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更新日:令和6(2024)年5月29日

ページ番号:19968

平成21年9月定例千葉県議会知事あいさつ

(平成21年9月25日)

本日ここに、9月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議をいただくことといたしました。

最初に、このたびの経理問題について、現知事として、県民の皆様、そして、議員の皆様に心からお詫び申し上げます。

私は、知事就任以来、徹底した調査を指示するとともに、内部だけの調査によることなく、第三者の外部の委員の目できちんと検証してもらうことも併せて指示し、先日、その結果を公表いたしました。

経理処理の実態は、極めてひどいものであり、県民に対する裏切り行為と言えるものでした。

私は、この問題に関しては、「徹底的にやって、すべての膿を出す」という強い姿勢で臨んでおり、「森田県政ではこのようなことは決して許さないし、決してやらせない」という強い決意のもと、以下の再発防止策に取り組んでまいります。

まず、この不適正な経理処理が発生した第一の原因としては、血税をお預りし、県民へ奉仕する公僕としての職員の自覚とコンプライアンス意識の欠如が挙げられることから、知事直轄のコンプライアンス担当組織を設置します。

また、再発防止を徹底し、特別監察機能を有する新たな組織として「再発防止・特別監察組織」を11月に設置することとしておりましたが、これを前倒しで設置するよう指示しました。

今回のような不祥事は二度と起こさないということを肝に銘じ、私が先頭に立って、職員一丸となって、県民の皆様の信頼を回復すべく全力で取り組んでまいります。

今回提案いたしました案件は、平成21年度の一般会計及び特別会計の補正予算案、各種条例案、その他附帯議案の35議案のほか、報告4件並びに平成20年度の一般会計及び特別会計の決算認定についてであります。

はじめに、9月補正予算について申し上げます。

最近の我が国経済は、9月の月例経済報告において、「景気は、失業率が過去最高水準となるなど厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きがみられる」との認識が示されたところであります。

本県においては、企業倒産件数が増加し、有効求人倍率が低下するなど、県内の経済情勢は、依然として厳しい状況にあります。

このような情勢を踏まえ、今回の補正予算の編成に当たりましては、国の経済対策に伴う事業や、6月補正予算編成後の状況変化に伴い緊急的に措置すべき事業を計上することといたしました。

以上の方針に基づき編成した9月補正予算は、一般会計で過去最大規模の811億3,400万余円の増額補正であり、既定予算と合わせた総額は1兆6,226億5,800万余円となりました。

その内容は、国の補正予算に伴う各種基金の造成や、これらの基金を活用した経済・雇用対策の実施、さらには、福祉・医療、子育て支援や教育など、県民ニーズの高い分野の施策を追加、拡充するものです。

年間収支見通しについては、9月補正段階では、地方交付税の増額に加え、国からの交付金の活用などにより、財源不足を生じることなく予算を編成することができました。

しかしながら、企業収益の悪化や個人消費の低迷などにより、本年度の県税収入は大幅に減少することが見込まれます。

このため、地方交付税の一部や減収補てん債の活用のほか、執行段階での経費節減などにより財源を確保し、収支均衡を図りたいと考えています。

次に、今回の補正予算において措置した主な事業について、分野ごとに、その概要を申し上げます。

第1は、「経済・活力の向上」についてです。

国からの交付金を財源に基金を増額し、市町村とともに雇用対策を実施するほか、中小・零細下請け企業を多く抱えている「千葉ものづくり認定製品」企業の販路開拓を支援します。

また、魅力ある観光地づくりを推進するため、市町村等が行う観光地のトイレや駐車場などの整備に対する助成を拡充することといたします。

第2は、「福祉・医療・暮らしの充実」についてです。

入所希望者が多い特別養護老人ホームの建設について、本年度から23年度までの間、補助単価を増額し、緊急的に施設の整備を進めます。

また、老朽化・狭隘化が著しい児童養護施設「富浦学園」の建替えのための基本設計を実施します。

さらに、各種基金を活用して、福祉・介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対する支援、市町村の行う介護施設等の整備に対する助成、社会福祉施設等のスプリンクラーの整備に対する助成などを実施するとともに、医療施設の耐震化を図るための基金を造成します。

このほか、解雇や雇い止め等により住居を喪失した失業者に対する住宅・生活の支援、高齢者・寝たきりの方に対して在宅で歯科診療を行う医療機関に対する助成を行うとともに、難病患者の医療費負担を軽減するため、新たに緊要性の高い難病疾患を医療費給付の対象に追加します。

第3は、「子育て支援・教育環境の充実」についてです。

安心こども基金を増額して、母子家庭の母の経済的自立に対する支援、児童養護施設等の内部改修などの環境改善、私立幼稚園等における遊具などの整備に対する助成を実施します。

また、景気の悪化により対象者が急増している私立高等学校等授業料減免事業の予算を増額いたします。

さらに、県立学校において、ICT化やエコ化を推進するため、校務用コンピュータの整備や太陽光発電設備の導入などを進めます。

このほか、県民の健康増進や体力向上の促進及び千葉県の魅力発信を目的とした(仮称)県民マラソンの実施について、東京湾アクアラインでの開催も視野に入れて調査を行います。

第4は、「社会基盤の整備」についてです。

北千葉道路の整備を促進するほか、国からの交付金などを活用して、道路拡幅や河川改良など、安全確保や災害防止のための公共事業を追加実施します。

第5は、「農林水産業の振興、良好な自然環境づくり」についてです。

地域農業の活性化を図るため、生産者団体の実施する農産物直売施設の整備に対し助成します。

また、基金を活用して、間伐等の森林整備と木材加工流通施設等の整備に対する助成や、地球温暖化対策を推進するため、県や市町村の施設の省エネ改修を推進します。

以上が、9月補正予算の主な事業の概要であります。

次に、このたび提案いたしました主な議案の概要について申し上げます。

最初に、議案第1号は、ただ今申し上げました一般会計補正予算案です。

次に、議案第2号から議案第5号までの4議案は、いずれも特別会計の補正予算案で、合計で7億5,000万余円を計上いたしました。次に、補正予算以外の議案のうち主なものについて申し上げます。

議案第6号から議案第12号までの7議案は、いずれも国の補正予算に伴い基金を造成するため、それぞれ条例を制定しようとするものです。

次に、議案第15号は、国の制度改正に準じた退職手当制度の見直し等を行うため、議案第16号は、土壌汚染対策法及び銃砲刀剣類所持等取締法等の一部改正に伴い、手数料の新設等を行うため、議案第20号は、県立印旛高等学校を移転し、校名を「千葉県立印旛明誠高等学校」に改めるため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

次に、議案第23号は、千葉県議会棟耐震改修建築工事請負の契約締結を、議案第24号及び議案第25号は、江戸川第2終末処理場に係る工事請負の契約締結を、議案第26号は、一般国道124号銚子大橋架換工事請負の契約変更を、それぞれ行おうとするものです。

最後に、議案第28号から議案第34号までの7議案は、それぞれ県立県民の森及び県立都市公園の指定管理者の指定を行おうとするものです。

以上が、このたび提案いたしました議案の概要ですが、なお、この際、当面する諸問題について御報告申し上げます。

はじめに、総合計画、行政改革計画及び財政健全化計画の3計画の策定について申し上げます。

総合計画については、7月30日に私が本部長を務める「千葉県総合計画策定推進本部」において、計画の骨子案を含む策定方針を決定いたしました。

今後は、この骨子案をもとに、11月中旬には原案を、来年の2月上旬には計画案を策定・公表する予定であり、2月定例県議会にお諮りしたいと考えております。

計画案の策定にあたっては、県議会をはじめ、県民の皆様、また8月に設置した「千葉県総合計画策定懇談会」の委員の方々などの御意見を十分に踏まえてまいります。

また、行政改革計画及び財政健全化計画については、近々、行財政改革や民間の企業経営に識見を有する外部の方々で構成する「行政改革推進委員会」を発足することとしており、具体的かつ実践的なご提言やご意見がいただけるものと期待しております。

この3計画を、両副知事をトップとする「計画策定調整会議」の中で、横断的かつ総合的に調整しながら、より整合性と実効性のある計画となるよう一体的に策定してまいります。

次に、東京湾アクアラインの料金引下げ社会実験及び東京湾アクアライン活用戦略について申し上げます。

8月1日にアクアラインの料金引下げ社会実験がスタートして、約2ヶ月が経過しました。8月中のアクアラインの交通量の速報値は、前年の8月と比べて58%の増加となり、土日は75%の増加、平日は47%の増加となりました。

また、南房総地域の主な観光施設5施設の観光入込客数は、前年の8月と比べて14%の増加となり、土日は23%の増加、平日は8%の増加となりました。

このように、アクアラインの料金の引下げによって、県内の物流や観光によい影響が出ています。また、埋もれていた千葉の多くの宝が輝き出そうとしています。

そこで、県では、観光振興や企業誘致の促進などに全庁一丸となって取り組んでいくため、9月17日に「東京湾アクアライン活用戦略」の基本的な考え方を示した基本方針を策定したところです。今後、この基本方針に基づき、市町村や民間事業者の方々と連携して、光り輝く千葉県づくりに戦略的に取り組んでまいります。

次に、新型インフルエンザ対策について申し上げます。

秋冬の本格的な流行期に向け、県では、感染予防策の重要性の周知と正確な流行情報の提供、早期受診の周知と抗インフルエンザウィルス薬の追加備蓄、患者に適切な医療を提供する体制の整備等の対策を講じてまいります。

また、学校における感染の動向を早期に把握し、予防や診療等を迅速に行うことを目的とした国立感染症研究所の「学校欠席者情報収集システム」に参加いたします。さらに、新型インフルエンザワクチンの接種については、国が示す具体的な指針に沿って、適切に対応してまいります。

今後も、健康危機管理対策本部のもと、県医師会を始め、市町村等関係機関と密接な連携を図り、適切な対策を講じてまいります。

次に、羽田空港の再拡張後における飛行ルートについて申し上げます。

8月5日、国土交通省から、県と関係25市町村で構成する「連絡協議会」に対し、23時台前半に千葉市上空を通過する「深夜・早朝時間帯の飛行ルート案」と、「神奈川県から都心を北上する着陸ルートの撤回」について提案がありました。

これに対し、「連絡協議会」は、8月26日に航空局長にあてて、「深夜・早朝時間帯の海上ルート化」を強く求めるとともに、「都心北上ルートの撤回」については再度説明を求めました。

これを受け、9月4日に国土交通省から「深夜・早朝時間帯の全面的な海上ルート化」の再提案と、「都心北上ルートの撤回」は、航空機運行の安全上必要であることについて、詳細な説明があったところです。

県としては、「深夜・早朝時間帯の海上ルート化」は、本県がこれまで要望してきたものであり、また、「都心北上ルートの撤回」は、安全確保のうえで、やむを得ないものと考えますが、今後、連絡協議会において改めて対応を協議したうえで、国土交通省に回答したいと考えております。

次に、北総鉄道の運賃問題について申し上げます。

9月5日に「北総鉄道の運賃問題に関する市長等会議」を開催し、運賃の値下げ率を最低でも5パーセントとし、北総線全線で通学定期の割引率を70パーセントに引き上げることを前提に、県と関係6市2村が合わせて年間4億円を5年間にわたり支援する運賃値下げ案に合意しました。

そして、県、市村が一丸となって、京成電鉄、北総鉄道、国に対し、運賃値下げのための要請を行うこととし、まず、9月18日に私と関係市長等が、京成電鉄本社において、代表取締役社長に対し、直接要請を行なってきたところです。

今後、県としては、運賃値下げの実現に向けて、京成電鉄から国への成田新高速鉄道の運賃認可申請の状況を注視しながら、関係市村と一体となり、今まで以上に強い決意で臨んでいきたいと考えております。

次に、開催まで1年に迫りました「ゆめ半島千葉国体・ゆめ半島千葉大会」について申し上げます。

いよいよ明日9月26日から10月6日まで「トキめき新潟国体」が開催されます。また、その後、10月10日から12日まで「トキめき新潟大会」が開催されます。本県選手団は、この日のために日々練習を重ねてきたところであり、各競技において本県選手の活躍が大いに期待されるところです。

私は、両大会の閉会式に出席し、次期開催県として引き継ぎを受けてまいります。今後とも、618万県民とともに開催準備に万全を期し、来年秋の両大会の成功に向けて全力で取り組んでまいります。

最後に、「千葉県の教育を元気にする有識者会議」について申し上げます。

資源に乏しい我が国にとって、「人」は国家・社会発展の礎であり、「宝」であります。千葉県、ひいては日本の将来の発展は、この「人づくり」、「教育」をおいてほかにないと考えております。

そこで、幅広い分野の有識者の方々からなる「千葉県の教育を元気にする有識者会議」を設置し、第1回会議を9月28日に開催する予定です。この会議では、心を育てる教育や郷土愛の育成、千葉県教育の将来像などのテーマについて、議論していただき、年内に提言をまとめていただきたいと考えております。

そして、この提言を踏まえて、教育基本法に基づく千葉県の教育振興基本計画を策定し、子どもや教職員、家庭、地域が一層元気になる、質の高い教育の実現を目指します。

以上、このたび提案いたしました案件の概要を説明いたしますとともに、当面の諸問題について御報告させていただきました。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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