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更新日:令和2(2020)年10月7日
ページ番号:314682
(けんぽんちゃくしょくしゃかねはんず)
県指定有形文化財(絵画)
平成11年3月30日
旭市琴田3521(海宝寺)
画面の中央に、寝台に横たわる釈迦を描いた涅槃図で、大きさは縦127cm、横74.3cmである。釈迦は右手を枕に、右脇を下にして、両膝を曲げて両足を重ねる。肉身部を金泥、輪郭を朱線で表しており、着衣はぼかしを入れて朱を主体に切金で文様をつけている。画面上部には向かって左に月、右に阿那律尊者に導かれ白雲に乗って飛来する摩耶夫人が描かれ、沙羅双樹は複雑な枝振りで樹高が高く、ほぼ等間隔に配置されている。寝台の周りに集まる菩薩・仏弟子・俗人・天部等の相貌や着衣は精密に描きつつも、悲しみの表情の激しさは抑えられている。最下部に、釈迦の入滅を悲しみ集まった馬・象・駱駝・牛・獅子・虎・狼・孔雀・蛙・蜥蜴など19種の動物が描かれている。
細い描線を駆使して形態の細微まで鋭く表現され、伝統的な仏教絵画をよく学んだ絵師によって描かれたものと思われる。画面が縦長であることや画面に対して釈迦の姿が小さいこと、さらに沙羅双樹の表現方法などから、鎌倉時代後期から南北朝時代の作品であると推測される。
海宝寺は延宝9年(1681)に開かれた寺で、この涅槃図は開山の慶範(1636~1699)によってもたらされたものである。慶範は、徳川五代将軍綱吉の御側御用人である柳沢吉保の帰依を受けた真言宗の高僧である。
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