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更新日:令和6(2024)年5月29日

ページ番号:20010

平成28年2月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、2月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

今回提案いたしました案件は、平成28年度の当初予算案、平成27年度の補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の90議案のほか、報告1件です。

 

はじめに、平成28年度当初予算案について申し上げます。

平成28年度は、「新輝け!ちば元気プラン」の総仕上げの年として、これまで積み上げてきた取組の着実な実行と更なる発展により、しっかりとした成果をあげるため、次の考え方に立って編成しました。

1つ目は、「県内経済の活性化」、「農林水産業の振興と社会基盤づくり」、「くらしの安全・安心の確立」、「子ども・子育て世代への支援の充実」、「医療・福祉の充実」、「環境・文化施策の推進」に重点的に予算を配分することです。

2つ目は、国の補正予算を積極的に活用し、平成27年度2月補正予算と一体で切れ目のない予算とし、地方創生の加速化などに取り組むことです。

3つ目は、徹底した事務事業の見直しや歳入確保に取り組み、持続可能な財政構造の確立を目指すことです。

以上の考えのもとに編成した一般会計の当初予算規模は、1兆7,139億24万余円で、前年度比で0.3%の増となっています。

なお、2月補正予算において、国の地方創生加速化交付金を活用した事業など、178億5,313万余円を計上しており、当初予算と一体として事業を実施してまいります。

 

続いて、当初予算案などに計上した主な事業について、その概要を申し上げます。

第一は、「県内経済の活性化」です。

県内経済は着実に上向いてきておりますが、中国経済の状況や中東情勢など、不安要素もあることから、様々な取組により県内経済の活性化を図っていくことが重要です。

まず、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした活性化を図るため、本大会の会場となる幕張メッセについては、機能向上と老朽化対策を進めるほか、事前キャンプ誘致として、競技団体等と連携したプロモーションを行うとともに、キャンプでの使用が想定される総合スポーツセンター武道館などの改修を行います。また、市町村が行うキャンプ誘致などの取組を支援するため、モデルキャンプの実施に対し補助するほか、ワンストップ窓口である「スポーツコンシェルジュ」の運営を行います。

このほか、公衆無線LANの整備や国ごとの嗜好性を踏まえた周遊コースの作成などにより、外国人観光客の受入体制を強化します。

また、「ちばアクアラインマラソン」の開催に合わせた宿泊優待券の配布やPRイベントを実施するとともに、従来の観光キャンペーンとあわせ、成田空港から観光地への高速バスの運行、県内周遊フリー切符の販売、千葉県道路公社が管理する有料道路の無料開放、東京湾での大型クルーザーの運航などにより、宿泊・滞在型観光を促進します。

このほか、北関東や南東北からのバスツアーへの優待プロモーションや期間限定アンテナショップの設置などにより、県外からの誘客を強化します。

さらに、本県への移住・定住を促進するため、都内での情報発信や体験モニターツアーを実施するとともに、農林水産物の販路拡大や外国人観光客の誘致を引き続き行うなど、国内外に向け、千葉の魅力を発信していきます。

また、県内経済の持続的な発展に向け、産業の振興も図っていかなければなりません。

そこで、中小企業振興資金について、過去最大となっている融資枠5,700億円を継続するとともに、今後の成長産業として期待される健康・医療分野に参入する中小企業への支援を拡充します。

また、「茂原にいはる工業団地」及び「袖ケ浦椎の森工業団地」について、平成29年度の分譲に向け造成工事を進めるとともに、国内主要都市でのトップセミナーなどにより、企業誘致も強力に推進していきます。

 

第二は、「農林水産業の振興と社会基盤づくり」です。

TPPの今後の発効に備え、本県農林水産業の競争力を強化していかなければなりません。

そこで、農地集積を進め、経営体の規模拡大を図るため、農地中間管理機構の体制強化や耕作放棄地対策、土地改良事業の予算を拡充するほか、新たに、地域ぐるみで行う品質向上の取組に対する助成を創設するとともに、県産品の輸出に対する支援も大幅に拡充します。

また、米価安定のため、飼料用米への転換に対する助成単価を2倍に引き上げるとともに、大規模化によるコスト削減を促進するため、共同乾燥施設に対する助成も拡充します。

さらに、畜産業の基盤強化のため、県産和牛の増頭支援を拡充するとともに、新たに、酪農の生産拡大の取組に対し助成を行うほか、高収益型の畜産経営に対する支援も大幅に拡充します。

このほか、林業・水産業の経営基盤の強化を図るため、森林整備に使用する機械のレンタル費用に対する助成や漁業協同組合等が行う共同加工施設の整備に対する支援を拡充するとともに、6次産業化では、新たに梨の剪定枝を有効活用する事業への支援を行い、野生鳥獣対策では、イノシシなどの有害獣をジビエ料理などに活用する取組への支援を始めます。

また、県内経済の活性化や観光振興、快適な都市空間の形成などを図っていくためには、これらを支える道路など、社会基盤の整備が必要不可欠です。

そこで、圏央道の早期全線開通に向け、大栄・横芝間の用地取得を強化するとともに、北千葉道路の市川市・鎌ケ谷市間については、早期事業化に向け、環境アセスメント関連調査などを進めます。

さらに、新京成線や東武野田線との連続立体交差事業を拡充するほか、各地域のバイパス整備や道路冠水対策についても予算を増額し進めます。

 

第三は、「くらしの安全・安心の確立」です。

千葉県が将来にわたって発展していくためには、まず、県民生活の安全・安心を確立しなければなりません。

そこで、首都直下地震等の大規模災害に備え、市町村が行う自助・共助の取組を幅広く支援するとともに、災害への備えなどをまとめたパンフレットを各戸に配布し、家庭での自助の取組も促進します。

さらに、災害復旧の迅速化などに役立つ地籍調査への助成を大幅に拡充するとともに、新たな消防学校・防災研修センターの整備により、消防職員・消防団員の教育・訓練の充実を図り、地域防災力の向上を図ります。

また、九十九里海岸・沿岸河川の津波対策の事業費を大幅に増額し整備を推進するとともに、全国で多発している洪水・高潮被害に備え、浸水想定区域図の作成を進めるほか、土砂災害警戒区域の指定に必要な基礎調査については、予定を1年前倒しして、平成30年度までに完了させるため、予算を増額しました。

さらに、私立学校、鉄道、病院などのほか、県有施設やインフラの耐震化を進めるとともに、新たに、避難所に指定されている防災上重要なホテル・旅館など、民間施設の耐震改修に対する補助制度を創設します。

また、防犯ボックスを県内に広く普及していくため、新たに、市町村が設置する場合の補助制度を創設するとともに、電話de詐欺の防止対策やひったくり等への対策も強化するなど、防犯対策の一層の強化を図ります。

このほか、自転車の安全利用について、近年、危険走行による問題も多発していることから、新たに中高生を対象とした啓発を行ってまいります。

 

第四は、「子ども・子育て世代への支援の充実」です。

次の時代を担う子どもたちが、心身ともに健やかに育つよう、子育てを社会全体で支える環境づくりを進めるとともに、豊かな学びを支える教育環境を充実させていかなければなりません。

そこで、待機児童の解消を図るため、保育所や小規模保育などの運営費に対する支援を充実するとともに、施設整備については、前年度を上回る整備を進めるほか、不足している保育士確保のため、保育士配置の県単補助を拡充するとともに、養成施設に対する支援も拡充します。

また、児童相談所の専門職員を増員し、児童虐待の未然防止、早期発見に努めるとともに、柏児童相談所の保護所棟を増設し、一時保護児童の環境改善を図るほか、児童養護施設を退所した児童等の自立のため、新たに生活資金等の貸し付けや就職支援等を行います。

さらに、子どもの学力向上のため、放課後学習等を行う学習サポーターを増員するとともに、いじめ防止対策として、小学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員し、安心して学習に取り組むことのできる体制づくりを進めるほか、私立学校の経常費補助については、高校及び幼稚園への県単独の上乗せ補助額を更に増額します。

 

第五は、「医療・福祉の充実」です。

急速な高齢化の進展に伴い、介護や支援を必要とする高齢者や障害者が今後も増加していくことから、良質な医療・福祉サービスの供給体制を整備していくことが重要です。

そこで、地域医療を支える人材の確保のため、医師修学資金と保健師等修学資金の貸付枠を拡充するとともに、特に不足している産科医については、貸付額を加算します。また、自治体病院への医師派遣を増員するとともに、成田市に新設が認められた大学医学部については、医師確保に大きな効果が認められることから、支援を行います。

また、救急医療体制の強化のため、新たに、東京女子医大八千代医療センターを救命救急センターに指定し充実を図るほか、小児救急電話相談の受付時間を翌朝6時まで延長します。

さらに、高齢化への対策では、特別養護老人ホームの待機者解消に向け、整備床数を拡充するとともに、サービス付き高齢者向け住宅に対する助成も対象を拡大し整備を促進するほか、住み慣れた在宅での高齢者の生活を支援するため、24時間対応の訪問介護・看護サービスの運営費補助を増額します。

 

最後は、「環境・文化施策の推進」です。

国は、国際的な枠組みの中で地球温暖化対策に取り組むため、2030年度の温室効果ガス排出の削減目標を、昨年12月に定めたところです。県としても、再生可能エネルギーの導入促進など、一層の地球温暖化対策を進める必要があります。

そこで、再生可能エネルギーの活用や省エネルギーの推進を図るため、住宅の太陽光発電や家庭用燃料電池などに加え、新たに地中熱利用システムの設置に対する助成を始めます。

また、幅広い世代の方が、ふるさと千葉の魅力を再発見できるよう、6月に「県民の日」中央行事を幕張メッセで開催するほか、10月には、現代産業科学館において、鉄道をテーマとした特別展を開催します。

 

続いて、平成27年度2月補正予算案について申し上げます。

一般会計の補正予算規模は、172億492万余円の増額で、補正後の予算規模は、1兆7,312億1,205万余円となります。

2月補正予算では、国の補正予算に対応し、地方創生を加速化させる取組や道路橋りょう、河川海岸等の防災対策や長寿命化対策、TPPへの対応、介護に係る施設整備や人材確保などに要する経費のほか、人事委員会勧告に基づく職員の給与改定に伴う人件費の増額、事業費の確定に伴う社会保障費、公債費の減額等を計上しました。

また、年度間の財源調整を図り、平成28年度当初予算の財源として活用するため、財政調整基金に積み立てるとともに、老朽化した県有施設の長寿命化、改築などを計画的に推進するため、県有施設長寿命化等推進基金にも積立を行います。

なお、平成27年度の年間収支については、県税収入が増加したことや経費の節減に努めたことなどにより、財政調整基金を活用しなくても収支均衡する見込みとなりました。

 

次に、このたび提案いたしました主な議案の概要について申し上げます。

最初に、議案第1号から議案第49号までの49議案は、一般会計及び特別会計の予算案です。

次に、議案第50号から議案第79号までの30議案は、いずれも条例の制定または一部改正に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。

議案第50号は、地方公務員法の一部改正に伴い、再就職者の働きかけ規制が導入されたことから、退職管理の適正を確保するため、議案第52号は、千葉県行政不服審査会の組織及び運営に関し必要な事項を定めるため、議案第53号は、国民健康保険の財政の安定化を図ることを目的として基金を造成するため、それぞれ条例を制定しようとするものです。

議案第55号は、人事委員会勧告に基づき、給料表の改定及び期末・勤勉手当の支給割合の引き上げ等を行うため、議案第56号は、特別職の期末手当の支給割合の引き上げを行うため、議案第57号は、企業庁の改組に伴う職員定数の見直しを行うため、議案第60号は、知事の権限に属する事務処理について市町村への事務移譲を進めるなどのため、議案第62号は、

手数料の新設、改定等を行うため、議案第70号は、事業期間の延長措置が講じられたことから、消費者行政活性化基金の失効期限を延長するため、議案第74号は、鎌ケ谷市に新たに鎌ケ谷四本椚県営住宅を設置するため、議案第75号は、学校職員の適正な定員管理を行うため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

また、議案第80号から議案第86号の7議案は、工事請負に係る契約を締結するため、議案第88号は、旧真砂職員住宅や旧検見川教職員住宅などの土地・建物等を処分するため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

 

以上、このたび提案いたしました議案の概要について御報告させていただきました。

よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

 

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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