ここから本文です。
更新日:令和5(2023)年2月1日
ページ番号:561945
知事発言(項目1~3)へ|質疑応答(項目1~3)へ|
知事発言(項目4)へ|質疑応答(項目4及びその他)へ|お問い合わせ先へ
日時 | 令和5年1月25日(水曜日)16時00分~17時13分 |
---|---|
場所 | 本庁舎5階大会議室 |
動画 | 令和5年1月25日知事定例記者会見(動画) |
(知事)
皆さん、こんにちは。
はじめに、令和5年度当初予算案について、御説明をいたします。
資料1「令和5年度当初予算案について」を御覧ください。
表紙の部分に当初予算案の特徴を記載しています。
令和5年度は、総合計画の目標年度である6年度に向けて、危機管理や安全確保にしっかり取り組みながら、将来の千葉県の発展につなげていくための予算といたしました。
具体的には、「産業拠点や道路ネットワークの整備などによる県内経済の活性化」「学校給食の無償化や保育の質の充実などの子育て・教育施策の推進」「150周年記念事業などを通じた地域づくりや千葉ブランドの確立」をはじめ、各分野にわたり総合計画に掲げた施策を確実に実施してまいります。
さらに、令和4年度2月補正予算と一体的に編成することで、これらの取組を切れ目なく進めてまいります。
3ページをお開きください。
一般会計の予算規模は、2兆1,971億2,500万円で、前年度と比べ0.9%の増となっています。
4ページをお開きください。
「当初予算の主な施策」について、関連する令和4年度2月補正に計上した事業と併せて御説明いたします。
「危機管理体制の構築と安全の確保」のうち、「感染症等健康危機への対応力強化」です。
感染症対策については、今後の状況が不透明なため、当初予算では令和4年度と同様の対策経費を約半年分計上することとし、状況を見定めながら必要な対応を取ってまいります。
右側の5ページを御覧ください。
災害から県民を守る「防災県」の確立です。
市町村における自助・共助の強化や災害対応のデジタル化を支援するほか、津波浸水予測システムを活用した防災訓練や、地震防災戦略の改訂に向けた地震被害想定調査などを行います。
また、災害時の情報伝達・収集体制を強化するため、防災行政無線や消防救急無線を更新するとともに、消防ヘリコプターによる広域的な情報収集体制の構築や、小規模河川への水位計・監視カメラの設置を進めます。
6ページをお開きください。
「防災基盤の整備」です。
激甚化する災害から県民の生命・財産を守るため、一宮川流域をはじめとする河川の浸水対策や海岸保全施設の整備を拡充するほか、農地防災対策や盛土を含む土砂災害対策を強化いたします。
また、今後改修時期を迎える県庁舎について、老朽化調査を行うとともに、老朽化が著しい各地域の合同庁舎や家畜保健衛生所について、集約化し機能強化を図る工事を進めます。
右側の7ページを御覧ください。
「くらしの安全・安心の確保」です。
「電話de詐欺」の被害防止のため、高齢者安全対策アドバイザーによる戸別訪問を行うとともに、地域に自主的な防犯活動が定着するよう、防犯アドバイザーを配置する市町村を支援するほか、110番通報に迅速に対応するため、通信指令システムを更新いたします。
また、飲酒運転の根絶に向けた広報啓発や通学路の安全対策を拡充するほか、横断歩道上の交通事故を防止するため、「ゼブラ・ストップ活動」の周知徹底を図ります。
さらに、消費者トラブルや悪質商法被害の防止に向けた広報啓発や相談体制の充実を図るほか、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターの相談体制を強化いたします。
8ページをお開きください。
「千葉経済圏の確立と社会資本の整備」のうち、「経済の活性化」です。
「産業の振興と企業立地の促進」については、将来を見据えた産業の誘致・創出を図るため、本県経済を牽引していくことが期待される地域について、将来性や優位性などの調査を行います。
また、成田空港や京葉コンビナート、洋上風力発電や水素については、地域経済の活性化や脱炭素化などの視点から、それぞれ必要な基礎調査を行います。
さらに、県内各地域の課題解決に向け、多様な主体が連携して取り組む実証実験を支援するとともに、県内へ立地する企業を支援する立地企業補助金について、賃借型の制度を創設いたします。
右側の9ページを御覧ください。
健康・医療分野のものづくりをはじめ、優れた技術を有する中小企業等の販路拡大につながる支援や、革新的な技術を有するベンチャー企業への短期集中的な伴走支援などに取り組みます。
また、起業を志す人材の早期育成のため、小学生から各年代に応じたプログラムを実施いたします。
10ページをお開きください。
「中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化」については、物価高騰などにより厳しい経営環境が続いている中小企業を支援するために、中小企業振興資金の必要額を確保するとともに、伴走支援体制を強化いたします。
また、小規模事業者への支援を充実するため、身近な支援機関である商工会などの体制強化に取り組みます。
「雇用対策と人材の育成・確保」については、今後深刻化が懸念される中小企業の人手不足に対応するため、工業高校や高等技術専門校と中小企業のマッチング、高等技術専門校への入校の促進、在宅ワークの導入支援などに取り組みます。
右側の11ページを御覧ください。
「観光立県の推進」については、新しい旅のスタイルであるワーケーションについて企業での制度導入を促進するほか、国内外に本県の魅力を発信するために、観光プロモーションや教育旅行の誘致などに総合的に取り組みます。
12ページをお開きください。
「農林水産業の振興」です。
「次世代を担う人材の育成・確保」については、青年就農者への支援や民間情報サイトを活用したPRを行うとともに、漁船の導入支援など担い手の確保のための支援を拡充いたします。
「農林水産業の成長力の強化」については、農林水産業の生産性の向上を図るため、スマート技術を活用した取組への支援を拡充するとともに、国内外で需要が急拡大する「さつまいも」の生産・流通体制の強化に向けた施設整備への支援を行います。
また、飼料用米の需要増に対応するため、新規需要米への転作を推進するほか、経営の大規模化による生産性向上を図るため、農地中間管理機構を活用した農地集積への支援を拡充いたします。
さらに、廃プラスチックの排出量削減につながる生分解性マルチ資材の導入支援や、飼料の生産面積拡大につながる機械の導入支援などに取り組みます。
右側の13ページを御覧ください。
有害鳥獣対策の幅広い担い手の確保につなげるため、ふるさと納税の寄附などを通じて参加していただける「有害鳥獣捕獲協力隊」を結成いたします。
また、森林環境譲与税を活用し市町村が連携して取り組む森林整備について、より広域のモデル地域を設定して実施いたします。
さらに、「浜の活力再生プラン」に基づく施設整備を支援するほか、銚子漁港の整備を加速させるとともに、水産総合研究センターの整備を進めます。
14ページをお開きください。
「市場動向を捉えた販売力の強化」については、県産農林水産物の魅力を消費者に浸透させるため、「千葉県の顔」となる品目を核とした集中プロモーションを行うとともに、県産農林水産物をまとめてPRできる「千葉料理」として考案した「黒アヒージョ」のブランド化に向けた取組を行います。
また、県産農林水産物の輸出を促進するため、台湾への輸出の拡大に向けたプロモーションなどを行います。
右側の15ページを御覧ください。
「社会資本の充実とまちづくり」です。
県民生活の利便性向上や経済活性化につなげるため、北千葉道路をはじめとした道路ネットワークの整備を強力に推進し、銚子連絡道路や長生グリーンラインの一部区間について、令和5年度の供用開始を目指すとともに、圏央道の整備促進や通学路の安全対策に引き続き取り組みます。
また、千葉港千葉中央地区の再編整備や名洗港の洋上風力発電施設受入れのための改修工事、千葉港海岸船橋地区の浸水対策を進めます。
さらに、将来の担い手確保につなげるため、児童生徒がマインクラフトで道路などの制作技術を競うコンテストを行います。
このほか、鉄道駅のバリアフリー設備の整備に対する助成について、新たな料金制度を踏まえた拡充を行います。
16ページをお開きください。
「未来を支える医療・福祉の充実」のうち、「医療提供体制の充実と健康づくりの推進」です。
「医療提供体制の充実」については、地域医療を支える医師・看護師確保のための事業を拡充するとともに、診療所の承継や医師少数地域で働く医師への支援などに取り組みます。
また、発達障害児等を対象としたオンライン診療を推進するモデル事業や、圏域外の医師も活用しながら24時間の往診体制の構築を目指すモデル事業を実施いたします。
「健康づくりの推進」については、がん患者のアピアランスケアや若年がん患者の在宅療養を支援するとともに、骨髄移植等の治療により免疫が消失した方に対する支援を行います。
右側の17ページを御覧ください。
「高齢者福祉と障害者福祉の充実」です。
「高齢者福祉の充実」については、認知症の相談体制を強化するとともに、介護事業所にコミュニケーションロボットを導入するモデル事業を行います。
「障害者福祉の充実」については、千葉リハビリテーションセンターの再整備に向けた工事に着手するとともに、医療的ケア児等の短期入所事業所の開設支援を行います。
18ページをお開きください。
「子どもの可能性を広げる千葉の確立」のうち、「子育て施策の充実」です。
子どもの資質や能力を一層育むため、「自然保育」をはじめ、保育の質の充実に向けた取組を推進いたします。
また、結婚支援を含む少子化対策に県全体で取り組むため、県と市町村で構成する協議会を設置するほか、子ども医療費助成について、市町村と連携して令和5年8月から自己負担の上限額を導入する制度拡充を行います。
児童虐待防止対策については、児童相談所の新設・建替えや職員の増員に引き続き取り組むほか、職員採用広報の強化や里親養育包括支援機関による里親委託の推進、子ども家庭110番の体制強化やヤングケアラーの相談窓口の設置などを行います。
さらに、児童養護施設の退所児童のための給付型奨学金制度を創設するほか、極低出生体重児等専用の母子手帳を作成いたします。
右側の19ページを御覧ください。
「教育施策の充実」です。
私立学校経常費補助について、高校と幼稚園に係る県単独の補助単価を引き上げるとともに、公立学校の給食費について、市町村と連携して第3子以降の無償化を行います。
理数教育の指導の充実を図るため、公立小学校に配置する県独自の専科教員の増員や、塾講師を活用した算数の専科指導を行うモデル事業を行います。
また、デジタル社会で求められる人材を育成するため、県立高校において、デジタル教材の導入やDX専門人材の配置を行うモデル事業を実施いたします。
さらに、産業人材の育成につなげるため、県立高校の普通科においてキャリアデザインを学ぶプログラムをモデル的に実施するほか、産官学が連携してリカレント教育を推進するための協議会を設置いたします。
児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、小学校と高校のスクールカウンセラーを増員するとともに、高校生が気軽に相談できる居場所づくりを拡充するほか、専門人材を活用し性暴力被害を受けた児童生徒の保護を図るための体制を構築いたします。
深刻な教員不足の解消を図るため、人材サービス会社と連携した採用プロモーションを行うとともに、千葉大学教育学部と共同で教員確保策の検討に向けたモデル事業を実施いたします。
また、教員の長時間勤務を改善するため、スクール・サポート・スタッフの増員や、民間のノウハウを活用した業務改善に取り組むほか、休日部活動の段階的移行に向けた市町村の取組を支援いたします。
20ページをお開きください。
県立学校のトイレ改修について、デザインビルド方式により工事の前倒しを図り、令和11年度までに全てのトイレを洋式化するほか、県立高校の特別教室の空調整備や特別支援学校の新設に向けた改修工事を進めます。
右側の21ページを御覧ください。
「誰もがその人らしく生きる・分かり合える社会の実現」です。
SDGsやダイバーシティを推進するため、「ちばSDGsパートナー登録制度」の登録促進をはじめ、男女共同参画に係る広報啓発や外国人の日本語教育に取り組みます。また、福祉全般の相談をワンストップで対応できるよう、中核地域生活支援センターの体制を強化するとともに、重層的支援体制の構築に取り組む市町村を支援いたします。
22ページをお開きください。
「独自の自然・文化を生かした魅力ある千葉の創造」のうち、「千葉の魅力の向上と活用」です。
地域活性化や関係人口の増加を図るため、県や市町村、関係団体が連携して地域振興策を検討するとともに、二地域居住を含めた移住・定住を促進するための情報発信の強化や、地域企業と副業人材のマッチングに取り組みます。
さらに、千葉県の宝である海の魅力を県内外に発信するため、「千葉の海・大使」を任命するなど、魅力発信を一層推進いたします。
右側の23ページを御覧ください。
「環境の保全と豊かな自然の活用」です。
二酸化炭素排出量を削減するため、家庭における電気自動車や充電設備の導入、産業部門における省エネ診断やZEBの導入、運輸部門における次世代自動車や充電設備の導入を支援するとともに、電気自動車で観光できる環境の整備に向けたモデル事業を実施いたします。
また、特定外来生物の捕獲強化や外来水生植物の計画的な駆除に取り組むほか、若い世代が環境保全活動の主体となるよう、若者自らが企画した活動を企業等と連携して支援いたします。
24ページをお開きください。
「千葉の特徴・歴史を生かした文化・スポーツ振興」です。
「千葉県誕生150周年記念事業」については、千葉のブランド価値の創出・向上や地域活性化につなげるため、市町村が企画する記念イベントを支援するとともに、オープニングイベントとして「県民の日」行事を松戸市で開催するほか、株式会社オリエンタルランドと連携した文化イベントを行います。
また、東京2020大会を契機としたオランダ王国との交流を深めるため、県立美術館でテオ・ヤンセン氏の企画展を開催するほか、中央博物館での特別展や記念誌の作成、特別支援学校における作品制作などを行います。
右側の25ページを御覧ください。
「文化芸術の振興」については、本県の芸術文化の担い手を育成するため、新進アーティストのキャリア形成支援や千葉交響楽団の公演への支援を行います。
また、チバニアンの見学施設の整備を支援するとともに、中央博物館について展示内容の見直しなどを検討いたします。
「スポーツの振興」については、「ちばアクアラインマラソン」の令和6年度の開催に向けた準備を進めるとともに、地元市町村と連携したサーフ文化の発信イベントを行うほか、パラアスリートの学校訪問の拡充や「新たなスポーツ」の普及促進を行います。
さらに、総合スポーツセンター体育館の現地建替えに向けた設計を進めるとともに、障害者スポーツ・レクリエーションセンター体育室の空調工事に着手いたします。
27ページをお開きください。
「くらしを豊かにするデジタル技術の効果的な活用」です。
県民の利便性向上を図るため、各種納付手続のキャッシュレス化を進めるとともに、県立学校の入試手続のオンライン化について、令和6年度の全校実施に向けて対象校を拡大するほか、運転免許手続について、令和5年12月から事前予約などができるよう、システム整備を進めます。
また、県全体のデジタル化を推進するため、民間の専門人材を活用し、令和7年度までに市町村が行うシステムの標準化を支援するとともに、デジタル技術を活用した県庁の業務改革や議会のICT化を進めるほか、マイナンバーカードの普及促進に取り組みます。
さらに、担い手不足などの課題を抱える建設業にデジタル技術の導入を促進するとともに、デジタル技術を活用したインフラ管理に取り組みます。
28、29ページを御覧ください。
「一般会計の歳入の状況」ですが、前年度と比較して、(1)の県税については、景気や雇用状況が回復傾向にあることや、円安に伴う輸入額の増などにより、約450億円の増額を見込んでいます。
一方、(3)の臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税については、県税の増額などを踏まえ、170億円の減額を見込んでいます。
(4)の繰入金については、収支差解消のため、財政調整基金を500億円活用することなどにより、約131億円の増額となっています。
(5)の諸収入については、感染症対応特別資金の償還が進むことを踏まえ、約344億円の減額となっています。
30ページ、31ページを御覧ください。
「歳出の状況」ですが、前年度と比較して、(1)の人件費については、定年の段階的な引き上げにより、(5)のその他消費的経費については、感染症対応事業の減により、大幅な減額となっています。
また、(4)の投資的経費については、道路ネットワークなどの基盤整備に加え、防災減災対策や長寿命化対策などを進めることから大幅な増額となっています。
なお、(3)の社会保障費が大幅に増加する傾向は変わっていません。
32ページをお開きください。
令和5年度の県債発行額は、建設地方債は、道路ネットワーク事業などが増となることから120億円の増、一方、臨時財政対策債は450億円の減を見込んでいます。
また、右側の33ページですが、令和5年度末の県債残高の見込みは2兆9,418億円で、前年度末と比べ679億円の減となっています。
当初予算については、以上です。
(知事)
続いて、「資料2 令和4年度2月補正予算案について」を御覧ください。
2月補正予算では、物価の高騰や国の補正予算に対応するために必要な予算を計上するとともに、令和5年度以降の財源として活用するため、基金への積立てを行うほか、人件費や公債費などについて、実績を踏まえて精査いたしました。
この結果、一般会計の補正予算額は、735億1,100万円の増額となりました。
3ページをお開きください。
補正の内訳は、物価高騰への対応が71億2,000万円、国の補正予算に係るものが366億9,300万円、それ以外の事業費に係るものが296億9,800万円となっております。
歳入の内訳は、円安などによる輸入額の増加や企業業績の回復などにより、県税が約695億円、地方譲与税が約85億円の増額となる見込みです。
地方交付税は、国の経済対策による追加交付があったため、約52億円の増となっています。
また、繰越金の約199億円は、令和3年度の感染症に係る交付金などが過大となった分について、今年度、全額を国に返還するものです。
一方で、歳出事業費の確定などに伴い、県債、繰入金が減額となっています。
「主な補正予算の内容」ですが、4ページと5ページは「物価高騰への対応」です。
生活困窮者の支援体制の整備・充実を図るために、フードバンクや子ども食堂などを運営する団体を支援いたします。
また、家庭におけるエネルギー負担を軽減するため、「ちば省エネ家電購入応援キャンペーン」について、テレビを対象に加え、第2弾を実施するとともに、食品価格や物価高騰の影響を踏まえ、「千葉で食べよう!プレミアム食事券キャンペーン」や「千葉とく旅キャンペーン」を引き続き実施いたします。
6ページから12ページは、先ほど当初予算の説明でも触れた「国の補正予算に係るもの」を記載しております。
13ページをお開きください。
「その他の事業費に係るもの」です。
県有施設長寿命化等推進基金については、近年の労務単価や資材価格の高騰を踏まえ、今後の財政負担の軽減、平準化を図るために250億円を積み立てます。
災害復興・地域再生基金については、今後の大規模災害や感染症対応、さらなる物価高騰に備え、120億円を積み立てます。
2月補正予算については、以上です。
(知事)
続いて、「資料3 令和5年度組織の見直しについて」を御覧ください。
令和5年度の組織について、重要施策の推進や行政課題への的確な対応のため、組織の見直しを行います。
まず、成田空港の機能強化を見据え、空港地域振興課を改組し、「成田空港政策課」と「空港地域共生課」を新設するとともに、将来を見据えた産業の誘致・創出に向け戦略的な方策を検討するため、地域づくり課に「企画戦略室」を新設いたします。
次に、千葉県誕生150周年記念事業の実施に向けて、文化振興課の体制の強化を行います。
次に、子ども・子育て施策をより一層推進するため、健康福祉部に「こども家庭対策監」を新設するとともに、子育て支援課に「こども未来室」を新設いたします。
2ページをお開きください。
児童虐待の防止に向けて、児童家庭課の体制強化を行うとともに、柏児童相談所の支所を柏駅前に新設いたします。
次に、金属スクラップヤード等の規制や残土・再生土の是正対策を強化するため、環境生活部に「ヤード・残土対策課」を新設いたします。
そのほか、盛土規制への対応、県庁のDXの推進、市町村のまちづくり支援などに的確に対応するため、組織の再編・新設を行います。
私からは、以上でございます。
(記者)
まず、来年度予算案の経済分野のところでちょっと教えていただきたいのですけれども、新たな産業、地域づくりに関する基礎調査ですとか、あと革新的ベンチャーの事業成長促進プログラムですとか、今回「将来の県の発展につなげる予算」とありますけれども、成長のエンジンというか、そういうものを探そうとしているような予算と感じました。その辺の知事の現状認識と、あと、どういったものが必要と考えていらっしゃるかというのを教えてください。
(知事)
御質問ありがとうございます。私も知事就任以来、経済、産業政策、ここの拡充というのが極めて不可欠だという考え方の下で、関係部署と、本当に部署横断的に様々な意見交換をしてきました。そうした中で、ある程度我々としてやるべきことというのが整理されてきて、先ほど御質問があったとおり、20年、30年先を見据えて、我々の千葉県経済を牽引していくことが期待される地域、例えば成田空港の周辺ですとか、かずさアカデミアパーク、幕張新都心、柏の葉、北千葉道路沿線、アクアライン着岸地周辺など、こうしたところに新しい投資を呼び込むことが重要でありますので、将来を見据えた産業の誘致・創出に向けた戦略的な方策を検討するために、新組織を立ち上げ、そして調査を本格的に行っていくと、こういうところであります。
ほかにも、洋上風力だったり水素だったりカーボンニュートラル、もしくはベンチャーであったり、我々として力を入れなければならないところについて強化していくため、今、新年度まさにそこに本格的に着手をする、そういうふうに受け取っていただいて結構だと思います。
(記者)
分かりました。今回の予算案なのですけれども、新規事業が直近10年の中で一番多いと聞いているのですけれども、新規事業をたくさん盛り込んだ思いと、特に知事から見て目玉だと感じているようなものがあれば教えてください。
(知事)
就任以来、県政の各般にわたって、県政ビジョンに基づいて、そして総合計画を職員と共につくってきました。そういう意味では、私から大きな方向性、この方向に進むことが必要ではないかというような形で示唆したものもありますし、職員がボトムアップの中で、様々議論を積極的に行って提案された事業もあります。
やはり一番大事なことは、県庁自身の組織文化として、チャレンジをしていく、新しいことに挑戦をしていくということが大事だと思っています。そういう意味で、県庁組織として、今回こういう新規事業が多くなったというのは、千葉県庁が非常に積極的に挑戦をしていこう、新しい分野に挑戦していこうという風土が、一定程度できてきている現れではないかなと思っています。そういう意味では、トップダウンとボトムアップ両方が今回結実した予算だと思います。
あえて言えばというところですけれども、先ほど御質問があったとおり、経済の活性化の部分は非常に私も力を入れてきていますので、そこの分野については必要な予算を盛り込んできていると思っています。
それから、あとはまず教育ですね。これも既に今年度の予算でも、専科教員を県独自に拡充してきていますけれども、新年度にあってもさらにこの部分の強化をいたします。そういう意味では、近隣の関東の近県では、ぶっちぎりで我々がこういう部分において人を配置していると思いますし、スクールカウンセラーですとかそうした部分についても、(児童生徒に対する配置数で)我々が神奈川や埼玉の2倍配置をしていることになりますので、こういった部分については、ほかにも設備面も含めて学校の分野に関しては、かなり将来の千葉県を担う子ども、若者たちのために予算を配分したのかなと思っています。
囲み部分について、当日の発言内容を補足しました。
その流れの中で、あえてもう一つ言えば、子育て支援だと思っています。この点については、学校の給食費の無償化事業を、我々千葉県が全国に先駆けて実施をして、県内ほぼほとんどの市町村が実施を今年行いまして、約4万人以上の子どもたちが対象になります。
こうした分野ですとか、保育の質の充実に向けた取組であったり、もしくは子ども食堂への支援であったりという形で、必要なところに予算配分をしたり、今後の質の向上に向けての備えというか、基礎的な研究というか、着手もできたのかなと、そういうふうに思っています。
全般的に、細部にもしっかりと目配りできた予算かなと思っています。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
今回、知事が就任されて2回目の予算編成だと思うのですが、改めまして、どの分野にどれだけお金、人員を割くかなどを判断する際のよりどころとする考えなどについて、1年目と今回で違いなどがもしありましたら、そこにも触れながら改めましてよろしくお願いします。
(知事)
ありがとうございます。まず一つ、私がいつも大事にしているのは、未来に対する投資となっているかという部分だと思うのです。我々は、やはり県民の方からまず税金をお預かりをしている以上、それが県民の皆さんの将来にしっかりと投資として花開くような予算を、我々は使途として考えていかなければいけないと思っていますので、そういう点においては、次世代であったり、もしくは千葉県の経済であったり、そういう千葉の将来のためにハード、ソフト両面にわたって、未来への投資をしっかりと計上できたのではないかなと思っています。
それから、私は、これは市長時代もそうですけれども、基本的には創意工夫を重ねるということを大事にしています。なので、予算をどんとつけるその前に、職員との意見交換であったり、また様々な研究の中で、しっかりとその方向性というか、創意工夫を重ねた上で、ここに力を入れていくべきだというところを確認して、そこにさらにどんどん予算を増やしていくという形をとっていますので、そういった意味では、今年度の予算、それから新年度の予算、そういうしっかりとしたステップを踏んでいるのではないかなと思っています。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
今回、新規の事業が過去最多の54ですか。分野ごとによって意欲的なものが見られますけれども、一方で、予算のパイというのが限られる中で、見ようによってはどうしても一つずつが薄くなるといいますか、メリハリがつきにくくなるという見方もあると思います。この辺りの知事としての問題意識みたいなことを教えてください。
(知事)
ありがとうございます。大事なことは、先ほどの質問にも少し関係するのですけれども、基本的に全ての施策を進めていくためには、しっかりとしたPDCAサイクルを回していかなければならないと思っています。今回、そういう意味で、この新規事業の中にモデル事業というようなものも多いわけですね。そういう意味では、いろいろなものに着手をした上で、一番効果的な手法というのを見出した上で、そこに予算をこれから傾斜的に配分していくというところになってくると思っていますので、そういった意味では、メリハリはしっかりとれると思っています。
それから、これも先ほどの質問にも少し絡むのですけれども、予算を配分すればいいというものだけではないわけですね。もちろん予算を、例えば我々、学校給食費だったり、もしくは、例えば県単独の専科教員など、予算を配分するものももちろんあるわけですけれども、いわゆる工夫を重ねることで結果を出せるものというのもありますので、そうした事業もたくさん職員が考えてくれて盛り込めたのではないかなと思っています。なので、「芽吹き」と私言いましたけれども、この中で種をまいて芽吹いてきた、そのいいものについては、さらにそこに、ある種肥料だったり追加的なリソースの投入をして一気に育てるという、そのステップの中にある予算だと思ってもらえればいいのではないかなと思います。
(記者)
もう一点、今ほど「芽吹き」と、新年の訓示でもおっしゃっていましたけれども、昨年の当初予算では、「今キャンパスに筆を入れたところ」とたしかおっしゃいました。今回の予算をもって任期が4月に折り返しを迎えるわけですけれども、この先、どう県政を知事として進めていくか、その辺りの思いを教えてください。
(知事)
今回の予算を見ていただければ、どの分野にどのような方向性で拡充、力を入れていくかというのは、ある程度、多くの方が見通しが持てるようなものになっているのではないかなと思っています。与えられた任期は4年でありますので、その中で、こうしたそれぞれ着手したことについて、しっかりとした結果であったり、もしくは中間的な明るい見通しをつくるというのが私の与えられた役割だと思いますし、それは、今年様々な形で、この予算に関連をするような形で、こういうことかというふうな明るいニュースなり結果を示していけると思います。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
1点目は子ども関連の予算に関してなのですが、令和4年度当初よりも増えています。どこの自治体も子育て関連の予算が増える中で、熊谷知事が、この子育て・教育分野で、県民とか居住を考えている人にどんなふうに千葉県が映ってほしい、「母になるなら、流山市。」ではないですけれども、どんなことを意識しながら教育・子育ての予算、事業を組んだのかというのを教えてください。
(知事)
そうですね、大事なことは、まず一つは教育ですよね。もちろん、負担の軽減というのも、我々様々な形で今回の予算でやってきているわけですけれども、負担の軽減、いわゆる配るだけが能じゃないというところだと私は思っています。これから国が「異次元の子育て支援」、どういうふうになるか我々も注視をしておりますけれども、我々いわゆる地方自治体がやるべきことは、現場の能力を強化するということだと思っていますので、そういう意味では、県独自に教員を増やすなど教育力の強化というものに我々としては本腰を入れて、「チーム学校」の強化というのを行ってきています。
それから、保育に関しても、これからは、待機児童の解消が最優先であったいわゆる量を追求するところから、質のほうによりシフトしていくことになります。その中で、我々としては、じゃあ保育の質の強化というのはどういうことなのか、市町村ではなくて県ができることは何なのかという議論の中で、今回我々なりにこういったものに挑戦するということを計上させていただいていますので、そういった分野で、我々は質の部分、そこの部分でこの千葉県を選んでいただけるように、市町村と一緒に取り組んでいきたいと思っています。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。もう一点、歳入の県税のところなのですけれども、県税がかなり増える、直近10年で最多ということで、結構物価高とか家計が苦しい中で、「県税って増えるんだ」という新鮮な発見でした。消費税などもあると思いますけれども、この県税の増加について、知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。
(知事)
これは多分、今までは物価が高騰していなかったので、インフレがなかったので、税収が増えるということそのものがなかなか慣れないところがあったと思うのですけれども、物価が高騰すれば結果的に税収も増える。しかし、一方で、例えば工事であったり改修費であったり、様々な諸経費が今後どんどんどんどん追いかけるように増えていくわけですね。
ですから、今この瞬間、千葉県もそうですし、全国の自治体も何か収支がものすごくいいように、実際いい側面もあるのですけれども、プラスアルファそれ以上に見た目がよく見えるわけですよ。その金額をもって、全国の自治体がかなりお金を配る的な事業をやっています。もちろん、それはそれで、千葉県も含めて否定するものではない、大事なことなのですけれども、大事なことは、支出もこれからどんどん上がってくることに、中長期的な財政見通しを持った上で、責任を持てる我々予算の使い方をしていくことが重要ではないかなと思っています。
(記者)
分かりました。ありがとうございました。
(記者)
先ほど、昨年度の「キャンパスに色を塗った」というところで、ある程度方向性を示したというふうにおっしゃっていましたけれども、今回の予算についての知事御自身の満足度というのはどのくらいのものでしょうか。
(知事)
そうですね、私とすると、本当に職員がよく考えてくれたと思っています。私も様々な分野に対して問題提起をしましたけれども、職員が研究したり、もしくは様々な他の事例等を研究してくれるなどして、いい制度として仕上げてくれたと思っていますので、私の当初考えていたよりもいい形でやってくれている事業が多いので、私としては言うことはない。
あとは、これを執行していく中で、できる限りPDCAサイクルを回しながら、より良い制度にしていくということが大事だと思いますので、発車するところまでは非常にいい流れをつくってくれていると思いますので、あとはそれをさらにちゃんと花が開くようにしっかり頑張っていかなければいけないなと思っています。
(記者)
芽吹きとか種まき、花の話にもちょっと絡むのですけれども、今回、かなり芽吹きを意識しながらの種まきも並行してやっていたと思います。あえて、まだ本当はここもやりたかったんだけれども手が届かなかったかな、というようなところがあればその辺も教えてください。
(知事)
そうですね、ないわけではないですけれども、基本的には今回の予算に私がやらなければならない、少なくとも着手を始めなければいけないと思っているものは、大体盛り込めているのかなと思っています。なので今回の予算と、それから、予算とは関係なく今年いろんなニュースが皆さんのもとに出せると思いますが、それを見ていただければ、私と職員がやろうとしていることは、大体見えてくるのではないかなと思います。
(記者)
ちょっと抽象的なのですけれども、芽吹きと種まきと、どちらに力が入った予算なのでしょうか。
(知事)
難しい感じのことをお聞きになられますね。まあ、種まきも芽吹きも同じかなというふうには思っていますけれども、私の感覚の中では、種まきというのは、皆さんには見えないけれども、職員と一緒に種をまいてきて、その中で、これは制度化できるなというものがまさにここに盛り込まれているので、そういった意味では、芽吹きだと私としては思っています。この後、しっかり成長するかどうかというのは、これからのこの予算に基づいて、しっかり執行していく中で出していけるのではないかなと思います。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
経済についてお伺いしたいのですが、まさに種まきの部分だと思うのですけれども、新規事業で本県の地域づくりに関する基礎調査事業だったり、SAFの話だったり、カーボンニュートラルコンビナートの話だったり、いろいろ野心的な新規事業だと思うのですけれども、この調査を行うことによって、今後これをどのように生かしていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
(知事)
我々千葉県として、三角構想はよく取り上げられるわけでありますけれども、やはり20年、30年先の千葉県の経済の骨格というのを、地域的にも業種的にもどういうふうにつくり上げていくのかということは、我々としては重要な道しるべだと思っているわけです。それらについて、こういう事業と、我々としては先ほど申し上げたように、ある程度この間の研究の中でこの辺りではないかというのはあるわけですけれども、それをしっかりとした根拠と分析をもって本格的に乗り出していくために、この新年度に様々計上させていただいている。なので、ゼロベースで出しているというよりも、ある程度我々の中で職員とともに研究してきた成果に加えて、こういう外部の研究調査も踏まえて、正式に様々な戦略として確定させていくということだと思います。
(記者)
ありがとうございます。いずれも数年スパンでかかる内容の話かなと思いますけれども、いつごろぐらいまでに大体の形を出すとか、そういったイメージはありますか。
(知事)
見ていただければ分かると思いますけれども、それぞれごとに何かアウトプットを出すかどうかというよりも、我々としてやっていることを具体的に進めていくために、この予算を活用しながら、臨機応変的にこの事業費を活用して結果につなげていく、もしくは方向性を定めていくというものだと思っています。それは多分、今年いろいろ見ていただければ、あっ、こういうことかと分かっていただけると思います。
(記者)
ありがとうございます。全く違う話題ですが、財政調整基金を見ると、今年、残高は900億円とかそれぐらいになっていて、もともと3年前に、房総半島台風の影響で6億円しかない部分から、知事が去年就任されてということで、かなりシビアだったと思うのですが、今年はこれだけ残高もありますし、その影響といいますか、それがあったおかげで今回御自身として満足のいく予算が組めたというところもあるのではないかと思いますが、そこは知事はどうですか。
(知事)
ありがとうございます。そうですね、私からすると、多分、財政運営的な観点からすると、かなり堅実な予算編成だと思っています。将来の物価高騰等に備えた大規模改修とかのための基金のほうにも積み立てていますし、災害系にも備えていますし、決して今の収支のいい状況にあぐらをかいて、調子に乗って新しく恒常的にドカンとかかるような予算を乱脈的につくるというようなことはしていないつもりです。その代わり、逆にいえばどこに大規模に今後予算を投入することが最も効果的かという意味でのいろんなモデルであったり探りというのは、全部盛り込んでいますので、今後しっかりと中長期的な財政見通しを持った上で、今後さらに果敢に予算を上乗せする可能性があると、そういうふうに思っていただければいいのではないかなと思いますね。
私、千葉市長時代も同じような感じでやっています。どうしても私のやってきたことの成果は、約12年のうちの後半にやったことが比較的よく注目されるのですけれども、そこに至るまでに結構前半で、こういうような形で、トライ・アンド・エラーであったり、PDCAであったり、アジャイル的にやって最後にドカンとつけていますので、まだこれから予算をガッと投入する可能性はあるし、それができる財政運営をしているつもりです。
(記者)
分かりました。どうもありがとうございました。
(記者)
お話をお伺いしていて、今年度の予算もある意味PDCAであるとか、知事がこれまでされてきている一つのプロセスの中のまだ途中経過というような、そんな印象も受けました。一方で、おっしゃいますように、経済対策であるとか、教育・子育て、そういった特にこの分野というふうに特化しているわけではないけれども、それに力を入れていらっしゃるところが見えてきている。そんな印象を受けました。
この間、質問の中で芽とか種とか、そんな話が出てしまって恐縮ですけれども、比較的、カラーというか、特徴が見えてきたような印象を受けていまして、この新年度予算案を、あえて、ちょっと芸風じゃないかもしれませんが、ワンフレーズとかで、何らかのセンテンスで表現していただくとどんな予算になりますでしょうか。
(知事)
なかなか難しいと思いますけれども、途中申し上げたとおり、基本的に全体を貫いているのは、やはり未来への投資だというふうに思っています。そこの部分についてしっかりと意識をした上で、必要な分野には大胆に予算を配分できていると思いますね。あとはお任せします。
(記者)
ワンフレーズでは難しいと。
(知事)
そうですね。私はあまりワンフレーズは使わないようにはしているんですけど。
(記者)
県の財政状況についての認識をちょっと伺っておきたいのですけれども、先ほど、県税の収入についての御見解を伺いましたし、県債残高というのは5年度末で2兆9,418億円というのもある。決して少なくない額だと思うのですけれども、県の財政状況について、例えば厳しいとか、比較的健全とか、どのように見ていらっしゃいますか。
(知事)
そうですね、少なくとも千葉県の経済状況に関しては、これまでの財政運営が非常に堅実に行われていると思っています。ですので、決してめちゃくちゃいいと言うつもりはありませんけれども、厳しいと言う必要もない。そういうニュートラルな状態だと思っています。この状況をしっかりと崩さないようにしながらも、将来への投資を行っていく。十分にそれが可能な基盤はあると思っています。
(記者)
比較的健全というぐらいですか。
(知事)
まあそうですね。財政的にはあまりいい顔をしないほうが、もうちょっと厳しいと言っておいたほうがいいかもしれないですけれども、基本的にはこれまでの財政運営の結果、比較的堅実な基盤は持っているというふうに言えると思います。
(記者)
県債残高が2兆9,418億円、決算時点では3兆円を超えた等も聞いていますけれども、それについてはどのように。
(知事)
これは私自身は問題ないと思っています。2つ分ける必要があると思いますけれども、1つは、臨時財政対策債を除いたいわゆる県としてコントロールしなければならない負債の状況がどうであるか。これは間違いなく逓減傾向にありますから、まずその時点でも問題ないと思います。それから、仮にそれも含めてGDP比率ではないですけれども、一定程度の推移の中で行く分には私は問題ないと思っていますので、負債が急激に増えるという状況が恒常化していなければ十分だと思いますね。
(記者)
県債残高というのは、中長期的にはやはり減らしていくべきものだというような考えですか。
(知事)
まあそうですね。それは分母と分子の考え方だと思いますよ。ですから、分母である経済規模等が拡大していくその比率を超えないような債務状況の変化であれば、それは十分に問題ないだろうと思いますし、先ほど言ったとおり、臨時財政対策債を除いた部分が特に健全化されているかということが重要だと思いますね。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
2点お伺いします。先ほどから何度も経済施策に力を入れているというお話があったのですけれども、今回、企業立地補助金の部分で拡充がされるのですけれども、そこについての狙いだったり、今後への期待というものを聞かせてください。
(知事)
私も市長時代、比較的他市に先駆けてこの企業立地の部分の賃借の部分を入れたんですよ。それは、今、企業経営として固定資産を持たない経営というのが比較的一般的になっているということと、IT企業も含めて、今後も伸びていく企業の中には、決していわゆる今までの従来型の補助金では魅力に感じていただけないような業種もあるんですね。そういった意味では、我々が本来誘致をしなければいけない、新しいそういう意味での企業を誘致していくためには、この補助金の拡充というのは、私自身これはずっと不可欠だと考えておりましたし、これは私自身の思いつきだけではなくて、職員も含めてしっかりと研究した結果、やはりここはやるべきだということで今回盛り込んでおります。
そういう意味では、すごく職員が積極的に考えてくれていると思っています。言い忘れましたけれども、例えば農林水産部のところでも、サツマイモの生産拡大の緊急プロジェクトみたいに、国内外の状況を見た上で、ここに県として特に力を入れるべきだということを意欲的にやってくれていますし、非常に将来の産業の充実に向けて、各部門から積極的な予算を組んでいるのではないかなと思います。
(記者)
もう一点、細かいのですけれども、カーボンニュートラルについての調査というものがあったと思うのですけれども、そこの京葉臨海コンビナートがどれぐらい千葉県にとって重要であると感じているのかというところを聞かせていただけますか。
(知事)
この京葉コンビナートというのは本当に重要だと思っています。千葉県の税収であったり、様々な基盤の大部分を担っている部門になります。そして、これから最も世界的な潮流の中で影響を受ける産業になります。ですので、ここがこのカーボンニュートラルなどの動きをむしろ経営的なチャンスに変えて革新していくことが極めて重要であり、それを全力で支えてサポートしていくというのが我々千葉県の考え方です。そのために協議会も新たに昨年設置いたしましたし、さらにはSAFであったり水素活用といった、こういうものを持っているからこそ考えられる新たな産業分野へのチャレンジについても、我々としては他県よりもさらに挑戦、頑張っていかなければいけない、そういうふうに思っています。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
一点だけ、総合計画の中で、今の質問にも重なるのですけれども、施策横断的な視点として掲げられていたカーボンニュートラルであるとか、DX、デジタル技術の活用、こういったものがかなり散りばめられた予算になっているかなと思うのですが、この2点について知事の思いをお聞かせいただけないでしょうか。
(知事)
ご質問ありがとうございます。まず、DXに関しては、デジタル推進局、今年度組織としてもさらに拡充して、一つ一つこの施策等を見ていただいても、結果なり、もしくは結果が出ようとしているということが見ていただけるのではないかなと思っています。
それから、カーボンニュートラルのところに関しても、環境部門の組織もこの間強化してきて、職員がいろんなことに挑戦してくれていると思います。私も例えば九都県市首脳会議とかに出ていても、比較的千葉県のこうした新たな環境系に対する取組姿勢というのは、少し東京や神奈川に比べると若干遅れているかなという印象がありましたけれども、この間、職員がかなり研究したり必要性を認識してくれて、いろんな事業が始まってきていますので、5年後、10年後は、本当に千葉県の特徴を生かしたカーボンニュートラル施策が、一つ一つ実現していけるというふうに確信しています。
(記者)
ありがとうございます。
続いて、新型コロナウイルス感染症に関する国への要望について、お話をいたします。
1月20日、岸田総理から関係閣僚に対し、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを「5類感染症」とする方向で検討をするよう指示がありました。
先日、厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会が開催され、論点整理が行われたと承知しています。
今後、どのような形で「5類感染症」に移行していくのかが示されることになりますが、この機会に、国に検討していただきたい事項、その方向性について、国に要望を行いました。
要望の内容はお配りした要望書のとおりでありますけれども、新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けの見直しに当たっては、見直し後も医療の受け皿を確保できるかが焦点の一つであると考えています。
「5類感染症になれば全ての医療機関が新型コロナウイルス感染症を診療するようになる」と、こういうふうに予想する方もいるわけですけれども、5類になったからといって、いきなりそれが実現するというのは、幻想であるわけです。
新型コロナウイルス感染症を法律や制度の上で特別扱いしなくなったからといって、すぐに社会や医療現場で特別扱いされなくなるとは限りません。
現時点でも、新型コロナウイルスに感染している患者は診療しないという方針の医療機関は相当数存在いたします。
ですので、県民の皆様方が身近な医療機関で新型コロナウイルス感染症の診療を受けられるよう、5類移行に当たっては、これらの医療機関でも新型コロナの診療がなされていく必要があります。
県としては、この機会にいま一度、現在、新型コロナウイルス感染症を診療していない医療機関が、なぜ新型コロナウイルス感染症の診療に関わらないのか、5類移行後も含めて、何が解消されれば関われるのか、再度現場の声を確認し、できることがないかを考えていきたいと思います。
高齢者施設についても、新型コロナウイルス対策の知見は蓄積しつつあるものの、感染に対する不安感は根強くあり、同様にできることがないかを考えていきたいと思います。
私からは以上です。
(記者)
先ほどの話で、診療しない医療機関の現場の声を届けるというようなお話をされたと思うのですけれども、県独自に調査されるということは。
(知事)
これからヒアリングしていきます。これまでもヒアリングをして、例えば動線が分けられないとか、あるわけですね。動線が分けられないというのは、実際には診察する時間を分けるということで解決できるし、そういうことをこれまでも言っていますよねというのもあったりするわけですし、クラスターなり感染が起きると閉院しなければいけなくなるということに関しては、収入を保障する保険の部分の金額の支援策なんかもやったり、一個一個我々としてはやってきているわけですけれども、改めて5類移行が議論されている中で、もう一度そうしたこともお伝えをした上で、何が本当にネックだと御主張されるのかということをしっかりと酌み取った上で、県で何かできることはないかということをしっかり考えていきたいと思っています。
(記者)
分かりました。あと、要望の部分なのですけれども、特に何か重視されているようなものがありましたら教えてください。
(知事)
全て大事なのですが、あえて言えば、大事なことは5類移行になるに当たって、いわゆる医療機関ですとか介護施設などにおける5類移行後の基本的な感染対策、イメージや基準というのをしっかりと明示をした上で、それをやっていて、その上で発生する感染であったりクラスターというのは責められるものではないということを、これを国であったり県であったり社会がしっかりと共有するということが大事だと思っています。
そうでなければ、最終的には医療や介護を含めたリスクの高い方々を診るところが、その正常化のツケを全て払うことになってしまいますので、5類移行に当たって、そこの部分も含めてしっかりとした発信や社会の共通認識というのが大前提ではないかなと思います。
(記者)
分かりました。少しお話が変わるのですけれども、飲食店の認証制度が年度内に終わるということで、就任直後に制度を導入されて、エビデンスを得るために厳しい基準を設定されたりですとか、あとは、協力金が出る中で、自由な営業を取るのか、協力金を取るのかという飲食店の判断について、いろいろな判断があったかなと振り返って思うのですけれども、知事が振り返って、今回の認証制度の総括というか、どのように考えていらっしゃるのかというのと、今後の感染症対策において何か教訓みたいなことがありましたら教えてください。
(知事)
この認証店制度については、国が飲食店の第三者認証を始める前に実施をいたしましたけれども、そういう意味では、このとき県の制度設計をしていく一方で、国の様々な関係幹部の方々に、飲食店を全部一括で考えるのではなく、感染対策によって対応を分けるべきだということをかなり強く言って、結果的に我々が先駆けて、そして国が飲食店の第三者認証を入れたという意味では、私は十分に社会的にこの問題提起をするという意義づけというのはあったと思っています。
それから、我々が比較的先駆けてやったことで、飲食店の皆様方にいわゆる感染対策をしっかりやっているか否かで対応を分けたいのだという思いは伝わったのかなと思いますし、それが結果、認証店と確認店の割合が、我々全国の中でも千葉県は高い割合になってきていますので、飲食店の感染対策の呼びかけを行う上では、一定の効果があったかなと思っています。
ただ、おっしゃったとおり、どうしても国の制度と、その先駆けた関係の中で、我々としては二段構えにせざるを得なかったことも含めて、いろいろあったというふうに思っています。
今後、国とともにこの飲食店の事業というのはどういうふうにやっていくかというのは議論が必要だと思います。やりながら思ったのは、やっぱり飲食店の協力金制度というのが強力であるがゆえに、結局、高い感染対策を行っていれば営業時間を緩めたとしても、それよりも協力金のほうが欲しいという、そういう話がどうしても出てきてしまったのが現実だと思います。
ただ、今後は恐らく、協力金はあのときのようなものは多分総括の上で行われないと思いますので、そうなったとき、感染対策レベルに応じて営業時間等を分けることの妥当性も含めて、これは結構研究が必要だと思いますね。あの協力金制度の中では、結果的には営業時間を分けることのインセンティブはそんなに強くなかったというのがありますね。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
はじめに御説明いただいた新型コロナに関する要望書の内容で、2のマスク着用状況として4項目ありますが、マスクに関する要望をするその背景には、知事御自身の問題意識とか懸念というのが、何か一つ貫いている考えというのがあると思うのですが、それについてどんな問題意識、懸念でこのような要望に至ったのかという説明をよろしくお願いします。
(知事)
私は、マスク着用については、5類移行後に、段階的な5類移行のステップによって、社会が少しずつ5類移行にふさわしい認識になっていく中で、屋内マスクも含めた着用の在り方について変わっていくと思っていましたので、政府の5類移行と同時、もしくは場合によってはそれよりも前に屋内マスクの着用を不要とするという考え方は、私以上に政府はラジカルなのではないかなと思っています。
ただ、私とすると、とにかくそこの部分については科学的根拠に基づき、国民に対してしっかりと整理、説明をしていただきたいというのは、書いているとおりですが、大事なことは、医療とか介護施設は、そうは言ってもマスク着用をいわゆるリクエストしても問題ないし、むしろ必要ではないかと考えるわけです。一方で僕ら行政であれば、小学校ですとか、いわゆる学校とか公共施設を様々持っているわけですけれども、そういったところが、マスクは不要だよと政府が言った後も、その施設管理者の考えに基づいて、リコメンドではなくてリクエストをした場合、これは社会が混乱するわけですね。分断と。
ですから、そこははっきりとリクエストできる分野と、リコメンドはできるけれども、リクエストはしちゃいけないよというところをしっかり整理しなければいけないという部分を、現場を預かる側としてしっかりと僕は求めていかなければいけないだろうと思っています。
(記者)
ありがとうございます。もう1点、別件ですけれども、匝瑳市で鳥インフルエンザが発生しまして、今シーズンとしてはかなり規模が大きいものでしたけれども、改めまして県としての危機感であったり、併せて事業者へのメッセージなんかがありましたらよろしくお願いします。
(知事)
我々千葉県は過去に本当に大規模な鳥インフルエンザの発生、それこそ全国に先駆けて苦い経験をしてきているわけでありますけれども、今回発生した農場の周辺というのは養鶏農場が多く発生している、我々千葉県の中でも非常に重要な地域であり、感染が拡大するリスクが高い地域の1つだというふうに認識をしています。
このために、この発生農場周辺の道路の消毒も1月23日から実施をして、できる限り全庁挙げてまん延防止、それから防疫措置に取り組んでいるところになります。
畜産農家の方々は非常に今神経質になっていただいていると思っています。我々県もできる限りのことをいたしますので、何とかこのシーズンが終わるまで感染防止対策に万全を期していきたいと考えています。ここは我々千葉県にとって重要な産業ですので。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
これは要望についてなんですけれども、先週、知事が会見の中で、5類への見直しに当たっては、影響をシミュレーションを行って、どのような段階を踏むのが大事なのかというのを考えた上で、政府のほうにも要望を示していきたいという話がありましたけれども、シミュレーションをした上での要望という、その1つとして考えてよろしいのでしょうかというのが1つ、それから、シミュレーションを行った後か、これから行っていくことになると思うのですが、具体的にこういうところを考えていきたいとか、もし具体的にあればお願いします。
(知事)
いわゆる根拠法令が変わったり、もしくは公費負担が変わった場合に、どういうことができて、どういうことができなくなるのかというのは、我々は整理をしてきています。
その中で、知事会でもワーキングチームができていて、例えばワクチンの公費負担も含めて、誰もが我々現場として預かる側として言っていくであろうことというのは、我々も知事会に対して意見を言いながら、これは妥当なところに収れんされてくると思うのです。
その上で我々がここで出させていただいているのは、その中でも我々として大事だと思っていることについて入れさせていただいています。例えば医療機関に対する補助であったり診療報酬についても、病床確保などで結果的に潤沢な補助金を、病床が動かない場合でも出すような形によって、県内の病床であったり医療資源が効率的に十分には動かないような側面も弊害としてあるわけですね。
ですから我々としては、単に新型コロナウイルスの対応をする医療機関や医療関係者に対する金額を下げたいということが目的ではなく、より5類にふさわしく、多くの医療機関や、もしくは病床などがより回転することを手助けするような診療報酬などへの組み替えというんですか、そういうものをしていく必要があると考えていますし、そういったことを我々としてあえてちょっとエッジを効かして書かせていただいているということです。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
要望の中で、感染情報に関するデータの公表のところで伺いたいのですが、ほかの感染症と同様、週報を月報にしたいとありますが、具体的にインフルのように、医療機関での定点観測などを想定されているのでしょうか。
(知事)
これは定点にするかどうかももちろん重要ですが、我々としては、まず定点にしなかったとしても週報レベルにすることが医療機関の負担軽減にもつながりますし、あとは基本的には感染状況を把握して、打ち手につなげていく等においても別にクリティカルな変化にはならないわけでありますので、ここを我々としては求めていきたいと思っています。
(記者)
今、少しお話をいただいたところでもあるのですが、都道府県が感染者数や死亡者を毎日報告、発表する必要性が失われていると、この中で御指摘されていますが、その理由というかお考えをもう少しお聞かせいただいてよろしいですか。
(知事)
多分これは僕らに限らず、皆さんもそうだと思いますけれども、毎日のデータそのものが何か施策立案に使っているかというと、当然トレンドを見るわけでありますので、週レベルで把握を、僕らは当然毎日でもいいんですけれども、週レベルで把握し分析し報告するという形式で、基本的には感染対策上は問題ないと。問題ないのにずっと続けているというところは、十分改善したほうがいいというふうに思っています。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください