ここから本文です。

更新日:令和4(2022)年11月28日

ページ番号:2890

第4回議事録:議題1(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり推進会議)

議題1「推進会議の取組課題への対応について」

(乗越課長)
事務局の障害福祉課長の乗越でございます。推進会議で取り組む課題につきまして、その対応状況、及び今後の取組方針につきまして、説明をさせていただきます。座って説明させていただきます。
資料1を御覧ください。1枚おめくりいただきますと、推進会議で取り組むこととされました、13の課題の一覧がございます。これらの課題は、条例相談にありました実際の事案の中から、制度や慣習などが背景にあって、構造的に繰り返されているものについて、行政と民間が連携しながら、みんなで知恵を絞って解決策を見出し、多くの県民参加のもとに取り組んでいく必要があるものとして、これまでの推進会議において、決定されてきたものでございます。
これらの課題につきましては、実現可能なことから、各委員の協力をいただきながら、分野別会議を設置するなどして、検討していくこと、また情報公開のもと、県民の理解と参加を得ながら、取組を進めることとされております。1ページ以降、これらの課題についての現状と、今後の取組方針の案につきまして、御説明いたしたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、これらの取組の方針案につきまして、御意見をいただければと思います。前回の推進会議におきましても、委員の皆様方における取組状況も御紹介いただきながら、御意見をいただいてきたところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

3ページでございます。課題1、「コミュニケーションに障害のある人に対する情報提供の配慮」でございます。この課題につきましては、情報の発信は、活字や音声により行われることが多いということから、障害のある方にとっては、障害があるが故に、必要な情報を得ることが困難な場合が、多くあるということでございます。
また、緊急時に適切な情報提供がされないと、直ちに生命・身体・財産等に、重大な影響を及ぼす恐れがあるという問題があります。こういった情報提供に対する配慮については、障害のある人が望む配慮が、十分に行われていないといったことが現状でございます。
これらの課題への対応状況でございますが、県では平成21年12月、「障害のある人の情報保障のためのガイドライン」を策定いたしました。これは、障害のある人に対する情報保障を確保するために、県の各機関が行うべき配慮の指針を示すものでございます。このガイドラインにつきまして、県の各機関へ通知するとともに、職員に対する説明会を、2回開催いたしました。
また、このガイドラインを要約いたしました、障害のある人にきちんと情報を伝えるための早わかりガイドも作成、配布いたしまして、障害の特性に応じたきめ細やかな配慮が行われるように、努めているところでございます。これは本日の配付資料の中にもございます。ガイドライン自体は、大変分厚いものでございますが、早わかりガイド自体は、A3・1枚で見開きのようになっているものでございます。
こうした県での取組を市町村、民間に対しても周知・普及していこうということで、本年の4月に市町村に対して、ガイドラインの策定について通知いたしまして、配慮の実践に努めていただくように、依頼したところでございます。
早わかりガイドにつきましては、多くの皆さんが使いやすいものということで考えまして、作成したものでございます。委員の皆様方におかれましても、是非こうした早わかりガイドを、御活用いただければと考えております。併せまして、国に対する要望等を行っているところでございます。
この課題に対する今後の取組方針の案でございますが、このガイドライン、また早わかりガイドを県職員に周知し、配慮に努めるとともに、市町村や民間へも配慮を呼びかけていくということ、また、法制度等の問題については、今後も国に改善を働きかけていくことといたしたいと考えております。

課題2、「障害者用駐車スペースの適正な利用」についてでございます。この課題につきましては、障害者用の駐車スペースに、障害者が駐車できないという課題でございます。原因といたしましては、健常者がその駐車スペースに、駐車してしまうといった駐車マナーの問題もありますし、障害者用の駐車スペースにつきましては、法令により整備の基準は決まっているものの基本のルール、これが誰のためのスペースかということが、明確にされていないという問題も考えられるところでございます。
この課題についての対応状況でございますが、県では、平成22年1月から3月まで、高等学校、自動車教習所及び大型商業施設で、車いすの駐車場利用のマナーの啓発活動を実施いたしました。ちらし・ポスターを作成いたしまして、高校生や自動車教習生、高校やスーパーなどに掲示を行ったところでございます。
大型商業施設につきましては、資料にありますようなスーパーなどに対しまして、御協力をいただいたところでございます。3月には啓発宣伝活動についても、東急ストア土気あすみが丘店の方で、行ったというところでございます。
この課題につきまして、今後の取組方針の案でございますが、引き続き高等学校や大規模店舗におきまして、こうした利用マナーの啓発活動を実施していくということ、また、東葛飾地域におきましては、埼玉県と連携を呼びかけて、こういった啓発活動を行っていく予定でございます。
駐車用スペースの適正な利用のあり方、パーキングパーミット制のようなあり方につきましては、効果的な啓発方法なども含めて調査して、検討していきたいということ。また、民間の事業者におきまして、障害者用駐車スペースであることを、分かりやすく表示するための工夫等について、実施していただくような協力を求めていきたい、このように考えているところでございます。

続きまして、課題3でございます。「病院や飲食店における身体障害者補助犬の受け入れ」でございます。身体障害者補助犬につきましては、法律において、国・地方公共団体・公共交通事業者、不特定多数の者が利用する施設の管理者は、この補助犬の同伴を拒んではならないとされておりますが、相談事例にありますような、同伴を拒否されるという事例がございます。
この理由といたしましては、身体障害者補助犬のことを知らないということで、この課題につきましては、事業者の皆様方への制度の周知ということが、大きな課題であると考えております。
この課題への対応につきましては、県の障害福祉課のホームページにおきまして、身体障害者補助犬についてのページを掲載して、広く周知を図るとともに、県民の皆様の理解と協力をお願いしているところでございます。
また、対応状況の下から3つ目のところにございますが、昨年の12月に、市川市の盲導犬ユーザーと市川市の医師会との間で、盲導犬の受け入れについての意見交換を行ったところでございます。それぞれのお考えについて、意見交換をしたということで、お互いの理解が深まったと聞いております。
最後のところにありますが、今年の7月に、これは障害者スポーツ大会の選手の受け入れの準備と聞いておりますが、「千葉県菜の花女将会」というところが、盲導犬の理解のための研修も行ったと聞いております。
今後の取組方針の案でございますが、この課題につきましては、周知が重要であることから、県内の医療機関、飲食店などに対しまして、補助犬の周知を図り理解を広げていくということ。また、補助犬のユーザーや育成団体等の協力を得まして、補助犬についての研修会を開催するなど、理解を広げる取組を、引き続き実施いたしたいと考えております。

課題4でございます。「預金の引き出し等を行う際の金融機関の配慮」でございます。この課題につきましては、金融機関が預金者保護のために、職員による書面の代筆や、ATMの介助を認めていないということが多い、という状況にあるということでございます。
視覚障害のある方などにとりましては、障害があるために、書面の自書ができない、ATMの操作が独力ではできない、という方もいらっしゃるということで、障害特性に応じた配慮がないと、自由に金融機関を利用できないという状況がございます。
また、視覚障害者対応のATMにつきましては、金融機関の御努力によりまして、かなり整備が進んできておりますが、振込みに対応していないということから、窓口での手続となるために、ATMを利用する場合よりも、高い手数料を支払う必要があるという課題がございます。
この課題につきましては、前回の推進会議におきまして、検討会議を設置するということが決まっておりましたが、この推進会議の早川委員、高梨委員の御協力をいただきまして、平成22年1月から3月にかけまして、視覚障害者団体の代表と、県内に本店があります3銀行、千葉銀行・京葉銀行・千葉興業銀行の間で、視覚障害のある人が銀行サービスを利用しやすくするためには、どのような配慮が必要かについて話し合い、実地確認も行いまして、検討を行ったところでございます。
その結果、ここにあります3点の成果を得たところでございます。1点目といたしまして、行員が代筆できる書類の範囲や、代筆を行う際の手続を整理いたしまして、視覚障害のある人の利便性の向上を図ったということで、これまで各行の対応が異なるところがありましたが、概ね統一が図られたというところでございます。
2つ目といたしまして、視覚障害のある人が窓口を利用して、振込みをする際の手数料を、ATM利用の場合と同額に引き下げたところでございます。3つ目といたしまして、ATMの操作方法を、行員が丁寧に教えてくれることを確認したということでございます。
今回のこの取組につきましては、これまで例がなかったということで、マスコミにも多く取り上げられたというところでございます。これにつきましては、後程その一つのニュースを御覧いただきたいと思います。資料の方にも新聞記事を用意させていただいておりますので、御覧いただければと思います。
こうした県内3行の取組でございますが、これにつきましては、他の金融機関に対しても、検討をお願いしたところでございます。その結果、県内に本店のあります信用金庫、信用組合、千葉信漁連におきまして、この3行と同様の取扱いとする金融機関が出てきております。また、県内に限らず、JAバンク、ろうきん、ゆうちょ銀行についても、取扱いを検討しているところでございます。
ここに書いてはおりませんが、金融庁の方からも、こうした取組について照会がありまして、この県の取組に対しまして、回答をお伝えしたところでございます。この取組が、全国の金融機関に広がっていけばと考えております。
今後の取組方針でございますが、既に県内のほとんどすべての金融機関に対して、この検討依頼を行っておりますので、今後はこの各金融機関の取組の推移を見守りながら、こうした取組につきまして、県といたしましても、周知を図っていきたいと考えております。

課題5でございます。「障害の状況に応じた職場での配慮」でございますが、障害のある人が能力を十分に発揮して、働き続けることができるためには、一人ひとりの障害の状況に応じた職場環境の整備や、配慮が必要となってくるわけでございます。こうした配慮につきましては、まだ使用者の側でも、十分に対応できていない場合もございますし、誤解や偏見などがあるという場合もございます。
こうした配慮につきましては、現行制度上においても、法律上明記されていないという状況がありまして、国においても、どういった配慮をする必要があるかということを、検討しているというところでございます。
この課題につきましては、引き続き国が検討を行っておりますので、その検討状況を見守っているという状況でございますが、先ほど副知事の挨拶にありました、本年6月の閣議決定におきまして、そうした配慮などにつきましても触れられているというところでございます。
今後の取組方針といたしましては、こうした国の検討状況を見守るとともに、当面は各企業におきまして、障害のある人に対する職場における配慮の実施に努めていただく。これは条例の解釈指針に記載されている事例など、周知してまいりたいと考えております。

課題6、「障害のある人が使えるトイレの設置の推進」でございます。トイレにつきましては、誰もが使うということでございますので、障害者にとっても、使いやすいトイレがないと、自由な外出や移動に制限がかかってしまいます。またオストメイト(人工肛門・人工膀胱の造設者)に対応したトイレも、少ないといった課題もございます。
こうした課題への対応状況でございますが、引き続き県の事業を活用しまして、オストメイトの対応トイレの整備をするということとしております。また、前回の会議で、障害のある人が使いやすいトイレについて、意見募集をするということとされましたが、これに対応しまして、県では、今年の6月から7月にかけまして、障害のある人が使いやすい公共トイレについての、意見募集を行ったところでございます。
障害のある人が使いやすいトイレとするために、どのような配慮が必要なのか、障害の当事者や家族、支援者などの声を集めたところでございます。156名の方から応募がありまして、現在その寄せられた意見を整理しているところでございます。意見が多かったものとしては、ここにあげられているとおりでございます。十分な広さが必要であるとか、大人がオムツ替えできる、使用できるベッドがあればいいとか、オストメイト用のトイレが必要であるといったような、意見が出てきております。
この課題についての今後の取組方針でございますが、障害のある人が使いやすい公共トイレについての、意見募集結果を公表するとともに、トイレメーカーや設置管理者など、関係機関へ送付することによって、障害のある人が使いやすいトイレの設置を、推進していくこととしたいと考えております。

続きまして課題7、「障害のある人への不動産の賃貸」でございます。この課題につきましては、障害のある人が地域で暮らすためには、障害のない人と同様に、自由に家を借りられるということが必要であるわけでございますが、現実には、障害のある人が家を借りることを拒否される事例が多いというところでございます。近隣住民とトラブルになるのではないのかとか、火の始末が十分できないのではないか、こういったことを拒否の理由として、あげられるということでございます。
これにつきましては、前回の会議におきまして、宅建業協会の専務理事さんの方から、オーナーの意向で、問題や事故が起こったら困るといったことも一つのネックになっているといった意見が提出されたところでございます。
前回の会議におきまして、検討会を設置して検討を行うこととされたところでございますが、平成22年5月に、障害当事者、不動産事業者、県関係課職員で構成する、「障害のある人の不動産取引に係る問題の検討会」を設置いたしまして、障害のある人の不動産取引の現状、問題点、障害に対する誤解や偏見を解消するための方策、障害のある人が安心して住めるための支援等について、意見交換・検討を進めているところでございます。
この検討会につきましては、これまで3回実施してきたところでございます。これまでの検討におきましては、そもそも障害のある人に対する居住を支援するような、「居住サポート事業」や「あんしん賃貸支援事業」の実施状況について、周知が十分されていないですとか、障害に対する理解の問題もあるものの、やはり何かあった場合の具体的なサポート体制が重要であるといったこと、また現在は、不動産の業界自体が借り手の市場になっているので、工夫次第では、障害のある方が家を借りることができる状況になるのではないかといった意見が出てきております。
こうした検討会議での結果を踏まえまして、今後の取組方針でございますが、居住サポート事業や、あんしん賃貸支援事業を活用してもらえるよう、市町村や不動産事業者に対して積極的に働きかけをしていく。これは県の方でも、この働きかけに対する工夫をしていく必要があると考えております。また、不動産事業者や賃貸住宅の家主に対する、障害特性についての理解を広げる取組、こうしたものも併せて行っていくということを考えているところでございます。

課題8でございます。「店舗での買い物と移動の介助」でございますが、この課題につきましては、障害のある人がお店で買い物をする際に、移動などの介助について、どのような工夫ができるかということが、問題になるところでございます。県においても、こういった条例の相談があった場合には、ガイドヘルパーの派遣事業があるということで、この事業案内をしているところでございます。
今後の取組方針でございますが、引き続きガイドヘルパーの派遣事業の周知に努めるということ、また、各店舗で障害を理解するための研修を実施して、可能な限りの対応を検討していただくように、事業者の皆様へのお願いをしていくこととしたいと考えております。

課題9、「音響式信号機の音声誘導ルール」でございます。音響式の信号機、千葉県におきましては、主道路を横切る時は「カッコー」、従道路を横切る時には「ピヨピヨ」ということが基本とされていますが、千葉県におきましても、新設道路の供用や、道路の拡幅整備によりまして、このルールが徹底されていないというところもありますし、全国的に見ても、音声誘導ルールが統一されていないという状況がございます。
この課題への対応状況でございますが、視覚障害のある人は、音声誘導と周辺環境を関連記憶しているということ、また、音声誘導の基準の変更は、利用者の一時的な混乱を招くことや、新たな環境に適応する負担が大きく、事故につながることが懸念されるために、全国統一の動向を見ながら、慎重に検討しているというところでございます。
また、音響式信号機が利用しづらい場所につきましては、利用者の意見を聞きながら、改善をしているというところでございます。
今後の取組方針でございますが、これにつきましては、今のところ、音声誘導ルールの全国統一の動きがないということで、当面は、現行の取扱いを継続することとしたいと考えております。将来的に、統一に向けた動きが出るという場合には、関係団体や関係機関等と協議しながら、統一に向けた必要となる予算を、警察本部の方で確保していくということとしたいと考えております。

続きまして、課題10でございます。「保育所等における障害児への配慮」でございます。この課題につきましては、保育所に障害のあるお子さんが入られた場合の配慮をどうするかということでございますが、保育に欠けるということは、障害の有無にかかわらず、保育所において保育を受けることができる、ということとなっているわけでございますが、施設整備や人員配置ができないということで、希望の保育所に入所できない場合もあるといった課題もございます。
この課題につきましては、保育の実施責任は、市町村にあるということもあります。県におきましては、県単独の「すこやか保育支援事業」という事業を実施しておりまして、保育士定数を超えて、保育所を配置することにより、入所児童の処遇化向上を図る保育所に対しましては、補助を行っているところでございます。
また、第4次千葉県障害者計画の推進のために、設置をいたしました「療育支援専門部会」におきましても、保育所・幼稚園関係者の方にも、委員として入っていただきまして、検討を行っているところでございます。
今後の取組方針につきましては、引き続き、保育所における障害児の受入体制の整備に努めることを市町村に促していくということと、この県の事業を実施していくということ。また、「療育支援専門部会」の議論も踏まえまして、保育所職員に対する技術的な支援、こういったものを実施していくといたしたいと考えております。

課題11でございます。「学校における発達障害、知的障害のある子に対する教育上の配慮」というところでございますが、これにつきましては、国の財政措置が十分ではない中で、障害のある児童・生徒に、常時学習支援をする教員を配置することは難しいといったことや、発達障害などの特性が十分に理解をされていないということで、教育上の配慮が十分に行われていないといった現状がございます。
この課題につきましては、市町村の教育委員会、また県の教育委員会におきまして、障害のある児童・生徒への条件整備を進めるとともに、教職員の専門性の向上ということで、県におきましては、特別支援アドバイザー事業の展開ですとか、様々な研修会の実施といったことを行っているところでございます。
今後の取組方針でございますが、県では障害のある子供に対しまして、適切な教育上の配慮が行われるよう、これらの取組の継続・充実に努めるということ。また、市町村に対しまして、障害のある子供への条件整備を促すとともに、特別支援教育支援員の配置・拡充の配慮を、お願いしていくことといたしたいと考えております。

課題12、「サービス提供に当たっての安全の確保」でございます。この課題につきましては、旅行の申し込みですとか、バスの乗車の際に、安全確保ができないということを理由に、断られるという事例があるということでございます。
安全確保につきましては、障害のある人や、その家族が「これくらいは大丈夫」と思うのと、サービスの提供者が「事故が起きたら大変だ」と考えることに、大きな格差があるところでございます。
安全の確保につきましては、合理的な根拠に基づいた、個々のルールづくりが必要になってくるというところでございます。この課題についての対応状況でございますが、県では条例の個別の相談の際に、サービス提供事業者に、可能な範囲での対応を求めているところでございます。
今後の取組方針でございますが、提供するサービスについて様々であること、また、障害のある人の障害種別や程度についても、個人差があるということから、個々のサービス提供事業者において、サービスを受ける人の安全を確保するという観点に立って、合理的な根拠に基づいたルールづくりを推進していただくよう、お願いしていくこととしたいと思います。
また、サービスを提供することにより、危険が伴うと考えられる利用者には、どのような危険があるのか、分かりやすく伝えるように、お願いしていくこととしたいと思います。
こうした課題につきまして、様々なサービスがあるわけですが、その中で統一的なものができるものがあるか、今後県の方でも研究していきたいと考えております。

課題13、「建物等のバリアフリー化の推進」でございます。この課題につきましては、徐々に建物整備のバリアフリー化ということは、進んでいるわけでございますが、建物の施設、設備をバリアフリー化するためには、事業者の経済的負担を伴うものでございます。
こうした課題につきまして、対応状況でございますが、病院、公共施設等の建築物のバリアフリー化の一層の推進に向けまして、バリアフリー新法に基づく適合審査及び認定を行うなど、建築物のバリアフリー化の普及・啓発を図っているところでございます。
県では、千葉県福祉のまちづくり条例の見直しを検討しているところでございます。また、ちばバリアフリーマップにおいて、バリアフリー設備のある建築物等を紹介しているところでございます。
今後の取組方針でございますが、県有施設の整備に当たりましては、今後もバリアフリー化を推進すること。また、障害のある人、高齢者、妊婦等すべての県民にやさしく、安全で安心に暮らせるまちづくりを進めるために、福祉のまちづくり条例の見直しを進めるとともに、引き続き建築物のバリアフリー化の普及・啓発に努めることとしたいと考えております。
取組課題につきましての現状と、取組方針の案につきまして、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

(坂巻座長)
ありがとうございました。大変難しいテーマ、13の課題に、真剣に取り組んでおられる発表を伺いました。なかなか解決にまでいかない、難しい問題があろうかと思いますが、着実に検討されていることを、うれしく思います。この後、取組につきまして、ビデオがあるそうでございますので、それを見せていただきたいなと思います。
特に説明にありました銀行の取組、これは千葉県が最初のようでございまして、NHKのニュースでも報道されたということで、千葉県内だけではなく、全国の障害者にとっての大きなテーマでございます。是非これを全国に広げるようなことを、していければいいなと思いますので、それを見ていただきたいと思います。

《ビデオ上映》

(坂巻座長)
ありがとうございました。千葉県だけでなく、これがきっかけで全国大手の銀行が、全部こういう形になってくださればいいと思いますが、これに関しては高梨さん、何か動かれたことがございませんでしょうか。

(高梨委員)
この件につきましては、長年視覚障害者の全国団体であります日本盲人会連合が、関係機関にお願いしてきたことで、視覚障害の方達にとっては、悲願のことだったと思います。千葉県では、今、千葉県社会福祉協議会の会長さんでもあり、当会議の委員でもあります早川先生に、一緒に加わっていただきまして、障害者の側と銀行の側との話し合いがもたれたというのが、大変意味があったと思うのですね。
その話し合いも、一方的にそれぞれの立場を主張するのではなくて、お互いの立場を理解し合った上で、だとしたら、どういう方法が考えられるのだろうかということでの知恵を出し合ったというところが、正にこの条例の精神に適ったところではないかと思います。
視覚障害のある方達にとってみますと、銀行の方の都合で、代筆を断っていたのではないか、という理解を持っていたわけですが、必ずしもそうではない。行員などの不祥事も含めて、銀行側の管理上の問題もあるということを知りまして、かなり一方的に考えていたことが、改善されたという点も、よかったのではないかと考えております。

(坂巻座長)
ありがとうございました。社協がこういう問題に、積極的に取り組むというのは、あまり例がないと思うのですが、早川さん、何かございましたら一言。

(早川委員)
全国で一番支店の多いゆうちょ銀行に、入ってもらうということで進んだのですが、ゆうちょ銀行は、どうもどこに話したらいいか分からないのですね。千葉の一番大きなところへやらせても、本部は埼玉です、埼玉に行くと東京ですというので、非常に困りました。
本当はゆうちょ銀行が入るのが一番いいのですが。
でもだんだんこういう検討に、ゆうちょ銀行も入ってきてくれるようですから、高梨さんの努力は実って、非常に広い範囲に、こういうサービスが行き届くことができるのじゃないかと思っております。高梨さんの御努力というのは、大変なものでございましたから、皆さん方に御報告をしておきたいと思います。

(坂巻座長)
ありがとうございます。これをきっかけに、ゆうちょ銀行などが、郵政民営化の法案も見直しがあるのだし、積極的に取り組んでいただければ、随分違うと思います。千葉県の動きがきっかけで、多分全国に広がるのではないかと思っております。
それでは項目別に、皆さん方の御意見・御感想を伺いたいと思います。ちょっと項目が多いので、まず最初に、いくつの課題についてということをおっしゃっていただいて、その後お名前をおっしゃっていただいて、お話を伺えればと思います。どうぞ御遠慮なく、御意見ございましたらよろしくお願いいたします。
どなたかこの13の課題についての、今の県の取組について、結構、結構というだけではなく、この辺があるのじゃないかとか、何かあればどうぞこの機会に、おっしゃっていただければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

(神林委員)
千葉県身体障害者福祉協会の神林と申します。私達の団体では、毎年指導者研修というものを、県下6ヶ所で行っております。今年もその6ヶ所で、371名の障害を持った方々から、いろいろと意見なり報告なりを受けております。そういった中で、最近ちょっと変化があるのではないかということを、御報告させていただきたいと思います。
障害者用の駐車スペースの適正な利用という課題2でございます。この中で例年出てくる問題、利用者のいわゆる利用マナーの問題、障害を持った人でも、障害者手帳を持っても、車いすの利用をしていない人達が、駐車スペースに止めるという問題もありますし、もっときちんと係員の人達が、交通整理をしてくれればいいということもあります。
そういった中で、今年ちょっと変わった意見が出たのですね。それは何かといいますと、スーパーの駐車場の整理係が、とても親切だったと、買い物が楽しかったという意見が出ました。駐車係の対応が、非常に私達車いすの障害を持った人達にとって、重要なのかなと思いました。それがこれからの買い物などの楽しさにつながるということです。
この係員の方は、いわゆる車いすマークがあった方を、車いすの駐車場へ案内し、入り口に行って、中へは行かなかったのですが、出てきたら買い物袋をきちんと車の中に入れて、車いすを車の中に入れてもらったと。本当にありがたかったと。これを車いすの人達に、みんなに私は宣伝をしているのですよというお話がございました。

もう一つ変わった意見ですが、児童の問題で登下校の時に、交差点の横断歩道があるのですが、そこで学校の先生が、交通整理をいつもしているのですね。そのときに、車いすの障害者ですが、とても優しく誘導してもらったと。生徒がそれを見ていて、私達が押すから、先生は交通整理をやってくださいということで、やってもらったと。これは交通整理をする先生も含めて、その児童も含めて、障害者に対する理解というものが、どんどん深まっていったのではないかなと。そういう前向きな話がありました。
これは障害者対応という形で、私達障害者にも勉強になるのではないかと。これからも教員の方々の、障害者に対する理解というものを期待しながら、いろいろな交通マナーというものも、しっかりと我々自身も勉強をしながら、高齢者・障害者がきちんとやっていく必要があるのではないかという、前向きな意見が出されたのです。
これはどこから出たかというと、今の障害のある人もない人も、こういった一つの県の方で一生懸命対応している、取組というものが根底にあって、少しずつそれが我々障害者、そして県民の皆様に浸透してきたのかなと思っております。ですから、我々も県民の皆様も努力することで、今後きちんとしたものに持っていくという方法が、一つ示されたのかなと思っております。

もう一つ、トイレの問題があります。13ページですかね。このトイレもいつも問題になってくる。同じ障害者同士で、車いすのトイレの問題で対立しちゃうのです。そういうことを今までは、私も経験していたのですが、トイレの多様化といいますか、オストメイトも含めて、いろいろなトイレの使い方というのがあるのですね。
これは県の方にお願いですが、トイレというものが我々にとって、文化生活の中で、一番必要なものだと思っております。障害者トイレに、文化賞的なものをもらえるとありがたいなと。それが浸透して、各行政とかスーパーとか、病院とか公園とかいろいろあります。そういった中で、これが文化賞という形の中で、トイレをもっときちんとしたものに、みんなの工夫でやっていくということも必要ではないかと思っております。
この3点について、私の方から、今回の指導者研修で皆様からあがった考え方というものを中心に、述べさせていただきました。以上でございます。

(坂巻座長)
ありがとうございました。課題の2の話でございます。大変いいお話で、いくら制度ができたり、法律や条例で決めても、やはり市民一人ひとりの気持ちがそこについていかなければ、全くの机上の空論になってしまうということです。企業がいいサービスをすれば、そこに障害者が集まってくれば、商売の上でもプラスになるという時代になればいいなと思います。
トイレにつきましても、かなり改善されてきていて、東京都の福祉のまちづくりでも、誰でもトイレという名前で誰もが使えるようになっていると思いますが、今神林さんからありましたトイレについて、県の方から御意見というか、今どうなっているのかということで、伺いたいと思います。

(乗越課長)
事務局の乗越でございます。先程神林委員の方から、御意見をいただきましたトイレについてでございます。賞のようなものということでございます。今回トイレについていただいた意見をまとめまして、意見を拡大していくためにどういった取組が必要かということについて、今いただいた御意見も踏まえまして、更に検討をさせていただきたいと考えております。

(坂巻座長)
ありがとうございました。特に地方に行きますと、公衆トイレが観光の拠点になっているような、立派な素晴らしい公衆トイレを、町の中にいっぱいつくっている自治体もございます。私が行った倉吉市などは、町の中に十数ヶ所のすごく立派な、誰もが使えるようなトイレになっておりまして、観光案内にそれが大きく載っている、そういう形で千葉県も、取り組んでいただければと思います。他に何か御意見ございますでしょうか。どうぞ。

(植野委員)
千葉県聴覚障害者協会の植野と申します。課題1、課題13に関して、私なりに感じたことを、少し申し述べさせていただきたいと思います。まず課題1に関してですが、千葉県の方で、障害のある人の情報保障のためのガイドライン、これをいくつかの障害の代表者の方が集まって、また、行政の方も含めて話し合いをした結果、千葉県の行政の立場からこのような配慮、努力をしていくということで、ガイドラインが示されたということになります。この内容については、民間辺りでももし参考になれば、活用していただければありがたいと思っています。よろしくお願いします。
話は飛びますが、ヨーロッパ等諸外国におきましても、障害者がヨーロッパに行って楽しかったという、ユニバーサルデザインの中での話がよく出てくるのですが、実際に点字ブロック等とか、あるいは設備に関しましては、日本よりも少し足りない部分が、欧米にはあると思います。
しかし、満足度からいいますと、人間一人ひとりの配慮、心のメンタルの部分が、だいぶ進んでいるという面があるとよく聞きます。お金のかからない部分ではありますが、参考にしていただければ、ありがたいと思います。ガイドラインについて、どうかその辺はよろしくお願いいたします。

課題13に関してですが、今バリアフリー新法という、法律に関わる部分があると思います。しかし、その他にいくつかの新しくつくられた法律の中で、自覚されない部分という課題になる部分は、いくつか出てきております。
例えば消防法の中で、住宅の中の火災警報器が、義務化されていると思います。ところが、公営住宅等におきましてはどうかといいますと、検討課題として残されております。同じように、普通の民間の建物におきましても、個々の家で取り付ける場合にどうなるか、基準がまだ明確になっていない部分も、申し上げなければならないと思います。
したがいまして、バリアフリー新法以外の法律、関係諸法におきまして、解決されなければならない問題が、いくつかあるということも、お含みいただければ幸いだと思います。よろしくお願いいたします。

(坂巻座長)
ありがとうございました。今おっしゃった後の方のバリアフリーの関係で、ただ建物だけの問題じゃないですね。災害の時の絡みとか、いろいろな問題が絡んでまいります。そういう意味では縦割りではなく、関連付けての対策というものも必要ではないかと、今御意見を伺いながら、感じておりました。
最初の情報提供の配慮、その他いろいろ御意見を伺いましたが、県の方で留意していただければと思います。他に何か御意見はございますでしょうか。

(寺尾委員)
精神障害者家族会の連合会の寺尾と申します。先程課題4で、預金の引き出しを行う際の金融機関の配慮ということで、対応が進んでいるという結構な話がありました。金融機関の配慮につきましては、もう一つこういう側面があって、それはまた別に進んでおりますのでいいのですが、関連があるので、一応御連絡してみたいと思うのです。
実は精神障害者だけではなくて、いろいろな障害者の日常生活を支援するという制度が、全国レベルでありまして、千葉県でもしております。障害者の日常生活支援事業といいます。千葉県の場合には、『すまいる』という名前で行っております。各地の社会福祉協議会が担当していまして、そのもとに生活の支援員という、地域で信頼をおける人に対して、障害者が日常の預金を引き出すというこを含めて委託する制度であります。
社会福祉協議会が、間違いが出ないように、預金通帳の管理から出し入れ、全部きちんと記録にも残して、手続をして、それを県としては、運営適正化委員会というところで、なおかつ監視すると。こういう二重三重の制度でもって、立派に運営されているわけです。
例えば精神障害者の場合に、障害年金が銀行に振り込まれると。ところが、非常に判断が危ないものですから、本人に任せると、あっという間に使ってしまうと。それで契約して、日常生活支援員が、週に2,000円ずつ下ろそうとかそういうことで、きちんとそれを運営するわけですね。そういうことで銀行側は、それを大体は承知しているのですが、あるとき緊急にお金を下ろす必要があって行くと、本人の確認ができないと下ろせないと。その案件は支店に持ち帰って、検討するからといって、緊急に間に合わないというような事例もありました。これは運営委員会の方でも検討して、別途金融機関の中に申し入れようということで、それなりの連絡はしているところではあるはずです。
ただそういうことが、精神障害者の人だけの問題ではなくて、他の障害者について、世の中が金融機関で下ろす時に代理人、一番いいのは成年後見制度の保佐人などは、立派にする人がいるのです。日常生活の細々としたところを、日常生活支援事業というところで、社協さんのもとでそれをしているということを、皆さんに御承知いただきたいということです。
そういうことが、金融機関が全部よく分かっていないために、時々トラブルが起こることがあるということで、金融機関の方も、社会の障害者に対するいろいろな支援の制度がちゃんと運営されていて、そういうことについては、適切に対処するという姿勢を持っていただきたいということで、長々と説明をさせていただきました。

(坂巻座長)
ありがとうございました。銀行の窓口は、何も視覚障害者だけではございませんね。私などが自動振込みの前で、うろうろしていますと、行員が寄ってまいりまして、振込み詐欺じゃありませんか、なんて注意をされたりして、ぎょっとすることがあります。特に障害を持っている方、成年後見とか権利擁護とか、いろいろな制度がございますが、そういうものとの関連で、誰もが生活をきちんとできるような仕組みを、考えていくことが大事だろうと思っております。はい、早川さん。

(早川委員)
こういう場でこういう発言をすると、大変厳しい御批判をいただくことは、分かっているわけでございますが、先程銀行のATM、その他窓口利用で高梨委員がおっしゃったように、お互いにそれぞれの立場を理解し合うということですね。先程の高梨さんの御発言は、眼が不自由というだけであって、判断能力とかその他は、何の問題もないわけですから、100万円下ろしてくれとか、これはいくらでも言えるわけです。それでかまわないわけです。
ところが、ただいまの発言は、100万円下ろすか50万下ろすか、そういう意思が果たして正確に、判断できるかどうかという人の場合ですから、全く条件が違うのですね。そういうものを全部分かりましたとやったら、今度誰かがごまかして、あいつにいえばお金がどんどん出てくるぞといって、騙して盗っていっちゃうというリスクがあるのですね。
だから金融機関は、そうですかと対応できませんよと。それは成年後見制度とか、しかるべき手続をとってくださいと言っているのです。お互いの立場をそれぞれ認めないと、うまくいっている時は何でもいいのだが、もしそういう方々がお金をだまして盗られたら、銀行の責任だって必ず言うに決まっているのですから。
そういうのでは、この制度はうまくいきませんよと。そういう事情をお互いがわきまえて、じゃ新しい制度はこうしましょうとならないと、このことは解決しない。これは1から13出てくる全部そうですね。
一方的に身体障害者とか、そういう人の言い分を聞けば、さっきバスの話が出て、電動車いすで行って乗せてくれないと。運転手が大型バスを止めて、電動車いすを上に上げるなんてことはできないわけですから、自然に乗り入れられるバスの開発とか、そういうものが伴ってこないとできない話ですよね。
あまりこういうことを言うと、お前はどういう立場でという批判は分かりますが、お互いの立場、お互いの事情をちゃんとわきまえてやらないと、スムーズに進む話も、スムーズに進まないと、こういうことを是非御理解いただきたい。

(坂巻座長)
おっしゃるとおりだと思います。やはりお互いに折り合いをつけることを議論していきませんと、一方的に権利だけを主張しても、通じない場合があろうかと思います。その辺り議論を深めていければと思います。
例えば私から、課題の3の補助犬の受け入れでございます。これも法律ができていますが、非常に現場では、混乱しているように感じることがあるのですが、中台さんのお立場でどうですか、こういう身体障害者補助犬の受け入れについての御意見は。

(中台委員)
私のところの場合は、受身の立場でございまして、8ページにあります。我々は旅館・ホテル、あるいは美容・理容・飲食、そういった関係でございます。こういうところで苦情を言うのは、ちょっと失礼ですが、例えば旅館・ホテルの場合で、障害者のマークをつけたところの駐車場に、何でもない普通の健常者が止まる場合もありますので、そういうのをなるべく御注意をしていただいたらどうかなと。そういう経営者側の方の御意見もございました。これは参考ではないですが、そういった点も取り上げていただきたいと。
もう一つ、美容・理容の関係で、補助犬の施設はあるのですが、場所がどういうところへ置いたらいいのか。店内に置くというのは、非常に難しいので、その辺も今組合として、検討をしているわけです。その施設も、ある程度柵をつくった方がいいのか、そのまま放置ではないですが、店内に入れておいた方がいいのか、その辺の検討がまだ十分ではないわけです。
それが私どもも指導していくには、少し難しい点です。ただ、カゴをペットセンターで買って、ポンと置いておけばいいのかなと。といってカゴを置くと、店内が別に狭くなるとか、そういう意味ではないのですが、その辺を今研究中です。

(坂巻委員)
分かりました、よろしく。前向きに研究してください。大屋さんの御発言に気がつきませんで、失礼いたしました。

(大屋委員)
自閉症協会の大屋と申します。話が一個前にさかのぼっちゃうのですが、さっき早川会長がおっしゃったことは、誠にそういう厳しい状況があるのですよね。この会議で取り組む範囲に入るのかどうかというのが、そもそもの問題です。この13の課題という枠組みの中で、今は考えるということですが、最初に申し上げると、もう少し課題を広げていく方向を、今後持っていただければと。
例えば今の話でも、社会福祉協議会でやっている『すまいる』ですね、生活支援の事業と、後見の間がないのです。それでうまくいかなかったら、いきなり後見にするしかないという。間がないのですが、その間を何とか工夫していただけると、今いろいろおっしゃっていることも、かなり解決する部分があります。
すまいるがいかに困っているかは、私も実は法人後見の理事長をやっているものですから、間がないのがとても困る。特にお金の出し入れは、本当に困るのですね。その辺を考えていくということも、今後必要ではないかと思います。
この取組課題の中で考えると、やはり、できるところからやっていくというのは、とても大切なことだと思うのですが、どうしても知的、発達障害、精神障害というのは、何をやったらいいか、少しずつ進んでいくことも難しいような。テーマがそもそも難しいということですが、強いていくと、7番目の障害のある人に対する不動産の賃貸とか、12番のサービス提供に当たっての安全確保というところに関して、先程早川会長がおっしゃったように、発達障害、自閉症、知的障害、精神障害では、情報を支援するだけじゃなくて、判断も支援しなきゃいけないところがあるわけですよね。
そういうときに、安全性との兼ね合いで、どこまでやったらいいのかということになってくるのですが、後見人だとか、生活支援の事業をしている人も、更に不動産を貸してくれる人、いろいろなサービスを提供してくれる人、店に入れてくれる人、すべての人がある意味リスクを負わなきゃいけないところが、どうしてもあるのですよね。
良かれと思ってやっているのだが、なかなかうまくいかない。バスに乗ったがこけちゃったとか、そういうリスクを負ってでも、支援をしてあげようという人達に、より少なくとも冷たい視線を浴びないような方策、褒めてあげればもっといいと思うのですが、そういうものを皆さんで考えていただければ、ありがたいなと思っております。まとまりませんが。

(坂巻座長)
ありがとうございました。やっぱり市民の目というものが、必要だと思います。時間も迫ってまいりましたので、課題の7の今もお話が出ましたが、不動産の賃貸について、いろいろなトラブルが生じている実例が出てきております。検討会を設置しているようでございますが、薬袋さんのお立場から、この問題について、現状をお話しいただければ。

(薬袋委員)
座って答えさせていただきます。ここに書いてある1番から4番までの、これはみんな本当のことです。ただ、障害者が自分の立場を、我々業者、あるいはアパートの大家さんに、理解される努力が必要じゃないかと思います。それと障害者だからそれを拒否されたと、そういう主張だけがされているというのが、比較的目につくのですよね。できれば公的機関との間で、あるいは障害者の団体と、協議していかなければいけないでしょう。
我々は、最近の大きな災害とか、そういうものについては、千葉県との間で、災害時の不動産業者との協定は結んであります。その中には、障害者の問題までは組み込んでございませんが、今話を聞いていますと、緊急時の障害者の問題も、当然大規模な災害が起きた時どうするのか、これも必ず検討していかなきゃならない問題だと思います。
例えば仮設住宅をつくるにしても、障害者の仮設住宅は、どういうものをつくればいいのか、これも検討していかなきゃならない。ですから、不動産の場合は、一つひとつの大家さん、あるいはその課題について、障害者の方も理解をしてもらえるように、努力をしてもらいたい。一方的に障害者といっても、先程大屋さんが言われましたが、程度もあるでしょうし、いろいろな方がいらっしゃると思うのですよね。
今言ったように眼の見えない人、ここにも書いてあるのですが、火の始末はどうするか、火災が起きたら誰が責任とるのだとか、そういう大家さんは、私どもが直接お客さんを紹介した時に、そういう問題になってきますよね。じゃ不動産屋が責任をとってくれるのか、こういうふうに直接問われます。
ですから、そういう問題も含めて、みんなで協議していただきたいと思っております。

(坂巻座長)
大変難しい問題で、何から何まで、障害者のいうとおりにしろということではないわけですね。そこに合理的な理由があるというか、そういう条件が当然つくわけで、その場合に一対一で話し合うのではなく、その障害者の団体、あるいは県・市町村が間に入って、十分に話し合いをした上での取扱いをしていただきたいと思うのです。
現実にこういう1から4までの反対があって、入れないという状況がございます。だからだめだというのではなく、前向きに考えていただければと、期待をしたいと思います。他に何か御意見ございますでしょうか。どうぞ、林さん。

(林委員)
千葉県中小企業家同友会の林でございます。私ども同友会は、雇用する立場での取組をしているわけでございます。課題5というところに当たるかも分かりませんが、ここに書いてあることにつきましては、職場に入ったが、障害者がどうも不当な労働といいますか、体力的な問題だとか、いろいろな問題の配慮が少しなくて、会社を辞めたとか配置換えをしたとか、そういうことを課題5に取り上げていただいているわけでございます。
そういう中で私どもは、障害者問題委員会という委員会がございまして、そうならないように、ならないとはおかしいのですが、職場の理解をきちんと得てから、職場に配置をする、また、雇用するという方向をとったらどうかなということです。
実は企業の実習の受け入れという形で、今年でもう3年目になるのですが、特別支援学校の先生、障害者の就労支援の担当員、そして障害者の雇用のために、企業で実際の業務の内容を実習するということで、県のこういう一つの施策の中で、取り入れているわけでございます。
要は入ってくる前に、特別支援の学校の先生方に対しての、どういう形で就労しているか、どういう形で仕事をさせていただくかということを、勉強会を開催しているところでございます。
また、我孫子市の特別支援学校で、いわゆる企業、保護者、学校の先生による三者懇談会を開いておりまして、障害者のいろいろな諸問題を、三者で話し合う機会を設けております。これについても、非常に友好的に各団体から報告を受け、最後に障害者問題という形で、取りまとめをしているところでございます。今年度は来年2月に、我孫子に続いて千葉市において、三者の懇談会を行う予定でございます。
その他映画の上映とか、いろいろと取り組んでおりまして、雇用する立場の中で、障害者が働きやすい状況をよく理解した上で、我々は雇用していこうという取組をしているところでございます。これは全国大会等もございまして、障害者問題で共に働き、共に育つ企業づくりということで、実際障害者を雇用している会社の社長さんのお話を聞いたりします。
そういう形で同友会としては、この障害者問題に取り組んでいるところでございます。よろしくお願いします。

(坂巻座長)
ありがとうございます。早川さん、どうぞ。

(早川委員)
さっきちょっと中途で終わったのですが、先程御発言があったように、後見制度というのは非常に使いにくいのですよね。コストも掛かるのです。ですから、簡易なもうちょっと簡便な、いわゆるNPO法人が認められるような仕組みを、精神障害者とか痴呆とか、そういう方々を支援する仕組みにしても、そういう法律をつくるべきだというものを、是非この会とかでプロジェクトをつくって、県が中心になって、中央というか国に申し入れるということをやっていかないと、この問題は解決しない。
全国みんな同じ悩みを持っていると思うのですね。先程お互いの立場を分からなきゃだめですよといっても、お互いの立場が分かっても、事柄は前に進まないわけです。言葉足らずだったのですが、そういう仕組みを是非つくるように、国に働きかけるべきだと考えます。何かいい方法があるはずだと思います。

(坂巻座長)
成年後見という制度ができても、実際に使い勝手が悪い、お金も掛かるということで、使っている方が少ないので、それに代わるような、今おっしゃった簡単なというか、安全な仕組みを千葉県で考えられないのか、これは行政への一つの課題であろうと思いますので、行政の方で、頭に入れておいていただきたいと思います。
今企業の側から、雇用の問題もいろいろ出ました。雇用促進協会というのがあり、雇用については菅さんも、1に雇用、2に雇用、3に雇用と言っているわけで、不況になりますと真っ先に、障害者が首を切られている状況もございます。そういう意味では、やはり企業の社会的な責任ということも含めて、積極的に取り組んでいただければと思います。
他に何かここで、また後程御意見を伺いますが、とりあえず課題について是非これは言いたいと。小田さん、よろしく。

(小田委員)
バス協会の小田と申します。課題の12番関係で、先程車いす対応などの話が出ていましたので、今現在どの程度までどうなっているかということを、ちょっと触れておきたいと思います。千葉県全体としての最新のデータは、今日は持ち合わせていないのですが、市川・船橋・浦安・習志野・千葉・柏、比較的道路事情等もある程度整備されているような地区では、車いす対応ができる乗合バス・路線バスは、今95パーセントくらいまで整備は進んでいます。
以前のバスというのは、ツーステップバスといいまして、1歩・2歩・3歩目で床まで辿りつく、というバスが標準だったのですが、段差が1つのワンステップ、段差のないノンステップ、こういう車輌の導入が進んでいまして、こういった車輌では、スロープ板というのが比較的簡単に出せます。
したがって、このスロープ板を使って、車いすの方が電動であっても電動でなくても、これを利用すれば、バスに乗車できるようになっています。ただ、電動の場合は、介護人がいらっしゃる場合、いらっしゃらない場合、電動であっても電動でなくてもという言い方の方が正しいのですが、介護される方が付き添っていない場合は、バスの運転手だけではちょっと難しいケースが、結構ございます。
そういう時には、運転手の必携の手帳の何ページかに、手順が書いてありまして、これを持たせているわけですが、介護される方がいない場合はお客様に、私の他にお手伝いしていただける方はいらっしゃいませんでしょうかということを、語りかけることにしています。かなりのケースでお手伝いしていただいていまして、何とか対処できております。
スロープ板も今から5年前・10年前は非常に重くて、乗務員がぎっくり腰になったり、職業病のようなケースも実は多数出ていました。これも改良が進んで、今はかなり軽量で、素早く出し入れの簡単なスロープ板になっています。
千葉県の場合は、道路状況も悪くて、車輌の方の物理的な対応はその辺まで進んでおりますが、道路事情のいい東京都内の方は、ほぼ100パーセントそういう状態になっています。千葉県の方も郊外に行くにしたがって、その率は低くなっているとは思いますが、東葛・京葉地域では、ほぼ100パーセントに近い車輌対応になっています。
一つだけ、先程お互いの立場をというのがありますが、むしろバスなどの場合は、一緒に乗り合わせている方の理解・協力、これが結構重要でございます。本当は頼りにしないでやりたいのですが、物理的にそういうケースが多いので、堂本知事のいらっしゃる会議でも申し上げましたが、やはり県民全体がこういったものに、レベルの高い認識を、早く持つということが欠かせないなと。
当事者同士というケースも多々ございますが、県民全体がそういう時に、ちょっと手助けをしようというスタイルの認識が、もっと進むような協調月間のような、そういったものが必要でしょうという提言をしたことがございます。今でもその気持ちには変わりありません。よろしくお願いします。

(坂巻座長)
まさに今おっしゃったこと、声をかけること自体が、基盤を広げることにつながっていきます。声をかけられればやろうという方が、多分日本人ならば、多いのじゃないかと思いますので、大いに声をかけていただきたいと思います。他にこの問題で。堀内さん、何の課題でございましょうか。

(堀内委員)
行政の立場から、このようなノーマライゼーションの社会へ向けて、どういう取組をしているかということを、簡単にお話ししたいと思います。私どもは、町の町村会でございますので、都市部と比べて非常に行政そのものが小さいということ、また障害者の数も少ないということがございます。
そういう中で、どこまでやれるのか、どこまでやればいいのか、大変厳しい問題もございますが、参考までに私どもの町が、どういうように取り組んでいるかというお話をさせていただきます。大体1週間に2日、日にちを決めまして、聴覚障害の方々のための、手話のサービスをしております。また、町立病院も持っていますから、町立病院の方は手話の、これは委託でございますが、お願いして取り組んでおります。
その他にどのようなことに配慮されているかというと、財政的にそんなに豊かではございませんから、福祉の手を差し伸べる、これは私が一番気をつけていることでございます。そのような障害者がいたら、それぞれの優しい心を持って接するということが、一番お金もかからないし、障害者のためにもなるのではないかなと。これを町民の皆さんにお願いをしてございます。
そういう中で町としては、特に知的障害者のために、安心して住めるような施設を、是非誘致いたしたいということで、50名ほどの知的障害者の施設を誘致いたしました。もちろんこの施設をつくったその地区の皆さんから、大反対がございましたが、知的障害者の立場の方々というのを説明してあげて、私自ら何回か説明に行きました。
最終的には快く、施設の設置について同意をいただいたのですが、今、つくってよかったなと思うのは、子供達が明るい顔で、のびのびと生活をしていると。まさにこれが、ノーマライゼーションな社会が構築できたのではないかと思っております。
また私どもの町は、今回のゆめ半島千葉国体の、障害者聴覚のバレーボールの誘致をいたしました。今ことある毎に、こんにちは、おはよう、頑張ってとか、10項目くらいの簡単な手話を、町民みんなで覚えていただきたいということで、それを徹底しております。
このように、決して音響付きの信号機をつけたからいいじゃない、ユニバーサルデザインのトイレがあったからいいわけではない、障害を持った方々が安心して生活できるような、そういう人間的なやさしいまちづくりをということで、私どもは取り組んでおります。以上です。

(坂巻座長)
ありがとうございます。むしろ小回りの利く小さな自治体の方が、取り組みやすいと思います。是非頑張ってください。それでは時間も過ぎておりますので、次の課題に移りたいと思います。また後で発言の場もつくりますので、とりあえず議題の2番目、「障害のある人に対する理解を広げる取組について」事務局から御説明いただきたいと思います。

 

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?