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更新日:令和6(2024)年5月28日

ページ番号:20018

平成30年2月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、2月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

今回提案いたしました案件は、平成30年度の当初予算案、平成29年度の補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の94議案のほか、報告2件です。

 

はじめに、平成30年度当初予算案について申し上げます。

平成30年度当初予算案は、新たな総合計画の策定後、初めての通年予算であることから、計画に掲げた施策の着実な推進を図るため、子ども・子育て世代への支援や、社会基盤の整備などをはじめ、各分野にわたり、「くらし満足度日本一」の実現に向けた事業を計上しています。

また、「県有建物長寿命化計画」に基づく施設の老朽化対策を進めるほか、「行政改革計画・財政健全化計画」を踏まえた取組を行ってまいります。

その結果、一般会計の当初予算規模は、1兆7,288億8,095万余円で、前年度と比べ0.2%の増加ですが、教職員人件費の千葉市への移譲などの特殊要因を除くと、1.8%の増加となっています。

 

続いて、当初予算案に計上した主な事業について、その概要を申し上げます。

第一は、「子ども・子育て世代への支援の充実」です。

保育の基盤整備については、保育士の給与改善のための補助について、民間保育所のある全市町村で実施できるよう、予算を増額するほか、保育士のキャリアアップ研修の対象人数を拡大し、さらに、賃貸物件を活用した保育所整備に対する補助制度を創設します。

また、子育てに関する相談などを行う「子育て世代包括支援センター」の設置への支援を行うほか、予期しない妊娠などにより、不安を抱える女性への相談事業を新たに実施します。

さらに、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員、不登校対策支援チームの設置、特別支援学校の過密化対策としての学校新設などを行うほか、私立学校経常費補助については、県単独の補助単価を高校・幼稚園とも前年度から1,000円ずつ引き上げます。

 

第二は、「医療・福祉の充実」です。

まず、障害のある方の自立と社会参加に向けた先進的なサービスを提供している「千葉リハビリテーションセンター」について、建替えに向けた調査・検討を行います。

また、医師・看護師を確保するため、修学資金の予算を増額するほか、県民の誰もが住み慣れた地域で安心して医療を受けられるよう、在宅医療連携拠点や訪問看護ステーションの設置等への助成、歯科衛生士の就職準備金の貸付を新たに実施します。

このほか、がんセンターの新棟建設工事や、社会福祉センターの再整備に向けた基本設計、生活困窮世帯の小中学生等を対象とした学習支援、介護人材の確保対策などを実施します。

 

第三は、「くらしの安全・安心の確立」です。

詳細な津波情報を市町村に配信し、迅速な避難行動を支援するため、「千葉県津波浸水予測システム」を新たに整備します。

また、消防学校・防災研修センターの建設工事を進めるほか、緊急輸送道路の通行を確保するため、沿道の建物の耐震診断に対する補助制度を創設します。

警察施設については、館山警察署の建替えに着手するほか、警察署等の耐震化や、交番・駐在所の建替え・改修についても予算を増額して整備を進めます。

このほか、オリンピック・パラリンピック開催時の運用を見据えた移動交番車の増車、防犯ボックスや防犯カメラ設置への助成、性犯罪・性暴力被害者の方々への相談支援など、それぞれ予算を増額して体制の拡充を図ります。

 

第四は、「商工業の振興・雇用」です。

中小企業振興資金について、平成30年度も過去最大の融資枠5,700億円を継続し、立地企業補助金についても、本県に進出する企業数の増加などに対応し、予算を増額します。

また、中小企業の人材確保に向けた大学・高校・中学などとの連携を強化するほか、中小企業の事業承継を促進するための体制の強化や、「クラウドファンディング」への助成に係る補助上限額の引上げなどを行います。

このほか、子育て等により離職した女性への再就職支援や、「働き方改革」を進めるための取組を実施します。

 

第五は、「農林水産業の振興と社会基盤づくり」です。

農林水産業の振興については、農地の集積等による生産性の向上を図るための体制を強化するほか、米価の安定や飼料用米の需要に対応するため、補助制度の拡充を行います。

また、酪農家の労働環境の改善や、園芸産地の生産性向上に向けた施設整備等に対する助成について、予算の増額や制度の拡充を行います。

有害鳥獣対策については、捕獲への助成に係る予算の増額や補助単価の引上げ、イノシシの棲み家となる耕作放棄地等の草木を伐採する取組に対する支援などを行います。

さらに、水産業の振興を図るため、漁港施設整備の予算を増額するほか、銚子漁港内の加工施設の整備に対する助成を行います。

 

社会基盤づくりについては、県民生活の利便性向上や経済活性化につなげるため、道路ネットワーク整備について、予算を大幅に増額します。

平成30年度は、道路ネットワークの基幹となる圏央道の大栄から横芝間の事業進捗を強化するとともに、銚子連絡道路と長生グリーンラインについては、事業中の区間の整備推進とあわせ、これに続く新たな区間の事業化に向けた調査に着手します。

北千葉道路については、成田市区間の橋りょう工事を進めるとともに、市川市から船橋市区間については、環境アセスメント・都市計画変更の手続を進め、早期事業化を目指します。

また、基幹となる道路整備の効果を波及させるためのアクセス道路や、市町村の要望が多い、地域に密着した道路についても整備を強力に推進し、平成32年度までに52箇所の供用開始を目指すとともに、新たに30箇所の事業に着手します。

さらに、交通安全対策のための歩道や信号機の整備、道路環境の維持・向上のための舗装道路修繕や環境美化対策、鉄道駅のエレベーターやホームドアの設置に対する補助について、予算を増額し、取組を強化します。

また、「県有建物長寿命化計画」に基づき、大規模改修等に本格的に取り組むほか、道路などの基盤施設についても事後的な修繕から予防的な修繕に転換し、施設の長寿命化を図ります。

 

第六は、「千葉の魅力発信」です。

東京オリンピック・パラリンピックに向け、ボランティアの育成や大会の機運醸成などの取組をオール千葉体制で推進するほか、競技会場となる幕張メッセの改修や、サーフィン会場となる一宮町釣ヶ崎海岸地区の自然公園施設の整備を行います。

また、千葉県を訪れる方々に対する「おもてなし」の機運の醸成や、観光地の魅力向上に向けたトイレ・案内所等の整備、4回目となる「ちばアクアラインマラソン」の開催などにより、本県の魅力発信を図ってまいります。

 

最後に、「環境・文化・スポーツ施策の推進」です。

県立図書館について、サービスの向上や、機能強化などの観点を踏まえ、新たな図書館の整備に向けた基本計画を策定します。

また、生態系への影響や農林水産業への被害を及ぼす特定外来生物について、捕獲数を増加するとともに、専門のコーディネーターを配置するなど、対策を強化します。

さらに、オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、アスリートの強化・支援やオリンピック・パラリンピック教育、障害者スポーツの普及・振興を進めるとともに、総合スポーツセンター野球場や、障害者スポーツ・レクリエーションセンターの改修工事などを実施します。

 

続いて、平成29年度2月補正予算案について申し上げます。

2月補正予算案では、国の補正予算に対応する事業を計上するほか、人件費、社会保障費など、実績を踏まえた減額を行います。

また、企業業績の好転などに伴い、県税収入が増加したことから、財政調整基金については、取崩し額を減額して、前年度と同程度の残高を確保できる見通しであり、さらに、県有施設の長寿命化など、今後の財政需要の増加に備えて基金の積立を行います。

この結果、一般会計の補正予算規模は、77億3,208万余円の減額で、補正後の予算規模は、1兆7,333億9,731万余円となります。

 

次に、このたび提案いたしました主な議案の概要について申し上げます。

最初に、議案第1号から議案第47号までの47議案は、一般会計及び特別会計の予算案です。

次に、議案第48号から議案第73号まで、並びに議案第91号から議案第94号までの30議案は、いずれも条例の一部改正または廃止に係るものです。そのうち主なものについて御説明申し上げます。

議案第48号は、職員の適正な定員管理を行うため、議案第49号は、知事の権限に属する事務処理について市町への事務移譲を進めるなどのため、議案第55号は、生涯大学校の修業年限等の見直しを行うため、議案第56号は、袖ケ浦福祉センター養育園の入所定員の変更を行うなどのため、議案第64号は、奨学資金の貸付に係る延滞利息の利率を引き下げるため、議案第65号は、学校職員の適正な定員管理を行うため、議案第68号は、工業用水道料金の改定を行うため、議案第91号は、手数料の新設等を行うため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

議案第70号は、千葉県乳児院の廃止に伴い、議案第72号は、行徳野鳥観察舎の廃止に伴い、それぞれ関係条例を廃止しようとするものです。

また、議案第74号から議案第79号までの6議案は、工事請負に係る契約を締結するため、議案第81号及び議案第82号は、工業団地に係る土地を処分するため、議案第84号は、県有地の貸借期間の満了に伴い、建物の収去及び土地の明渡し等を求める訴えを提起するため、議案第85号から議案第88号までの4議案は、今後の回収が見込めない県の債権を放棄するため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

 

以上がこのたび提案いたしました議案の概要ですが、なお、この際、当面する諸問題等について御報告申し上げます。

 

まず、成田空港の機能強化について申し上げます。

成田空港の更なる機能強化については、昨年6月の四者協議会以降、周辺市町において約100回の住民説明会が開催され、住民の皆様からは、夜間飛行制限の緩和の見直しや、具体的な地域振興策の早期提示などを求める要望が出されているところです。

これを踏まえ、先月31日に、地元市町長の皆様とともに、国土交通大臣及び空港会社社長のもとを訪れ、夜間飛行制限緩和の問題、航空機騒音対策の拡充などについて、更なる検討を行うよう要請しました。

特に私からは、住民に寄り添い、「周辺地域住民の生活環境の保全」と「空港の機能強化」の調和を図るよう、更なる検討を強く求めました。

国土交通大臣及び空港会社社長からは、今回の要請を重く受け止め、しっかりと検討するとの発言がありましたので、県としても、その対応を十分見極めてまいりたいと考えております。

 

次に、海外出張について御報告いたします。

今月3日から8日まで、タイ王国においてトップセールスを実施いたしました。

3回目となる今回は、県内企業や団体などのミッション団、さらには県議会議員の方々、総勢で100名を超える皆様に御参加いただき、本県への観光客誘致や県産農水産物の販路拡大、県内企業の海外進出など、幅広い分野で力強く取組を展開してまいりました。

現地では、今が旬のいちごや、キンメダイをはじめとした豊富で美味しい水産物などを御紹介し、大変御好評を頂きました。

また、北部の中核都市チェンマイでの初めての観光セミナー商談会では、現地の旅行業者から大きな関心が示され、活発な商談が行われました。

今後は、タイ王国との友好関係をより確かなものとするため、今回のトップセールスの成果を活かし、継続的なフォローアップを実施してまいります。

 

以上、このたび提案いたしました議案の概要及び当面の諸問題等について御報告させていただきました。

よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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