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更新日:令和4(2022)年4月22日
ページ番号:7394
無加温パイプハウスやトンネルを用いた半促成メロン栽培(代表的な品種:「アムス」、「タカミ」)において、最も重要なことは収穫期に萎れを発生させない事です。収穫期の萎れは、収量及び品質の低下につながります。
萎れの原因は、ホモプシス根腐病、黒点根腐病、ネコブセンチュウ等の土壌病害虫が主な原因ですが、萎れ対策には土壌消毒等により病害虫密度を減らすだけでなく、栽培管理や栽培環境を見直すことも重要です。
萎れを発生させないための栽培のポイントは、(1)良質苗の確保、(2)初期生育の確保、(3)適切な交配、(4)草勢の維持の4つです。
老化した苗や徒長した苗は、初期生育が劣りますので良質苗を定植します。
徒長、老化を防ぐために、適切な温度管理を行い、ずらしを行って徒長を防止し、根鉢が回りきる前に適期定植に努めましょう。
早めにマルチとトンネルを張り、地温を上げておきます(深さ20cmで18℃以上が目安)。
本圃の地温を育苗床の地温より高くしておくことで、定植後の活着がスムーズになります。
ベッドを作る前(前作のマルチを使う場合は定植前)にかん水しておきます。
定植後に潅水をすると、地温が下がり、根張りが悪くなるので定植後の潅水は極力避けます。
ただし、不耕起で前作のトンネル、マルチを利用する場合には土壌の乾燥に注意が必要です。
定植後1週間は気温35℃、紙キャップ除去後は30℃を目安に換気します。
日中は積極的に換気することで、地上部の過繁茂を防ぎ、根張りの充実を図ります。
高温管理では、生育は早く進みますが、地上部の生育に比べ根張りが悪くなり、収穫期の萎れにつながります。
低節位での着果は、着果負担が大きく萎れにつながりますので、適切な節位で着果させます。
また、交配は節位だけでなく、草勢も見て判断します。
草勢が弱い状況で、無理に12節前後で着果させると、その後の着果負担に耐えられず、結果的に草勢の低下と萎れを招きます。草勢が弱い場合は無理に着果させず、着果節位を上げます。
節数はあっても、葉が小さければそれだけ光合成の能力は劣ります。茎の太さ、葉の大きさ、孫づるの生育などから総合的に草勢を判断し、着果させましょう。
着果後、草勢が弱ったら早めに摘果を行い、着果負担を軽減します。
側枝を一気に取り除く等、強い整枝は草勢の低下を招きます。
側枝を残すことで草勢を維持することもできます。
遮光することで、萎れを軽減することができますが、早期からの遮光は糖度の低下を招きますので注意が必要です。
写真1急性萎凋症の様子
写真2遮光の様子
初掲載:平成29年2月
海匝農業事務所
改良普及課
普及指導員茂田雅記
電話:0479-62-0334
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