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ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > その他の文化資源 > ふさの国 今昔 -過去から未来へ- > 06.東京湾漁業と千葉の貝塚遺跡
浦安から富津に至る東京湾沿岸地域には、かつて広大な干潟が広がっていました。干潟はゴカイ類、カニやシャコなどの甲殻類、アサリやハマグリ、アカニシ、ウミニナなどの貝類、ハゼやキス、イワシ、ボラ、カレイ、スズキ、クロダイ、アナゴなどの魚類の良好な生息地であるとともに、それらを食べるサギなどの鳥類が集まる生物の宝庫です。昭和30年代に始まった埋め立てにより、多くの干潟は失われてしまいましたが、現在でも海苔養殖やアサリ漁業、スズキ、カレイ、コノシロなどを捕る曳網漁や巻網漁、刺網漁が行われています。中でもスズキ漁業は、全国第1位の漁獲高を誇ります。また、東京湾で捕れたアナゴなどは、江戸前ブランドとして、高値で取引されています。
この地域は、全国一の貝塚密集地帯でもあります。千葉市の加曽利貝塚、荒屋敷貝塚、市川市の堀之内貝塚、姥山貝塚など国指定史跡が数多く所在します。
これらの貝塚遺跡からは、土器や石器のほか、貝殻や動物の骨が多数出土します。加曽利貝塚の貝層を調べたところ、イボキサゴ、ハマグリ、アサリ、シオフキ、オキシジミ、カキなどの貝殻や、クロダイ、マダイ、アジ、イワシ、サバ、スズキ、ボラ、イシダイ、フグ、エイ、サメなどの魚の骨が見つかりました。また、これらの魚を捕まえるための道具類(ヤスや網のおもり)も多数出土しています。
1万年もの長い間、豊かな海の恵みに支えられて千葉の文化は育くまれてきました。
東京湾に広がる干潟
千葉市 加曽利貝塚
昭和30年代の東京湾の風景
(故・林辰雄氏撮影写真・県立中央博物館蔵より)
昭和30年代の東京湾の風景
(故・林辰雄氏撮影写真・県立中央博物館蔵より)
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