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報道発表案件

更新日:令和4(2022)年6月10日

ページ番号:519355

畜産総合研究センター市原乳牛研究所における人工授精時の精液取違いについて

発表日:令和4年6月10日
農林水産部畜産課

 畜産総合研究センター市原乳牛研究所において、県内の酪農家から預かった牛に受精卵を移植して生まれた子牛4頭が、計画した父牛と遺伝子型が一致しなかったため、人工授精の際に誤って別の父牛の精液を用いていたことが判明しました。このことにより、和牛としての子牛登記ができなくなりました。

 酪農及び肉用牛振興に取り組む研究機関としてこのような事態を招き、信頼して牛を預けてくださった酪農家やご関係者に多大なご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。このようなことが二度と起こらないよう、再発防止に努めてまいります。

1 事業概要

 市原乳牛研究所(乳牛育成牧場)では、県内の酪農家から雌の乳牛を預かり、希望する和牛等の精液を用いた受精卵移植を行った後、酪農家に戻す(下牧)事業を行っている。

2 発生状況

(1)当初計画

 和牛A に和牛αの精液を人工授精(授精しやすくするため2回実施)し、採卵した受精卵を乳牛ア~エに移植して下牧。乳牛ア~エから生まれた子牛ア~エは、和牛α×A の子であるはずだった。
※同様に、乳牛オから生まれた子牛オは、和牛β×B の子であるはずだった。

(2)遺伝子検査結果に基づく推定

 乳牛ア~エから生まれた子牛ア~エが和牛β×A の子であったことから、人工授精を行った際に、和牛αと和牛βの精液のストローを取り違えて授精したと推定できる。
※なお、乳牛オから生まれた子オは、和牛β×B の子であった。

3 所有者及び想定される被害

区分 所有者 目的 想定される被害
子牛ア 酪農家いさん(匝瑳市) 肉用 1種類の精液を用いて子牛を生ませることが一般的であり、2種類の精液を使用して生まれた今回の子牛は、通常の取引価格より低くなる恐れがある。
子牛イ 肉用
子牛ウ 酪農家ろ さん(佐倉市)→
肉牛農家は さん(佐倉市)に売却
肉用
子牛エ 酪農家に さん(袖ケ浦市) 繁殖用 繁殖用の牛としての登録規定に合致せず子牛登記ができないため、繁殖用としては利用ができなくなる。
評価額の低下につながる。
子牛オ 酪農家ほ さん(南房総市) 肉用 子牛ア~ウと同じ

4 経緯

(1)令和3年6月10日

 市原乳牛研究所において、和牛A・和牛B への人工授精を午前・午後の2回行った際に、いずれかの回で和牛αと和牛βの精液のストローを取り違える(推定)。

(2)令和3年6月17日

 市原乳牛研究所において、和牛Aから採卵した受精卵を乳牛ア~エに移植。

(3)令和4年4月26日・27日

 千葉県肉牛生産農業協同組合より市原乳牛研究所に連絡があり、子牛ア、イについて和牛の登記に必要となる遺伝子検査を実施したところ、家畜受精卵証明書に記載されている父牛とは遺伝子型が一致しないことが判明。再検査で、和牛βの遺伝子型と一致。

(4)令和4年5月17日

 令和3年6月10日(和牛A と同日)に人工授精を行った和牛B の受精卵により生まれた子牛オについて、遺伝子検査を実施したところ父牛は計画と同じ和牛βの遺伝子型と一致。
※和牛βの精液が和牛A・和牛B に使われたことが確定。

(5)令和4年5月17日~

 県職員が酪農家等を訪問し、お詫びして判明している事実経緯を説明。

5 原因

 精液のストローに印字された父牛の名前と、人工授精する母牛の名前を確認してから人工授精するが、その確認が不十分であったためミスが起きた。また、異なる父牛の精液を人工授精するタイミングが、2頭同時であったことも、今回のミスを誘発する原因となった。

6 所有者等への対応

 計画と異なった精液の使用が確定した5月中旬以降、所有者及び関係団体を訪問し、経緯を説明したうえで謝罪した。
 また、5頭すべての子牛を、畜産総合研究センターの試験用牛として県が買い上げる方向で、所有者との調整を行っている。

7 再発防止策等

 (1)「精液の付け間違い防止マニュアル」を以下のとおり改定し、すでに実施している。

  • 精液注入器に、人工授精を行う供卵牛の番号を記載した色違いのシールを貼り付けて、見た目で区別できるようにした。
  • ストローに印字されている種雄牛の名前と供卵牛の番号の確認を複数人で行い、確認者を記録として残すこととした。 

(2)受精卵生産のため同時に複数頭の人工授精を実施する際は、同じ父牛の精液を使用することとした。 

お問い合わせ

所属課室:農林水産部畜産課生産振興班

電話番号:043-223-2939

ファックス番号:043-222-3098

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