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更新日:令和6(2024)年6月7日

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令和3年6月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、6月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくこととしました。

 

私が千葉県知事に就任して2か月が経ちました。この間、対応してきたいくつかの課題について、はじめに申し上げます。

 

まず、新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

本県の新規感染者数が4月中旬から増加に転じ、4月20日から、まん延防止等重点措置が適用されたことを受け、県では、東葛・葛南の5市について、まん延防止等重点措置を講ずるべき区域としました。

さらに、4月28日には、まん延防止等重点措置を講ずるべき区域に、千葉市など7市を追加するとともに、区域内の飲食店において酒類の提供を行わないよう要請し、まん延防止等重点措置については、今月20日まで延長されているところです。

 

この間、県では、病床の確保やPCR検査体制の充実をはじめ、医療提供体制の強化に、引き続き取り組んでまいりました。

 

先月には、接待を伴う飲食店の従業員に対するPCR検査や、飲食店の感染防止対策認証モデル事業を開始し、さらには、高齢者向けのワクチン接種を早期に完了することが重要であることから、市町村が集団接種のために医師・看護師等を確保する場合に支援を行うとともに、今月からは、県による集団接種を、千葉市及び松戸市において、開始したところです。

 

6月に入ってからは、隣接する東京都において、新規感染者数は下げ止まりの傾向にあるものと見られ、人流の増加、変異株の拡大の影響もあり、予断を許さない状況となっております。

本県においても、このところ新規感染者数が増加している地域が見られ、引き続き警戒が必要です。

県では、今月21日以降の対応について、まん延防止等重点措置が延長される前提で、検討を進めているところです。

現在、国と協議中であり、新たに示される基本的対処方針等を踏まえ、県民や事業者の皆様に対する協力要請の内容や、まん延防止等重点措置を 講ずるべき区域などを決定してまいります。

 

次に、県内の視察状況について申し上げます。

私は、就任後、4月17日に旭市新庁舎の竣工式に出席した際、旭中央病院と銚子市の名洗港を視察し、施設や地域の実情を伺いました。

4月27日には、房総半島台風により大きな被害を受けた館山市、南房総市、鋸南町を訪問し、特に住宅被害が多かった地区や、生産を再開した農業用施設等において、被災された方々の声を伺いました。

あわせて、3市町の市長、町長や関係者と意見交換を行い、今回の教訓を踏まえ、県と市町村が、災害時における被害情報の収集・共有について、しっかり連携していく必要があると意見が一致したところです。

 

さらに、5月20日には成田空港を視察し、新型コロナウイルス感染症の影響の大きさを痛感しました。

視察後には、周辺9市町、国、空港会社などと意見交換を行い、空港周辺地域の発展に向けて、地元が一枚岩となることが重要であるとの思いを共有させていただきました。

 

この2か月に私が見聞きしたことを通じて、千葉の未来を切り開いていくためには、将来を見据え、県政の様々な分野で未来に投資していく必要があると、改めて認識したところです。

このため、今後の県政運営にあたり、千葉県が目指す姿をお示しするとともに、その実現に向けて必要となる重点的な施策を取りまとめた新たな総合計画を策定することとし、本年度中に議会にお諮りできるよう取り組んでまいります。

また、総合計画の推進を支えるとともに、県庁の限られた資源である職員や財源を有効に活用していくため、行政改革・財政健全化計画をあわせて策定します。

千葉県の一層の発展に向けて、県議会の皆様の御意見を伺いながら策定を進めてまいりますので、議員の皆様方の御指導・御鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。

 

次に、議案について、御説明いたします。

このたび提案いたしました案件は、令和3年度6月補正予算、各種条例案及びその他附帯議案の31議案のほか、報告14件です。

 

まず令和3年度6月補正予算案について申し上げます。

令和3年度6月補正予算は、当初予算が「骨格予算」であったことから、「肉付け予算」として政策的な判断を要する経費や新規事業、投資的経費のうち新規着手分などを中心に、

1つとして、新型コロナウイルス感染症対策について、万全を期すこと

2つとして、先の臨時議会でお示しした政策ビジョンのうち、「防災・防犯・交通安全対策の強化」「子育て・教育施策の充実」「千葉経済圏の確立」「インフラの充実」など、各分野にわたり早期に実現可能な事業や重点的に実施すべき施策について的確に対応すること

以上の2点を基本的な考え方として編成しました。

 

この結果、一般会計の6月補正予算額は、1,857億1,900万円で、これまで既に6回の補正予算を編成していることから、補正後の予算額は2兆3,112億 200万円となります。

 

続いて、6月補正予算の主な施策について、その概要を御説明します。

 

はじめに、新型コロナウイルス感染症対策です。

入院患者受入れのための病床確保、患者受入協力金、夜間・休日における患者受入体制、軽症者等のための宿泊施設の確保、自宅療養者への支援、PCR検査や搬送体制などについては、新規感染者数などを踏まえ、新たな病床確保計画に基づき再積算し、10月末までに必要な予算を計上します。

また、医療提供体制を強化するため、医療機関等における設備や検査機器の整備を支援します。

さらに、感染拡大防止を図るため、介護施設の個室化などの改修費を支援するとともに、特別支援学校のスクールバスを引き続き増車します。

 

次に、防災・防犯・交通安全対策の強化です。

災害発生時に各地域で災害ボランティアセンターが円滑に設置されるよう、市町村などを支援します。

次に、一宮川流域浸水対策をはじめとする河川改良について、事業費を増額して推進するとともに、土砂災害対策、農地や山地の防災対策を強化します。

また、電話de詐欺の防止対策として、新たにSNSを活用した広報啓発を行うとともに、警察体制の強化と県民の利便性の向上を図るため、香取警察署の建替えに着手します。

さらに、交通事故死者数の減少を目指し、新たに高齢者向けの啓発動画を作成するほか、歩道整備、交差点改良、信号機の設置などを拡充するとともに、道路の白線消えの解消に向け、区画線の引き直しを増額します。

 

次に、千葉経済圏の確立です。

感染症の長期化や今後の災害などによる突発的な資金需要に備え、中小企業振興資金の融資枠を1兆3,200億円に拡大するとともに、立地企業補助金の予算を増額して、企業立地の促進を図ります。

また、中小企業におけるデジタルトランスフォーメーション推進の取組に対し、新たに支援するとともに、中長期的な観光需要拡大に向けた市町村や観光事業者による広域的な取組に対し助成制度を創設します。

さらに、二地域居住を含めた移住・定住を促進するための情報発信を行うとともに、市町村と連携した移住相談会を開催します。

 

次に、インフラの充実です。

県民生活の利便性向上や経済活性化につなげるため、北千葉道路をはじめ、銚子連絡道路、長生グリーンラインなどのアクセス道路や地域に密着した道路など、道路ネットワークの整備を強力に推進します。

また、物流拠点としての港湾機能を強化するため、千葉港千葉中央地区の埠頭再編整備に着手するとともに、名洗港の改修や館山港多目的桟橋の改良工事などの港湾整備も拡充します。

さらに、誰もが安全で快適に利用できる交通手段を確保するため、ノンステップバスや福祉タクシー車両の導入を支援します。

 

次に、医療・福祉の充実です。

医師の時間外労働の縮減に向けた救急医療機関などの取組に対し、助成制度を創設するとともに、医療機関が連携して遠隔医療を行うための設備の整備を支援します。

 

また、小児・AYA世代のがん患者の方などが将来に希望を持って治療に取り組めるよう、新たに妊孕(にんよう)(せい)温存(おんぞん)療法(りょうほう)に対する助成を行うとともに、難病患者の方などが自宅で歯科診療を受診できるよう、新たに歯科医師向けの研修を実施します。

さらに、良質なサービス付き高齢者向け住宅の整備に対し、引き続き県単独の補助を行うとともに、若年性認知症の方の社会参加の機会を創出するため、新たにモデル事業を実施します。

 

次に、子育て・教育施策の充実です。

児童相談所の管轄規模の適正化に向け、児童相談所を2か所新設するための基本設計に着手します。

また、障害児などを受け入れるために補助者を雇用するファミリーホームや、虐待防止対策として社会福祉士などを配置する保育所などを支援します。

さらに、児童養護施設を退所した方に対して生活資金などの貸付を行うほか、就労に意欲的に取り組むひとり親家庭に対する家賃の貸付や、不育症に係る先進医療検査の費用に対する助成を新たに行います。

また、児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、スクールカウンセラーを全公立小学校に配置するとともに、スクールソーシャルワーカーも増員します。

さらに、全県立学校において、ICTを活用した授業を実施するための新たなネットワークの整備を行います。

 

次に、農林水産業の振興です。

県産農林水産物を活用した商品開発を支援するとともに、梨やカラーの新品種のPRを行います。

また、スマート農業機器の導入を促進するため、コンサルタントによる指導や、畜産業におけるAIシステムなどの導入支援を新たに行います。

さらに、鳥インフルエンザなどの家畜伝染病を予防するため、県内全ての養鶏・養豚農場に対し、巡回点検と指導を実施します。

森林整備を促進するため、都市部と森林地域の市町村が連携して、森林環境譲与税を活用した森林整備に取り組むモデル事業を新たに実施します。

また、漁業者の収益向上を図るため、船形漁港内の荷捌き施設の建替えを支援します。

 

最後に、共生社会の実現です。

県内における外国人への日本語教育の環境を整備するため、地域の日本語教育を支援する総括コーディネーターを配置するとともに、ボランティアが活動しやすい環境を整備するため、希望する活動に参加申込できるマッチングサイトを開設します。

 

なお、これらに加え、感染症の長期化により影響を受けている事業者の皆様に対する支援などの取組について、更なる補正予算を編成し、今議会で追加提案いたします。

 

また、高齢者向けのワクチン接種を促進するために医療機関に交付する支援金や、今月21日以降、飲食店等への営業時間の短縮要請等を継続する場合の協力金などの予算についても追加提案し、先議していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

続いて、このたび提案いたしました主な議案の概要について、申し上げます。

 

最初に、議案第1号から議案第5号までの5議案は、一般会計及び特別会計の補正予算案です。

次に、議案第6号から議案第18号までの13議案は、いずれも条例の一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。

議案第7号は、配電事業等に係る法人事業税の課税方式等を定めるため、議案第10号は、地域連携薬局等の認定申請に係る手数料の新設等を行うため、議案第15号は、歩行者利便増進道路に係る県道の構造基準等を定めるため、議案第16号は、千葉県立東葛の森特別支援学校を新設するため、議案第18号は、東葛・葛南地区工業用水道事業の給水量を減量するため、それぞれ条例の一部を改正するものです。

 

また、議案第19号から議案第22号までの4議案は、三島ダムの漏水対策工事などの工事請負に係る契約を締結するため、議案第23号は、労務単価の上昇に伴い工事請負契約を変更するため、議案第24号は、新型インフルエンザ対策に係る備蓄用治療薬を取得するため、議案第25号は、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に同意するため、議案第26号は、不当利得の返還を求める訴えを提起するため、議案第27号は、損害賠償の額の決定及び和解を行うため、議案第28号から議案第31号までの4議案は、新型コロナウイルス感染症への対応に係る補正予算について、専決処分したことの承認を求めるため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

 

以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なおこの際、「東京2020オリンピック・パラリンピック」について御報告申し上げます。

東京2020オリンピックの開会まで残り36日、パラリンピックの開会まで残り68日となりました。

県では、両大会に向けて準備を進めているところですが、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、やむを得ず、オリンピック聖火リレーでのランナーの走行や、ライブサイトの開催を取り止めることとしました。

一方、両大会を契機として、これまで県民や経済界、行政などが一体となって進めてきた、国際交流やスポーツ振興、オリンピック・パラリンピック教育、魅力発信などの様々な取組は、大会後にもつながる千葉県の財産となってきています。

オリンピック・パラリンピックは、誰もがその人らしく生きる、分かりあえる共生社会の実現につながる貴重な機会であり、特にパラリンピックについては、そのターニングポイントになるものです。

開催が近づく中、現在も、観客の取扱いなどについて、組織委員会や国が検討を進めているところですが、その結果を受けて、安全・安心が確保されるよう、会場自治体として、しっかり取り組んでまいります。

 

以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。

よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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