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更新日:令和6(2024)年9月12日

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令和3年9月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、9月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

 

まず、新型コロナウイルス感染症について申し上げます。
本県では8月2日に緊急事態宣言が適用されましたが、その後も感染の急拡大とそれに伴う重症者の急増に歯止めがかからず、入院先となる病床が実質的に満床になるなど、危機的な状況となりました。
新規感染者の増加により、入院が必要になっても調整に時間を要するケースが数多く発生し、それに伴い自宅で療養する方も増加しました。
さらに、出産の兆候を示した妊婦の受入先が見つからず新生児が死亡した事案や、今月9日に公表した適切な健康観察が行われなかった事案など、命に関わる重大なケースが発生したことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めています。

 

県では、感染の急拡大に伴い、病床等の確保や自宅療養者への支援の充実など、医療提供体制の整備に一層力を入れて取り組むとともに、飲食店等に対して、協力金の速やかな支給や見回りの強化などにより、引き続き営業時間の短縮等への協力をお願いしてきたところです。
このような中、県内の新規感染者数は8月20日の1,778人をピークに減少していますが、酸素の吸入が必要な中等症あるいは重症の患者や、自宅療養者の人数はいまだ高い水準にあり、緊急事態宣言も延長されていることから、依然として予断を許さない状況です。
このため、県としては、新規感染を極力抑え込みながら、ワクチンの集団接種を進めるとともに、病床・宿泊療養施設の更なる確保、入院待機ステーションの整備、自宅療養者フォローアップセンターの運営など、あらゆる施策を検討し、医療提供体制のより一層の強化を図ってまいります。

 

次に、議案について御説明いたします。
このたび提案いたしました案件は、令和3年度9月補正予算、各種条例案及びその他附帯議案の29議案のほか、報告3件及び「決算認定について」です。
以下、その主な概要について申し上げます。

 

議案第1号は、令和3年度一般会計の補正予算案です。
9月補正予算では、新型コロナウイルス感染症対策について、先ほど申し上げましたとおり、自宅療養者の増加への対応の強化など医療提供体制の拡充等を行うとともに、感染症の長期化により影響を受けている県内経済の活性化に向け、中小企業支援や観光振興のための事業を計上いたしました。
また、八街市の通学路での交通事故を踏まえ、交通安全対策を一層強化するほか、6月補正予算編成後の状況変化を踏まえ、早期に取り組むべき事業を計上したところです。
さらに、健全な財政運営に資するよう、令和2年度の決算剰余金の2分の1を財政調整基金に積み立てるとともに、今後の災害等に備え、災害復興・地域再生基金への積み立てを行います。
この結果、補正予算額は726億9,500万円で、補正後の予算規模は、2兆5,416億4,700万円となります。

 

続いて、9月補正予算の主な施策について、その概要を御説明いたします。
はじめに、新型コロナウイルス感染症対策のうち、医療提供体制の整備です。
入院患者受入れのための病床確保や、患者受入協力金、PCR検査体制、搬送体制などについては、7月以降の感染者数の急増等を踏まえて再積算した上で、年度末までの所要額を計上いたしました。

軽症者等のための宿泊施設について、新たに500室を加えて常時1,500室程度を確保するとともに、リスクの高い療養者への対応を強化するため、看護師の確保や酸素吸入器の更なる配置を行います。
また、自宅療養者の増加に伴い、健康管理や病状が悪化した際の対応を強化するため、新たに自宅療養者フォローアップセンターを設置するとともに、パルスオキシメーターを全員に配付し、酸素吸入器を確保いたします。

 

さらに、訪問看護や夜間外来の輪番を行う医療機関等に対して新たに協力金を支給し、自宅療養者等の診療体制の強化を図ります。
そのほか、ワクチン接種を促進するため、個別接種を多く実施する医療機関への支援金について対象期間を延長するとともに、副反応等の相談受付を継続して実施します。

 

次に、中小企業支援・観光振興です。
ポストコロナも見据えて、新分野への参入などに計画的に取り組む中小企業に対し、専門家を派遣して、計画立案への助言や、最適な補助制度の活用の促進など、伴走型の支援を行います。
また、感染症の拡大により落ち込んだ県内観光需要の回復を図るため、感染状況やワクチン接種の進捗状況を見極めた上で、国の観光需要喚起策と連携した県内の観光利用促進キャンペーンを行うこととします。

 

次に、緊急的な交通安全対策です。
飲酒運転の根絶に向け、事業所を対象とした集中啓発活動を行うとともに、通学路の緊急点検を踏まえ、ガードレールの設置や信号機のLED化などの安全対策を実施します。
なお、通学路の安全対策については、国による追加対策が取りまとまり次第、更なる補正予算の編成を検討してまいります。

 

次に、二酸化炭素排出量の削減です。
道路や港湾施設、都市公園の屋外照明灯について、維持管理費を抑制しつつ、二酸化炭素排出量を削減するため、リース方式により一括してLED化を進めます。
また、家庭における二酸化炭素排出量の削減を推進するため、予算を増額して、太陽光発電設備の導入を促進します。

 

次に、子育て・教育施策です。
児童虐待事案に迅速かつ的確に対応するため、警察本部と県内全ての警察署が、児童相談所とオンラインで情報共有できる体制を構築します。
市町村立小中学校等でのICTを活用した教育を推進するため、学校を訪問して支援するGIGAスクールサポーターを新たに配置します。

 

次に、産業振興・基盤整備です。
産業用地の確保に向けた課題や今後のあり方を整理するため、基礎調査を実施するとともに、ワーケーションの受入れを促進するため、企業ニーズ等を調査し、地域の取組を支援します。
また、飼料用米などへの転換に対する県独自の上乗せ助成について、作付面積が見込みを大幅に上回ったことから、必要な予算を増額します。

道路ネットワークの整備について、国の交付金の内示増などを踏まえ、前倒して実施するとともに、被災した道路や河川等の公共土木施設を復旧します。

 

最後に、文化・スポーツ振興です。
東京2020大会にちなんだ「ちば」の優れた文化芸術活動や伝統文化を発信するため、聖火リレーのセレブレーションなどに出演予定だった団体によるコンサートや、伝統芸能の舞台公演を開催します。

また、令和4年度に「ちばアクアラインマラソン」を開催することとし、大会の準備を進めてまいります。


議案第2号から議案第7号までの6議案は特別会計の補正予算案です。
議案第6号の病院事業会計については、新型コロナウイルス感染症の影響などにより資金不足が見込まれていたことから、当初予算では経費の一部を計上留保していましたが、このたび経営改善に向けた次期改革プランの案がまとまったことから、年間所要額を計上いたします。


次に、議案第8号から議案第19号までの12議案は、条例の制定及び一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。
議案第8号は、過疎地域における県税の課税免除を実施するため、議案第9号は、千葉県社会福祉センターを設置するため、条例を制定するものです。
議案第10号は都市計画法に係る開発の許可等の権限を大網白里市に移譲するため、議案第11号は民間の認定獣医師による豚熱ワクチン接種に係る手数料を新設するため、議案第16号は中小企業融資に係る損失てん補の対象を拡大するため、議案第18号は県道において旅客特定停留施設等を新設・改築する場合の基準を規定するため、それぞれ条例の一部を改正するものです。


また、議案第20号から議案第22号までの3議案は、漁業取締船の建造の請負などに係る契約を締結するため、議案第23号は石油コンビナート火災に備えて泡消火薬剤を取得するため、議案第24号は県立高等学校の生徒用コンピューターを取得するため、議案第25号及び議案第26号は東京電力福島第一原子力発電所事故に係る損害賠償などについて和解するため、議案第27号及び議案第28号は新型コロナウイルス感染症への対応に係る補正予算について、専決処分したことの承認を求めるため、議案第29号は、一般会計の補正予算案で、緊急事態宣言が9月30日まで延長されたことに伴い、営業時間の短縮等を行った飲食店等に支給する協力金などの予算を増額するため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。


以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なおこの際、当面する諸問題について御報告申し上げます。


まず、総合計画及び行財政改革計画の策定について申し上げます。
総合計画及び行財政改革計画については、6月議会で策定に取り組む旨を申し上げたところですが、このたびそれぞれ、計画の骨子案を取りまとめました。
まず、新たな総合計画は、10年後の本県の目指す姿と政策の方向性を示す基本構想と、今後3年間で重点的に取り組むべき施策をまとめた実施計画の2編構成とし、基本理念として、「千葉の未来を切り開く」と題し、「『まち』『海・緑』『ひと』がきらめく千葉の実現」を掲げました。
そして、その基本理念の実現に向けて、「危機管理」「産業・社会資本」「医療・福祉」など6つの分野で基本目標を設定し、体系化しました。

 

また、行財政改革計画については、総合計画の着実な推進を行財政面から下支えするため、行財政運営に関する基本的な考え方、目指す県庁の姿などを示すものとして位置付け、「時代の変化に対応した県民目線の県政の実現」を理念といたしました。
両計画とも、今年度中の策定に向けて、引き続き県議会の皆様をはじめ、幅広く御意見を伺いながら、計画策定に取り組んでまいります。

 

次に、令和元年台風からの復旧・復興について申し上げます。
本県に大きな傷跡を残した房総半島台風の上陸から2年が経過し、膨大な被災件数となった住宅や農業用施設等の再建が概ね完了するなど、復旧・復興は着実に進んでおり、今年度末までには、ほぼ全ての主要事業が完了する見通しです。
一方で、ライフライン関係施設等における停電や治水の対策など、中長期的に実施する事業については、将来起こりうる巨大災害に備え、できる限り早期に完了させる必要があります。
今後とも、被災した住民の方に安心して暮らしていただけるよう、地域に寄り添いながら、事業の完了に向けて、しっかり取り組んでまいります。

 

また、本年も全国各地で大雨による大規模な土砂災害や河川氾濫などが発生しており、本県でも8月の台風10号などにより被害が発生しています。
これまで、AIの活用などにより情報収集体制を充実するとともに、多くの防災関係機関と連携して災害対策本部訓練を実施し、初動対応能力の強化も図ってまいりました。
今後、台風シーズンが本格化しますが、台風等の災害から県民を守るため、市町村や関係機関等と連携し、全力で取り組んでまいります。


最後に、「東京2020オリンピック・パラリンピック」について申し上げます。
今月初めに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が閉幕しました。平成25年に東京大会の開催が決まってからこれまで、県内での競技開催に当たりましては、県議会議員の皆様をはじめ、関係各位の御理解、御協力をいただき、無事大会を終えることができました。
改めて御礼を申し上げます。

県としては、この大会を一過性のものとすることなく、オリンピック・パラリンピックの理念を、財産として千葉県に残していくことが重要と考えます。
また、大会を契機として、これまで県民や経済界、行政など多様な主体が一体となって進めてきた、国際交流やスポーツ振興、地域活性化などの様々な取組についても、本県の更なる発展につなげられるよう着実に推進してまいります。

 

以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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