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更新日:令和4(2022)年4月14日
ページ番号:9211
冬でも温暖な安房地域ですが、晴れの日が多いものの年末から寒い日が続き、海水の温度も下がってきました。これに伴い、各地の磯に生えるハバノリも大きく成長し、収穫が最盛期となっています。
房総半島各地では、「幅を利かす」にかけた縁起物として、干しハバノリを火で炙ったものを正月のお雑煮に入れて食べる習慣があり、年末には高値で取引されています。
昨年12月に一部地区では収穫が行われたものの、全体的に葉が小さく、量が少なかったようですが、年明けになって葉が大きく育ち、各地で潮が引く時間になると、漁業者が磯でハバノリの摘み取りを行っています。1月中旬の時点では「平年並み~やや豊作」となっているようです。
収穫されたハバノリは、すぐに水洗いして石づき(岩に付着する仮根)や混じり物の海藻を取り除いた後、2cm程度に包丁で刻み、木枠を上に置いた簀の中に水と一緒に入れ、ノリの様な形に成形します。この簀ごと風通しの良い日差しが当たり場所で干し上げると、干しハバノリになります。
良く乾燥した干しハバノリは、3~10枚ずつ丁寧に包装され、安房地域の漁協直売所や農水産物販売所、スーパーなどで販売され、1枚あたり500~1,000円程度です。
食べ方としては、干しハバノリを熱したフライパンの上で、色が鮮やかな緑色に変わる程度にさっと炙り、手で細かく揉んだものを、雑煮に入れたり、炊きたてのご飯に混ぜて醤油を垂らした「ハバノリご飯」、それを握った「ハバノリおにぎり」にするほか、鴨川市小湊地区などでは、生のハバノリをかき揚げにして食べるそうです。
頬張ると口の中に磯の香りが広がり、若干の苦みがさらに食欲を増進させるようで、何杯でも食べたくなる一品です。
ハバノリの収穫は2月まで続きますが、干しハバノリは春の観光シーズンまで販売されていますので、是非この機会に味わってはいかがでしょうか
ハバノリ採取の様子(天津地区)
岩に生えたハバノリの様子(天津地区)
採取したハバノリを刻む様子(天津、身入地区)
成型したハバノリの乾燥行程(白浜、名倉地区)
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