、次第の2あいさつまでの間、カメラ撮影等がある場合もございますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
《配布資料確認》
続いて、会議の開催にあたりまして、委員の出席状況について御報告いたします。本日、委員25名中、19名の皆様に御出席いただく予定となっております。定足数である過半数を満たしておりますので、会議が有効に成立することを御報告いたします。
それでは、次第に沿いまして進めてまいりたいと思います。はじめに、千葉県健康福祉部長の中岡より御挨拶申し上げます。
(健康福祉部長)
皆様おはようございます。御紹介にあずかりました、健康福祉部長の中岡でございます。日ごろから、障害福祉行政に御尽力いただきまして、ありがとうございます。また、本日はお忙しい中この協議会に御出席いただきましてありがとうございます。
県では本年3月に、平成27年度から29年度までを計画期間として第五次の障害者計画を策定したところでございます。その策定に際しましては委員の皆様方から多大なご貢献をいただいたことに、あらためて感謝申し上げたいと思います。
さて、昨今の障害者福祉行政の状況を考えてみますと、まず一点が本年8月、重度心身障害児者の医療費が、従来の償還払いから現物給付へと変わりました。一回について300円という一部自己負担は発生しておりますが、今までの事務の煩わしさから考えますと、一層改善された制度だと思っているところでございます。
また、来年4月からは障害者差別解消法が施行されます。本県もいま、来年度に向けて、全国に先駆けて障害者条例を作った本県としてこの新しい法に向けて円滑な執行ができるよう、いろいろ検討させていただいているところでございます。
加えまして、一昨年11月26日に発生しました千葉県袖ヶ浦福祉センターの虐待死問題、事業団本体の見直しも徐々に進んでいるところでございます。
本日の会議は、第五次千葉県障害者計画の進捗管理と、来年度の重点事業について御説明申し上げます。ちょうど今、部内では来年度の予算編成に向けての緒に就いたばかりでございます。皆様方の貴重な御意見を賜りたく、率直な御審議をお願い申し上げまして、私からの挨拶といたします。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
それでは、大変恐縮でございますが、部長の中岡につきましてはここで退席させていただきます。
続きまして、新しく委員になられた方を御紹介いたします。千葉県議会からの推薦で、松下浩明様、千葉県特別支援学校長会からの推薦で榎本政江様、千葉県特別支援学校PTA連合会からの推薦で大竹晴道様に、新しく委員に御就任いただきました。それでは、恐縮でございますが、お一人ずつ、一言自己紹介をお願いできればと思います。はじめに、松下委員、お願いいたします。
(松下委員)
おはようございます。いま、千葉県議会健康福祉常任委員会の委員長を仰せつかっております、松下でございます。障害に関しましてもいろいろなところからの見識をいただきながらしっかりと進めていきたいと思いますので、この会は大事だと思っております。どうか、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
(事務局)
ありがとうございます。続いて、榎本委員、お願いいたします。
(榎本委員)
おはようございます。千葉県特別支援学校長会から参加させていただきます、夷隅特別支援学校の校長の榎本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今年度、県立の特別支援学校が5校開設され35校となりました。今後も色々お世話になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
ありがとうございます。続いて、大竹委員、お願いいたします。
(大竹委員)
県特別支援学校PTA連合会会長の大竹と申します。千葉聾学校に所属していまして、この会で、子どもたちが学びやすい、過ごしやすい環境のお話ができたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
ありがとうございました。また、本日の会議につきまして欠席の御連絡をいただいている委員の方を申し上げます。伊藤和男委員、永堀委員、佐藤委員、伊豫委員、森本委員、出口委員の6名の委員の方でございます。なお、坂巻委員におかれましては、少々遅れる旨のご連絡をいただいております。
続きまして、事務局幹部職員を紹介いたします。
《幹部職員紹介》
それでは議事に入りたいと思います。協議会運営要綱第5条の規定によりまして、議事の進行につきましては、中坪会長にお願いしたいと存じます。中坪会長、よろしくお願いいたします。
(中坪会長)
おはようございます。会長の中坪でございます。それではただ今から議事に移らせていただきます。会議が円滑に進むよう、皆様の御協力をお願い申し上げます。
まず最初に、議事録署名人についてでございます。協議会運営要綱第6条の規定により、指名を行います。
榎本委員と、畑中委員にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
それでは、まず議題の(1)報告事項の○1の、「第四次千葉県障害者計画の進捗状況(26年度)について」及び○2「第五次千葉県障害者計画の進捗管理について」を併せて事務局から説明をお願いします。
《事務局説明》
(中坪会長)
ただ今の御説明について、御質問、御意見等があればお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(宮代委員)
資料別紙1の5番に「計画相談事業所箇所数」があり、評価はAとなっている。箇所数としては確かにA評価だが、内実というかこの裏も見ていかないといけない。というのは、私の手元にこの3月にまとめられた千葉県内54市町村の計画相談進捗率がある。例えば、サービス受給者数が30,247人、サービス利用計画を作った方が22,200人、そのうちセルフプランが3,747人となっている。これは全体(計画を作られた方)の約17パーセントということで、相対的には低いと言えるかと思うが、私が事業を行っている船橋市を見ると、サービス利用者数(受給者数)が2,700人、計画を作った方が2,341人、そのうちセルフプランが1,252人ということで、53.5パーセント、半分以上の方がセルフプランである。セルフプラントはご存じのとおり(当事者)自身が作るもので、その有効性について異議を唱えるものでは決してないが、私の周りにいるような重い知的障害をお持ちの方がご自身でセルププランを作ることは不可能である。そうすると誰が作っているか。家族や通所先の生活介護事業所の職員が作ったりしている。国は、本来は計画相談事業所に依頼するようにとしている。内実的にはセルフプランが(27年)3月に向けて市町村で多く取り入れられて、何とか進捗率を向上させてきた実態があるわけで、初回はこれでよいといっても次回は必ず相談支援事業所につなぐようにとなっている。そうなったときにこれが本当にまかなえるのかどうかということも含めて、箇所数の評価はAであっても、その裏側にある背景の問題というのを吟味しながら当たらないと本当の姿はなかなか見えてこないのではないかと思っているので、御指摘申し上げたい。
(障害福祉課長)
御指摘のように相談支援事業所の箇所数についてはA評価だが、後で御説明した第3期障害福祉計画では計画相談の件数等も記載していて、確かにおっしゃるように見込み量よりも実績が満たされていないということで、確かにセルフプランがかなり多くなっている。県内の市町村での計画相談の実施割合が年度末に7割くらいであり、市町村ごとのばらつきが大きい。まずは計画の策定に努めていただくことを昨年は重点としてきたが、御指摘いただいたような次回以降の相談支援事業所へのつなぎという点もこれから周知していこうと考えている。
(大屋委員)
2点ある。一つ目はただ今の計画相談について、おそらく一人の相談員が100件くらい担当しないと人件費も出ないような制度になっているので、これについては国もしくは可能であれば県でも少し考えていただきたい。
もう一点は、今のA3の資料の28番「行動援護従事者の要請」について、これは一番右(成果状況等)のところに「国による研修制度の見直しに伴い、類似する「強度行動障害支援者養成研修(基礎)」を代わりに開催した」とあるが、この研修自体は極めて重要だと思うが、国の行動援護従事者の養成とは少し意味合いが違うと思うので、これは両方実施するのが筋でないかと思うので、今後の評価には是非それを反映していただきたい。
(坂巻副会長)
29番の「施設入所者数」について、これはかなり減っている。4,700人の目標で4,518人の実績で「計画どおり進捗している」とあるが、退所した人はどういったところに行ったのか、中身を教えてほしい。
(事務局)
退所した方については、グループホームに入居された方、家庭に戻られた方、入院された方、死亡された方などがいる。
(坂巻副会長)
パーセンテージについては分かるか。
(事務局)
申し訳ないが今手元に資料がない。
(坂巻副会長)
ただ退所させればいいというものではないので、やはりしっかりした自立の道を歩ませるところに退所ができればいいと思っている。家庭あるいは病院、通所施設ということになると、やはり同じようなことの繰り返しが行われる危険性があるので、そのあたりしっかりフォローしていただければと思う。
(畑中委員)
2点質問する。1点目は、進捗状況の12番「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例を知っている県民の割合」、過去2年ごとに調査をされているが、23年も25年もほとんど2割以下。実は私、地元でこの条例について隔年必ず市民向けの講演会を行っているし、昔は毎年行っていた。千葉県でも地域フォーラムという形で予算を組んでいるが、なぜこんなに少ないのか、今後どう取り組んでいくのか、予算はないわけではないと思うがいかがなものだろうか。
2点目はグループホームについて。グループホームの入所者数、それから精神障害者も入所できるグループホームというのは分かる。確かに精神障害者を受け入れるところが増えているとは言うが、実態として入所者数は増えているのだろうか。
(事務局)
1点目の条例を知っている県民の割合について、2割を切る状況であるが、これは調査の仕方としては県の広聴部門で県行政に関するアンケートを実施しており、他の項目とまとめた形で一般県民の方々を対象に実施している。このため、なかなかこの認知率が上がらないという現実がある。現状、条例に基づき県内16の障害福祉圏域ごとに広域専門指導員が配置されている。また、600名弱の地域相談員を配置して、広報についてもお願いしている。こういった地道な形で取り組んでいるが、なかなか認知率は上がらない。今後、市町村にも広報について協力いただきながら、今申し上げた広域専門指導員あるいは地域相談員にも一層協力をいただき周知に努めていきたいと考えている。
(事務局)
グループホームの定員については、精神障害のある方が利用できるグループホームが増加しているが、実際に利用されている方の障害種別ごとの把握はしていない。ただ、グループホームの形態として、ワンルームを使った形態のところ、新たにサテライト方式で始めるところが出てきているので、精神障害の方も利用しやすくなっているグループホームも増えている。状況としても家庭から独立してグループホームに入っていく方が増えていることは推測される。
(寺田委員)
この障害者計画は、特に障害福祉サービス等の整備に関することについてはかなり重大な課題を内包していると申し上げたい。もう10年以上前だが、社会保障審議会で社会福祉基礎構造改革中間まとめをした。以来、その時の基礎構造改革の眼目は、措置から利用契約へということと、もう一つは市場原理の導入ということであった。その流れの中でやってくると、この計画は行政サイドで作っても、地域で民間事業者が手を挙げないことには進捗しない状況がある。その結果どうなるかというと、例えば就労継続支援A型事業所では、全国的に見ると北海道、愛知、大阪、福岡では、A型事業所が突出して整備されている。相談支援事業所やB型事業所とのバランスを欠くくらいの整備状況になっている。こういうことが現実的に起こってしまう。それは、民間事業者が手を挙げて、それを県が指定という営業許可を与えるという形で計画が進んでいるからである。したがって、先ほどのA型事業所に見られるような極めて不自然な整備を回避していく必要があると思う。そのためには、やはり県の主導で事業の種別ごとに促進策あるいは抑制的な動きをしていくということが必要になってくるだろうと思う。
(中坪会長)
まだおありとは存じますが、後の審議事項と関係することもあるかと思いますので、そちらの話題の時にもまたお出しいただければと思います。
時間の関係で5人の方の御意見、御質問等で、この報告については終了させていただいて、次に移らせていただきます。
次は報告事項の○3「千葉県袖ヶ浦福祉センターの見直しについて」ということでございます。事務局からお願いします。
《事務局説明》
(中坪会長)
ただ今の報告に御意見、御質問等があればお出しいただきたいと存じますがいかがでしょうか。
(坂巻副会長)
この千葉県袖ヶ浦福祉センターの事件というのは全国的に千葉県のイメージダウンにつながり、せっかく障害者福祉の先進県といわれていた千葉県が傷ついた事件である。それだけにしっかりとした再生あるいは新しいあり方を県としても検討していただきたい。
なぜこのような事件が起きたかを考えると、一つは閉鎖型の、地域の人たちにもっとオープンにして色々な方々が自由に出入りできるような運営体制がないということ。要するに施設の中だけの処遇にしまって地域の社会の人の目が入らなかったということがあるのではないかと思う。これからの施設のあり方として、地域社会にもっと開かれ、地域の人たちとの交流、あるいは地域の人たちの受入れというようなことをもっと積極的に図っていかないと、クローズされた組織になってこういった事件が起きかねないと思うが、そのあたりについて県の考えを伺いたい。
(障害福祉課長)
御指摘いただいたような、なかなか目に入りにくいことが虐待事件の背景にあるということは、千葉県袖ヶ浦福祉センター第三者検証委員会の報告書でも指摘されている。現在、民間施設出身の方が理事長に就任し、また(養育園)施設長も民間施設出身の方が入っている。地域にオープンという点では、まずは保護者の方にオープンな形になるように保護者会を開催し、また外部の方の目が入るようにパーソナルサポーターに入っていただいている状況。このような事業団の取組に、県としても一体となって取り組んでまいりたい。
(植野委員)
例えば知的障害者については手をつなぐ育成会の方々にも御協力いただいたということだと思うが、確認したい。重複障害の場合はどのような形になっているのか。例えば、知的障害もあるろう者等、かなり専門性がないと対応方法もわからない。結果的には閉鎖型につながってしまうおそれがある。このあたりをどう考えているか。
二つ目、医療との連携についてという部分。よく分からないが、全国精神障害に関する部分でかなり服薬が多いという指摘もある。精神障害を持つ聴覚障害者も多々おり、薬を減らすことでかえって悪くなったり、様々な問題が起こっている。そういった現状がある中で、医療との連携ということについて、例えば逆効果になることも実際に起こっているが、それを抑える、リスクを抑える取組もあったかどうか伺いたい。
(中坪会長)
千葉県袖ヶ浦福祉センターのことに関わっての答えでよろしいですか。
(植野委員)
はい。知的障害で重複障害は他でもたくさんいると思うが。
(障害福祉課長)
千葉県袖ヶ浦福祉センターにはかなり重度の方が入られているということで、様々なきめ細やかな対応が必要ということは検証委員会の報告書でも指摘されている。きめ細やかなケアができるよう、計画をしっかり作るように事業団でも今取り組んでいる状況。
もう一つ、医療との連携について。千葉県袖ヶ浦福祉センターには診療室がある。このあり方については地域の医療との連携も含め今後検討することとしている。現在、診療室自体はあるが、今後検討していくべき課題かと考えている。
(植野委員)
確認だが、千葉県袖ヶ浦福祉センターでの重複障害者に対応する専門スタッフの配置の充実はいかがか。
(障害福祉課長)
聴覚専門のスタッフはいない。今後入所されている方の状態を見て考えていく必要があるのではないか。
(植野委員)
聴覚障害者だけでなく、重度であるから視覚障害を持つ、あるいは発達障害を持つ重複の方等、様々な重複障害を持つ方がいると思うので、知的障害だけということではない部分もあると思う。
(中坪会長)
承っておくということでよろしいでしょうか。
(植野委員)
はい。
(中坪会長)
他にも出てきそうな気がしますが、やはり時間が気になりますので、この時点で打ち切らせていただくということでよろしいでしょうか。
それでは次の報告事項○4「障害者差別解消法の施行に向けた取組について」ということでございます。お願いします。
《事務局説明》
(中坪会長)
御質問等あれば。
(藤尾委員)
今回この準備にあたって気になっている点がある。労働局の方はどのように関わっているか。
おそらく内閣府から出ている今回の法整備にあたってはこの中で進められていくのだろうと思うが、厚生労働省から出ている改正雇用促進法、これも(平成28年)4月に同じような形で障害者差別解消という部分が出てくると思う。その中で、障害者差別解消法では努力義務になっている民間の合理的に配慮が、雇用関係では法的義務として位置づけられていて、より踏み込んだ内容になっていると思う。これをバラバラに国は国でやる、県は県でやるという形で進めていってしまうと、受け手側からは分かりづらくなるし、昨日たまたま千葉県特例子会社連絡会の方々とこの話もしたのだが、やはり企業によって今どのように対応していくのかというところが非常にホットな内容になっている。その状況下において県から出ている指針を受けていったときに、これがまったく対応できないものになっていると、かなりダウンしてしまうだろう。
前回、虐待防止法のリーフレットを作ったときも、確か県で進めたものでこれでいこうとして労働局に持っていったときに大どんでん返しがあったと記憶をしているので、早い段階で労働行政の人にも入ってもらった形で進めていくというスタンスをどこかで取っていただかないと、バラバラに動いてしまうかという印象を持っている。
(中坪会長)
御意見として受け止めさせていただくこととします。
(植野委員)
二つほど伺いたい。
先ほど話されたことにも重なるかも知れないが、民間企業の場合に努力義務ということ、そして雇用促進法の中では義務化されているという御指摘があった。問題なのは、企業に対して合理的配慮ということについて、例えば通訳を付けてほしいとなったときに、会社のほうからは相談するときに制度上は他のほうでという話が出てくると思う。というのは、手話通訳は行政の公的派遣対象外となっている。そうすると市町村では企業に関する通訳というのは公的派遣の対象外になっている。だからろう者が自分でお金を払って自分で通訳を連れてくるという話になってくる。そのような企業からの説明もある。言い方は悪いが、非常にこれはたちが悪い法律になってしまうのではないかという危機感も意見として出ている。そういったことも踏まえて検討を是非お願いしたい。
二つ目は、このパンフレットを見ると1ページ目に書いてあるが、公設公営の運営形態を持つ社会福祉法人の場合、どのように対応するのか。指定管理者制度を導入されているものは民間という扱いでよいのか。
(中坪会長)
最初の労働行政に関わってのことはこれからの検討課題として。
(障害福祉課長)
労働局の関係は御意見として承っておきたい。付け足すと、差別解消地域協議会を立ち上げる方向で考えているが、立ち上げるとなると労働関係が欠かせないところであり、今の調整委員会には労働局の方が入っていないので、こういった方を入れることを考えたい。
もう一つ、植野委員から御指摘のあった手話通訳派遣について。どちらかというと総合支援法のサービス上の問題になってくるかと考える。国でもこういった検討がなされているところであり、状況を見ながら考えていきたい。
指定管理者制度については少し整理させていただきたい。ただ、身分が公務員ではないので、基本的には民間事業者という取扱になろうかと思う。
(植野委員)
公設公営の場合はいかがか。
(障害福祉課長)
公設公営の場合は公務員であるから、通常の行政機関と同様の扱いになるのではないかと考えている。いずれにしても適用については内閣府に確認しながら進めていきたい。
(中坪会長)
他にはよろしいでしょうか。
(畑中委員)
私は県条例(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例)をずっと推進してきているが、県条例と今度の差別解消法と推進する人が同じではないかと思ったりもするが、これの調整というのは早急にしていただきたい。分かりやすくしないと、私も地域相談員をやっているが、大概こちらの方法で来たら、こちらのほうも何とかということになってしまうのではないかと思うが、相談員等にも県条例と差別解消法が分かるようなものを作っていただきたい。
(中坪会長)
課題として受け止めさせていただくことでよろしいですか。
(畑中委員)
はい。
(中坪会長)
他はよろしいでしょうか。
それでは次の案件に移らせていただきます。次は議題(2)の審議事項○1「平成28年度重点事業(案)について」ということでございます。よろしくお願いします。
《事務局説明》
(中坪会長)
沢山取り組む内容が示されています。色々御意向等もあろうかと思います。この後御意見をいただきますけれど、限られた時間ですので、要点を絞ってお話しいただければと思います。お願いいたします。
(大屋委員)
8ページの一人ひとりに着目した支援体制ということで、ここに限らず強度行動障害、発達障害ということに対して大変問題意識を持って作られていることに感謝申し上げたい。ただ、強度行動障害、発達障害の人は非常に多いのだが、生まれたときから発達障害、生まれたときから強度行動障害の人はいない。結局はその後の教育や福祉等の不備によって、結果的に強度行動障害になっている、ある意味では被害者であるから、これを支援することは当然だと思うが、この7番のところで視点として重要なのは、強度行動障害にならないようにするという視点が大事であると思う。そういう意味でいうと、先ほど坂巻委員もおっしゃったように地域生活が有意に支援されることが非常に重要であろうと思うし、ここに出ている項目でいえば発達障害者支援センター、もしくは研修等を充実していくことが大事であろう。そういうことに対するグループホームとか、先ほどの行動援護とか、そういう地域生活を充実させるものを実施していくことが大事であると思う。
これは意見だけだが、強度行動障害にならないようにするという視点を持っていただければと思う。
(栗原委員)
歯科医師会ではご存じの通りビーバー号で年間70件ほどの施設を回って健診等を実施していて、かなり充実してきた。全体を見て、これとは別に生きるための支援ということで、要するに食べることがとても重要になってくる。現在、健康づくり支援課から委託を受けて摂食嚥下指導を行っている。幼児施設等については平成23年からであったか委託をいただいて活動しているが、ビーバー号で回っていて成人施設についても非常に職員の方が食べることに困っているのでみてほしいという要望が沢山出てきている。幼児施設についてもそういう状態があったり、成人施設でもそれが必要になってきている。
窒息で亡くなられる方は交通事故で亡くなられる方よりも多いという統計が出てきている。食べることの障害というのは決して重度の方だけではなく、特別支援学校あるいは職場で働いている方にも非常に重要になってきているので、今は健康づくり支援課からの事業だが、是非こちらでもそれを考えていただいて、これ(重点事業案)全体を見ても生きるための支援というのがないので、その辺を是非考えていただきたい。
(里見委員)
この重点目標は本当によくできていると思うが、28年度の重点目標に欠けているのが一つある。どうしても入れなくてはいけない。それは人材確保だ。これを実施するためには人材がいなければ何もできない。障害を持つ方は支援を受けたくても受けられない。そういう状況を作ってしまうのが一番の差別になってしまう。
介護保険(高齢者)のほうでは人がいないためにサービスを閉鎖したり、特養でオープンができなかったり。そういう状況に追い込まれている。障害者のほうも、これは25年以上前だが、バブルの頃がちょうどこういう状況であって、そのときも国と県と、我々事業者団体である福祉協会が一緒になって対策を練って福祉の人材センターというのを各県に置いて人材確保に当たった。
であるから、一番目の前に、まず人材確保。28年度に一番大切なのは人材確保であると思う。これを是非入れていただきたい。これは行政と事業者側だけではなく、学校教育もそうである。今、福祉大学や福祉学科の卒業生がみな民間企業に流れて、福祉の現場には来ない。これもバブルの頃とよく似ている。教育機関やいろいろな方の意見を聴きながら、どうしたら人材確保ができるのかという対策を。もう、今年度やらないと大変なことになってしまう。是非これを一番目の重点目標に入れていただきたい。
(畑中委員)
精神障害のある人の地域移行について。施策自体はアウトリーチその他よくできていると思うが、ただ一つ、精神障害者が地域で生きるためには、一番大事なのは偏見をなくすことである。要するに、みんな病気を隠している。なぜ隠すかというとその病気が悪いものではないかと思っている。少なくとも第一に、精神障害者、その家族、いわゆる内なる偏見という、その家族たちの偏見をなくすためには、家族に学習させる、病気について理解してもらう。障害者の当事者家族に勉強させる研修をすることが一つ大事になる。
もう一つは、社会の偏見というのはやはり学校教育で行っていればずいぶん変わる。少なくとも教育課程の各段階ごとに中学、高校、そして小学校もそうだが、こういった病気についてはっきりした理解を進める運動。この二つがなければ絶対に地域移行できない。これを必ず入れてほしい。
またもう一つ、地域で生きる中で一番我々が気にしているのは経済的な問題。千葉県では重度心身障害者児医療費助成について、重度という感覚は、手帳保持者のうち身体が半数、知的については約半数近くがこの制度の恩恵を受けている。障害差別があってはならないと思うが、精神についてはまったくない。同じように経済的援助であるならば、同じような割合があってしかりだと考えている。同じような待遇をしていただきたい。これは現在我々が進めている交通費割引運動でも同じである。知的、身体については割引があっても精神にはない。要するに障害者は障害者として一本で考えていただきたい。
(坂巻委員)
大変多岐に渡って努力されているのはよく分かるが、ちょっと欠けているのが社会福祉施設が果たす役割というのをもう少し広げていいのではないかと思う。ただ入所者とか対象のサービスだけでなく、地域社会に対しての施設の開放も含め、その社会福祉施設が地域の福祉のレベルを上げる教育あるいはボランティアの受入れも含め、そういった意識を持つことが大事だということを感じている。
それからもう一つは特に精神障害の方の地域移行について、施設や病院を退所しても受け皿のないところがたくさんある。結局受け皿がないままに精神病院を退院させられても、家族は途方に暮れる、あるいは地域に精神を専門にする開業医がいないという地域があるのではないかと思うので、そのあたりの医療の充実も含めてお考えいただければと思う。
(里見委員)
ただ今の坂巻委員のお話はまったくその通りだと思うのだが、逆に福祉施設に頼りすぎているという面もある。例えば以前であれば医療で対応している方たちや矯正施設から出てきた方たち、何でもかんでも福祉で対応しようという風潮だが、福祉も、事業者側も、もうパンクしている。医療との連携も、矯正との連携も必要であるが、ただすべて福祉でやる、障害があるから福祉でやるという考え方は、ちょっと無理があるのではないか。そういうものを抱えながらやっている関係で、坂巻委員のおっしゃるような地域の障害者への貢献、地域の一般の方への貢献というのが、そこまで余力がなくなってきているということも是非頭の中に入れていただきたいと思う。
(坂巻委員)
もう一つ、思いつきだが。これを読んでいて、今施設で抱えている問題というのは、障害者の高齢化というのが非常に大きなテーマになってきていて、家族がまずいなくなってしまい、50歳、60歳の障害者が地域で一人暮らしを強いられている。一人暮らし高齢者の認知症も大きな問題になってきているが、障害者の高齢化に対する対応を考えていただければと思う。
(伊藤委員)
今、坂巻委員のおっしゃったように、施設だけではなく、障害者自身の高齢化もあり、親の高齢化も大変な問題になっている。親自身が認知症になって施設に入らなければならない。たとえ子どもが施設に入っていたとしても、今度はそこのところが関係がなくなってしまう。やはり残された後の家族の負担がますます大きくなってきてしまって、本当にどうしようもなくなっている家族が増えているのが現実である。そこのところは至急に何らかの対策をしていただきたいと、親の立場として強く希望したい。
(中坪会長)
他はよろしいですか。
それでは、時間にもなりましたので。色々な御意見、御要望が出たかと思います。事務局でしっかり受け止めていただいて、必要があれば他部局との調整等も含め、来年度に向けて具体化を図っていただければと存じます。出た御意見、最初のほうからのも含めてですが、いずれも参考にしていただいて、今後の計画推進に向けて頑張っていただくということになろうかと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、議題の3は以上ですが、その他のことで何かございましたらお出しいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
特にないようですので、予定された議題は終了とさせていただきます。事務局から何かあればお出しいただきたいと思います。
《事務連絡》
(中坪会長)
それでは、ちょっと急ぐ形で進めさせていただいて、失礼もあったかと存じますがお許しいただきたいと存じます。議事はこれで終了いたします。事務局に進行をお返しいたします。
(事務局)
長時間にわたり御審議いただきありがとうございました。以上をもちまして千葉県障害者施策推進協議会を終了いたします。本日はありがとうございました。
《閉会》
お問い合わせ
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