ここから本文です。

印刷

更新日:令和7(2025)年2月28日

ページ番号:740139

研究ライブラリー(令和6(2024)年度)

  • 本研究報告に掲載されている内容は、令和5(2023)年度の研究実績です。
  • 各報告の研究者所属は、研究当時のものです。
  • 研究報告の内容を転載・複製等される場合には、前もって企画連携室へ御連絡の上、利用許諾を得るようお願いします。
    千葉県産業支援技術研究所・企画連携室:電話番号043-231-4326

1.研究

各種殺菌牛乳中の機能性たんぱく質に関する研究
~牛乳中のラクトフェリンの分析~

食品・化学技術室 大垣 佳寛、松田 皓生、海老原 昇
次 長 宮崎 浩子
古谷乳業株式会社 高野 和也、白井 寛、石出 卓也

 本研究では、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によるラクトフェリン(LF)の分析法を開発し、生乳及びUHT、HTST、LTLT殺菌牛乳中の未変性のLFの分析を行った。
 イオン交換法により乳試料中の未変性のLFを抽出した試料についてHPLC分析したところELISAによる定量値と良い一致を見せた。
 また、本法による未変性のLFの定量値は、生乳で9.6-16.0 mg/100mLで、HTST牛乳で3.2-8.0 mg/100mLであった。LTLT牛乳やUHT牛乳にはLFは殆ど含まれなかった。 
 本分析法は牛乳等の品質管理や研究開発に好適に用いることができると考えられる。

熱分析による混練型木質複合プラスチック(WPC)の劣化具合の化学的評価

材料技術室 山本 貴之、篠田 清
食品・化学技術室 海老原 昇

 熱分析装置によるスギとポリプロピレン(PP)で作製した混練型木質複合プラスチック(WPC)の樹脂劣化測定法を検討した。その結果、熱重量示差熱分析装置による酸化開始温度(IOT)の測定結果から長期の樹脂劣化の推定が可能であることが分かった。10年以上屋外暴露したWPC製ウッドデッキ試験片のIOTより、最表面は劣化していたが、表面から深さ0.7mm程度で採取したサンプルは屋内保管及び再成形した試験片と同程度の劣化具合であることが推定された。このことより、屋外で使用するWPCの多回リサイクルの可能性を示すことができた

低周波向け磁界シールド測定用治具の開発
~KEC法に基づく磁界シールド測定治具の大型化の検討~

生産技術室 名和 礼成、足達 幹雄

 電子機器・部品から発生するノイズの影響(誤動作等)への対策として、電磁波シールド材が開発されている。当所では「シールド材評価装置(KEC法)」を設置・開放しており、開発企業の評価ニーズに対応している。太陽光発電のパワコンやEVに代表される大電力用インバータの普及により、100kHz以下の低周波磁界ノイズも問題となっており、この帯域での測定需要も多い。一方、当所所有の磁界測定治具では感度の高い測定ができない。このため測定部分が約2倍の大きさの磁界測定用治具を試作し、低周波磁界シールド測定への適用を試みたところ、一定の測定感度の向上を確認し、概ね20kHzから50MHzの範囲で測定可能であることが示唆された。

金属3Dプリンタで製作した焼結物の欠陥予測

生産技術室 花澤 明洋
材料技術室 中村 昌彦

 金属3Dプリンタの最終工程において焼結物に変形や割れが発生した。要因として材料に含まれる有機化合物の挙動や構造自体の収縮、応力変化などの影響が考えられる。
 そこで本研究は焼結物の成否の予見性を高めることを目的に温度に対する材料の挙動を調べるとともに,熱荷重による構造的影響を解析して実際の焼結物との整合性を確認した。その結、900℃までは金属粉末が存在し緻密化は認められなかった。また、解析による応力集中位置と焼結物の割れの位置は一致したものの、解析条件として材料定数の同定が困難だったため、降伏する値や欠陥が発生する温度などの特定には至らなかった。

全文ダウンロード((PDF:488.6KB)

 

お問い合わせ

所属課室:商工労働部産業支援技術研究所企画連携室

電話番号:043-231-4326

ファックス番号:043-233-4861

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?