千葉県月例経済報告(平成23年5月)
1.主要経済指標等でみた県内の経済情勢
県内の経済情勢は、2月までの指標(鉱工業生産指数など)では、持ち直しの傾向が見られたが、3月以降の指標(大型小売店販売額、新規自動車登録台数など)では、東日本大震災の影響が見られ、今後の景気動向が懸念される。
大型小売店販売額(平成23年3月)
- 大型小売店販売額は704億円で、前年同月比8.3%の減少となった。
- 種類別に見ると、百貨店が25.8%の減少、スーパーが1.3%の減少となった。
- 店舗調整後の販売額は、前年同月比9.1%の減少となっている。
新規自動車登録台数(平成23年4月:軽自動車を除く)
- 新規自動車登録台数は4,916台で、前年同月比51.0%の減少となった。
- 車種別に見ると、全て車種において前年同月を下回った。
新設住宅着工戸数(平成23年3月)
- 新設住宅着工戸数は2,873戸で、前年同月比3.4%の減少となった。
鉱工業生産指数(平成23年2月)
- 鉱工業生産指数は101.7で、前月比1.4%の増加、前年同月比5.2%の増加となった。
有効求人倍率(平成23年3月)
- 有効求人倍率は0.51倍で、前月と同水準であった。
- 南関東における完全失業率は4.7%で、前月を0.4ポイント上回った。
企業倒産件数(平成23年4月:負債総額1千万円以上)
- 企業倒産件数は22件で、前年同月比26.6%の減少となった。
- 負債総額は19億6,800万円となった。
金融情勢(平成23年3月)
- 金融情勢の預金残高は23兆5,595億円で、前年同月比3.3%の増加となった。
- 現金残高は2,444億円で、前年同月比38.4%の増加となった。
- 貸出残高は11兆9,016億円で、前年同月比1.3%の増加となった。
公共工事請負額(平成23年4月)
- 公共工事請負額の請負件数は346件で、前年同月比3.3%の増加となった。
- 請負金額は517億円で、前年同月比34.1%の増加となった。
県内中小企業の業況判断指数(平成23年4月)
- 県内中小企業の業況判断指数は、前月比、前年同月比ともに悪化している。
2.「月例経済報告」総論(5月24日内閣府発表より)
我が国経済の基調判断
景気は、持ち直していたが、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きとなっている。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。
- 生産は、東日本大震災の影響により、このところ生産活動が低下している。輸出は、東日本大震災の影響により、このところ減少している。
- 企業収益は、東日本大震災の影響により、下押しされている。設備投資は、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きがみられる。
- 企業の業況判断は、慎重さがみられる。
- 雇用情勢は、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。ただし、東日本大震災の影響により、一部に弱い動きもみられる。
- 個人消費は、持ち直しの動きがみられたものの、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きがみられる。
- 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
先行きについては、当面は東日本大震災の影響から弱い動きが続くと見込まれる。その後、生産活動が回復していくのに伴い、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待されるが、電力供給の制約やサプライチェーン立て直しの遅れ、原子力災害及び原油価格上昇の影響等により、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。
政策の基本的態度
政府は、5月17日に閣議決定した「政策推進指針」に基づき、大震災がもたらした制約を順次、確実に克服するとともに、日本経済の潜在的な成長力を回復するよう取り組む。このため、平成23年度1次補正予算の速やかな執行等により、震災からの早期立ち直りを図る。
日本銀行に対しては、引き続き、政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な金融政策運営によって経済を下支えするよう期待する。
日本銀行は、4月28日、被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションの導入等を決定した。
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