令和6年9月定例千葉県議会の知事あいさつ
本日ここに、9月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。
はじめに、県土整備部における不適正事案に係る再発防止に向けた取組方針について申し上げます。
県では、県土整備部職員の収賄容疑での逮捕を受け、外部有識者による検討会議を設置し、同会議において、事件の経緯の調査やこれまでの取組の検証、再発防止に向けた検討などが進められ、先月、座長から全11項目にわたる提言を含んだ報告書が提出されました。
この提言を踏まえ、県では、利害関係者との飲食の届出制度の見直しや働きかけを記録する制度の導入などの再発防止に向けた取組方針をまとめたところです。
今後は、これらの取組方針に沿って、できるだけ早期に、実効性のある再発防止策の制度設計を進め、着実に実行することにより、県民の皆様の信頼回復に努めてまいります。
次に、議案について御説明いたします。
このたび提案いたしました案件は、令和6年度9月補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の18議案のほか、報告4件及び「決算認定について」です。
以下、その主な概要について申し上げます。
議案第1号は、令和6年度一般会計の補正予算案です。
9月補正予算では、地域公共交通を維持するための路線バス運転手の確保支援、緊急輸送道路などに架かる橋りょうの老朽化対策、PFOS等による地下水汚染の拡大を防止するための補助制度の創設など、喫緊の課題に対応するとともに、6月補正予算編成後の状況変化を踏まえ、必要な事業費を計上しました。
また、年度間の財源調整を図り、健全な財政運営に資するため、令和5年度の決算剰余金の2分の1を財政調整基金に積み立てます。
この結果、補正予算額は102億2,700万円、補正後の予算規模は2兆1,182億2,700万円となります。
続いて、9月補正予算の主な施策について、その概要を御説明いたします。
はじめに、社会資本の維持・充実です。
地域に不可欠な路線バスを維持するため、新たに、労働環境の整備等に対する助成を行うとともに、合同企業説明会を開催するなど、運転手確保に向けた取組を強化します。
また、災害に備え、橋りょうの老朽化対策を前倒しして進めるほか、長生の森公園野球場に照明設備を設置します。
次に、産業の振興です。
新たなビジネスモデルを開拓していく企業であるスタートアップを支援するため、先輩経営者からの助言やスタートアップ同士での相談・交流が行われるコミュニティの形成を進めます。
また、次期農林水産業振興計画の策定に向け、施策の見直しに必要な調査を行うほか、梨の花粉を安定的に確保するため、地域単位で花粉採取専用園地を整備する取組に支援します。
さらに、県産食肉の販路拡大に向けて、成田空港による輸出可能性の検証や、食肉流通のあり方等を検討するための調査を行います。
次に、医療・福祉の充実です。
医師の労働時間短縮を推進するため、勤務環境の改善に対する助成の拡充や、医師派遣について新たに支援を行います。
また、介護現場の生産性向上を図るため、特別養護老人ホーム等の介護施設の、介護ロボットやICT設備の導入に対して引き続き助成します。
次に、環境の保全です。
PFOS及びPFOAによる地下水汚染の拡大を防止するため、市町村が実施する調査等に対し支援を行います。
また、持続可能な一般廃棄物処理体制の構築に向け、長期的な計画を策定します。
最後に千葉の魅力の向上です。
県産品の販路拡大や誘客促進を図るため、大阪・関西万博に「発酵」をテーマとした出展を行います。
議案第2号から議案第6号までの5議案は、いずれも特別会計に係る補正予算案です。
次に、議案第7号から第12号までの6議案は、条例の一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明いたします。
議案第7号は、行政財産の使用料について、消費税相当額の算定や日割計算に関する規定を整備するため、議案第9号は、保育所等における職員の配置基準を改正するため、議案第10号は、医師修学資金の貸付に係る条例の失効期間を延長するため、それぞれ条例の一部を改正するものです。
また、議案第13号は、経営体育成基盤整備事業の施行に伴い、木更津市と袖ケ浦市の境界を変更するため、議案第14号から第17号は、児童相談所の建築や千葉県総合スポーツセンター体育館の解体などに係る契約を締結するため、議案第18号は、損害賠償の額の決定及び和解のため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。
以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なおこの際、当面する諸問題等について御報告申し上げます。
まず、成田空港を核とした産業拠点の形成に関する国への要望について申し上げます。
第三滑走路の新設をはじめとした成田空港の更なる機能強化が進む中、我が国の国際競争力の強化に向けて、成田空港を核とした物流・産業拠点の形成等を迅速に進めていくため、7月29日、空港周辺市町で構成する成田空港圏自治体連絡協議会とともに、岸田内閣総理大臣を訪問し、国家プロジェクトとして国の積極的な取組を求める要望書を提出いたしました。
その後の8月26日に開催された国家戦略特別区域諮問会議では、国際航空物流拠点機能の強化に向けて、国家プロジェクトとして取組を加速するよう、総理から関係省庁に指示があったところです。
空港の機能強化と周辺インフラの整備に呼応して、物流・産業拠点の集積を図るためには、国家戦略特区を活用した規制・制度改革の取組等により民間投資を促進することなどが不可欠であることから、それらの実現に向け、引き続き、国、空港周辺市町等と連携して取り組んでまいります。
次に、「ちばアクアラインマラソン2024」について申し上げます。
今回で6回目の開催となる大会当日まで、残り2カ月を切りました。
本大会では、1万7千人のランナーはもとより、お越しいただいたすべての皆様を、県内各地のグルメをはじめ、郷土芸能や音楽、ダンス、ご当地キャラクターの応援など、本県の魅力が詰ったおもてなしでお迎えいたします。
また、ランナーだけでなく、親子や車いすの方々なども東京湾アクアライン上を走ることのできる「ファンラン」を実施し、より多くの方々に「海の上を走る」爽快感を味わっていただくこととしております。
引き続き関係者の皆様と協力して、参加されるすべての方に楽しんでいただけるよう万全の準備を進めてまいります。
次に、千葉県県民栄誉賞等の授与について申し上げます。
この夏、開催されたパリオリンピック、パラリンピックでは、千葉県ゆかりの19名の選手が目覚ましい活躍によりメダルを獲得し、全国に感動を与えました。
このことは、私たち県民にとって誇りであり、その栄誉をたたえ、選手の皆さんに対し、表彰を行うことといたします。
まず、オリンピックで金メダルを獲得した、柔道の角田夏実選手、体操の萱和磨選手、谷川航選手には、県民栄誉賞を授与することといたしました。
同じく金メダルを獲得した、体操の橋本大輝選手、銅メダルを獲得した、レスリングの須﨑優衣選手は、過去、金メダル獲得により既に県民栄誉賞を授与していることから、知事特別賞を授与することといたします。
また、柔道の永山竜樹選手、スポーツクライミングの安樂宙斗選手には、知事賞を授与することといたしました。
今後、パラリンピックでメダルを獲得した選手への表彰と併せて表彰式を行いたいと考えています。
改めて、選手の皆様には、県民を代表して敬意を表するとともに、これからも郷土の誇りとなる活躍を期待します。
以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
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