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ホーム > しごと・産業・観光 > しごと・雇用 > ワークライフバランス > 平成28年度「働き方改革」に関する実態調査の結果について > 事例No.4(運輸業)
従業員数:約20人
訪問調査日:2017年2月8日
■経営方針と従業員の働き方との関連性
会社にとって一番重要なことは「事故がないこと」であり、バス会社として、乗客が楽しく安全に乗車できることは、従業員が幸せな生活を送ることとも密接に関係している。また、質の高いサービスの提供は、質の高いリピートを呼び込む。これらの関係を保つことが、会社の安定継続につながっていくと考えている。
■従業員とのコミュニケーションと状態のチェック
バス業界では運転手の状態チェックが欠かせない。点呼の際に不調の様子や顔色が悪いといった変化があれば、シフト交代・担当調整などを行い、対応をしている。普段の会話でも家族の話などもするようにしている。
■受注基準
運転の安全性やクオリティ、従業員の健康を保つために、あまりに負荷の大きい業務は断っている。受け入れをする場合も1泊型や、最低でも8時間のインターバルが充分に取れる形で受注している。
■休暇取得のための出勤日調整
運行の予定が入っていない土日は基本的には休日としており、オフシーズンは3日間の出勤後に休日を1日設けるなど、繁忙期とのバランス調整をしている。
■従業員の教育・訓練
従業員の採用は圧倒的に経験者が多いが、最近入社した(40代、50代前半)従業員は経験が浅く、研修のために、雪道での運転、チェーン掛け、いろは坂での運転(一定のスキルが必要)などを行う実地訓練を実施した。
■従業員同士の交流
バスに乗っている間、従業員は一人でいることが多いため、従業員同士のコミュニケーション促進も兼ねて、事務所内に休憩室を設け、休憩時間や運転業務が終わった後の利用を促している。
■人材の新規獲得と高齢化へ対応
未経験者や経験の浅い人材に対しての教育は、特に中小企業にとってはハードルが高い。また、現在の人材が65歳以降になった場合の対応も検討していかなければならない。
■発注会社とバス会社との関係
観光バス会社は主に(仲介業者を含む)ツアー会社からの発注により、仕事を得ている。両者の力関係上、多少不利な条件であったとしても、仕事を受けざるを得ない場合がある。その結果、従業員の健康を害してしまうことや、事故といったリスクにもつながりかねない。リスクを充分に理解せずに、負荷のかかる仕事を発注するツアー会社があるということは、業界全体の課題であると言える。
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