千葉県月例経済報告(平成23年4月)
1.主要経済指標等でみた県内の経済情勢
県内の経済情勢は、2月までの指標(大型小売店販売額、有効求人倍率等)では、持ち直しの傾向が見られるが、3月の指標(新規自動車登録台数)では、東日本大震災の影響が見られ、今後の景気動向が懸念される。
大型小売店販売額(平成23年2月)
- 大型小売店販売額は695億円で、前年同月比3.1%の増加となった。
- 種類別に見ると、百貨店が1.4%の減少、スーパーが4.6%の増加となった。
- 店舗調整後の販売額は、前年同月比1.2%の増加となっている。
新規自動車登録台数(平成23年3月:軽自動車を除く)
- 新規自動車登録台数は11,479台で、前年同月比40.8%の減少となった。
- 車種別に見ると、普通貨物は前年同月を上回ったものの、それ以外の全て車種において前年同月を下回った。
新設住宅着工戸数(平成23年2月)
- 新設住宅着工戸数は2,786戸で、前年同月比11.3%の減少となった。
鉱工業生産指数(平成23年1月)
- 鉱工業生産指数は100.3で、前月比2.0%の増加、前年同月比7.2%の増加となった。
有効求人倍率(平成23年2月)
- 有効求人倍率は0.51倍で、前月を0.02ポイント上回った。
- 南関東における完全失業率は4.3%で、前月を0.4ポイント下回った。
企業倒産件数(平成23年3月:負債総額1千万円以上)
- 企業倒産件数は32件で、前年同月と同件数となった。
- 負債総額は81億9,300万円となった。
金融情勢(平成23年2月)
- 金融情勢の預金残高は23兆4,945億円で、前年同月比2.9%の増加となった。
- 現金残高は1,613億円で、前年同月比4.1%の増加となった。
- 貸出残高は11兆8,051億円で、前年同月比0.9%の増加となった。
公共工事請負額(平成23年3月)
- 公共工事請負額の請負件数は360件で、前年同月比4.5%の減少となった。
- 請負金額は259億円で、前年同月比17.9%の減少となった。
県内中小企業の業況判断指数(平成23年3月)
- 県内中小企業の業況判断指数は、前月比、前年同月比ともに悪化している。
2.「月例経済報告」総論(4月13日内閣府発表より)
我が国経済の基調判断
景気は、持ち直していたが、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きとなっている。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。
- 輸出は、持ち直しの動きがみられたものの、東日本大震災の影響による減少が懸念される。生産は、持ち直していたものの、東日本大震災の影響により、このところ生産活動が低下している。
- 企業収益は、改善しているが、東日本大震災の影響が懸念される。設備投資は、持ち直している。
- 企業の業況判断は、慎重さがみられる。
- 雇用情勢は、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。ただし、東日本大震災の影響が懸念される。
- 個人消費は、持ち直しの動きがみられたものの、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きもみられる。
- 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
先行きについては、当面は東日本大震災の影響から弱い動きが続くと見込まれる。その後、生産活動が回復していくのに伴い、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待されるが、電力供給の制約やサプライチェーン立て直しの遅れ、原油価格上昇の影響等により、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。
政策の基本的態度
政府は、東日本大震災の影響等を踏まえ、国民生活及び経済活動の安定に総力を挙げて取り組む。このため、被災地への支援のための補正予算を早急に編成する。
日本銀行に対しては、引き続き、政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な対応によって経済を下支えするよう期待する。
日本銀行は、4月7日、被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションの実施等について具体的な検討を行うこととした。
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