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更新日:令和6(2024)年5月29日
ページ番号:19967
(平成21年6月11日)
本日ここに、6月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議をいただくことといたしました。
まず初めに、お詫びを申し上げなければなりません。
今月4日に、職員による公金詐欺の容疑で3人目の逮捕者を出してしまいました。
県職員によるこのような不祥事が続き、県民の信頼を裏切ったことは、誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます。
現在実施している経理問題に係る全庁調査において、徹底した調査を行うとともに、その結果について、外部委員会を立ち上げ、第三者の立場から検証してまいります。
今回提案いたしました案件は、一般会計及び特別会計の補正予算案、各種条例案の41議案並びに報告14件であります。提案いたしました案件の説明に先立ちまして、今後の県政運営の進め方について申し上げます。
千葉県知事に就任して早くも2か月が過ぎました。
この間、私は、千葉県の抱える様々な課題についての認識を深めながら、重要施策の実行をはじめとする県政運営に当たってまいりました。
中でも、「アクアライン通行料800円」という大きな公約の実現に踏み込むことができました。
これはひとえに、千葉県の力、千葉県民の力であると思います。私はあらためて、我が県が持つ大きなポテンシャルを実感した次第であります。
アクアラインの値下げは、千葉県はもとより、首都圏全体の経済活性化、ひいては日本経済の活性化に大きく貢献するものだと考えております。
大切なことは、千葉県が主役になることです。千葉県が首都圏をリードすることです。そうすれば、千葉県は必ず日本の主役になれるはずです。この覚悟と使命感を持って、今後も県政運営に全力で取り組んでいく所存でございます。
さて、最近の我が国の経済については、5月の月例経済報告で、「景気は、厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている。」との認識が示されました。
また、本県の経済情勢は、企業倒産件数が増加し、有効求人倍率が低下するなど、依然として厳しい状況にあります。
本県の財政状況も、県税収入の大幅な落ち込みが続く一方、義務的経費は引き続き増加するなど、極めて厳しい状況にあります。
こうした厳しい経済情勢や財政状況を踏まえ、千葉県の持つポテンシャルを最大限に活かし、県政の重要施策を着実に推進していくためには、中長期的な視点に立った県政運営が欠かせません。
このため、「総合計画」、「行政改革計画」及び「財政健全化計画」の3計画を今年度中に策定していくこととします。策定に当たりましては、より整合性と実効性のある計画にするため、横断的かつ総合的に調整を行う「計画策定調整会議」を設置しました。
次に、平成21年度6月補正予算について申し上げます。
まず、今回の補正予算は、次の2つの基本的な考え方に立って編成いたしました。
1つめは、私が、マニフェストに掲げた施策のうち、早期に対応すべき事業や重点的に実施すべき事業に的確に対応することです。
2つめは、現在の厳しい経済・雇用情勢を踏まえ、国の経済危機対策に対応して、速やかに実施すべき事業について必要な経費を計上することです。
これらの方針の下、知事就任後、短い時間での編成となりましたが、職員とともに知恵を出し合い、各分野にわたり、きめ細かい配慮を加えた補正予算とすることができました。
補正予算の規模については、一般会計で1,148億4,100万余円の増額であり、この結果、当初予算と合わせた6月補正後の予算額は、1兆5,415億2,400万余円となりました。
また、本年度の年間収支見通しについては、当初予算編成段階では、財源不足が生じるものと見込まれましたが、地方交付税及び臨時財政対策債が当初計上額より多く見込めること、さらに、国の経済対策に伴う新たな交付金が交付されることなどから、現段階では、収支均衡となる見通しです。
しかしながら、現在の経済情勢等を考慮しますと、来年度以降も依然として厳しい財政状況が続くものと見込まれます。
このため、年度内に事務・事業の大胆な見直しを行うなど、財政健全化に向けた取組を進め、平成22年度の当初予算に反映させていきたいと考えています。
次に、今回の補正予算において措置した主な事業について、分野ごとに、その概要を申し上げます。
第1は、「経済・活力の向上」に関する取組についてです。
はじめは、先ほど申し上げました、東京湾アクアラインの料金引下げについてです。本年8月1日から平成23年3月末まで、ETC車に限り、通行料金を、全日普通車800円、大型車1,320円と大幅に引き下げる社会実験を行うこととしました。
また、経済・雇用対策については、市町村とともに失業者等を対象とした雇用対策事業を実施し、約1,700人の新規雇用を創出すほか、中小企業の資金繰りを支援するため、中小企業振興資金の融資枠をさらに600億円拡大します。
今後とも、千葉県総合経済対策本部を中心に、県内経済の活性化と雇用対策に全庁を挙げて取り組んでまいります。
第2は、「安全・安心」に関する取組についてです。
県民生活の安全・安心を確保することは重要な課題であります。
そこで、地域の防犯力を強化し、安全・安心なまちづくりを推進するため、犯罪発生件数の多い地域を中心に、県民の身近で活動する移動交番車15台を新たに配備することといたしました。
また、交通事故を防止するため、歩道の整備、交差点改良や信号機・道路標識の設置など交通安全施設整備事業を推進します。
さらに、県立学校の校舎や体育館の耐震化、震災時における緊急物資の輸送道路となる橋りょうの耐震化を進めるなど、防災に対する取組を積極的に進めてまいります。
このほか、消費生活をめぐるトラブルから県民を守るため、県及び市町村の相談体制の充実・強化を図るなど、消費生活の安全・安心に向けた積極的な取組を行っていくこととしました。
第3は、「子育て支援」の推進についてです。少子化が進む中、安心して出産、子育てができる環境を整えることは大変重要な課題です。
本県の保育所の待機児童数は、全国的に高い水準にあります。そこで、その早期解消を図るため、保育所の施設整備などを進めます。さらに、この施設整備費に県独自に補助金の臨時的加算措置を行い、緊急的に整備を促進します。
また、妊婦健診の公費負担の対象を5回から14回に拡充することといたしました。
第4は、「教育」に関する課題への対応です。
学力向上やいじめ・不登校など、昨今の様々な教育課題に対応し、今後の教育のあり方を検討するため、「(仮称)千葉県の教育を元気にする有識者会議」を設置します。
また、私立学校については、私立学校の振興と保護者負担の軽減を図るため、助成を拡充することとしました。高等学校・幼稚園については、平成16年度に廃止された県単独の補助単価の上乗せの復活を行います。小学校・中学校については、平成11年度から10年間にわたり国の標準単価を下回っていた補助単価を国の標準単価にまで引き上げます。
さらに、特別支援学校については、児童生徒の増加に伴う過密化に対応するため、分校・分教室を整備するとともに、疾病や障害等による体温調節が困難な児童生徒のための空調の整備や、バリアフリー化のための多目的トイレ・エレベーター等の整備及び通学用スクールバスの更新などを進めます。
第5は「医療・福祉」に関する取組です。
新型インフルエンザ対策については、抗インフルエンザウィルス薬の備蓄を進めるとともに、感染の拡大防止のために設置する発熱外来で必要となる医薬品・防護具などを購入するなど、速やかな対応を図ります。
また、大きな社会問題となっている医師不足等の問題に対応するため、医師確保事業に取り組む医療施設に対し助成することとしました。
さらに、救命救急センターの運営費に対する助成を2か所から4か所に拡大するとともに、ドクターカーの整備などに対して助成してまいります。
このほか、在宅の難病患者を介護する家族等の負担の軽減を図るため、新たに難病患者が一時的に入院できる病床を4床確保します。
第6は、「農林水産業の振興と、良好な自然環境づくり」についてです。
農業の新たな担い手を確保するため、離職者を将来の就農へ結びつける農業の新規参入モデル構築事業を実施します。
また、千葉県産の農林水産物の知名度向上とイメージアップを図るため、各種イベントの開催やマスメディアを活用したPRなど積極的なプロモーション活動を行う「千葉県産農林水産物のファンづくり事業」に取り組んでまいります。
さらに、海岸保安林の松くい虫被害木の駆除や放置竹林の拡大の防止など、豊かな自然環境の保全や、森林の持つ災害防止機能の維持を図ります。
このほか、環境負荷の低減と地球温暖化の防止のため、公用車や路線バス等の低燃費車などへの買替えを進めるとともに、県内の中小規模事業所を対象に省エネ化の取組を促進してまいります。
第7は、「観光と地域活性化」のための取組です。
アクアラインの料金引下げにより、多くの方々が本県を訪れることが見込まれます。来県された方々に再度お越しいただくためには、お迎えする環境を整備する必要があります。
このため、東関東自動車道館山線の4車線化を進めるとともに、県内の観光施設にスムーズにたどり着けるように、道路の拡幅工事を行うなど、南房総方面の観光道路のネットワークを強化します。
また、県内観光地のトイレ・駐車場の整備を進めるなど、アクセス・快適性の向上を図ってまいります。
第8は、「社会・生産基盤の整備」の推進についてです。
県内経済の活性化、生活環境の向上を図るためには、道路などの社会資本の整備を行うことも重要です。
このため、北千葉道路などの高規格道路の整備や、地域住民の生活に密着した生活道路の整備、渋滞解消のための連続立体交差の整備などを進めます。
また、自然災害から県民の生命・財産を守るとともに、国土を保全するため、河川・海岸などの整備を進めます。
さらに、「千葉県・神奈川県リニア等超高速鉄道検討協議会」を設置し、神奈川県と共同で、リニア等超高速鉄道の検討を進めてまいります。
このほか、水道事業者の料金格差を是正し、住民負担の軽減を図るため、市町村等が経営する水道事業に対し助成します。
以上が、6月補正予算の主な事業の概要であります。
次に、このたび提案いたしました議案の概要について申し上げます。
最初に、議案第1号は、先ほど申し上げました一般会計補正予算案です。
議案第2号から議案第5号までの4議案は、いずれも特別会計の補正予算案で、合計で490億6,800万余円を計上しました。
次に、議案第6号から議案第41号までの36議案は、いずれも条例の一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。
議案第6号は、人事委員会勧告に基づき、医師等の初任給調整手当の改定等を行うために、条例の一部を改正しようとするものであります。
議案第7号は、厳しい経済情勢や財政状況の中、県政の重要施策を着実に推進するためには、財政や人事・組織・行革などを所管している総務部を中心に、政策の企画立案や事業の推進を図る部局とともに、県庁全体が一丸となって県政運営を行っていくことが重要であります。そこで、知事部局の部の建制順を改めるため、条例の一部を改正しようとするものです。
議案第8号は、人事委員会勧告に基づき、職員の勤務時間の改定等を行うため、議案第9号、議案第12号から議案第29号まで、議案第32号から議案第38号まで及び議案第40号の27議案は、県が設置する公の施設について、指定管理者に管理を行わせることができなくなった場合に、知事等が臨時に管理を行えるようにするため、議案第30号は、県立高等技術専門校に有料の在職者向け短期課程を追加するため、議案第39号は、警察法施行令の一部改正に伴い、警察本部総務部の所掌事務に被疑者の取調べの適正を確保するための監督の措置に関することを追加するため、議案第41号は、千葉県がんセンターで行う診療の診療料を新設するため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものであります。
以上が、このたび提案いたしました議案の概要でありますが、なお、この際、当面する諸問題について御報告申し上げます。
はじめに、新型インフルエンザ対策について御報告申し上げます。
本県では、私を本部長とする健康危機管理対策本部を4月28日に設置し、県内での患者発生に備えて、「発熱外来」や24時間県民からの相談を受け付ける「発熱相談センター」を設置するなど、万全の対策を講じてまいりました。
5月8日に成田国際空港検疫所で初めて患者が確認されましたが、その際には、県内の3か所の感染症指定医療機関で患者を受け入れるなど、厚生労働省と連携して的確に対応しました。
その後、関西を中心に多数の患者が発生いたしましたが、本県でも、5月30日に初めて患者を確認して以来、6月10日現在、合計35人の患者を確定しています。
特に6月8日に船橋市内の中学校生徒が患者と確定され、その後感染の拡大が見られることから、現在、船橋市をはじめとする市町村や医療機関などの関係機関と連携し、その拡大防止対策に万全を尽くしているところです。
今後とも、県民の健康を守り、県民に安心して暮らしていただくため、万全を期してまいります。
次に、成田空港のさらなる発展への取組について申し上げます。
成田空港は、我が国の国際競争力の維持強化を図るうえから、首都圏の国際拠点空港として大きな使命を担っており、本県並びに日本経済全体を底上げするために欠かせないものと考えています。
まず、平行滑走路の2,500m化については、工事が順調に進んだ結果、当初予定の来年3月より約5か月早く、本年10月22日からの供用開始が予定されております。
県としては、成田空港の機能が拡充され、より安全性が確保されることから歓迎するとともに、成田国際空港株式会社には、地元に対し引き続き丁寧な対応をしていただきたいと思います。
また、年間発着回数については、国・県・周辺9市町・空港会社による「四者協議会」で合意された、発着回数のさらなる拡大の可能性に向け、環境対策・地域共生策等の課題について検討に着手いたしました。
県としましても、周辺9市町等と連携を図りながら、早期に地元の理解が得られるよう、最大限の努力をしてまいりたいと考えています。
次に、千葉の魅力発信に向けた取組について申し上げます。
千葉県が元気で活力ある地域として発展していくためには、千葉県の様々な観光資源や農林水産物など、千葉の魅力を戦略的・統一的に情報発信し、千葉のブランド力を高めていくことが重要です。
このため、私を本部長とする「千葉の魅力発信推進本部」を新設するとともに、観光や農林水産、国体など、関係部局で構成する「千葉の魅力発信リーディングチーム」を設置します。
今後、これらの取組を最大限に活用しつつ、私が「千葉ブランド」のセールスマンとして先頭に立ち、様々なメディアを活用し、千葉の魅力を積極的に発信してまいります。
次に、東京湾アクアラインを活用した地域づくりの推進について申し上げます。
アクアラインの料金引下げは、本県にとって千載一遇の好機であり、この効果を県内経済活性化や地域の振興に確実に結び付けていくことが重要です。
このため、6月4日に私を本部長とする「アクアライン活用戦略本部」を新設するとともに、商工労働部内に「アクアライン活用戦略チーム」を設置しました。
今後は、観光産業の振興や企業立地の促進など、アクアラインの料金引下げの効果を最大限に活用した活力ある地域づくりに努めてまいります。
最後に、「ゆめ半島千葉国体・ゆめ半島千葉大会」について申し上げます。
来年秋の開催まで、いよいよ500日を切りました。
今年度は、選手の一層の育成・強化を進めるとともに、県民の国体への参加意識を高めるため、競技別リハーサル大会を開催するなど、諸準備を進めてまいります。
全国から参加するアスリート達に、この千葉で輝く青春の汗を流していただくとともに、615万県民総参加による「心のこもったおもてなし」と最高の笑顔でお迎えし、訪れた方々が「千葉県に来て良かった」と思えるような夢と感動にあふれる大会を目指します。
両大会はスポーツの祭典としてだけでなく、観光や農林水産物など千葉の魅力を全国に発信する絶好の機会であり、両大会の成功に向けて全力で取り組んでまいります。
以上、このたび提案いたしました案件の概要を説明いたしますとともに、当面の諸問題について御報告させていただきました。
よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
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